削除された内容 追加された内容
番台区分: 20年10月時点に更新
表記統一
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従来の国鉄や[[地下鉄]]および[[関東地方]]の[[大手私鉄]]の車両は、複数の企業が共通の図面を用いて製造し、仕様に違いが出ないように考慮されていたが、本系列では[[建築設計競技|コンペ]]により選定し、[[東急車輛製造]]と[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]の2社が製造を担当した。東急車輛製造が従来からの骨組み工法を改良<ref group="注">従来の車両構造を基本としながら、側構体・妻構体・屋根構体の接続方法を工夫するとともに、自動溶接を大幅に採用して工数低減とコストダウンを図った構造であり、側構体と屋根構体との接合を雨どい部分で、妻構体と側構体・屋根構体との接合を妻構体から側構体・屋根構体がわずかに張り出した位置でそれぞれ[[スポット溶接]]で接合を行う。また、雨どいが通常の車両よりも張り出すため、[[車両限界]]との余裕が少ない場合には、側構体を屋根に向かってわずかながら傾斜させる必要がある。</ref>して対応したのに対して、川崎重工業は新しく開発したシート貼り合わせ工法(2シート工法<ref group="注">プレス機械を有効活用する方式で、プレスした2枚のパネルで強度を確保する工法。この工法は側構体に楕円型の凹凸(穴)を設けたインターパネル(内板)に車体外板を組み合わせて強度を確保する。</ref>)を採用しており、外観(窓枠隅の丸み、妻面のビードの有無など)に明らかな相違が見られる。また、内装についても東急車輛製造が従来の化粧板を基本とした組み立てに対し、川崎重工業製の車両でFRP([[繊維強化プラスチック]])製の内装パネルを[[ビス]]により固定する方式を採用するなど、随所に仕様の違いが存在する。
 
また、JR東日本でも当初より自社での車両製造を計画し、東急車輌製造から構体ブロックを購入して<ref name="Fan2013-1">交友社『鉄道ファン』2013年1月号「東急車輌製造株式会社63年余の車輌製造史」pp.124 - 125。</ref>、自社の[[東日本旅客鉄道大船工場|大船工場]]([[鎌倉車両センター|大船電車区]]と統合されて[[鎌倉総合車両センター|鎌倉総合車両所]]となり、そのった後、[[2006年]](平成18年)に工場機能は廃止)において艤内装を行うことで<ref name="Fan2013-1"/>中間車14両(920番台の2両含む)を[[ノックダウン生産]]し、翌[[1994年]](平成6年)からは[[総合車両製作所新津事業所|新津車両製作所]]を開設して本系列の自社生産を開始した。前身の新津工場→新津車両所時代も含めて同所で車両を製造したのは、[[JR東日本107系電車|107系]]に続く2例目である。
 
=== 走行機器 ===
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File:209-91r.JPG|枕木方向に配置された蛍光灯<br />(2006年11月7日)
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==== 920番台 ====
[[File:Ura92.jpg|thumb|240px|209系920番台<br />(2007年1月11日 上野駅)]]
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京浜東北線用のE233系1000番台への置き換え前となる2007年(平成19年)10月1日時点では、浦和電車区に10両編成78本(780両)と[[中原電車区]]に6両編成2本(12両)の合計792両が配置され、京浜東北線・根岸線、[[南武線]]で運用されていた。MT比は京浜東北線・根岸線用が 4M6T 、南武線用は 4M2T であり、MT比が高い南武線の車両はVVVFインバータ装置の設定を変更しており、インバータおよびモータから発する変調音が若干異なる。
 
京浜東北線・根岸線用の車両は登場当初全車が4扉車の編成であったが、ウラ36編成(1995年度製造分で最初の新津車両製作所製車両)から6号車に6扉車を連結した編成となり、[[1996年]](平成8年)から[[1997年]](平成9年)にかけて6扉車サハ208形を多く製造して従来の編成の6号車と差し替え、全編成への6扉車連結を完了させた。なお、従来の編成の6号車(サハ209形)は廃車せずに他の編成に組み込まれていったため一部の編成では、川重製と東急・新津製の車両との混結があった。6扉車を連結した編成には先頭車の前面と6扉車の扉の上部に「6DOORS」の[[シール|ステッカー]]を貼付していた。車内の座席は折り畳み式で、[[平日]]の[[始発列車|初電]]から9時30分までは座席を使用することができなかった。
 
==== 備考 ====
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その後、2008年(平成20年)7月から12月にかけて、京浜東北線・根岸線へのE233系1000番台投入に伴い、ウラ81 - 84編成(クハ209-517,513 - 515以下4編成)は浦和電車区から京葉車両センターへ転出した。これらは[[京葉線]]用として2008年(平成20年)12月1日以降順次営業運転を開始し、同線の[[国鉄201系電車|201系]]の非分割編成を置き換えた<ref>「[http://railf.jp/news/2008/12/03/090500.html 209系500番台、京葉線で営業運転を開始]」交友社『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』railf.jp 鉄道ニュース 2008年12月3日</ref>。
 
