キングダム (漫画)
『キングダム』は、原泰久による日本の漫画。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2006年9号より連載中。第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作。
キングダム | |
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ジャンル | 伝奇・武侠 戦国時代 (中国)中国史 青年漫画 |
漫画 | |
作者 | 原泰久 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊ヤングジャンプ |
レーベル | ヤングジャンプ・コミックス |
発表期間 | 2006年9号 - 連載中 |
巻数 | 既刊46巻(2017年4月現在) |
ゲーム:キングダム 一騎闘千の剣 | |
ゲームジャンル | 3Dバトルアクションゲーム |
対応機種 | PlayStation Portable |
開発元 | コナミデジタルエンタテインメント |
メディア | UMD |
プレイ人数 | 1 - 3人 |
発売日 | 2010年11月25日 |
レイティング | CERO:B(12才以上対象) |
アニメ:キングダム | |
原作 | 原泰久 |
監督 | 神谷純(第1期) 岩永彰(第2期) |
シリーズ構成 | 荒川稔久 |
脚本 | 荒川稔久、白石雅彦、村山桂 玉井豪、和智正喜 |
キャラクターデザイン | 戸部敦夫、大竹紀子、波間田正俊(第1期) 竹田逸子、徳永久美子、下島誠(第2期) |
音楽 | 関美奈子 |
アニメーション制作 | ぴえろ |
製作 | NHK、総合ビジョン、ぴえろ |
放送局 | NHK BSプレミアム |
放送期間 | 第1期:2012年6月4日 - 2013年2月25日 第2期:2013年6月8日 - 2014年3月1日 |
話数 | 第1期:全38話 / 第2期:全39話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画、ゲーム、アニメ |
ポータル | 漫画、ゲーム、アニメ |
概要
中国の春秋戦国時代を舞台に、大将軍を目指す少年・信と後の始皇帝となる秦国の王・政の活躍を中心に、戦乱の世を描く。
単行本の累計発行部数3000万部以上(1〜46巻累計)。
2008年に集英社が運営するインターネットラジオサイト『VOMIC』にて、全8回のラジオドラマが放送された。また、2010年11月にコナミデジタルエンタテインメントからPSP用ゲームが発売された。
2010年7月、8月に総集編1、2が発売された。詳細は後述。
『週刊ヤングジャンプ』2011年51号にてテレビアニメ化が発表され、2012年6月から2013年2月にかけて第1シリーズが、2013年6月から2014年3月にかけて第2シリーズがNHK BSプレミアムにて放送された。それぞれ、BSプレミアムでの放送後にNHK総合で地上波放送もされた。
あらすじ
- 嬴政との邂逅 - 王弟反乱(1巻 - 4巻)
- 時代は、紀元前。500年の争乱が続く春秋戦国時代、中国西方の国・秦の片田舎に「信(しん)」と「漂(ひょう)」という名の2人の戦災孤児がいた。2人は、下僕の身分ながら、「武功により天下の大将軍になる」という夢を抱き、日々、剣の修行に明け暮れていた。
