黄金の風
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『黄金の風』(おうごんのかぜ、LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO Parte5 VENTO AUREO)は、荒木飛呂彦の代表作である大河漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart5(Parte5、第5部)。幽波紋(スタンド)シリーズ・第3弾。弓と矢シリーズ・第2弾。
『黄金の風』は後につけられた副題で、連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ【黄金なる遺産】」。なお、英語圏ではGolden windという副題で発表されている。
あらすじ
舞台は2001年のイタリア、ディオの息子「ジョルノ・ジョバァーナ」(ジョジョ)が、ギャング「パッショーネ」で憧れのギャング・スターへと登りつめて行く姿と、彼の仲間との逃避行を描いた群像劇。 今作品はこれまでのジョジョとは違い、序盤に康一と終盤にポルナレフが登場する以外、完全に独立した話になっている。 なお、主人公の本名は「汐華初流乃」(しおばな はるの)だが、イタリアで生活する関係上、発音の容易さで「ジョルノ・ジョバァーナ(Giorno Giovanna)」と名乗っている。それに伴い、これまでのシリーズでは「JOJO」だったローマ字表記が本シリーズのみ「GIOGIO」となっている(JOJOをイタリア語読みすると「ヨォヨォ」となる為)。そのため劇中では「ジョジョ」という呼ばれ方はされず、一貫して「ジョルノ」と呼ばれている。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
登場人物
名前の隣に併記されている声優は、プレイステーション2用ゲームソフト『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』での声の出演である。
ブチャラティチーム
- ジョルノ・ジョバァーナ(声:朴璐美)
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- スタンド名:ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)
- 本作の主人公。4月16日生まれ15歳。AB型 本名・汐華 初流乃(しおばな はるの)。父親はジョースター家の宿敵・DIO。母親は日本人。
- 幼少の頃は母親の育児放棄と義父の虐待に遭い、さらに近所の子供たちからもイジメられるなど悲惨な生活を送る。だがある日助けたギャングの男に「ひとりの人間として」対等に接してもらい、「人を信じる」事を学ぶ。そのギャングにあこがれて「ギャングスター」を目指すようになる。
- ジョースター家の血を引く歴代主人公と同じく、正義感が強く行動も大胆だが、常に沈着冷静で感情的になることはほとんどない。彼が劇中で怒りを露にしたのは、無関係の老人を殺したポルポ、妨害と自らの快感の為に大量殺戮をしたチョコラータ、そしてディアボロの悪辣ぶりぐらいである。ジョースターの血を受け継ぐ正義感の強い性格だが、その反面、目的を達成する過程でDIOを彷彿とさせる冷徹さを見せることもある。DIOが乗っ取っていたジョナサン・ジョースターの肉体の影響で、首筋に星型の痣がある。本作の歴代主人公の中では最年少であり、発音の都合上か歴代主人公の中で唯一、一度も「ジョジョ」と呼ばれたことがない。耳を穴の内側に折りたたんで収納する特技がある。
- スタンドは「ゴールド・エクスペリエンス」。テントウムシをモチーフにした人型のスタンドで、物質に生命を与え、下等な動物や植物に変える能力を持つ。この能力で生まれた命は、ジョルノの意思で成長や死が自在であり、命を失うと再び元の物体に戻る。この能力を応用し、無機物から人体のパーツを生成して負傷した箇所にはめ込み、外傷の治療を行うこともできる(ただし、Part4のクレイジー・ダイヤモンドのように「治す」事が専門ではないため、傷に異物をはめ込むという性質上治療には痛みが伴い、完全に癒着するまで時間もかかる。ただ、自分の治療もできるという点ではこちらの方が優秀とも言える)。
- 登場初期は「生み出した生物は受けた攻撃を相手に反射する」「スタンドで相手を直接殴ることで、生命エネルギーを送り込んで感覚を暴走させる」という設定があったが、中盤以降は全く見られなくなった(というより、作り出した生物を攻撃されたことも、フィニッシュ以外でGEが敵スタンド使いを殴ったこともない)。
- 物語終盤、「矢」のパワーによって「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」へと進化。物質に生命を与える能力だけでなく「攻撃してくる相手の行動や能力を『その能力・攻撃によって起こる真実』に到達させない」という究極の能力も加わっている。よってレクイエムに殺された者は「死んだという真実」にさえ到達できず、何度でも繰り返し永遠に死を体験し続ける地獄を味わう事になる。なお、ジョルノの意志ではこの能力を発揮する事は出来ない。
- 上記の能力でディアボロ(キング・クリムゾン)を打倒。ボス亡き後の「パッショーネ」を掌握したと見受けられる場面にて第5部は幕を閉じる。
- ラッシュ時の声はDIOと同じく「無駄無駄」。
- スタンド名の由来はプリンスのアルバム「The Gold Experience」。また、ジョルノとは、当時ホンダが製造していた、ディオと同系のスクーターの名前でもある。
- なお、Part6にはジョルノの異母兄弟が三人登場しているが、ジョルノとの関連性は全く語られていない。
- ブローノ・ブチャラティ(声:櫻井孝宏)
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- スタンド名:スティッキィ・フィンガーズ
- 牡羊座の20歳。A型「組織」のチームリーダーの一人で、ポルポの部下。人の皮膚や汗の状態で相手の嘘を見抜くと言う特技がある。
- 子供の頃、父が麻薬密売人らに襲われて送院、止めを刺しに来た追手2名を返り討ちにし、2名とも殺害してしまった事から、自分と父の保身の為に組織に入団。彼はこの時、組織こそがこの世の正義と信じたが、後に組織が、彼の嫌悪する麻薬に手を染めている事を知る。ジョルノとは敵として出逢ったが、彼の夢に賛同しチームに引き入れた。
- その後ボスの娘・トリッシュの護衛任務を言い渡されるも、その真意がボスが自分の手で彼女を殺害することだったということを知り、物語中盤で彼女を守るべく組織を裏切る。この時致命傷を負ったが、ジョルノのスタンドによって死を免れる(ただし肉体そのものは死亡しており、魂だけで肉体を動かしているいわば「生ける屍」状態になった)。その後もボスを倒すために引き続きチームのリーダーとして活動した。
- 最後はディアボロの行動をヒントにシルバーチャリオッツ・レクイエムの能力を解除、ジョルノに全てを託し天へ昇った。
