「日本のヘイトスピーチ」の版間の差分

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=== インターネット上コンテンツ ===
[[2013年]]5月7日、[[安倍晋三]]は、参議院予算委員会の答弁で自身の[[Facebook]]に排外デモ同様のコメントが寄せられていることを認め、「他国の人々を誹謗中傷し、まるで我々が優れていると認識するのはまったく間違い。結果として自分たちを辱めている」と述べた<ref name=asahi20130509 />。
 
[[2014年]]6月20日、[[東京新聞]]は[[インターネット]]上はヘイトスピーチの温床であるとして、[[Twitter]]、[[ニコニコ動画]]、ブログ「保守速報」にサーバを供用している[[LINE (企業)|LINE]]を挙げ、サイト運営ルールはあるが自主規制はほとんど機能していないと報じた。社会心理学者の高史明は「影響力のあるヘイトの発信者はおそらく百人に満たない。全てのヘイト発言に対応するのは物理的に不可能でも、百人のアカウントを規制するのは容易だろうし、ネット上のヘイト全体を抑えるのに一定の効果があるはずだ」と述べた<ref name="tokyo20140620">林啓太、出田阿生「ネットのヘイトスピーチ」、東京新聞。2014年6月20日11版S28面、29面。</ref>。
 
2015年9月10日、[[はすみとしこ]]がシリア難民を偽装難民として揶揄するイラストを[[Facebook]]に掲載したことに対し、[[人種差別|レイシズム]]であるとして[[Facebook]]に削除を求める電子署名が1万人以上集まった<ref>{{Cite news|url=https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2015/10/09/japanese-cartoonist-unapologetic-for-using-migrant-girl-to-criticize-fake-immigrants/ |title=Japanese cartoonist unapologetic for using migrant girl to criticize ‘fake immigrants’|author=Michael E. Miller |newspaper=The Washington Post |date=2015-10-09}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.bbc.com/news/blogs-trending-34460325 |title=Is this manga cartoon of a six-year-old Syrian girl racist? |newspaper=BBC |date=2015-10-08}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://english.alarabiya.net/en/media/digital/2015/10/10/Japanese-manga-artist-under-fire-for-racist-illustration-of-Syrian-refugee.html |title=Japan manga artist under fire for ‘racist’ illustration of Syrian refugee |newspaper=Al Alabiya |date=2015-10-10}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.japantimes.co.jp/news/2015/10/02/national/social-issues/racist-illustration-refugee-girl-sparks-ire-among-japans-netizens#.VjxR6b_SmjE |title=‘Racist’ illustration of refugee girl sparks ire among Japan’s netizens |author=Tomohiro Osaki |newspaper=The Japan Times |date=2015-10-02}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.dailymail.co.uk/news/article-3264607/Artist-removes-drawing-Syrian-girl-Facebook-captioned-want-luxurious-life-expense-ll-refugee-10-000-people-declare-racist.html |title=Artist removes drawing of a Syrian girl from Facebook captioned 'I want a luxurious life at the expense of someone else. I'll become a refugee' after 10,000 people declare it 'racist' |author=Sara Malm |newspaper=Mail Online |date=2015-10-08}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.clarin.com/mundo/Dibujo-japones-racista-nena-siria-desata-polemica_0_1445255708.html |title=El dibujo racista sobre una nena siria que desató la ira en internet |newspaper=Clarín |date=2015-10-08}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://digital.asahi.com/articles/DA3S12031763.html |title=難民批判イラスト、差別か風刺か 日本の漫画家が投稿、国内外で波紋 |newspaper=朝日新聞 |date=2015-10-24 |archiveurl=https://archive.is/201501107072115/http://www.asahi.com/articles/DA3S12031763.html |archivedate=2015-01-10}}</ref>。
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2016年3月10日、「保育園落ちた 日本死ね!!!」と題した匿名の[[ブログ]](「何なんだよ日本。[[一億総活躍国民会議|一億総活躍社会]]じゃねーのかよ。」と続く)をめぐり、自民党の[[平沢勝栄]][[衆院議員]]はヘイトスピーチ根絶などを検討する「差別問題に関する特命委員会」の会合で、「ブログに『死ね』という言葉が出てきて、表現には違和感を覚えている」などと語った<ref name="「保育園落ちた」ブログ、平沢議員「表現には違和」"/>。
 