当初の計画では京浜東北線・根岸線用の本番台は全5編成が京葉線に転属することが決まっており、そのうち4編成については予定通り京葉線用に転属した<ref name="RP2010-11">交友社「鉄道ファン」2010年11月号記事「山手線用6扉車取換え計画」記事参照。</ref> 。しかし、[[山手線]]において[[ホームドア]]を導入することが決定しており、同線のE231系500番台の6扉車(サハE230形500番台)を廃車にするために新津車両製作所において代替用4扉付随車(サハE231形600番台・4600番台)の製造を開始した。その際、三鷹車両センター所属のE231系0番台1編成(B27編成)が[[東京総合車両センター]]に転属の上、この代替用4扉付随車の配給輸送用として使用されることになった。
 
このため、将来の京葉線列車増発用として転属を予定していたウラ80編成(クハ209-516以下1編成)は変更により、前述したE231系0番台B27編成が転出した分の補填用として2009年(平成21年)12月に三鷹車両センターに転属させた<ref name="RP2010-11"/>。
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ドアエンジン方式の差異から、空気式[[ドアエンジン]]装備車(種車が0番台1・2次車)は2000番台、電気式ドアエンジン装備車(種車が0番台3次車以降)は2100番台に区分されている。
 
6両編成の車両については、元々の10両編成からサハ4両が単純に取り除かれたものであるが、4両編成については他の編成の先頭車と電動車(中間車)から再組成したものも存在する。そのため、4両編成の先頭車の一部には2000番台の空気式ドアエンジン車両と川崎重工業製車両(空気式・電気式の両方)が含まれる。なお川崎重工業製の中間車は車体構造の都合で転用対象外となった。
 
外観では行先表示器のLED化、排障器(スカート)を強化型へ交換、併結運転のため、全ての先頭車に[[連結器#電気連結器|電気連結器]]と[[自動解結装置]]が搭載されている。また、2000番台の先頭車には蓄電池と整流装置 が搭載されていなかったため、廃車となったモハ208形から流用された<ref name="jtrain2010@Vol.36">[[イカロス出版]]『jtrain』Vol.36(2010年)</ref>。
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車内は先頭車両の客用ドア間の座席をセミクロスシートへ改造、「[[ドアカット|ドア3/4閉]]スイッチ」の設置、2号車に組成されるモハ208形への[[車椅子]]対応の大形[[列車便所|トイレ]](真空式)設置も行われている<ref name="railf2009-11">交友社『鉄道ファン』2009年11月号</ref>。さらにトイレ設置に伴い窓が埋められ、床下には汚物処理装置も搭載された。[[車内非常通報装置]]は警報式から乗務員と相互に通話が可能な通話式へと変更した。次に述べる機器更新などにより、特にトイレが取り付けられたモハ208形の自重は改造前の 29.9 t から 31.5 t に増加した<ref name="jtrain2010@Vol.36"></ref>。
 
このほか、転用改造に合わせて[[JR東日本E217系電車|E217系]]と同じく主要機器の更新工事(機器更新)を実施した。内容としてはVVVFインバータ装置と補助電源装置(静止形インバータ)は、制御素子としてGTOサイリスタを用いたものから[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]を用いた SC88A および SC92 に、制御伝送装置は MON19 に変更している<ref name="RJ201405_40">『鉄道ジャーナル』2014年5月号、鉄道ジャーナル社、2014年、p.40</ref>。さらに、ブレーキ制御装置や戸閉制御装置など主要機器についても更新され、ATS-P装置や補助電源装置に関しては二重化により冗長性が確保されている<ref name="RJ201405_40" />。
このほか、転用改造に合わせて[[JR東日本E217系電車|E217系]]と同じく主要機器の更新工事(機器更新)を実施した。
内容としてはVVVFインバータ装置と補助電源装置(静止形インバータ)は、制御素子としてGTOサイリスタを用いたものから[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]を用いた SC88A および SC92 に、制御伝送装置は MON19 に変更している<ref name="RJ201405_40">『鉄道ジャーナル』2014年5月号、鉄道ジャーナル社、2014年、p.40</ref>。さらに、ブレーキ制御装置や戸閉制御装置など主要機器についても更新され、ATS-P装置や補助電源装置に関しては二重化により冗長性が確保されている<ref name="RJ201405_40" />。
 