- 性格は沈着冷静であり、頭脳明晰。責任感の強さもあってか町の人々からの人望も篤く、上司であるポルポから信頼されており、彼の仕事振りは後に敵対するボスにさえ尊敬の念を抱かせるほどである。
- ジッパーで物体を切断・接着し、中に空間を作ることができる人型のスタンド「スティッキィ・フィンガーズ」を持つ。この能力を利用して、他人の体にジッパーで隠れる事やパンチの飛距離を伸ばす事も出来る。
- ラッシュ攻撃の決め台詞は「アリアリアリ…アリーヴェデルチ(さよならだ)」。
- スタンド名・能力の由来はThe Rolling Stonesのアルバム「Sticky Fingers」(ちなみに、このアルバムのオリジナルLP版はいわゆる変形ジャケットで、写真のデニムには本物のジッパーがついている)。ブチャラティは、イタリアの高級宝飾店ブチェラッティ(Buccellati)が語源と思われるが、同名の焼き菓子もある。
- レオーネ・アバッキオ(声:稲田徹)
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- スタンド名:ムーディー・ブルース
- 20歳。ブチャラティの部下。元は正義感溢れる警察官だったが、社会の矛盾に触れることで失望し、自らも賄賂等の悪事に手を染めるようになる。その後、チンピラが起こした強盗事件に関わり同僚が殉職、自身の汚職もばれて身も心も暗黒に堕ち、ギャングとなった。
- やさぐれた経緯故か、人をあまり信用しない性格。船上で敵スタンドの攻撃を受けた時も、新入りのジョルノに自らのスタンド能力を見せるのを躊躇していた。その後もジョルノとはことあるごとに衝突している。しかしいったん信頼を置いた人間にはとことん従う義理堅さも併せ持っており、落ちぶれた自分を部下として迎え入れてくれたブチャラティには特に絶対の信頼を寄せている。
- スタンドは、ビデオ映像のように現場の記憶を再現できる「ムーディー・ブルース」。スタンドは戦闘向きではないが、作者によればアバッキオ自身の腕っ節はチーム内で1番強い。
- ブチャラティチームの中で、一番最初にボスの犠牲になった。しかし、死の間際に最期の力を振り絞り、ボスの素顔のデスマスクと指紋をジョルノらに託し、絶命する。その後あの世で、同僚の警官が自分の事を少しも恨んでなかった事を知り、和解した。
- スタンド名の由来はイギリスのバンド「The Moody Blues」。レオーネはイタリア語でライオン、アバッキオはイタリア語で子羊の事。
- グイード・ミスタ(声:伊藤健太郎)
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- スタンド名:セックス・ピストルズ
- チームのムードメーカー。18歳。
- 女性を暴行していたチンピラを射殺し、裁判で禁固15年~30年を言い渡されたが、この裁判の記事を読み射撃の才能を見抜いたブチャラティが手を回して釈放させ「試験」を受けて組織に入団した。帽子や袖の中といった服のあちこちに銃弾を隠し持っており、愛用する拳銃の弾が切れた時には瞬時にそこから弾を再装填する。
- 彼の拳銃「M49」はリボルバー式である。装弾数の多いブローバック式の拳銃を使わないのは、リボルバーの信頼性の高さもさることながら、自動拳銃特有の再装填に時間がかかる点を嫌ったからだと思われる。現に物語の終盤、壊されたM49の代わりに使ったベレッタM92を撃ち尽くした時、その旨をピストルズ達が指摘している場面がある。(この問題は先に弾を込めた弾倉を複数用意すれば、ある程度克服できるが、弾の携帯性や隠匿性の低下を警戒したものと思われる)
- 性格は常に快活で直情的。ブチャラティを除けばチーム内で新入りのジョルノに一番早く協力する姿勢を見せた。数字の「4」を不吉と信じ、「4」が絡むと途端に弱気になる。
- 途中で離脱したフーゴを除く初期からのブチャラティチームの中で、唯一ボスとの決闘に生き残り、組織の長となったジョルノの傍に付き従う。
- スタンドは拳銃の中に住み、弾丸の軌道を操る「セックス・ピストルズ」。ピストルズは6人で1チームとなっており、それぞれ自意識を持っている。No.1はリーダー格、No.2は明るいお調子者、No.3は短気な暴れん坊、No.5は気弱な泣き虫、No.6はクールで冷静、No.7はサブリーダー(彼が指揮をとったのはいずれもNo.1不在のときのみ)。ミスタ自身のジンクスから「No.4」はいない。比較的自意識が強いのか、ミスタが便利と見て制御を緩くしているのかは不明だが、本体のミスタに意見したり、自主行動でジョルノ達の援護に回るなどの活躍を見せている、スタンドなのにイタリア人の生活習慣を持っており、食事や昼寝をさせないと機嫌を損ねて働いてくれないらしい。
- スタンド名の由来は、イギリスのバンド「Sex Pistols」。ミスタ(Mista)はイタリア語で「混ぜた・ミックスした」の意。(イタリア料理のメニューでフルッタ・ミスタ(Frutta Mista)とあれば「フルーツの盛り合わせ」となる。)
- ナランチャ・ギルガ(声:瀧本富士子)
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- スタンド名:エアロスミス
- しし座生まれの17歳。
- 早くに母を亡くし、父には愛されず、信頼していた親友にさえ強盗の罪を着せられてしまい少年院へ。出所して人生に絶望し浮浪者となっていた所をフーゴに拾われ、ブチャラティチームの介護を受ける。その際に自分もギャングにして欲しいと申し出るが、安易にギャングの道に入ろうとしている事に激怒したブチャラティによって家へ帰される。しかし「何の関係も無いはずの自分を、親よりも真剣な態度で怒ってくれた」と感じた彼はブチャラティに憧れるようになり、恩に報いるため、秘密で「試験」を受け組織に入団する。
- 満足な教育を受けていないのを気にしており、教養・知識の無いことを馬鹿にされると、キレてナイフを振り回す。父親(ボス)に殺されそうになったトリッシュに共感して、ブチャラティらと共に組織を裏切る。年齢よりも無邪気で少年らしい性格。見た目も子どもっぽい。音楽やダンスが好きと思われる。
- ボスとの決闘の最中、戦いが終わり無事故郷に帰ったら学校に行こうという思いも空しく、キング・クリムゾンにより殺害された。
- スタンドは、生物の吐き出す二酸化炭素をレーダーで検知して追跡、機銃や爆弾で攻撃するプロペラ戦闘機型のスタンド「エアロスミス」。機銃による攻撃は攻撃能力が高く、射程距離も20mと長いため、レーダーを利用しての高い偵察能力をもつ。腕を滑走路に見立てて出し入れする。ラッシュ攻撃の決め台詞は「ボラボラボラ…ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)」。ちなみに搭乗者の名前は「スミス」。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「Aerosmith」。ナランチャはイタリア語でオレンジの事。
