デストロ246

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デストロ246』は、高橋慶太郎による日本漫画作品。『月刊サンデージェネックス』(小学館)にて2012年5月号から連載中の漫画作品。

デストロ246
ジャンル ガンアクション
漫画
作者 高橋慶太郎
出版社 小学館
掲載誌 月刊サンデージェネックス
レーベル サンデーGXコミックス
発表期間 2012年5月号 -
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

概要

現代日本を舞台に、女子高生の殺し屋同士の戦いを描くガンアクション漫画。作者の前々作『Ordinary±』の主要人物もレギュラーで登場しており、同作の続編と言う面も持つ。

作者曰く「女の子ばかり描いていたいとお願いしたところ、願いが叶った漫画[1]」「男キャラはザコしか出て来ない[2]」とのこと。単行本第1巻が発売された際には、こうした作者のコメントに編集者による「クソ凶暴な女子がメイン」という文言を足したものがキャッチコピーとして帯に掲載された[3]

あらすじ

実業家の透野隆一は、家族を毒殺されて、復讐のために生きるようになり、南米の麻薬組織から少女の殺し屋を2人購入した。透野は2人に「」「」と名付け、日本に連れ帰る。来日した翠と藍は隆一の意を受けて、暴力団を次々と襲い嬲り殺しにしていく。その過程で2人は、政府機関の殺し屋である少女「伊万里」と、毒を使う女子高生の暴力団組長「」、その同級生兼護衛である「蓮華」「南天」と出会い、アサシンキラー(殺し屋殺し)として抗争に身をやつす。 物語は東京で発生した殺し屋達の闘いの経緯を美濃芳野がレポートする形ではじまる。[4]

登場人物

透野グループ

藍と翆
隆一が南米で買った2人の殺し屋少女。共に幼少時からエリート教育を施された生粋の殺し屋。生国である南米の下から数えて2番目くらいの貧しい生まれで、生きていくために人を殺すか、体を売るかを訊かれて殺すことを選び、性行為は主人(飼い主)の命令であっても応じない。知識によって心の均衡を保つように錯覚させるマインドセットを受けているため、大量の本を読む。隆一が南米より連れ帰ったところ、学校に通うことを希望し、共に私立豊穣入谷の2学年に転入した。そして東東京の暴力団を無差別に襲撃しながら隆一の妻子を毒殺した「毒を使う殺し屋」を探している。
主人の命令には忠実だが一般人として振舞うのは不得手で、また主人の命令に反しない限り目的のためには状況や手段を選ばないため、伊万里には「犬」と評される。また、「自分達と同じ種類の人間」に対して試したがる癖があり、わざと殺気を醸し出して街中を歩き回ったりしている。
透野藍(とうの あい)
隆一から藍と言う名前をもらった長身で茶髪ロングの少女。17歳。男子生徒からはモテている。砕けた口調で、「ヒョヒョヒョ」という独特な笑い方をする。キレやすい翠をなだめたり、ケムリに狙われた伊万里を条件反射で救ったりと、僅かながら人間臭い所がある。グロックシリーズの拳銃を使用。
透野翠(とうの すい)
隆一から翠と言う名前をもらった長身で黒髪ショートの少女。17歳。女子生徒から良く告白されている。口調は丁寧だが藍よりもキレやすく、特に読書の邪魔をされると無意識に不機嫌な顔になりやすい。フラッシュライト付きのSIG SAUER P226を使用。
透野隆一(とうの りゅういち)
全国規模のレストランチェーン「トーノフーズグループ」を経営する若き実業家で、女性のような容姿と穏やかな性格の青年。犯罪組織によって妻子を毒殺された事で絶望し、それまでの「まっとうなやり方」を止め、名無しの殺し屋少女2人をボス・ディアスから買い取り、彼女達に名前を与え、妻子の仇探しと殺し屋殲滅の使命を与えた。2人への支援を惜しまず、食事はグループ経営のレストランの料理を食べさせ、日本中のグループ傘下のビル上層階に2人のための部屋と、武器弾薬を常備させている。
サイモン・サイトウ
表向きは隆一の税務処理を担当、その実態は「聞く者」と呼ばれる情報屋で、結果的に隆一に藍と翆を斡旋した。