{| class="wikitable" summary="方面別編成表" style="text-align:center; font-size:80%;"
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File:209_Doorcut.JPG|ドア3/4閉スイッチによるドアカットの例(2012年4月7日 銚子駅)
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=== 2200番台 ===
{{See also|#BOSO BICYCLE BASE}}
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*在籍車両数:[[川越車両センター]]…4両編成5本(20両、ハエ51 - 55編成)(2020年10月1日現在)<ref name="JRR 2021w 69"/>
[[八高線]]・[[川越線]]の運用車両を置き換えるため、中央・総武緩行線用の209系500番台を改造<ref name="RJ 617">『鉄道ジャーナル』2018年3月号 鉄道ジャーナル社 「山手線周辺で見るJR一般形電車の動向 中央総武線・常磐線 E231系0代」 P19</ref>した。2018年1月15日付にてハエ51編成が川越車両センターに配置され<ref name="JRR 2018s 360"/>、同月18日に配給輸送された<ref>[http://railf.jp/news/2018/01/19/170000.html 八高線用の209系3500番台が配給輸送される]『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2018年1月19日</ref>。2018年3月に1本追加配置され<ref name="JRR 2018s 360"/>、同年5月7日から運用を開始した<ref>[https://railf.jp/news/2018/05/12/203000.html 八高線用の209系3500番台が営業運転を開始]『鉄道ファン』交友社 railf.jp 鉄道ニュース 2018年5月12日</ref>。その後も同年6月・7月・9月に各1本が追加配置されている<ref name="JRR 2019w 360"/>。
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== 改造 ==
 
=== 側窓開閉化 ===
[[ファイル:側面窓開閉化改造後.jpg|サムネイル|側面窓開閉化改造後(中原電車区ナハ32編成)]]
試作車と0・3000・3100の各番台車では、側窓が各車端部の2枚(先頭車)ないし4枚(中間車)しか開かない構造になっていた(ドア間の大窓はすべてはめ殺しの固定窓)。これを補うために貫通路の上部に換気口があり、異常時などで指示があった場合にはカバーのネジを緩めて開くことができるようになっている。しかし、2005年(平成17年)に京浜東北線[[大森駅 (東京都)|大森]] - [[蒲田駅|蒲田]]間で列車(ウラ3編成)が長時間にわたって立ち往生した際に、[[換気]]性能の悪さ<ref group="注">特に先頭車は、運転室側には全く開口できる窓や通風孔がない。</ref>から多数の乗客が体調不良を訴え、[[停電]]による長時間停車時の問題点が浮上した。このため、同年末からドア間の大窓を開閉可能とする改造工事が、緊急性の高い京浜東北線・根岸線用0番台については[[下十条運転区]]において、他線の車両については各車両基地で、それぞれ改造作業が施工された。ただし、試作車(900/910/920番台)は対象外となった。
 
この改造では、車体の構造上と改造工事の簡略化を図るためにE231系のような1枚下降式ではなく、はめ殺しの大窓を縦方向に約2:1の割合で二分割し、大きい方の部分に上段下降、下段固定の2段窓を用いて開閉可能にするもので、改造対象は各車両6枚の大側窓のうち4枚に限定されている。
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|month=11
|publisher=交通新聞社
}}</ref>。MUE-Trainにおいて高速データ通信「[[WiMAX]]」で使用するアンテナの形状や設置位置が試行され、「[[成田エクスプレス]]」用[[JR東日本E259系電車|E259系]]に反映されている。また、2010年(平成22年)7月1日より営業運転を開始した[[京葉線]]E233系5000番台にも適用された。また、INTEROSと呼ばれる次世代の列車情報管理システムが当車両に導入され、試験結果をもとに[[山手線]]の新型車両である[[JR東日本E235系電車|E235系]]に導入された。
}}</ref>。
MUE-Trainにおいて高速データ通信「[[WiMAX]]」で使用するアンテナの形状や設置位置が試行され、「[[成田エクスプレス]]」用[[JR東日本E259系電車|E259系]]に反映されている。また、2010年(平成22年)7月1日より営業運転を開始した[[京葉線]]E233系5000番台にも適用された。また、INTEROSと呼ばれる次世代の列車情報管理システムが当車両に導入され、試験結果をもとに[[山手線]]の新型車両である[[JR東日本E235系電車|E235系]]に導入された。
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=== BOSO BICYCLE BASE ===
[[File:BosoBicycleBASE RightSideView.jpg|thumb|280px|館山駅にて(2018年1月7日)]]
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「BOSO BICYCLE BASE(房総バイシクルベース、略称:「B.B.BASE」)とは、「「房総」の各地を、「自転車」で駆け巡るための「基地」」に由来する。
 
6両編成のうち、4号車はフリースペース、その他の車両にはボックスシートと[[自転車]]積載用サイクルラックが設置される。座席数とサイクルラックの数は同一(乗車定員99名、ラック99台分)であり、1人1台分の自転車を座席後ろのラックに[[タイヤ]]を引っ掛けて立て掛ける。これにより、自転車を折り畳む事なく電車に乗せることが出来る。
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== 訓練機械 ==
=== 支社訓練センター用 ===
1,085 ⟶ 1,073行目:
|date=
|accessdate=2019-11-30}}</ref>
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== その他 ==
* [[埼玉県]][[さいたま市]]の[[鉄道博物館 (さいたま市)|鉄道博物館]]に0番台の京浜東北線・根岸線仕様車のモックアップがあり、運転[[シミュレーション|シミュレータ]]として使用されていたが、2018年の新館オープンと共に車掌シミュレータとなった。また、0番台を模したミニ運転列車も存在していたが、2015年3月に役目を終えている。