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| 祭神 = [[イザナギ|伊弉諾尊]]<br />[[イザナミ|伊弉冉尊]]
| 社格 = [[式内社]]([[名神大社|名神大]])<br />[[淡路国]][[一宮]]<br />旧[[官幣大社]]<br />[[別表神社]]
| 創建 = 神代([[日本書紀]][[古事記]]による)
| 本殿 = 三間社[[流造]]
| 宮司 = [[本名孝至]]
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== 祭神 ==
:* [[イザナ|伊弉尊]](いざなのみこと)
祭神は次の2柱。
:* [[イザナ|伊弉尊]](いざなのみこと)
:* [[イザナミ|伊弉冉尊]](いざなみのみこと)
 
両神は日本神話の[[国産み]]・[[神産み]]に登場する。
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また、上記文書から[[中世#日本|中世]]の当社の様子がうかがえる。『淡路国司庁宣』<ref name="chousen" />から、[[国衙]]が当社と[[一宮#二宮、三宮|二宮]]である[[大和大国魂神社]]の祭礼などを管轄しており、両社の法華会・桜会で舞楽が催されたと考えられる<ref name="kiso">中世諸国一宮制研究会編 『中世諸国一宮制の基礎的研究』 (有)岩田書院 2000年2月 より。</ref>。 また、『淡路国大田文』<ref name="kamakura" />の記述から、鎌倉時代初期には[[神宮寺]]があったとわかる。
 
当社の[[別当寺|別当]]であった妙京寺の記録では、[[弘安]]3年([[1280年]])に[[坂上田村麻呂]]の子孫とう田村仲実が社殿を再興した。[[大永]]5年([[1525年]])の棟札<ref name="taikei">神道大系編纂会編 『神道大系 神社編41 紀伊・淡路国』 神道大系編纂会 1987年9月 に所収。 </ref>によれば、田村氏は一宮神主であり領主であった。
 
[[天正]]9年([[1581年]])田村経春は、織田信長より[[武田勝頼]]との戦いで先陣を命じられたが従わず切腹となり、田村氏は滅んだとう<ref name="kamigami" />。
 
[[江戸時代]]には[[徳島藩]]主[[蜂須賀氏|蜂須賀家]]に崇敬され、[[元和 (日本)|元和]]7年([[1621年]])の黒印状<ref name="taikei" />で一宮供領10[[石 (単位)|石]]を得た。また、石上氏が世襲で神職を勤め、当社の祭祀は社家と寺家の両部に司られたが、両部は幾度か争いを起こしている。
 
[[寛文]]元年([[1661年]])には当社の縁起である『二柱尊縁起』<ref name="taikei" />が作成された。縁起は領主・巡見使の参拝時に面前で読まれるため、社家と寺家のいずれが勤めるかで争いが起こった。『郡家物語』には、宝暦年間に起こった6年に及ぶ『一宮の唯一騒動』の記載がある。
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[[宝暦]]2年([[1752年]])の『郡家物語』により、檀家を持たず一宮領分を配分して祭礼を勤める社家6坊と、別当の妙京寺末の寺家6坊の存在がわかり、この社家6坊が神宮寺と考えられる<ref name="kiso" />。しかし、『宮坊旦那追書付ニ付返答書控』によれば、社家6坊のうち東蔵坊・東林坊・円行坊・新坊・実蔵坊の5坊は退転し、宮坊だけが残ったと言う。
 
[[文政]]8年([[1825年]])の『淡路草 巻4』の記述から、[[法相宗]]とも[[真言宗]]ともわれた神宮寺が[[弘治 (日本)|弘治]]元年([[1555年]])に田村氏によって[[日蓮宗]]に改宗され、[[元禄]]12年([[1699年]])8月の『宮坊旦那追書付ニ付返答書控』の記述から、改宗に従わない社僧が追放されたとわかる。このため、中世末の一宮の管轄権は田村氏が掌握していたとする説もある<ref name="kiso" />。
 
明治3年([[1870年]]([[明治]]3年)に[[名東県]]より、それまで2柱だった祭神を伊弉諾尊1柱と定められた。明治4年([[1871年]](明治4年)に国幣中社に列格し、[[1885年]](明治18年)[[官幣大社]]に昇格した。[[1932年]]([[昭和]]7年)、[[#祭神|前述]]のとおり、祭神に伊弉冉尊を合祀することが認められた。
 
[[第2次世界大戦1948年]](昭和23年)[[神社本庁が包括する]]の[[別表神社となり、[[1954年]](昭和29年)は伊弉諾神社から現在の伊弉諾神宮に改称した加列されている
 