伊万里と周辺人物

Ordinary±』の項も参照のこと。

的場伊万里(まとば いまり)
『Ordinary±』の主人公。表の顔は大人しく無口な、裏の顔は『文部省教育施設特査』所属の殺し屋と言う少女。西東京総合学園の3年生。かなり小柄で、藍や翠からは新宿のチビ、苺からはコロボックルと呼ばれた。現在は『文部省教育施設特査』がまともに機能しておらず、与えられる「任務」に物足りなさを感じながらも、普通の女子高生として生きたいと願うようになっており、精神の均衡を崩しつつある。中国の組織に殺し屋「オウル(梟)」として育てられ、驚異的な戦闘力を発揮する洗脳が施されており、その反動で時々頭痛に襲われる。「任務」外では戦いたくないと思っているものの、時々無意識に「戦闘モード」に入る時があり、一度戦った藍も「間合いが広くて動きが早い」と応戦に手こずった。サプレッサー付きのベレッタM92を使用。
美濃芳野(みのう よしの)
伊万里の友人で、関西弁が特徴の女闇医者。仙崎から派遣された伊万里の監視役と言う立場だが、心情的には伊万里の味方で、伊万里に掛けられた洗脳を解く方法を模索中。
仙崎(せんざき)
伊万里の上司。巨大学園プロジェクトの中で起こる悪事を消す為に伊万里を使っていたが、芳野曰くその事に飽きて、現在は目に付いた悪を消すことに伊万里を使っている。
洲央(すおう)
仙崎からの「任務」を伊万里に伝える連絡員。伊万里が「任務」を遂行する際、事前のお膳立てや現場の後始末を指揮し、伊万里の「任務」の遂行を確認するなど、現場監督のような立場である様子。

万両組

横浜暴力団。表向きは不動産業および住宅斡旋業。主な資金源はアイスエクスタシーで、他に株取引もしている。

万両苺(まんりょう いちご)
「万両組」の跡取りであり、実質的な組長である女子高生。私立聖モシカ女子高の生徒。おかっぱ頭眼鏡をかけ、派手な指輪時計を身につけている。護衛の蓮華と南天からは「姫」と呼ばれている。職業柄、頭の回転と記憶力が良く、特に顔と声が一致した人間は忘れない。何かとキレやすく、すぐに不機嫌になり、蓮華と南天を使って暴力を行使させることも厭わないが、状況に応じて自分を抑える程度には自身の立場を弁えている。戦闘能力は皆無に等しく、毒薬を操って人を殺す。非力な自身を疎ましく思い、力を持っている蓮華と南天に信頼を寄せ、レズビアンで蓮華と南天相手にいつも3Pしたり、山王寺を性奴隷にしたりしている。警察幹部との癒着などはするが基本的に大の警察嫌い。しかしみのりだけは「調子の狂う相手」と言いながらも気に入っている。翠と藍、そして伊万里に対しては、万両組系列の東東京の「ヤクザ潰し」と、西東京の「麻薬ルート潰し」の実行犯だと直感で判断し、消したがっている(特に初対面でタンカを切った藍)。
市井蓮華(いちい れんか)
苺の護衛でクラスメートの女子高生。「万両組」の組員からは、さん付けで呼ばれている。金髪碧眼の持ち主[5]。髪の毛をドクロの髪留めでバックに纏めており、背中にオールドスケータースタイルな髑髏のグラフティがあしらわれたピンクのパーカー[6]を制服の上に着ている。苺の命令より戦闘を優先する、戦闘狂とも言える性格。レズビアンで苺にベタ惚れしており、苺に街中でもキスしたりセックスに誘ったりしている。父親が殺しの師であり、強敵に出会うと「お父ちゃん」と比較する。ナイフやマシェットを使って戦う。
佐久良南天(さくら なんてん)
苺の護衛でクラスメートの女子高生。「万両組」の組員からは、さん付けで呼ばれている。長い茶髪と巨乳の持ち主。あっけらかんとしたやや幼稚な性格だが、その容姿から「いくら?」と良く聞かれたりするので歌舞伎町のような街が嫌い。甘いモノ好き。怪力の持ち主で、車のナンバープレートを片手で引き剥がしたり、大の男を抱え上げたり出来る。レズビアンで苺にベタ惚れしている。蓮華とは息の合ったコンビであり、暴走しやすい蓮華の押さえ役でもある。ナイツPDWを使用。
梅花(まいか)
万両組の情報収集担当で、苺たちと同世代の少女。学生らしいが、「仕事」のため学校にはほとんど通っていない様子。尾行など仕事中は電話に出られないことが多いため、連絡はをとるのは早朝になってしまう。蓮華によると以前より胸(マイカッパイ)がすごくやわらかくなったらしい。

