「ソーダ回収ボイラー」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m 仮リンクの除去
タグ: 手動差し戻し
m 微修正
8行目:
 
一方で原料から繊維以外の物質([[リグニン]]など)が薬品(白液)中に溶け出し、廃液(黒液)が発生する。ここで発生する黒液は濃度20%程度なのでこのままでは燃料として利用できず、[[蒸留器]](エバポレーター)を用いて70%程度まで濃縮して濃黒液として燃料として利用できるように加工する。
ここで、濃黒液を燃料としてボイラー炉内に噴射し燃焼させる。一方で「黒液」を燃焼させた後に炉の下部に残渣が残る。これを「緑液」(スメルト)といい水溶性である。これに[[生石灰]]を加えることにより、「白液」に戻すことが出来でき、またこれを蒸解工程で再利用することが出来できる。このことが「ソーダ回収ボイラー」との名称の由来であり、ここでの薬品回収率は98%以上に達し新しい薬品の補給は少量で済むという利点を持つ。
また構造も燃料系統以外は[[ボイラー#水管ボイラー|水管ボイラー]]同様なので、発生した蒸気による[[汽力発電]]で抄紙機や工場の動力に用いる電力を賄い、さらに圧力の下がった蒸気を抄紙機や塗工機の乾燥工程に用いたり、工場によっては冬場の暖房にも使われている。この回収ボイラーによって工場内で使用するほとんどの電力を賄っている工場も多い。
しかしながら、パルプ製造工程における廃液(黒液)を用いることや、原料(チップ)溶解用の薬品回収が目的でもあることから製紙工場など設置する場所が限られている特殊用途のボイラーであることは言うまでも無い。また黒液中のアルカリ分等によって機器の腐食も激しい。