[[1954年]](昭和29年)には伊弉諾神社から現在の伊弉諾神宮に改称された。
 
[[1995年]]([[平成]]7年)[[1月17日]]の[[阪神・淡路大震災]]で一の鳥居が倒壊するなど大きな被害を受けた。鳥居は[[氏子]]の奉納により、同年11月に[[鳥居#形式|神明鳥居]]へ形式を改め再建された。
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* 祓殿・神饌殿
* 拝殿 - [[1882年]](明治15年)再建。銅板葺[[入母屋造]]で、舞殿を兼ねている。
* 神輿庫 - [[江戸時代文化 (元号)|文化]]5年([[1808年]])に[[徳島藩]]主[[蜂須賀治昭]]により建立。
* [[昭和天皇]]御手植の[[クスノキ|楠]] - [[1922年]]([[大正]]11年)11月30日にまだ[[摂政皇太子]]であった昭和天皇によって植えられた。
* [[伊勢神宮|伊勢皇大神宮]]遥拝所 - 伊勢神宮は弉諾神宮と同緯度であり、ここから真東に鎮座している。
* 東神門 - 江戸時代に徳島藩主蜂須賀氏により建立。[[元禄]]元年([[1688年]])に改修されている。当宮最古の建物
* [[樋口季一郎]][[中将]]像
* 遺品館
* 西神門 - 江戸時代に徳島藩主蜂須賀氏により建立。元禄元年(1688年)に改修されている。当宮最古の建物
* 社務所
* 貴賓殿
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* 東授与所棟 - [[1998年]]([[平成]]10年)建立。
* 西授与所棟 - 1998年(平成10年)建立。
* 正門(表神門) - [[1883年]](明治16年)移築再建。以前は随神門であった。
* 茶室「明日庵」
* 放生の神池 - 幽宮跡の御陵を中心にあったとされる濠の遺構とされる。命乞いに[[コイ|鯉]]、快癒の報賽に[[カメ|亀]]を放って祈願が行われる。
* 陽の道しるべ - 伊弉諾神宮を中心とする[[太陽]]の運行と有名神社の関係を現わすモニュメント。
<gallery>
File:Izanagi-jingu, honden.jpg|本殿
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== 摂末社 ==
* 左右神社 - 祭神:[[天照大神|天照皇大神]]、[[ツクヨミ|月読尊]]
* 左右神社
* 鹿島神社・住吉神社 - 農業守護、武運長久の神として祀られる<ref name=":0" />現地案内板による。</ref>。
* 摂神社・竈神社 - 酒造・醸造の守護神。災難除、火防の神として祀られる<ref name=":0">。
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* 淡路祖霊社 - 祭神:[[淡路島]]出身の先覚者、賢人功労者の御霊8,000余柱。[[1876年]](明治9年)建立。
* 延壽宮
* 濱神社(浜之宮、境外
** 濱神社(浜之宮) - 祭神:[[イザナギ|伊弉諾尊]]、[[イザナミ|伊弉冉尊]]。摂社。
*** 大事忍男神社 - 祭神:[[大事忍男神]]
*** [[生殖器崇拝|陰陽石]]
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File:Izanagi-jingu, Auxiliary Kamado-jinja and Neno-jinja 001.jpg|竈神社・根神社
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== 文化財 ==
=== 兵庫県指定文化財天然記念物 ===
[[File:Izanagi-jingu, kusu.jpg|thumb|200px|right|{{center|夫婦クス}}]]
* 伊弉諾神宮の夫婦クス - 1973年(昭和48年)3月9日指定<ref>{{PDFlink|[http://www.hyogo-c.ed.jp/~shabun-
* 天然記念物
** 伊弉諾神宮の夫婦クス - 1973年(昭和48年)3月9日指定<ref>{{PDFlink|[http://www.hyogo-c.ed.jp/~shabun-bo/gyouseisituhp/top/23kenshitei.pdf 県指定文化財一覧]}}(兵庫県教育委員会文化財課)。</ref>。
 
=== 淡路市指定有形文化財 ===
* 神像 9躯
 
== 現地情報 ==
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== 参考文献 ==
* [[竹内理三]] 編 『平安遺文 古文書編 第7巻』 [[東京堂出版]] 1963年10月
* [[黒板勝美]] 國史大系編修会 編 『[[国史大系|國史大系]] 第27巻 [[新抄格勅符抄]]・[[法曹類林]]・[[類聚符宣抄]]・[[続左丞抄]]・[[別聚符宣抄]]』 [[吉川弘文館]] 1965年1月
* 黒板勝美 國史大系編修会 編 『國史大系 第7巻 [[古事記]]・[[先代旧事本紀]]・[[神道五部書]]』 吉川弘文館 1966年1月
* 黒板勝美 國史大系編修会 編 『國史大系 第4巻 [[日本三代実録]]』 吉川弘文館 1966年4月
* 黒板勝美 國史大系編修会 編 『國史大系 第1巻上 [[日本書紀]]前編』 吉川弘文館 1966年12月
* 竹内理三 編 『鎌倉遺文 古文書編 第5巻』 東京堂出版 1973年9月
* [[松前健]] 『日本の神々』 [[中央公論新社]] 1974年9月
* 兵庫県史編集専門委員会 編 『兵庫県史 史料編 中世1』 兵庫県 1983年11月
* [[谷川健一]] 編 『日本の神々 -神社と聖地- 3 摂津・河内・和泉・淡路』 [[白水社]] 1984年8月
* 神道大系編纂会編 『神道大系 神社編41 紀伊・淡路国』 神道大系編纂会 1987年9月
* 中世諸国一宮制研究会編 『中世諸国一宮制の基礎的研究』 岩田書院 2000年2月
* 全国一の宮会編 公式ガイドブック『全国一の宮めぐり』 全国一の宮会 2008年12月
 
== 外部リンク ==