その他の勢力

CIA

紅雪(べにゆき)
白い髪が特徴のCIAの殺し屋少女。自身を「紅雪サマ」と呼び自分に勝てる者はいないと豪語する傲慢な性格。翠曰く、殺し屋業界的にはちょっとしたアイドル的存在。伊万里を育てた中国の組織に殺し屋「イーグル(白頭鷲)」として育てられた。
スクリーム
芳野に警告を与えたCIAの女性職員。芳野や紅雪からはビッチ扱いされた。

サハリンマフィア

姉ちゃん
情報機関あぶれの女幹部。自分はサハリンを動かず少年少女を洗脳し殺し屋にして、そのアガリで儲けている。梅花曰く女王蟻
ケムリ
サハリンマフィアに所属する背の低い少年の殺し屋。高所から狙撃するが腕は良くなく、数発で諦め姿を消すのが特徴。伊万里にも名を知られていた。「姉ちゃん」に洗脳され「姉ちゃんの治療代を稼ぐため」に仕事を請け負っていた。組織の依頼により伊万里を狙うが、居合わせた翠に対物ライフルで狙撃されて死亡した。M4カービン系列の狙撃用タイプを使用。
アレクセイ・ラズコフ
通称「ラズコ」。元麻薬売人。
ドミトリ・アバカロフ
通称「筋肉野郎」。

西東京総合学園

南雲正臣(なぐもまさおみ)
化学科非常勤講師。サハリンマフィアの協力者で、薬物を精錬しラズコを手引きしている。
基香(もとか)
南雲の頭の中のレシピを守るために、「姉ちゃん」が南雲に譲り渡した武装護衛。

その他の人物

蛍田みのり(ほたるだ みのり)
警視庁生活安全部少年事件課の女刑事、階級は巡査。伊万里の顔見知り。気が弱そうな、どこか抜けたところのある親しみやすいお姉さんと言った警察官らしからぬ女性だが、殺し屋に気配を気付かれず接近でき、それと知らず殺し屋を集めてしまう能力の持ち主。警察嫌いの苺ですら「みのりちゃん」と呼んで気に入っており、なるべく彼女の前では素を出さないようにしている。
ボス・ディアス
南米某国の麻薬組織のボス。翠と藍の前の飼い主。性行為にも応じる新しい戦闘メイドが手に入ったことから2人を売ったが、思惑に反して透野隆一が既に所有権を奪うコードを知っていたため、その場で手下を皆殺しにされた挙句自身も2人に殺された。単行本1巻のおまけまんが「ビストロ246」にも出てきており、伊万里にボロクソにやられていた。
山王寺(さんのうじ)
苺と同じ高校の女生徒で、ビル屋の山王子グループの跡取り娘。お嬢様風の長い黒髪が特徴。プライドが高く学校で目立つ苺を目の敵にしていたが、その苺をイビってもまともに相手にされず、彼氏の暴走族の金策ルートをちらつかせる不用意な発言をしたため、苺に目の前で彼氏である圭壱を殺され、自身は金ヅル兼性奴隷にされる。
圭壱(けいいち)
川崎の暴走族の総長で、山王子の彼氏。ストリートファッションに童顔の少年。独自の金策ルートを持っていた模様だが、山王寺の言葉により苺に目をつけられ、蓮華と南天に手下を皆殺しにされ、ルートをつぶされ金庫番を奪われた揚句、自身も苺に毒を使用されて死亡、遺体を仲間達と一緒にコンテナに詰められ、東京湾沖に沈められた。
平田賢一(ひらた けんいち)
精神科医。芳野からの“Aさん(伊万里)”についてのメールを受け取り、「気になるケース」だと、考え得る症状と情報を提供した。

単行本

1巻(サンデーGXコミック)小学館、2012年10月19日発売。表紙は透野藍。ISBN 978-4-09-157325-4

脚注

  1. ^ 単行本1巻カバー折り返しの作者コメント。
  2. ^ 連載開始時の雑誌の新連載コーナーコメント、第1巻の帯の惹句。
  3. ^ “はじめの1巻 : 「デストロ246」 女子高生殺し屋がバトル 「男はザコしか登場しません」”. まんたんウェブ (毎日新聞デジタル). (2013年2月8日). http://mantan-web.jp/2013/02/08/20130208dog00m200011000c.html 2013年2月9日閲覧。 
  4. ^ 第一話5Pでのレポートにて、一人称が「ウチ」な事から。
  5. ^ 伊万里はロシア系のハーフと分析している。
  6. ^ デザイン原案は作者の知人であるfujiwaraで、パーカーは架空のブランド「MxOxUxT」のものという設定

関連項目

外部リンク