[[民進党]]の[[大西健介]]は、2016年4月に発生した[[熊本地震 (2016年)|熊本地震]]を受けて、「朝鮮外国が井戸に毒憎悪投げ込んだ」等煽り市民安全を損ねる文言等が[[Twitter]]が飛び交った報道を紹介してデマを批判し、「一種のヘイトスピーチだと思う。こうしたことにも対応すべきだ」と述べた<ref>{{Cite news |url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160418-00000527-san-pol |title=熊本地震 民進・大西氏が首相の視察中止を批判「撤回するなら最初から言うな!」 |newspaper=Yahoo!ニュース |agency=産経新聞 |publisher=Yahoo Japan |date=2016-04-18 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160424003159/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160418-00000527-san-pol |archivedate=2016-04-24}}</ref>。
 
在日韓国青年会の調査では、インターネット上の差別的な記述や動画に対し、「とても」「すこし」嫌な思いをしているという回答が66%、「全く気にならない」が12%だった。民族教育を受けている人ほど嫌悪感を抱く傾向があった。在日コリアン青年連合の調査ではネットのヘイトスピーチに接して「ショックを受けた」が78%、対応としては「とくに何もしなかった」が81%だった。関西学院大学教授の[[金明秀]]は、「差別を自覚しても問題化する手段がなく、何を言っても無駄だと泣き寝入りしている。仕方がないことだ、何でもないことなのだと自分に言い聞かせ、しかし、無自覚なうちに自尊心を傷つけられ続けているという構図が見て取れる」と解説した<ref name=kanagawa20150514>{{Cite news|url=http://www.kanaloco.jp/article/96135/1/ |title=時代の正体<95> 見えにくい被害実態 |newspaper=[[神奈川新聞]] |date=2015-05-14 |author=石橋学 |page=23面}}</ref>。
 
[[ジャーナリスト]]の[[古森義久]]は、[[ネット右翼]]を略した「ネトウヨ」という言葉の響きには[[侮蔑]]が満ちており、使った側には相手に対する[[軽蔑]]や[[憎悪]]や[[怒り|憤慨]]がにじみ出ている一方、使われた側は屈辱、反発、[[憎悪]]を覚える"ののしり言葉"であるとした。さらに、「ネトウヨ」の「ウヨ」とは「[[右翼]]」の略であり、「右翼」とは当然のことながら特定の思想を指している言葉のため、この言葉を使った側の意識の根底には相手の[[思想]]を[[右翼]]だと断じていることは明らかであるとした。このような相手の思想を決めつけた上で貶めている「ネトウヨ」という言葉は「[[人種]]や[[宗教]]、[[思想]]、性別などを理由に特定の[[個人]]や[[集団]]を貶め、憎悪や怒りを生ませる言葉」と定義づけされている[[ヘイトスピーチ]]に該当すると主張している<ref>{{Cite news |url=http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160123-00010000-jindepth-pol |title=[古森義久]【「ネトウヨ」はヘイトスピーチである】~全国初、大阪市ヘイトスピーチ抑止条例~ |newspaper=Yahoo!ニュース |agency=Japan In-depth |publisher=Yahoo Japan |date=2016-01-23 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160131095614/http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160123-00010000-jindepth-pol |archivedate=2016-01-31}}</ref>。
 