- パンナコッタ・フーゴ(声:三浦祥朗)
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- スタンド名:パープル・ヘイズ(紫の煙)
- 16歳。チームのブレーン。
- IQ152、13歳で大学に入学できるほどの天才。普段は紳士的だが実はキレやすく、教師に対する暴行事件をきっかけに道を外れ、ギャングとなる。チームでは仕事の傍ら、ナランチャの教育係をしている。
- スタンドは、拳に搭載されたカプセルから殺人ウィルスをばら撒く「パープル・ヘイズ」。このウィルスに感染すると、およそ30秒ほどで全身が腐り死んでしまう。本体であるフーゴでさえもウィルスに感染すれば死亡してしまう。拡散したウィルスは光に弱く、ライトの光程度の強さで数十秒ほどの照射で殺菌される。スタンドは自意識を持つが、知性は低く凶暴性が高い、またフーゴの人格の影響か、体についた自分の涎をふき取るなど微妙な綺麗好き。本体であるフーゴ自身にも制御しきれない為、滅多に使われないらしい。(作中で登場したのはイルーゾォのマン・イン・ザ・ミラー戦の一度きりである)
- 中盤で組織を裏切ったチームメンバーについていけず離脱する事となり、以後は登場しない。小説版では組織側の人間として再登場したが、ジョルノ達との友情を捨てた訳ではなく、密かに彼らの手助けをしていた。
- なお、彼が戦線を離脱した筆者側の理由としては、能力が強力かつ凶悪で使いどころが難しすぎたと述べている。また、本来は離脱ではなくブチャラティチームと敵対する予定だったのだが、状況が状況だけにこれ以上どん底に落とすのはあんまりだということでこういった形になったとも述べている。
- スタンド名の由来はThe Jimi Hendrix Experienceの楽曲「Purple Haze」。パンナコッタは、イタリア語で「焼いた牛乳」という意味の菓子パンナコッタ、フーゴ(フラーゴレ)はイタリア語で苺の事。
- トリッシュ・ウナ(声:夏樹リオ)
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- スタンド名:スパイス・ガール
- 1986年4月19日生まれ。15歳。ボスの娘。
- ボスが組織に君臨する以前に出来た子供で、最近までボス自身も存在を知らなかった。ボスを知るための鍵と思われ、組織内の抗争に巻き込まれたがブチャラティに保護される。
- 初めは潔癖性で高飛車だったが、ブチャラティ一行との関わりが彼女を成長させ、もともと強かった芯がより強くなり、性格も丸くなった。ミスタとは肉体が一時的に入れ替わって以後、良い友達と言った所。さりげなくナランチャ(魂はジョルノ)に泣きついた事もある。また、作中でブチャラティに(自分では自覚なしで)恋心を抱いていた可能性があるような描写がある。
- 当初スタンド能力は無かったが、ブチャラティ達と行動することによって能力が覚醒。スタンドは、どんな物質もゴム状に柔らかくできる「スパイス・ガール」。意思を持った女性型スタンドで、トリッシュとは対等の友人のような関係である。普段は敬語で喋るが、戦闘になるとガラが悪くなり、トリッシュ譲りの激しい気性が露呈してくる。
- 名前の由来はスーパーモデルのトリッシュ・ゴフ。スタンド名の由来はイギリスの女性アイドルグループ「Spice Girls」(ラッシュ時の台詞「WANNABEEEE--!」も楽曲「Wannabe」に由来)。
暗殺チーム
ギャング組織「パッショーネ」の暗殺専門部隊。総員は9名。 仕事の性質上、ボスから「信頼」が得られず冷遇されていたため、ボスを暗殺し組織の麻薬ルート乗っ取りを目論む。ボスの正体を暴くために、娘であるトリッシュを拉致しようとした。
- ホルマジオ(声:岸祐二)
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- スタンド名:リトル・フィート
- 暗殺チームの一人。「しょ~がねえなぁ~」が口癖。スタンドは「リトル・フィート」。人差し指の刃で切りつけた相手の身体を、どんどん縮小させていく。また、自分自身を自由に縮小させる事も可能。縮小させるのには時間がかかるが、能力が解除された時には一瞬で元の大きさに戻る。
- ナランチャを拷問して隠れ家の場所を吐かせようとするが、ナランチャの激しい攻撃によって返り討ちにあい敗北、死亡する。その際「これからもっとしんどくなるぜ、テメーらはよぉ」と、今後の彼らの運命を憐れむかのような台詞を残した。
- 名前の由来フォルマジオ(formaggio)とはイタリア語でチーズの事。スタンド名の由来はアメリカのバンド「Little Feat」。
- イルーゾォ(声:根岸朗)
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- スタンド名:マン・イン・ザ・ミラー
- 暗殺チームの一人。スタンドは「鏡の中の世界」を作り出し、入ることを「許可」した物だけを引きずり込む「マン・イン・ザ・ミラー」。普段は強気だがいったん追い詰められるとかなり弱気になる性格で、パープル・ヘイズの能力を知ってからは終始恐れをなしていた。
- ポンペイの遺跡でジョルノらを襲い、フーゴやアバッキオを窮地に追い込むが、ジョルノの機転とパープルヘイズの殺人ウィルスにより敗北、死亡した。
- イルーゾォとはイタリア語で幻影(イリュージョン)の事。スタンド名の由来はMichael Jacksonの楽曲「Man in the Mirror」。
- Part3に「鏡の世界なんてメルヘンは存在しない」というセリフが有り、ファンの間ではイルーゾォとの食い違いがしばしばネタにされる。
- プロシュート(声:うすいたかやす)
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- スタンド名:ザ・グレイトフル・デッド(偉大なる死)
- 暗殺チームの一人。目的のためなら無関係の人間をもスタンド攻撃に巻き込む非情さを持つ。一方で、弟分のペッシに対しては「マンモーニ(ママっ子)」と叱り付けつつも、成長することを望んでいる。スタンドは、周囲の生物を無差別に老化させる「ザ・グレイトフル・デッド」。
- フィレンツェ行き特急内でブチャラティチームを列車の乗客ごと始末しようとするも、ブチャラティの捨て身の攻撃で一緒に車外に放り出される。一時はペッシのビーチ・ボーイにより釣り上げられるが、ビーチ・ボーイの特性を利用したブチャラティの攻撃により転落。その際に瀕死の重傷を負いながらも辛うじて列車に取り付き、己の命をも厭わずにスタンド攻撃を再開、ペッシにその「覚悟」を見せつけ彼を成長させた。その後、ペッシとブチャラティの戦いを見届け、死亡。
- 「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」などのParte5を象徴するような名台詞を放ち、その壮絶とも言える『覚悟』を見せたスタンド攻撃で人気が非常に高い上に、単行本のスタンド紹介の項目にも本体名にプロシュートではなくプロシュート兄貴と書かれている事からペッシ同様、ファンからも「兄貴」と慕われている。