- やがて、大臣である昌文君に見出されて1人仕官した漂だったが、ある夜、残された信の元へ深手を負って戻って来る。息絶えた漂から託された信が辿り着いた目的地には、漂と瓜二つの少年がいた。その少年こそ秦国・第31代目の王である政(せい)であった。漂が命を落とす原因となった政に怒りをぶつける信だったが、自らに託された漂の思いと自らの夢のために、「王弟の反乱」そして乱世の天下に身を投じるのだった。
- 初陣(5巻 - 7巻)
- 反乱鎮圧の功績により平民の身分を得た信は三ヶ月後、兵卒として対魏攻防戦で初陣を迎える。劣勢の秦軍の中で信らの伍は奮闘し、千人将・縛虎申と共に魏軍副将・宮元を斃して戦場の要地を奪る。
- そこに突如現れた秦の怪鳥・王騎。信は図らずも天下の大将軍と会話する機会を得る。
- 戦は秦・魏両軍の総大将同士の一騎討ちで決着し、勝利した秦軍は帰国の途についた。
- 暗殺者襲来(8巻 - 10巻)
- 秦王・政を弑するべく、王宮に暗殺者の集団が放たれた。百将に昇進した信はこれを迎え撃つが、暗殺団の中に戦場を共にした羌瘣の姿を見つける。彼、否彼女こそは伝説の刺客「蚩尤」に名を連ねる者だった。舞を思わせる剣技に圧倒されるが、他の暗殺団の到着に計らずも共闘することになる。
- 辛くも暗殺団を撃退、生き残りの口から出た首謀者の名は現丞相・呂不韋であった。今は手を出せぬ巨大な敵に、政・信らは忍耐を余儀なくされる。
- 秦趙攻防戦 - 王騎の死(11巻 - 16巻)
- 韓を攻める秦国の隙をつき、積年の恨みを抱く趙軍が侵攻してきた。急報に防衛軍を編成する秦、率いるは最後の六将王騎。
- 信の率いる百人隊は緒戦で王騎の特命を受け、趙将馮忌を討つ。飛信隊の名をもらった信は、将軍への道を垣間見た。
- 蒙武軍の覚醒もあって敵軍師・趙荘の采配を悉く上回る王騎であったが、総大将の三大天・龐煖との決着をつけるべく、罠を承知で本陣を進める。龐煖とは、妻になるはずだった六将・摎を討たれていた王騎にとって因縁深き間柄だった。
- 本軍同士が激突し、総大将同士が一騎討ちを戦う最高潮の中、突如秦軍の背後に未知の新手が姿を見せる。率いるのはもう一人の三大天・李牧であった。一転して死地に追い込まれた秦軍、一瞬の隙を突かれて王騎も致命傷を負う。
- 信に背負われ激戦の末脱出に成功した王騎は、信に自らの鉾を託し、蒙武他将兵に多くのものを残して逝った。
- 秦趙同盟 - 山陽攻略戦(17巻 - 23巻)
- 王騎亡き後、諸国に国境を侵され始める中、三百人隊に増強された飛信隊は各地を転戦していた。そんな中、丞相・呂不韋の画策により趙国宰相が秦を訪れることが伝わる。その宰相こそ誰あろう李牧その人であり、秦趙同盟というとてつもない土産を携えていた。同盟成立後の宴席で李牧と直接話す機会を得た信は、李牧を戦場で斃すことを宣言した。
- 秦趙同盟の効果は早くも現れ、要衝の地・山陽の奪取を目的とした、対魏侵攻戦が開始される。総指揮官は白老・蒙驁。遠征軍に加わった飛信隊は同じく三百人隊の玉鳳隊(隊長・王賁)、楽華隊(隊長・蒙恬)と競い合いながら功を挙げていく。
- 進撃する秦軍の前に立ちはだかった魏軍は、想像だにしなかった大物・元趙軍三大天の廉頗に率いられていた。廉頗の登場で全中華が注目する中、秦・魏両軍は決戦の火ぶたを切る。かつての六将に伍すると評される王翦・桓騎の両名を副将に擁する秦軍と、廉頗四天王が率いる魏軍の間で交わされる激戦の中、信は四天王の輪虎を死闘の末討ち取り、戦功第三位の大手柄を挙げる。