2016年、在日コリアンの母子を中傷したインターネットの書き込みに対し、[[東京法務局#横浜地方法務局|横浜地方法務局]]が「人格権の侵害があった」と判断、[[Twitter]]、[[Google]]、[[サイバーエージェント]]3社に対し削除要請を出し、各社が削除に応じた<ref name=mainichi20161226>{{Cite news|url=http://mainichi.jp/articles/20161226/ddm/004/040/078000c |title=ヘイトスピーチ 在日コリアン母子への中傷 ネット書き込み削除の動き |author=後藤由耶 |newspaper=[[毎日新聞]] |date=2016-12-26}}</ref><ref>{{Cite news|<!--url=http://www.kanaloco.jp/article/208918--> |title=差別ブログを削除 法務局要請で運営会社 |author=石橋学 |newspaper=[[神奈川新聞]] |date=2016-10-29 |page=22面}}</ref><ref>{{Cite news|<!--url=http://www.kanaloco.jp/article/212049--> |title=ユーチューブも削除 差別投稿 在日3世被害訴え |author=石橋学 |newspaper=[[神奈川新聞]] |date=2016-11-13 |page=24面}}</ref><ref>{{Cite news|<!--url=http://www.kanaloco.jp/article/211874--> |title=ツイッター社 差別ツイート削除 |author=石橋学 |newspaper=[[神奈川新聞]] |date=2016-11-12 |page=22面 }}</ref><ref name=kanagawa20161115>{{Cite news|<!--url=http://www.kanaloco.jp/article/212472/1/--> |title=時代の正体 ヘイトスピーチ考 インターネット対策 自治体取り組みに意義 |author=石橋学 |newspaper=[[神奈川新聞]] |date=2016-11-15 |page=21面}}</ref>。2017年1月には同法務局の要請に[[LINE (企業)|LINE]]が応じ、まとめサイトの当該スレッドが削除された<ref>{{Cite news|<!--url=http://www.kanaloco.jp/article/226160--> |title=在日3世への差別書き込み まとめサイトも削除 LINE 法務局要請応じ |author=石橋学 |newspaper=[[神奈川新聞]] |date=2017-01-21 |page=24面}}</ref>。母子の代理人を務める弁護士の[[師岡康子]]は<ref name=mainichi20161226 />、「削除要請は公権力で[[表現の自由]]を制約するものではなく、各社が定める利用規約にのっとり適切に運営するよう促すもので、法規制ではない。権力による強制的な削除を避け表現の自由を守りたいなら、削除要請がなくても自ら定めたルールをきちんと運用すべきだ。」と話した<ref name=kanagawa20161115 />。
 
2017年3月30日、大阪市の有識者による審議会は、市民からの被害の申し出や情報提供26件のうち3件のインターネット動画を「ヘイトスピーチに該当する」と認定した。再度諮問した上で投稿者の氏名公表などを検討するほか、市長の[[吉村洋文]]はまだ閲覧可能な2件について運営者に削除を要請する考えを示した<ref>{{Cite news|title=ヘイトスピーチ3件認定 大阪府審議会 |newspaper=[[読売新聞]] |date=2017-03-31 |page=大阪朝刊 38面}}</ref>。動画投稿者の実名は確認できなかったが、同年6月1日、大阪市は3件のサイト上の投稿者名をホームページで公表、新たに1件を認定し運営会社に削除を要請した<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20170602/k00/00m/040/090000c |title=ヘイトスピーチ 大阪市、実名特定できず 投稿者名で公表|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2017-06-01}}</ref>。2017年11月までに5つのアカウントが公表され対象となった動画が削除された<ref>[http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000339/339043/nijyuuhachinoni.pdf 案件番号「平28-2」(PDF形式, 140.24KB)]</ref><ref>[http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000339/339043/nijyuuhachinoyonn.pdf 案件番号「平28-4」(PDF形式, 131.04KB)]</ref><ref>[http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000339/339043/nijyuuhachinogo.pdf 案件番号「平28-5」(PDF形式, 130.13KB)]</ref>。削除された動画を投稿していた男性が実名公表は違憲だと差止めを求めた裁判で大阪地裁は大阪市は実名を把握しておらずハンドルネームのみしか知りえないため請求棄却となった。原告側は人格権の侵害を理由に違憲と主張していたが判断はなされなかった<ref>{{Cite web|url=https://www.sankei.com/affairs/news/190313/afr1903130029-n1.html|title=ヘイト実名公表、差し止め認めず 大阪地裁|accessdate=2019年3月14日|publisher=}}</ref>。
 