- プロシュートとはイタリアのハムの一種(生ハムプロシュット)。また、語源のプロシュガーレには「乾燥させる」という意味がある。スタンド名の由来はアメリカのバンド「The Grateful Dead」。
- ペッシ(声:西村朋紘)
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- スタンド名:ビーチ・ボーイ
- 暗殺チームの一人。おそらくチームでは一番の下っ端で、プロシュートからは「マンモーニ(ママっ子)」と叱咤されている。スタンドは釣竿状で、釣り糸を壁や床などの物体に垂らして敵を探し、内側から切り裂く「ビーチ・ボーイ」。その釣り糸への攻撃は、伝線し相手の神経を経由して本人に返す。
- 初めは臆病で自信の無いチンピラだったが、瀕死の状態でもなお攻撃を止めないプロシュートの壮絶な「覚悟」を見て己の未熟さから脱し、冷酷な暗殺者に成長。その成長振りはブチャラティを驚かせた。ブチャラティと死闘を繰り広げるも敗北。挙句にカメの中のジョルノ達を人質に取るが、卑劣な行動に激怒したブチャラティのステッキィ・フィンガーズにアリアリラッシュを食らってバラバラになり死亡した。
- ペッシはイタリア語で魚(料理)の事。スタンド名の由来はアメリカのロックバンド「The Beach Boys」。
- メローネ(声:木内秀信)
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- スタンド名:ベイビィ・フェイス
- 暗殺チームの一人。口癖は「ディ・モールト(非常に)!」。かなり性格は屈折しており、その歪んだ性癖はスタンドにも受け継がれている。スタンドは、物体を細分化して別の物体に組み替える「ベイビィ・フェイス」。パソコンから手足が生えた様な本体と、本体と女性を媒体に成長する「息子」の二体で構成される。戦闘を行う「息子」は自意識を持つ遠隔自動操作型で、人間が媒体なので実体化している(本体の方も、一般人にも見えているので本物のパソコンと一体化してるか実体化していると思われる)。標的の血液が必須で、その標的と相性の悪い女性から生まれるのが好ましいようである。「息子」がどのような性格になるのかは母親と、誕生後の教育次第であり、それらが上手くいけば「パワーを兼ね備え、ある程度の操作も可能な遠隔操作型スタンド」というスタンドの原則からするとありえない形の、理想的なスタンドとして運用することが可能となる。本体とはチャットのように意見の交換を行うため、他の遠隔自動操作型と異なり情報収集やある程度の細かい命令が可能であるが、本体への報告はスタンドの主観に基づくため本体からすると戦況がわかりづらく、正確な命令がなかなかできない、スタンド自体にも自我があるために指示に誤差が生じる、という弱点がある。
- ブチャラティの血を組み込んだベイビィ・フェイスで一行を追跡させ、ブチャラティとトリッシュを捕らえて一度はジョルノを瀕死にまで追い込んだが、その能力からヒントを得て傷の治療をしたジョルノに追い詰められる。一時はキレて更なる成長遂げ反撃するかと思いきや、結局はジョルノの知略の前に返り討ちに遭う(この時点で本体・メローネ自身に目に見える形でのダメージは無かった)。直後メローネ自身もジョルノが放った「ベイビィ・フェイスの残骸から生まれた毒蛇」に噛まれて死亡した。
- メローネはイタリア語でメロンの事。スタンド名の由来はアメリカのR&Bプロデューサー・シンガーソングライター「Babyface」。
- ギアッチョ(声:西村朋紘)
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- スタンド名:ホワイト・アルバム
- 暗殺チームの一人。短気な性格で、言葉の言い回しや使われ方の矛盾に異常にこだわる変人。眼鏡を掛けている。スタンドは自らの身にまとって極低温を操るスピードスケート用スーツのような外見の「ホワイト・アルバム」。空気を凍らせて氷の壁を作り、敵に攻撃を反射する防御技「ジェントリー・ウィープス」を使うことも出来る。通気口の役目を果たす首の後ろの穴が唯一の死角となっている。
- ヴェネツィアに向かうジョルノとミスタが乗った車を襲撃、2人を追いつめるも、ミスタの捨て身の覚悟とジョルノの無駄無駄ラッシュ(蹴り)で、首を鉄柱で貫かれ絶命した。
- ギアッチョはイタリア語で氷の事。スタンド名の由来はThe Beatlesの「The Beatles (通称:The White Album)」。空気を凍らせ壁を作る技「ホワイトアルバム ジェントリー・ウィープス」も同アルバム収録の「While My Guitar Gently Weeps」に由来する。
- リゾット・ネエロ
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- スタンド名:メタリカ
- 暗殺チームのリーダー。スタンドは、鉄分を磁力により操作する「メタリカ」。リゾット自身の体内に潜んでいる珍しいタイプ。血液中の鉄分を刃物等に作り変え、磁力により外に引きずり出すことで相手の体内から攻撃することができる。また、標的は攻撃を受けるうちに体を内から裂かれたための多量の出血と体内の鉄分を減らされることで赤血球が働かなくなり、酸素欠乏症にかかり、行動不能に陥る(最悪死亡の危険性もある)など非常に攻撃性の高い能力といえる。
- サルディニア島でブチャラティチームを追跡中、ドッピオと遭遇。死闘の末、片足を斬り飛ばされながらも彼を追い詰めるが、ドッピオの主人格であるディアボロの策略でエアロスミスに攻撃されて致命傷を負う。今際の際に一矢報いようとしたものの、キング・クリムゾンの能力には敵わず、誇りを抱いたまま死亡する。ディアボロも彼の死に様には敬意を表した。
- 名前の由来「リゾット・ネロ」はイタリア語で「黒いリゾット」=イカ墨のリゾットのこと。スタンド名の由来はアメリカのヘヴィメタルバンド「Metallica」で、スタンドが発する鳴き声「ロォォドォォ」はアルバム「LORD」から。
- PS2ソフト「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風」(カプコン)では、尺の都合と、主人公側が直接関与しない戦闘であることからか出番がほとんどカットされているが、実はソフト内に未使用のボイスデータが存在している(声:根岸朗)。
- ソルベ
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- スタンド名:不明
- 暗殺チームの一人。ジェラートと気味が悪いくらい仲が良く、2人でボスの正体を探ろうとしてボスの逆鱗に触れ、逆襲され体を輪切りにされた上、額縁の中にホルマリン漬けにされて「処刑」される。ソルベはイタリア語でシャーベットの事。スタンドは劇中に登場しない。
- ジェラート
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- スタンド名:不明