- ついに相対した総大将同士の一騎討ちの中、蒙驁は六将と三大天の時代の終わりを廉頗に告げる。自らの存命を理由にそれを否定する廉頗であったが輪虎を討ち取った信から王騎の最期を聴き時代の流れを悟る。敗北を認めた廉頗は信に六将と三大天の伝説を塗り替える唯一の方法を教え、堂々と去って行った。
- 幕間(23巻 - 24巻)
- 先の戦功により正式に千人隊に昇格した飛信隊であったが戦術の要であった羌瘣が去り、連戦連敗を重ねていた。隊解散の危機に陥るが、立派な軍師に成長した河了貂の加入により救われる。
- 他方、秦の山陽奪取により生まれた新たな情勢に対し、李牧はある決意を固め動き出す。
- 合従軍侵攻 - 函谷関攻防戦(25巻 - 30巻)
- 南の大国・楚に侵攻されただけでなく、同時に北や東からも攻め寄せて来た敵の大軍勢によって、大小様々な城塞を易々と失陥するという凶報が秦の国都・咸陽へ続々ともたらされた。秦の本営に立て直す間も与えぬ破壊力を示し、かつ進撃を止めぬ侵攻軍。これこそ、李牧が画策し、発動させた多国籍連合『合従軍』であった。
- たった一国で他国全部を迎え撃つために、秦国の本営はそれまでの防衛線を一切放棄し、国門・函谷関での集中防衛に国運を賭けた。
- 合従軍侵攻 - 蕞防衛戦(31巻 - 33巻)
- 北門の函谷関では秦軍諸将の奮戦もあって最大の窮地を凌ぎきったものの、南門の武関から咸陽に至る道沿いの城が次々と陥落するという不測の事態が発生する。李牧が自ら別働軍を率い、国都咸陽を陥落させるべく電撃戦を開始したのであった。この動きを察知した麃公や飛信隊の猛追が間に合うものの、龐煖との一騎討ちの末に麃公を討たれてしまい、飛信隊も敗走を余儀なくされる。
- この頃、呂不韋が不穏な画策をするなど内外から危機の迫る咸陽を、国を守る最後の拠点・蕞を防衛すべく、政は自ら出陣する。
- 幕間(34巻)
- 合従軍を辛くも撃退し、亡国の危機を脱した秦国では戦災復興と国境防備の再編に追われていた。一方、列国でも李牧や春申君ら合従軍を主導した要人らが遠征に失敗した責により左遷され、国体の変化を遂げつつあった。
- その頃、飛信隊を離脱して久しい羌瘣は、同族の羌明からの情報によって仇敵・幽連の居所を突き止め、決戦の地へ乗り込んだ。しかしその情報も策謀に富む幽連の仕組んだ罠で、待ち伏せていた幽族の手練れ30人余に襲われる羌瘣。それでも絶え間なく迫る白刃を掻い潜り、手練れを幾人も斬り伏せ、幽連に一太刀浴びせんとしたところ、簡単に跳ね返される。巫舞すら要らぬ幽連は、羌瘣の想像を遥かに超える怪物となっていた。
- 王弟謀反(35巻)
- 合従軍以来、久しく無かった趙軍の襲来を退けた屯留から、突如『王弟謀反』の一報が咸陽にもたらされた。2度目の造反とはいうものの、屯留の危機に自ら立ち上がった成蟜の人間的成長を認める政としては、にわかに信じがたい。そこで新将軍の壁に討伐軍を託すとともに、密命を課した。
- 著雍攻略戦(36巻 - 37巻)
- 戦災復興と防備の再編を経て、再び攻勢に移った秦国は、山陽に続く魏国の『著雍』奪取に狙いを定めた。王騎の遺軍を預かる騰将軍へその任が下ると、独立遊軍の玉鳳隊と飛信隊へも増援招集がかかった。
- しかし、ただでさえ堅固な『著雍』防衛網に、呉鳳明を急遽呼び寄せてまで要衝の防衛強化に努める魏軍には手を焼かされる。そこで北方の王翦軍に更なる増援を求めようにも、対峙中の趙軍まで招き入れてしまう恐れがある、との王賁による提言で騰将軍は現有戦力だけでの継戦を決断する。
- それでも王賁の献策で、かすかな綻びを突いて果敢に三方から一斉に攻め込む秦軍だったが、その魏陣営には古参の大将軍たち「火龍」の旗が、いくつも翻っていた。
