リバイバル (キリスト教)
リバイバル(リヴァイヴァル、英:revival)は、復活・再生・復興といった意の英単語である。文脈により様々に用いられるが、一般に外来語として日本語で用いられる場合は以下のような英単語の語義に由来する含意を託される場合が多い [1]。
キリスト教
キリスト教用語としてのリバイバルは、敬虔な信仰者の急速な増加を伴う信仰運動を指す。国民の殆どがほぼキリスト教徒と言われてはいるが全員が信仰を持っているとはいえなかった18世紀のアメリカにおいて、信仰的熱心さと教会成長を伴う信仰運動が勃発・拡散した歴史的事象は「信仰復興」の意でリバイバルと呼ばれてきた。ウェスレー、ホイットフィールド、ジョナサン・エドワーズのリバイバルは特に大覚醒と呼ばれている。
従って、日本を含むアジア・アフリカのような元来キリスト教圏ではない新規伝道地でのキリスト教の躍進を「リバイバル」と呼ぶべきかどうかは教派により意見が分かれるが、イギリスとアメリカにおけるリバイバリズムを継承する教派(=福音派)においては、それを躊躇なく「リバイバル」として目標に掲げ、祈り求める。その視点では、日本において明治期および終戦後に大都市を中心にキリスト教徒の数が増加した現象をリバイバルと位置づけ、プロテスタントに教派を越えた一致があったとする。日本のリバイバルとしては戦前のホーリネスリバイバル(1919年と1930-33年二回)が有名である。
リバイバルへの非難と反対運動は常に見られた。その例としてウェスレーやホイットフィールドは当時の形式的な教会から熱狂主義者と非難された。ジョナサン・エドワーズは聖餐に信仰を必須としたことから反発を受け、牧師の職務を解任された。現在もエキュメニカル派(リベラル派プロテスタントとローマ・カトリック)はリバイバルを否定的に見ている。
イギリスやアメリカの信仰復興運動の波は大覚醒の後も定期的に発生し、欧州にも波及し、アメリカを基点として世界にプロテスタントの宣教師を派遣する原動力となった。リバイバルの概念をキリスト教圏以外に適用する事に慎重な学者も、明治期に来日した宣教師らがリバイバリズムに後押しされていた事、リバイバリズムはカトリックやプロテスタント内部教派同士での論争に熱心でキリスト教圏外の世界宣教にあまり関心を払ってこなかったそれ以前のプロテスタンティズムとは一線を画しており世界的なプロテスタントの拡大に功績がある事を認めている。
また、リバイバルを強調する諸派は、キリスト教の伝道が成功した結果としてキリスト教精神が浸透し、悪化していた政治・経済、さらには自然環境までもが改善され、好循環方向に変質する事例を「トランスフォーメーション」と呼び、それが成し遂げられた国家の例が既に実在し、そこでも教派を越えた働きがみられた、とする。
関連書籍等
- 『リバイバル』D・M・ロイドジョンズ著 いのちのことば社 ISBN 426402305X
- 『リバイバルの源流を辿る』尾形守著 マルコーシュ・パブリケーション社 ISBN 4872072049
- 『カミング・リバイバル』ビル・ブライト著 パトモス社
- 『ヒーリング・ザ・ランド(トランスフォーメーション)』デイビッド・ニュービー著 小牧社出版 ISBN 4915861899
- 「トランスフォーメーション」を正しく理解するために
脚注
- ^ 松田徳一郎他編『リーダーズ英和辞典第2版』研究社2002、"revival"。