- 暗殺チームの一人。ソルベと気味が悪いくらい仲が良く、2人でボスの正体を探ろうとしたために一緒にボスに捕まる。目の前でソルベが惨殺される光景を目の当たりにし、猿轡を飲み込んで窒息死。ジェラートはイタリア語でアイスクリームの事。スタンドは劇中に登場しない。
ディアボロ直属親衛隊
- スクアーロ(声:木内秀信)
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- スタンド名:クラッシュ
- パッショーネのボス、ディアボロの親衛隊の一人。ティッツァーノと共にヴェネツィア市内でブチャラティ一行を襲撃する。スタンドは、水から水へ瞬間移動して相手を攻撃するサメの様な魚型の「クラッシュ」。
- 「トーキング・ヘッド」に取り憑かれたナランチャを利用して、他のメンバーを順次始末しようと計画するが、ジョルノの体を張ってのメッセージを理解したナランチャに正体を見破られ、ボラボララッシュを受けて死亡。
- スタンド名の由来はイギリスのパンクバンド「The Clash」。スクアーロはイタリア語でサメの事。
- ティッツアーノ(声:石野竜三)
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- スタンド名:トーキング・ヘッド
- 親衛隊の一人。スクアーロと共にヴェネツィア市内でブチャラティ一行を襲撃する。スタンドは、対象の舌に取り付き、その者が発しようする、あらゆる言葉の正反対の事を表現させる「トーキング・ヘッド」。能力は口述だけでなく、記述にも及ぶ(劇中では記述は正反対ではなく、意味不明なものに変換されていた)。
- ナランチャに取り付いてブチャラティチームを攪乱するが、自分の舌を切り落としたナランチャに正体を見破られ、スクアーロをエアロスミスの弾丸からかばって死亡する。
- スタンド名の由来はアメリカのパンクバンド「Talking Heads」。名前の由来はイタリアのルネサンス期の画家「Tiziano Vecellio」。
- カルネ
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- スタンド名:ノトーリアス・B・I・G
- 親衛隊の一人。カルネ自身はミスタによりあっけなく射殺されるも、その怨念のパワーでスタンド「ノトーリアス・B・I・G」を発現させる。「ノトーリアス・B・I・G」は高速で動くものを優先的に追尾し、人間やスタンド、飛行機の燃料などのエネルギーを吸収し成長する。
- サルディニア島行き飛行機内でブチャラティらを襲うが、スタンド能力に目覚めたトリッシュの機転で機体ごと海上に投棄される。その後はただひたすら波や通りかかった船を攻撃するだけの存在になってしまった。
- スタンド名の由来はアメリカのラッパー「The Notorious B.I.G. 」。カルネはイタリア語で肉の事。ちなみに由来となったノトーリアス・B.I.G.本人も97年、カルネと同じく射殺されている。
- 彼のスタンドは、本体であるカルネ自身が死亡したので発動したと言われているが、彼がどうやってこの能力を理解し、駆使したのかは不明である。本人がこの能力を知らなかったという可能性もあるが、親衛隊に所属していることから考えると、カルネとノトーリアス・B・I・Gは生前から別の能力で活躍していたのかもしれない。尚ミスタに射殺される直前、カルネのそばに現れたスタンドは人型だった。ファンの間では「ノトーリアス・B・I・Gには自意識があり、カルネに自分の能力を説明したのでは?」とされている。
- 「ノトーリアス・B・I・G」の「B・I・G」は当初「ビー・アイ・ジー」や「ビッグ」と混同に表記されていたが、文庫版では「ビッグ」に統一されている。
- チョコラータ(ト)(声:石野竜三)
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- スタンド名:グリーン・ディ
- ボスの切り札の一人。元医者。医療ミスで病院を解雇になった所を組織に拾われたが、実態は人の死や痛みを観察するのを楽しみとする猟奇的な殺人鬼であり、極悪非道そのものの男であり、ボスにすら「最低のゲス」といわれた。医療ミスに見せかけた人体実験も解雇以前から故意に行なっていた。
- スタンドは、現在地から少しでも低い所に降りると急激に繁殖して肉を腐らすカビを散布する「グリーン・ディ」。カビをバラまくのが主能力だが、スタンドそのものは近距離パワー型である。また医師としての技量とカビとを駆使し、自らの体をバラバラにし、傷口をカビで覆い止血・保護する事で物陰に隠れ、攻撃する事もできる。ただでさえ、カビは散布範囲を無差別に攻撃するうえに、犠牲者の死体を媒体として無制限に攻撃範囲を広げてしまう事から、その暴走しがちな能力と本人の性格とが危険視され、セッコ共々ボスによって封じられていた。
- カビの死体をローマにばらまいて何百人ものローマ市民を虐殺。全ローマ市民もろともブチャラティ一行を抹殺しようとするが、ピストルズNo.5の活躍とジョルノの機転により敗北、怒りのジョルノによって7ページ半に渡る「無駄無駄」ラッシュを打ち込まれ死亡した。
- 実は前々からボスの座を狙っていて、ディアボロがローマに来ていると推測し、闘いが終わったらどさくさに紛れてディアボロを倒し新たなボスになろうと決意していた。
- スタンド名の由来はアメリカのパンクバンド「Green Day」。チョコラータはイタリア語でチョコレートの事。なお、登場話の後期では名前が「チョコラート」と表記されていた(単行本や文庫版以降は「チョコラータ」に統一)。
- セッコ(声:うすいたかやす)
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- スタンド名:オアシス
- ボスの切り札の一人。チョコラータの元患者で、彼の言う事しか聞かない。知性も預金もあり強いし角砂糖を投げて遊んでくれる、とペットのように振舞っているが、実はこれらは全て演技であり、本性はかなり狡猾で残忍な性格である。チョコラータ同様ボスにゲス呼ばわりされた。
- スタンドは、周囲のあらゆるものを液状化させる、身に纏うスーツの様な形の「オアシス」。これを利用して地中にダイブし、自身の進行上の全ての物を液状化した地面に飲み込む。また敵や物質を液状化した地中に引きずり込んだり、液状化させて破壊することもできる、また、ある程度距離が離れれば、液状化した物も再び固体化するため、液状化した石を口に含み吹き付けることで即興の遠距離攻撃も可能である。恐ろしく鋭い聴力がソナーとなって、地中でも方向を誤る事がない。ブチャラティのスティッキィ・フィンガーズを圧倒するなどパワー・格闘能力も高いが、その真価はチョコラータの能力との組み合わせによって発揮される。
- 留守録の声にすら泣いて喜んでいた(彼が勝ち続けるならば、愚者を演じ続けるも良しと思っていたようである)が、チョコラータがジョルノたちに倒された事を知ると手のひらを返したかの様に本性を現してチョコラータを罵倒し、且つチョコラータ最期のメッセージから目標の男がコロッセオにいる事を知った事から、彼を確保した上でその持つ秘密でボスを倒してトップになりかわろうと暴走するも、最期はブチャラティにより聴力を奪われた上で、ジッパーで自らの手とノドとを繋がれ、自分のノドを液状化させる形で自滅した。