- 嬴政加冠~嫪毐の乱(37巻 - 40巻)
- 激戦の末、奪取した魏領の著雍を、山陽と並ぶ不退転の要地として要塞化するのに莫大な資金を必要とする難題を、隠棲していたはずの太后が後宮による負担を突如申し出てきたことで解決を見出した。ただし、その見返りに北の辺地・太原での暮らしと、その地方長官へ有能なる宦官の嫪毐を据えろとの要求を、大王派ばかりか相国派でさえも呑むこととなった。
- ところが、やがて千や万の規模で守備兵を引き抜かれた著雍では、魏軍の襲来対応に忙殺される。その兵たちの転出先は北の辺地・太原。しかも、あろうことか『毐国』と国家を僭称した太原では、中央政府からの勧告の使者すら取り合わない始末。
- 秦の内外から人や資金を続々と入手し、国家としての体裁を整えていく『毐国』への対応に手をこまねき、越年した秦では、とうとう政が成人した。そう、内外に向けた正式な王としての宣言であり、大王派と相国派の長きに亘る暗闘に終止符を打つ「加冠の儀」を迎える年である。
- しかし、その儀式を厳かに執り行えるほど、国内情勢は穏やかではなかった。加冠に乗じ、毐国が反乱を起こす。しかしその乱は政を葬るため呂不韋が仕組んだものであり、また政もそれを予期し鎮圧軍を準備していた。
- 三者三様の思惑が複雑に絡み合う中、咸陽では飛信隊が蕞兵と共に防戦に当たり、内では政と呂不韋が口舌にて戦いを交わす。政は呂不韋に自らの信じる道を示し、その大器を認めさせ、決着を咸陽の戦いに委ねる。
- その咸陽では予想を上回る大兵となった反乱軍が、呂不韋の手引きによりまっすぐ標的たる政の子に迫る。しかし間一髪のところで信が間に合った。城外の攻防も呂不韋の手を離れた昌平君自らが敵将を討ち、完全勝利を収めた。
- 新章・中華統一へ~黒羊攻防戦(41巻 - 45巻)
- 長きにわたる政・呂不韋・太后の三つ巴の政争はついに決着をみた。ようやく秦国をまとめた政はいよいよ中華統一を目指すべく、国家総動員で戦い抜ける限界年数の『十五年』で、六国全てを平らげる大構想を信に明かす。
- 最初の標的は魏国・衍氏城。昌平君は「山の民」という切り札を早くも晒し、秦国の新たな戦略を内外に示した。
- 次なる戦地の趙国・黒羊丘は大森林広がる中五つの丘を巡る複雑な戦場。そこに最後の三大天に最も近い男と言われる総大将の慶舎と離眼の隠れた名将紀彗が立ちはだかる。それに対し、飛信隊は己と全く異質な桓騎軍の指揮下で戦いに臨む。
- 地の利を生かした慶舎の戦略に苦戦を強いられるも、激闘の末に信は慶舎を討ち取ったが、紀彗は慶舎の死を隠してなおも徹底抗戦をする構えを見せる。だがその時、桓騎による残虐な作戦が密かに行われる。
- 鄴攻略戦(45巻 - )
- 桓騎の非道な作戦によって黒羊丘を占領した。慶舎を討ち取る大功を立てた信だったが、桓騎軍との人傷沙汰で取り消しとなる。
- その後、飛信隊は戦力増強をするために内地へ戻り、三ヶ所で募兵を行い、過酷な入隊試験を乗り越えた選りすぐりの兵千人を選抜した。
- 一方で、昌平君は趙国西部に複雑な防衛線を築かれたことにより『十五年』で中華統一は困難と判断し、そこで政に李牧を出し抜くために邯鄲の喉元の鄴を狙う大胆な作戦を提案し、政はそれを決断する。
- 王翦を総大将に抜擢し、そこに「山の民」、桓騎軍による三軍連合軍が編成され、鄴攻略に向けて出兵する。その連合軍に参戦する信は政から長年預かってもらっていた王騎の矛を受け取り、それを携えて鄴に向けて出陣する。
登場人物