2017年[[9月9日]]、しばき隊や[[のりこえねっと]]らが参加を伸び掛け、Twitter Japanが入る[[東京スクエアガーデン]]前の歩道でヘイトスピーチが含まれた投稿の監視や即時削除を求める抗議活動を行った。参加者らは彼らが主張する「差別ツイート」を印刷した紙を歩道にびっしりと並べ、『差別ツイートの道』を作成。[[産経新聞]]によると、参加者たちが「皆さんもどうぞ(紙を)踏んで下さい」と周囲に呼びかけるも、オフィス街を行き交う人は迂回して歩く人が多かったという<ref>[https://www.sankei.com/article/20170908-WKLOIMERYRPWXNN57ZGJQ4KCOE/2/ ツイッター社前で「差別ツイート野放しやめて」 「のりこえねっと」や「対レイシスト行動集団」などがツイッターで参加呼びかけ] 産経新聞2017.9.8</ref>。
 
=== メディアの報道 ===
2013年3月、[[朝日新聞]]、[[毎日新聞]]、[[東京新聞]]は排外主義デモにおけるヘイトスピーチを取り上げ、西欧では犯罪にあたると報じた<ref>石橋英昭「「殺せ」連呼 デモ横行 言論の自由か 規制の対象か」、朝日新聞。2013年3月16日14版37面。</ref><ref>川崎桂吾「「殺せ」「たたき出せ」 デモ 目立つ過激言動」、毎日新聞。2013年3月18日夕刊4版11面。</ref><ref>佐藤圭「ヘイトスピーチ 白昼堂々 欧州と違い 法規制なし」、東京新聞。2013年3月29日11版S28面、29面。</ref><ref>[http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000339/339043/nijyuuhacinoici.pdf 案件番号「平28-1」(PDF形式, 155.68KB)]</ref>。
 
==== SEALDs ====
{{main|自由と民主主義のための学生緊急行動}}
[[産経新聞]]は、[[安全保障関連法案]]に反対して国会前に集まった[[2015年]][[7月15日]]のデモの「実態は[[安倍晋三]]首相に対する暴言も目立つ「反政府集会」の様相を呈していた。」とし、「戦争したがる総理はヤメロ!戦争したがる総理はイラナイ!」「勝手に決めるな、屁理屈言うな!」「なんか自民党 感じ悪いよね!」といったシュプレヒコールを「倫理的に問題のある『ヘイトスピーチ』といって過言ではない」と評した<ref>{{Cite news|url=http://www.sankei.com/premium/news/150729/prm1507290004-n1.html |author=田中一世 |title=国会前デモに集まるヘイトな人々 「あなた公安でしょ?」 記者はマスク姿に詰問され… |publisher=[[産経新聞]] |date=2015-07-29}}</ref>。
 
2015年7月31日に、iRONNAによると、SEALDsのデモを批判するツイートをした[[武藤貴也]]に対し、SEALDs関係者がTwitterで「お前の方が自己中だし利己的だわ。ふざけんなよ。てめーの体のすべての穴に五寸釘ぶち込むぞ」とツイートし、ヘイトスピーチではないかとネット上で[[炎上 (ネット用語)|炎上]]した<ref>[http://ironna.jp/theme/345 SEALDsというヘイトな人々。] ironna</ref>。
 
==== 大江健三郎の日本人に対する憎悪表現 ====
[[岩田温 (政治学者)|岩田温]]は、[[大江健三郎]]が日本人を「醜い」との言辞を発したことについて、在特会がヘイトなら日本人を醜いとした大江の演説も「紛れもなくヘイトスピーチ」であるとし、これは、左派論者のダブルスタンダードであるとしている<ref name=sankei20141202 />。
 