- セッコはイタリア語で「辛い(香辛料などの辛さ、酒のアルコール度数が強い)、乾燥した」(英語で言うdry)という意味。スタンド名の由来はイギリスのロックバンド「Oasis」。
幹部
- ポルポ(声:岸祐二)
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- スタンド名:ブラック・サバス
- 組織「パッショーネ」の幹部。とてつもない肥満で巨体。身動きできない自分の身を護る為、ワザと刑務所に入っており、そこから外部に指示を出している。また入団希望者に試験を課す試験官でもある。
- スタンドは影の中を自在に移動し、捕えた人間の魂を内蔵されたスタンドの才能を引き出す矢で突き刺す、自動操縦タイプの「ブラック・サバス」。才能が無い人間が矢に貫かれると死亡する。
- ジョルノに課題を与えたが、その途中、無関係の老人の命をブラックサバスが奪った事で彼の怒りを買い、彼の能力でバナナに替えられた拳銃を咥えさせられ死亡した。表向きには死因は自殺。
- スタンド名の由来はイギリスのロックバンド「Black Sabbath」。ポルポはイタリア語で「タコ」のこと。
- ペリーコロ(声:伊藤健太郎)
- 組織「パッショーネ」の老幹部。ブチャラティの上納金(ポルポの遺産)を受け取りにカプリ島に現れ、彼の幹部への昇進を告げると共に、ボスからの指令「娘の警護」の任務を与えた。スタンド能力はない。
- 組織に忠実で、最後はミスター・プレジデントの中で秘密保持の為に自殺させられた。ペリーコロはイタリア語で「危険」を意味する。
- ボス(ディアボロ)(声:宮本充)
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- スタンド名:キング・クリムゾン
- ギャング組織「パッショーネ」のボス。幾つもの偽名を持つが、本名はディアボロ。二重人格者で、ドッピオという名前の気弱な少年の人格が内在している。
- サルディニア島の神父の養子。若い頃のエジプト旅行で、スタンド才能を開花させる弓と矢を発見、組織拡大に利用した。長年、彼の正体や経歴、素性は全ての人間にとって謎であり、彼の正体を探ろうとする者には容赦なく、冷酷で計算されつくした残忍さを演出して警告、始末する。
- スタンドは限られた時間を消し去る「キング・クリムゾン」。簡単に言うと「自分以外の全ての人間の意識を数秒間吹き飛ばす」能力で、時間が吹き飛んでいる間、ディアボロ以外の人間は自分や他人がしている行動を認識できない(つまり、DIOのザ・ワールドと同じことを時間を止めずに行っている事となる)。また、数秒先の未来を予知する能力「エピタフ」を持ち、Parte5に登場した中では無敵のスタンドである。
- 自分の来歴が表に出ることを恐れ、実の娘を自らの手で殺害しようとするが、彼に二度裏切られたと感じたブチャラティと、彼を慕いついてきたメンバーによって表の世界に引きずり出された。最後はジョルノのレクイエムによって、永遠に死に続ける地獄を味わう事となった。
- スタンド名の由来はイギリスのロックバンド「King Crimson」。ディアボロはイタリア語で「悪魔」のこと。また、イタリア料理の鶏肉の調理法に「ディアボラ風(あるいはディアボロ風)」というものが存在する。当初は「ディアヴォロ」と呼ばれていた。
- ヴィネガー・ドッピオ(声:宮本充)
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- スタンド名:キング・クリムゾンの腕とエピタフ
- 「ボス」の第二人格でギャング団「パッショーネ」の参謀。普段は気弱で優柔不断な少年。ボスの意思で人格を入れ替え、その時には体格まで変化する。ドッピオ自身は自分のことをボスの忠実な部下と信じている。第一人格のディアボロとは「電話」によって交信し、その前兆に電話のベル音を模した「とぅるるるる」と口走る。ちなみに「電話」は動物だろうと玩具だろうと食べ物だろうと、耳に当てられさえすれば何でもいい。
- 能力は「ボス」から与えられた、前髪をスクリーンにして数秒先の未来を見る「エピタフ」とキング・クリムゾンの「腕」。
- 組織の裏切り者となったブチャラティチームを追跡するが、コロッセオの戦いでブチャラティの死体に魂が入れ替わり、そのまま死亡した。
- 「キング・クリムゾン」の能力「エピタフ」の名前の由来はKing Crimsonの楽曲「Epitaph」。ヴィネガーは英語で「酢」のことで、ドッピオはイタリア語で「二重」を意味する。(ちなみにイタリア語だと「酢」は「アチェート(aceto)」)
その他の構成員
- ルカ
- パッショーネの組員。以前の喧嘩の後遺症で、常に目に涙が滲むようになった為、「涙目のルカ」の異名を持つ。空港でジョルノに因縁をつけるが、ジョルノが生み出した蛙をスコップで潰そうとして衝撃が脳天に反射され、再起不能になった。後に始末され、彼の眼球や指はブチャラティがジョルノを尋問する時に使われた。
- なお、ブチャラティがミスタ達にルカの事を話した時には、ルカの死体は『変死体』で見つかったと言っていたことから、「ダメージ反射後に意識不明になりその後始末された」というのは尋問のための脅しの可能性がある。
- 名の由来はアメリカのミュージシャンSuzanne Vegaの楽曲「Luka」。
- マリオ・ズッケェロ(声:石野竜三)
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- スタンド名:ソフト・マシーン
- パッショーネの組員。ローマのチンピラで、はれぼったい唇と巻貝のような髪型が特徴。ポルポの遺産を狙って、相棒サーレーと共にブチャラティチームを追跡した。スタンドは、手にしたレイピアで刺した物体を、空気を抜かれた風船のように萎ませる「ソフト・マシーン」。
- ボートの上でブチャラティチームを襲い、ブチャラティ以外を捕らえる事に成功したが、スティッキィ・フィンガーズに首を落とされ、逆に捕らえられる。仲間のことを話すよう拷問されるが、口を割らなかった。その後の生死は不明。
- ズッケェロはイタリア語で砂糖のこと(また、イタリアのシンガー・ソングライター、アデールモ・フォルナチャーリの芸名でもある)。スタンド名の由来はイギリスのロックバンド「Soft Machine」。
- サーレー(声:木内秀信)
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- スタンド名:クラフト・ワーク
- パッショーネの組員。ズッケェロの相棒。スタンドは物体を空間に固定する「クラフト・ワーク」。
- ミスタの弾丸を、致命傷に至る前に固定させることで一度は封じたものの、頭部表面に残った弾丸を別の弾丸で押し込まれて敗北。ギリギリで死には至らず、気絶させられた。その後はズッケェロとともに不明。
