中央ギリシャ
中央ギリシャ(ちゅうおうギリシャ、Στερεά Ελλάδα / Stereá Elláda)は、ギリシャ中部を指す地域名称(地理的な地方)であり、またギリシャ共和国の広域自治体であるペリフェリア(地方)のひとつである。ペリフェリアの首府はラミア。
| 中央ギリシャ地方 Περιφέρεια Στερεάς Ελλάδας | |
|---|---|
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| 国 |
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| 首府 | ラミア |
| 所属県 |
ヴィオティア エヴィア エブリタニア フォキス フシオティザ |
| 知事 | パンテリス・スリアス |
| 人口 | 614,614人 (2005年現在) |
| 面積 | 15,549 km² (6,004 sq.mi.) |
| 人口密度 | 40人/km² (102人/sq.mi.) |
| 公式サイト | www.stereaellada.gr |
地理的な地方としての「中央ギリシャ」 (Central Greece) は、ペリフェリアとしての中央ギリシャ地方 (Central Greece Periphery) よりも広い範囲を指し、アテネを含むアッティカ地方や、イオニア海に面したエトリア=アカルナニア県(西ギリシャ地方)も含んでいる。
名称
ステレア・エラダ(Στερεά Ελλάδα / Stereá Elláda)、あるいはカサレヴサ(共通文語)でステレア・エラス(Στερεά Ελλάς / Stereá Ellás)は、英語で Continental Greece あるいは Mainland Greece にあたる意味の言葉であり、日本語で「大陸ギリシャ」や「ギリシャ本土」などの表記が行われることもある。この場合の「ギリシャ本土」は、ペロポネソス半島と対比した表現である(島嶼部と対比した「ギリシャ本土」という用法とは異なる)。
地域名称としては英語の Central Greece にあたる Κεντρική Ελλάδα / Kentrikí Elláda も用いられることがある。古くは Χέρσος Ελλάς / Chérsos Ellás とも呼ばれた。
また、この地域を指す言葉としてはルメリ(Ρούμελη / Roúmeli)がある。ルメリは本来さらに広い範囲を指す概念であったが、「ペロポネソス」(モレア)との対比で「中央ギリシャ」がルメリと呼ばれるようになった。
地理
位置
現行の行政区画(ペリフェリア)としての中央ギリシャ地方(Περιφέρεια Στερεάς Ελλάδας)は、地理的な「中央ギリシャ」の東側を占める。北はテッサリア地方に、東南はアッティカ地方に、西は西ギリシャ地方(エトリア=アカルナニア県)に接しており、南に面したコリント湾を挟んで、ペロポネソス地方(ペロポネソス半島)と向き合っている。東はエーゲ海に面し、ギリシャ第二の大きさを持つ島であるエヴィア島(古名: エウボイア島)をその領域に含む。面積は15,549 km2、人口は605,329 人(2001年)。
1987年まで行政区画としても用いられた、地理的な地方としての「中央ギリシャ」は、アテネ首都圏を含み、西はイオニア海に至る。面積は 24,818.3 km2、人口は 4,591,568人(2001年)。1832年に独立した当時のギリシャの国土は、地理的な「中央ギリシャ」と「ペロポネソス」、およびいくつかの島から成っていた。
地勢
ペリフェリアの西部から中部は、アルバニア国境付近から続くピンドス山脈(ピンドゥス山脈)が走っており、ギリシャでは最も山地の占める割合の多い地方である。ギリシャ第5位の高さを持つギオナ山 (Mount Giona) (Γκιώνα、2,510m)のほか、Βαρδούσια (Vardousia) (2,495m)、パルナッソス山(2,457m)、Τυμφρηστός (Tymfristos) (2,315m)、Οίτη (Mount Oeta) (2,152m)がある。
主要な川にはΣπερχειός (Spercheios) やモルノス川 (Mornos) (Μόρνος)がある。モルノス川のモルノス貯水池は、地域の水がめとなっている。
気候
気候は地中海性気候の内陸部の特徴を示し乾燥した気候である。
主要な都市
中央ギリシャ地方最大の町は、エウボイア島にあるハルキダ(ハルキス、(都市人口[1]53,584人、2001年国勢調査、以下同じ)である。ペリフェリアの首府で北部に位置するラミア(46,406人)がこれに次ぐ。
このほか人口1万人以上の都市としては、ともに東南部のヴィオティア県に所在するリヴァディア(20,061人)やティーヴァ(21,211人)がある。
行政区画
県
中央ギリシャ地方は、以下の5つの行政区(περιφερειακές ενότητες)から構成されている。これらの地区は、2010年の地方制度改革(カリクラティス改革)以前は自治体としての県(ノモス、νομός)であった。
| 行政区名 | 綴り | 政庁所在地 | 面積 (Km²) |
人口 (2001年) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | エヴィア (エウボイア) |
Εύβοια Évia |
ハルキダ | 4,167 | 198,130 |
| 2 | エヴリタニア (エウリュタニア) |
Ευρυτανία Evritania |
カルペニシ | 1,869 | 32,053 |
| 3 | フォキダ (フォキス) |
Φωκίδα Fokída |
アンフィサ | 2,120 | 48,284 |
| 4 | フティオティダ (フシオティダ) |
Φθιώτιδα Fthiótida |
ラミア | 4,441 | 178,771 |
| 5 | ヴィオティア (ボイオティア) |
Βοιωτία Voiotía |
リヴァディア | 2,952 | 131,085 |
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エヴィア県
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エヴリタニア県
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フォキダ県
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フティオティダ県
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ヴィオティア県
市
中央ギリシャ地方には、基礎自治体である市(ディモス)が25ある。
参考文献
- Πραγματικός πληθυσμός. Νομοί, δήμοι, κοινότητες, δημοτικά και κοινοτικά διαμερίσματα και οικισμοί (PDF) (2001年国勢調査による行政区画別実住人口) - Ελληνική Στατιστική Αρχή(ギリシャ国家統計局)
註
- ^ ここでの「都市」は中心市街地区を指し、自治体の郊外部を含まない。「人口」は実住人口(Πραγματικός πληθυσμός)。