[[産経新聞]]は、2015年の[[憲法記念日 (日本)|憲法記念日]]に[[横浜市|横浜]]で開かれた「護憲集会」で大江が演壇に上った際、批判の矛先を向けた[[安倍晋三]]を「安倍」と呼び捨てにしたこと対し「どんなに相手の考え方や性格が嫌いでも、一国の首相を呼び捨てで非難するのは、大江さんが大嫌いなはずの「ヘイトスピーチ」そのもの」と評している<ref>[https://www.sankei.com/article/20150508-KQ3DQUBN4VMPZJ6C7R7ZZLSK7Y/ 【編集日誌】大江健三郎氏の“熱弁”は…] [[産経新聞]] 2015年5月8日</ref>。
 
==== 「赤旗まつり」における日本共産党議員による行為 ====
2014年11月に開催された「赤旗まつり」で、[[日本共産党]]の議員が、[[ヒトラー]]の髭を[[安倍晋三]]のモノクロの顔写真に書き加えた、ヒトラー風の安倍の顔写真をドラムに貼り付け、そのドラムを叩くパフォーマンスを行っている<ref name="20160718sankei"/>。
[[産経新聞]]は、「これが『正義感が強く、ヘイトスピーチは許さない』人間がすることだろうか。共産党の品性が疑われる行為である。」と批判している<ref name="20160718sankei">[https://www.sankei.com/article/20160718-7LQUXBKBXVNHVPU6IPVVI3RPXU/2/ 「防衛費は人を殺す予算」発言だけじゃない 「たら」「れば」を事実のように語る共産党のデマ・炎上体質を斬る」] [[産経新聞]] 2016年7月18日</ref>。
 
==== 曽野綾子の連載コラム ====
[[産経新聞]]は、[[2015年]](平成27年)[[2月11日]]朝刊7面の[[曽野綾子]]の連載コラムで、「労働力不足と移民「適度な距離」保ち受け入れを」と題し「[[南アフリカ共和国]]の実情を知って以来、私は、居住区だけは、、アジア人、黒人というふう種別に分けて住む方がいい、と思うようになった。」とする記事を掲載<ref>[[産経新聞]]2015年2月11日朝刊7面</ref>、「[[ロイター]]」や「[[ウォール・ストリート・ジャーナル]]」が批判的に報じ、[[アフリカ日本協議会]]や南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使が抗議文を送るなど、非難が集まった<ref>{{Cite web|url=http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/archives/sonoayako-sankei20150211.html |title=産経新聞 曽野綾子さんのコラムへの抗議文 |author=アフリカ日本協議会|date=2015-02-13|accessdate=2015-04}}</ref><ref name=huffpost20150203>{{Cite news|url=http://www.huffingtonpost.jp/2015/02/13/sono-ayako-column_n_6677760.html|title=曽野綾子氏コラムに「アパルトヘイトを賛美し、首相に恥をかかせる」海外メディア報じる|newspaper=ハフィントン・ポスト |date=2015-02-13}}</ref><ref name=sankei20150215/><ref name=WSJ20150213/>。
 
産経新聞執行役員東京編集局長の小林毅は「当該記事は曽野綾子氏の常設コラムで、曽野氏ご本人の意見として掲載しました。コラムについてさまざまなご意見があるのは当然のことと考えております。産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより、人種差別などあらゆる差別は許されるものではないとの考えです」とコメントした<ref name=sankei20150215>{{Cite news|url=http://www.sankei.com/life/news/150215/lif1502150017-n1.html|title=曽野氏コラムで南ア駐日大使が本紙に抗議|newspaper=[[産経新聞]]|date=2015-02-14}}</ref>。曽野がブログで「もし記事に誤りがあるなら、私はそれを正します。私も人間ですから、過ちを犯します。しかしこの記事について、誤りがあるとは私は思いません」と書いたことは[[ウォール・ストリート・ジャーナル]]で報じられた<ref name=huffpost20150203 /><ref name=WSJ20150213>{{Cite news|url=http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2015/02/13/author-causes-row-with-remarks-on-immigration-segregation/ |title=Author Causes Row With Remarks on Immigration, Segregation |newspaper=THE WALL STREET JOURNAL|date=2015-02-13|accessdate=2015-04}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.reuters.com/article/2015/02/13/us-japan-apartheid-idUSKBN0LH0M420150213 |title=Japan PM ex-adviser praises apartheid in embarrassment for Abe|newspaper=Reuter|date=2015-02-13}}</ref>。
 