- サーレーはイタリア語で塩のこと。スタンド名の由来はドイツのテクノユニット「Kraftwerk」。
その他の登場人物
- 広瀬康一(ひろせ こういち)
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- スタンド名:エコーズ ACT1、エコーズ ACT2、エコーズ ACT3
- Part4『ダイヤモンドは砕けない』の登場人物。Part4と同様、語り部としてparte5冒頭に登場。
- 空条承太郎の依頼を受け、ディオの息子であるジョルノ・ジョバァーナの動向と特性を調査するためにイタリアへやってくる。イタリア語を流暢に喋っているが、これは岸辺露伴の「ヘブンズ・ドアー」の能力で話せるようにしてもらったため。
- 物語冒頭でジョルノにパスポートの入った荷物を奪われてしまい、奪回の為にジョルノの部屋を訪れた際、ジョルノの「入団試験」に関わってしまう。この為ブラックサバスに対してジョルノと共闘したが、その後はジョルノと別れ、以後登場することはなかった。
- 亀(ココ・ジャンボ)
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- スタンド名:ミスター・プレジデント(T-レックス)
- ボスが娘の保護の為に用意したスタンド「ミスター・プレジデント」を持つ亀。背中のくぼみに「鍵」を取り付けると、鍵内に「部屋」が発生する。部屋にはリビングが用意され、冷蔵庫やテレビまである。が、トイレは無い。
- スタンド名と名前の由来はそれぞれ、ドイツのテクノユニット「Mr.President」とその楽曲「Coco Jamboo」。
- ジャン=ピエール・ポルナレフ(声:根岸朗)
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- スタンド名:シルバー・チャリオッツ(銀の戦車)、シルバー・チャリオッツ・レクイエム
- 詳しくはジャン=ピエール・ポルナレフを参照。
- ドナテラ・ウナ
- トリッシュの母親。サルディニア島でソリッド・ナーゾと名乗っていた若い頃のボスと知り合い、娘を出産した。トリッシュがブチャラティらと会う2ヶ月前に病気で死亡している。
- ドナテラという名はイタリアでは一般的なものだが、イタリアのファッションブランドである「Gianni Versace」の現デザイナー、Donatella Versaceに由来するという説が有力である。
- スコリッピ(声:木内秀信)
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- スタンド名:ローリング・ストーン(ズ)
- 彫刻家。近く死ぬ運命にある者の姿(彫刻)となり、その人物を安楽死させるために自動追跡する石型のスタンド「ローリング・ストーン(ズ)」を持つ。本作のラストを飾ったスタンド使いである。
- モンテサント広場の花屋の娘のボーイフレンドで、その娘が不可解な自殺を遂げたため、花屋の父から調査依頼を受けたブチャラティ達に出会う。そして、彼らの過酷な運命を目撃することとなる。
- スタンド名の由来はイギリスのロックバンド「The Rolling Stones」。
- スコリッピという名は、イタリアのポピュラーな肉料理「スカロッピーネ(Scaloppine)」と発音が似ており、これを由来とする説が有力。茨の冠、(ミスタによる)両手の銃痕などが、イエス・キリストを連想させる。
- ギャングの男(ジョルノの恩人)
- パッショーネとは違うギャング団の幹部らしく、ジョルノが子供の頃、小学校の帰り道に別のギャング団との抗争で負傷していたのを助けてもらったのがきっかけで、ジョルノの近辺を調べて義父の虐待や近所の子供達の件を解決し、「ひとりの友人」として対等の立場で接する事を通して、「人を信じるまっすぐな心」を教えてくれた「人生の恩人」。
- ジョルノは男のような「ギャングスター」になろうと憧れ、ギャング団に入団することを夢見るようになる。ちなみにこの男は、ジョルノを「ギャングの世界に巻き込まない」という厳しい姿勢を取っていたらしい。
小説版オリジナルの登場人物
- コニーリオ
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- スタンド名:ザ・キュアー
- ヴェネツィアのホテルで働く17歳の少女で、通称はコニー。相手の「痛み」や「悩み」を吸収して癒すウサギのような姿のスタンド「ザ・キュアー」をもつが、その能力を周囲に気味悪がれる事を恐れ、人前ではそのことを隠していた。しかし、パープル・ヘイズのウイルスによってホテルの仕事仲間を殺され、以降もウイルスが引き起こす惨状を目にした事で、自らの能力を発揮して人々を助けるようになる。ところが度重なるパープル・ヘイズの襲撃にザ・キュアーが吸収できる許容量を超えてしまい暴走。街を破壊しながら今まで吸い込んだウイルスを撒き散らし、パープル・ヘイズのそれを超える被害をもたらす。対峙したゴールド・エクスペリエンスとスティッキー・フィンガーズの攻撃によるダメージさえも吸収し暴走を続けたが、最後はコニーリオの叫びに応える形で暴走を止め、ウイルスの被害を消し去った。
- 事件後はアメリカに旅立ち、各地を転々としながら自身の能力を利用して人々を癒し、一生をかけて自分が救えなかった人たちへの償いを行う事を決意する。そしてその姿はいつしか都市伝説として語られる様になった。
- また、小説の最後には彼女にもジョースター家の血が流れているかの様な描写がなされている。
- コニーリオはイタリア語でウサギを意味する。スタンド名の由来はイギリスのロックバンド、The Cure 。
- リガトニ
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- スタンド名:パブリック・イメージ・リミテッド
- 組織に属するヒットマン。その任務はスタンド使いを専門とした暗殺であるため、その存在は組織の中でも機密扱いとなっている。サメの様な頭をした銃弾型のスタンド「パブリック・イメージ・リミテッド」をもつ。愛用のライフルから全スタンドエネルギーを込めて発射されたスタンドは、通常の銃弾の4倍のスピードで標的との間にある障害物の全てを貫通して極めて正確に標的に命中し、標的に到達したスタンドは自身が使い切ったエネルギーを相手から回収して戻って来る。またその能力を応用し、手加減して撃つことで相手のスタンドを封じた上で生かす事も出来る。(その場合、リガトニが死亡すれば奪われたエネルギーは相手に戻る。)そのスタンドの特性ゆえにスタンド・キラーとして恐れられるが、スタンド使いでない相手には使用できないため、かつてはミスタとコンビを組んでいた。現在は第一線を退いているが、刺激のある人生を送るために今でも依頼があれば動き、今回もミスタと対決できる事から依頼を引き受ける。
