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'''10フィートの棒'''(10フィートのぼう、10 -foot pole)は、[[ロールプレイングゲーム]]「[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]」各シリーズに登場する、[[プレイヤーキャラクター]]用の[[アイテム]]である。
 
==概要==
10フィートの棒はまっすぐ伸びている{{convert|10|ft|m}}の長さの木製の棒である。太さは約{{convert|2|in|cm}}で、人間が握るくらいのひょろ長い棒と描写されている<ref name="kuroda">[[黒田幸弘]]『D&Dがよくわかる本』170ページ 1987/07 [[富士見ドラゴンブック]] {{ISBN2|4-8291-4218-9}} 本書の中では「竿」として紹介されている。なお1994年7月に[[電撃ゲーム文庫]]から発売された『D&Dがよくわかる本 改訂版』 {{ISBN2|4-07-301606-7}} の165ページでは「棒」と書かれている。</ref>。[[ダンジョン]]を探索する際、[[冒険者]]がこの棒を持ってダンジョンの先をつつくことで、近隣の安全を調べることに用いる。
 
暗いダンジョンや、ブービートラップが仕掛けられている可能性のあるダンジョンのエリアを探索するためによく使用される。10フィートの棒は工夫次第で、無数の作業に使用することができる。ダンジョンズ&ドラゴンズの主要な部分は、ダンジョンでの探索である。D&Dの過去の版ではスキルチェックがなかったため、それらのシーンでは、もっともらしいイノベーションがゲームの主要な構造だった。認知的な思考と、利用できるあらゆる装備を使って、落とし穴や死の罠を回避したり、峡谷を横断したり、崖を登ったり、死体を突いたりしなければならなかった。さらに、10フィートの棒は、(鏡、杭、マレットと一緒に)D&Dのルールブックに記載されている数少ない非戦闘装備品の一つであり、OD&D Volume 1: Men & Magicにまで遡って記載されている。
 
その結果、10フィートの棒は他のどの装備品よりもプレイヤーの想像力をかきたて、探検に使う万能マルチツールとなった。この道具はすぐに他のシステムにも広まった。RPG草創期における、各ゲームシステムでのその偏在性と無限の用途は、現在のRPGにも続くトロープとなっている。
 
==使用法==
主な用途はダンジョンの[[罠]]探しで、隠されている罠や仕掛けをこの棒で注意深くつついて罠を確認することで、危険を回避することができる。また、先端に鏡を縛り付け、曲がり角の先を確認する用法もある<ref>[[田中としひさ]]「おこんないでね」39ページ 1996/03 アスキー出版局 {{ISBN2|4-7561-1211-0}}</ref>。他にも、水たまりの深さを確認したり、がらくたの山を調べるときなどに用いる。
 
ただし、意地悪な[[ゲームマスター|ダンジョンマスター]]は、冒険者が10フィートの棒を使用しているのを見越して、棒で突いた10フィート手前(つまり冒険者がいるエリア)に設置した罠を作動させる光景もよく見られた<ref>{{twitter status|3utRakuten|1261286735058571264}}</ref>。
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D&Dのダンジョン探索は、ダンジョンマスターの描写に対して、10フィートの棒でダンジョンをつつき、壁を調べ、聞き耳を立てる……といった細かい行動を宣言して、注意深く進めていくスタイルであった。そのため、10フィートの棒を持たない冒険者は、「ダンジョン探索に慣れていない未熟者」とからかわれることもあった。D&D第3版以降では、「捜索」や「感知」といった技能判定ひとつで行動を統合して、作業を簡略化してプレイスピードを速めることが行われている。
 
10フィートの棒は冒険に必ずしも必要なものではないが、ベテランの冒険者なら誰でも持っている、D&Dを代表するアイテムのひとつとして語り種にするベテランプレイヤーも多い<ref>[[朱鷺田祐介]]『RPG用誤辞典』89ページの[[金澤尚子]]のイラスト 1997/09 [[富士見ドラゴンブック]] {{ISBN2|4-8291-4341-X}}</ref>。また、[[トンネルズ&トロールズ]]、[[パスファインダーRPG]]、ゴブリンスレイヤーTRPGなどの他のRPGシステムにも掲載されている場合もある<ref>ケン・セント・アンドレ著、安田均訳『トンネルズ&トロールズ 第7版 (Role&Roll Books)』2006/12 [[新紀元社]] {{ISBN2|978-4775305188}}</ref>、[[パスファインダーRPG]]、[[ゴブリンスレイヤー]]TRPG<ref>{{Cite book|和書|editor=|author=川人忠明と[[グループSNE]]|title=ゴブリンスレイヤーTRPG|year=2019|month=5|publisher=[[SBクリエイティブ]](GA文庫)
|series= |isbn=978-4-7973-9066-7|pages=404}}</ref>などの他のRPGシステムにも掲載されている場合もある。
 
==パロディ==
;マンチキン
: [[スティーブ・ジャクソン・ゲームズ]]のカードゲーム「[[マンチキン_(カードゲーム)|マンチキン]]」の中で、「11フィート棒」(ELEVEN-FOOT POLE)というアイテムが登場する。プレイヤーに+1ボーナスを与える両手持ちの大型アイテムで、金貨200枚の価値のある宝物としても使える<ref>[[スティーブ・ジャクソン_(アメリカ合衆国のゲームデザイナー)|スティーブ・ジャクソン]] 安田均訳『マンチキン日本語版』20072006年 [[アークライト_(企業)|アークライト]]</ref>。
 
;迷宮キングダム
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;異世界マンチキン
: 漫画「[[異世界マンチキン]]」第2巻の最後で、主人公が「11フィート棒も必要」というセリフがある<ref>{{Cite book|和書|editor=|author=[[志瑞祐]]原作・[[青桐良]]漫画|title=異世界マンチキン HP1のままで最強最速ダンジョン攻略|year=2020|month=4|publisher=[[講談社]](シリウスKC)
|series=2|isbn=978-4-06-519138-5|pages=190}}</ref>。第3巻では、本の帯に大きく「11フィート棒」と明記されており、本文中でも11フィート棒の説明文や、ダンジョンで取り出す描写がある<ref>{{Cite book|和書|editor=|author=[[志瑞祐]]原作・[[青桐良]]漫画|title=異世界マンチキン HP1のままで最強最速ダンジョン攻略|year=2020|month=10|publisher=[[講談社]](シリウスKC)
|series=23|isbn=978-4-06-519138520989-59|pages=19056}}</ref>。
 
==脚注==