曽野は『[[新潮45]]』2015年4月号の連載コラムで「第四十七回 『たかが』の精神」の題で、たかが一作家の自分の考えに対して「肩書一つ正確には書けなかった新聞や通信社が、こうやってヘイト・スピーチを繰り返し、そこに覆面のツイッターが群衆として加わって圧力をかけ、どれだけの人数か知らないが、無記名という卑怯さを利用して、自分たちは人道主義者、曽野綾子は人種差別主義者、というレッテルを貼ることに無駄な時間を費やしている、その仕組みを今度初めて見せてもらって大変ためになった。私は覆面でものを言う人とは無関係でいるくらいの自由はあるだろう。」と述べた<ref name=shincho201504>『[[新潮45]]』2015年4月号 pp.12-26</ref>。
 
==== 特定個人を対象とした憎悪表現 ====
戦後70年に際して予定される首相談話に関連して、[[東京新聞]]、[[朝日新聞]]、[[毎日新聞]]各紙は、「侵略の定義は定まっていない」と国会で答弁した安倍首相を牽制する社説を掲載した。[[産経新聞]]の[[阿比留瑠比]]はこれらを取り上げ、安倍首相と同趣旨の発言が過去に社民党の[[村山富市]]首相(当時)や民主党の[[玄葉光一郎]]外相(当時)等によってもなされているにもかかわらず、三紙が安倍首相だけを執拗に攻撃するのは「偏見や無知に基づく不公正で不適切な見解」であると批判し、「特定個人を標的にした悪意ある[[ヘイトスピーチ]](憎悪表現)だといわれても仕方あるまい」と結んでいる<ref>{{cite news |title=これではメディアのヘイトスピーチだ…『東京』『朝日』『毎日』偏見・無知に基づく不公正・不適切な見解|newspaper=[[産経新聞]] |date=2015-1-29 |url=https://www.sankei.com/article/20150129-A7AF4VZ27JJA7E2U5HOQSZIBKE/ |accessdate=2015-1-29 }}</ref>。
 
==== 朝日新聞「従軍慰安婦」誤報問題 ====
2015年6月6日、[[兵庫県]][[宝塚市]]に元[[朝日新聞]]記者の[[植村隆]]が招かれ、植村による講演が行われた。「ヘイト・スピーチと日本軍『慰安婦』問題」と題された講演会を主催した市民団体「ヘイト・スピーチに反対し、法規制を求める決議実行委員会」は会の趣旨を「[[慰安婦]]問題の解決を求める運動、[[ヘイトスピーチ]](憎悪表現)を法規制しようとする運動、戦争法案を葬り去って[[憲法9条]]改悪を阻止しようという運動は一連のものだ」と説明したという。講演会の告知チラシにはいわゆる従軍慰安婦の「強制連行」を否定する風潮が今日のヘイトスピーチを生み出しているといった主張が記されていた。会場で植村の講演内容を聞いた宝塚市議の大河内茂太は「植村氏の主張は『強制連行された慰安婦』の存在に疑問を抱くことは一切許されないというものに思えた」と語った。主催団体が求めるヘイトスピーチの法規制のとらえ方についても「人種・民族差別に対する批判というよりも、むしろ、形を変えた〝[[反日]]闘争〟とすら言える」と、違和を感じたという<ref>[https://www.sankei.com/article/20150629-LLNOUT5MMFML3AM44Q7XCCZMSQ/ 慰安婦「強制連行」の否定がヘイトスピーチなのか? 法規制を求める市民団体「宝塚集会」への違和感] [[産経新聞]] 2015年6月29日</ref>。
 
==== 東京新聞による「アイヌ民族」報道 ====