- ヴェネツィアの大鐘楼に陣取ってナランチャのエアロスミスを封じ、アバッキオを負傷させた上でミスタと対決、セックス・ピストルズの攻撃をものともせずミスタにパブリック・イメージ・リミテッドを放つが、パブリック・イメージ・リミテッドがゴールド・エクスペリエンスによってコウモリに変化したミスタの銃弾を打ち抜いた事でダメージが自分に返り自滅する。しかし、それでもなおスタンドを命中させ、ミスタを戦闘不能に追い込んだ。
- リガトニはマカロニ状の肉厚なパスタ。スタンド名の由来はsex pistolsのリード・ヴォーカルを務めたジョン・ジョセフ・ライドンが解散後に結成したバンドPublic Image Ltd 。なお、ミスタに止めを刺そうとする時の台詞は、ライドンが引退表明時に言ったロック界の名言「ロックは死んだ」をもじったものである。
- ソリョラ・ロペス(セッピア老人)
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- スタンド名:ジョイ・ディヴィジョン
- ヴェネツィアのギャング達を取り仕切るトップ中のトップ。しかし表向きは組織の幹部クラスの男「セッピア」を名乗り、ヴェネツィアの武器を一手に扱いつつ部下達の不正を監視している。スタンドは左右それぞれの手で触れた物を入れ替える「ジョイ・ディヴィジョン」。ボスの命により自身の能力を利用したトラップや組織のヒットマン、リガトニによってブチャラティ達の命を狙うがことごとく失敗。奥の手として用意していた、パープル・ヘイズによってザ・キュアーを暴走させてジョルノ達と対峙させる策もフーゴから(意図的に)ジョルノにはパープル・ヘイズのウイルスが効かない事を知らされていなかったために失敗に終わる。そこで一旦退却して体勢を立て直そうとするが、ミスタ、ブチャラティ、ジョルノの連携プレーによって捕えられ、そこにスティッキー・フィンガーズからアリアリラッシュを叩き込まれ死亡する。
- ソリョラはイタリア語で舌平目、偽名のセッピアはイタリア語でイカを意味する。スタンド名の由来はイギリスのバンド、Joy Division。
用語
- パッショーネ
- ジョルノが入団しているギャング団で、イタリア語で「情熱」という意。
- 構成員756人でボスのディアボロ兼参謀のドッピオ(一人二役)を筆頭に複数の幹部とチームで構成されている。尚ボスの直属として親衛隊チームも存在している(チョコラータとセッコは親衛隊の中でも独立された存在とされている)。尚、ボスの座は前のボスから任命されるか、もしくはボスを倒す事により新たにボスの座に就くようである。
- 主にイタリア各地で活動しており、ホテル・港の運送会社・建築会社・葬儀屋・レストラン・賭博場での収益で稼いでいて、賭博や麻薬での収益が大半を占めている(ただし麻薬は今まで禁じ手としていたが、ディアボロがボスになってから開拓した。しかしその結果、開拓した年からヨーロッパ全土の麻薬犯罪件数は約20倍に拡大した)。
- 入団方法は幹部であるポルポに会い、ポルポから出題された「試験」に合格する事である。しかしそれは同時に「矢の試練」によるスタンド能力者を増やす策略であり、スタンド能力者になればそれで良し、真面目に試験の内容を守ればそれなりに利用価値があり、もし失格してすんなり入団をあきらめたり、「矢の試練」で命を落としても関係なしと非情なものである。
- ジョルノ入団時は「暗殺チーム」が仕事に不相応な報酬額に不満を持っていて、仲間のソルベとジェラート2人がディアボロの近辺を調べようとしたばかりに最も残虐な手段で殺害された事もあり反旗を翻していた(親衛隊のチョコラータ(とセッコ)も虎視眈々とボスの座を狙っていた)。
- 物語終盤でディアボロが倒された後は、ジョルノが新ボスに、ミスタが参謀に就任している(ココ・ジャンボに憑依しているポルナレフもレクイエムの矢の管理者としてまだこの世に留まっている模様)。
- レクイエム(鎮魂歌)
- 「レクイエム」とは、スタンドが再び矢の洗礼を受けて進化したスタンドの事。
- 古代人が弓と矢を作った目的とも思われ、時間と空間を支配するまさに「神の如き存在」。
備考
- 登場人物の名称はイタリア語の料理や食材、スタンドの名称は洋楽のバンド名や曲名、アルバム名などをアレンジしたものが多い。
- 作者も単行本の帯書きで触れているが、イタリア語の場合、元来の「JoJo」という表記では「ヨォヨォ」と発音することになってしまうため、この部のみ「GioGio」と表記することになった。
- ブチャラティがポルポの遺産を回収しに行く時、雑誌掲載時には目的地をタオルミーナと言っていたが、実際に行ったのはカプリ島だった(単行本では目的地を告げる時の台詞もカプリ島に修正)。目的地の変更理由は不明。
- 2002年7月25日にプレイステーション2専用ゲームソフトとして『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』がカプコンより発売された。平面的な絵を3Dで表現する特殊技術「アーティストゥーン」を採用し、原作の絵が持つ魅力をそのままにCGアニメーションとして表現されている。
- Part3『スターダストクルセイダース』と同様に、外伝としてコミックでは描かれていないオリジナルストーリーの小説版が発刊されている。
- このParte5からPart6『ストーンオーシャン』の前半に掛けては、劇中の描写と単行本のおまけページなどで設定に一部異なる部分がある。
- 週刊少年ジャンプ誌上で連載当時、キャラクター人気投票を募ったことがあるが、結果は発表されなかった。
- スタンド名ザ・グレイトフル・デッド(偉大なる死)は「grateful」(感謝するの意)と「great(偉大)+ ful」(間違った英語)を作者が取り違えた誤訳の可能性が高い。grateful deadの本来の意味は「感謝する死者」(よく言われる「安楽死」は誤訳の可能性が高い)。
- 単行本49巻で、フーゴが勉強の出来ないナランチャに対する罵倒のセリフの「ド低能」の部分が差別用語に接触するとされ、文庫版31巻において別のセリフ「クサレ脳ミソ」に変更されているが、ファンの間では「あまり変わってない」「むしろ酷くなっている」などとの指摘[1]がある。作者は文庫版30巻のあとがきで「もめ事を起こしても疲れるだけだから、とりあえず従っておく」とコメントしている。
- Part4までの敵は、倒されて再起不能にこそなるものの死亡することはほとんどなかったが、Part℮5はギャングの内部抗争という面が強いからか、敵味方問わず多数の死亡者が出ている。
ゲーム
カプコンから2002年7月25日に発売されたプレイステーション2用ゲームソフト。
詳しくはジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風を参照。
脚注
関連項目
ディアボロの大冒険-ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力によって死に続ける事となったディアボロのその後をモデルとした同人ゲーム
外部リンク
- ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風(カプコン) - 公式サイト