声の項はテレビアニメ版 / VOMIC版 / ゲーム版の順。1人しか記載されていない場合はアニメ版のキャストとし、それ以外のものは別途記載する。
主要人物
- 信(しん)
- 声 - 森田成一(幼少期:福井美樹) / 鈴木千尋 / 阿部敦 / (吉村和紘VOMIC++)
- 本作の主人公。戦争孤児の少年。低い身分から自らの腕で「天下の大将軍」となることを目指す。1話冒頭で「李信」と呼ばれている。豪気かつ直情径行で、自分の意志を貫く頑強な心を持つ。ただ礼儀作法は知らず、秦王である嬴政も堂々と呼び捨てている。
- 相手が格上であってもそれに比例して自分の実力を底上げする武の天稟の持ち主。漂によると「自分が勝てない相手に信は勝つことができる」と言う。当初は自分の武力で全てを片付けようとする猪突猛進型であったが、王騎からの修行や助言、幾多の経験を経て「将軍」としての実力を身に付けていく。
- 王都奪還編後、昌文君から恩賞として土地と家(小屋)を与えられ下僕から平民となる。更に対魏国戦争における武勲により、まだ少年ながら百人将へ取り立てられる。趙軍侵攻編では王騎に「飛信隊」の名を貰い、趙将の馮忌を討ち取るという大功を上げる。その後、龐煖の夜襲によって大半の隊員を失うものの、生き残った仲間たちと王騎の最期に立ち会い、王騎から矛を譲り受けた[注 1]。
- 趙との戦争の後は三百人将へ格上げされ、廉頗率いる魏軍との決戦直前には蒙恬や王賁とともに臨時千人将となった。その戦いの終盤、廉頗四天王の一人である輪虎を激戦の末に討ち果たした大功を認められ、正式に千人将へと昇進する。昇進直後は千人隊の規模の大きさが災いして連戦連敗を喫したが、貂が軍師として参入したことで持ち直した。
- 対合従軍戦では麃公軍へと組み込まれ、趙将の万極を討ち取った。この際、麃公の軍から隊員を臨時補充され、二千人将の扱いとなる。その後、最期を見届けた麃公から遺品となる盾を託された。そして、叢の戦いの終盤では、龐煖を一騎討ちの末に撃退する。
- 対合従軍戦終結後、論功行賞で三つの特別準功の一つとして正式に三千人将へ昇進し、飛信隊を率いて国境の防衛と復興に向かった。屯留の反乱では、謀略に嵌められた成蟜を救出する密命を課せられたが、成矯の救出には間に合わなかった。その際すでに四千人将に昇進しており、武器を剣から矛に代えている。
- 著雍争奪戦では、魏軍本陣を陥落させる為の三つの主攻の一つを任され、魏火龍・凱孟と激突。討ち取ることはかなわなかったが、河了貂の策により凱孟軍を退けることに成功。遅ればせながら魏軍本陣へ向かう途中で呉鳳明の一行と遭遇し襲撃するが、呉鳳明の咄嗟の機転から、誤認した霊凰の方を討ち取った。著雍戦後には、簡易的な論功行賞で王賁と共に五千人将に昇進した。
- 秦国統一編では、貂が読み解いた昌平君からの暗号文によって政の加冠の儀での危機を知り、隆国の許可を得ずに一千の兵を率いて咸陽に駆けつける。咸陽攻防戦では、呂不韋の息のかかった王宮警備兵に隙を突かれて腋腹を刺されるが、負傷を押して麗たちの危機に間一髪で駆けつけ、樊琉期を倒して麗たちを救った。
- 黒羊戦では、初日に丘右側を奪われる失態を犯すが二日目に奪い返し、四日目に桓騎に慶舎をおびき出す為の囮に利用されるが、陣を再生させる前の慶舎を奇襲して討ち取る武功を挙げた。しかし、五日目に民間人を虐殺した桓騎兵を激怒した羌瘣が殺したことで、武功取り消しになった。
- 始皇十一年の鄴攻略戦では、貂と共に事前に咸陽に呼び出され、昌平君たちから鄴攻略の戦略を説明された。そして、咸陽からの出陣の際に政から長年預けていた王騎の矛を受け取った。
- 漂(ひょう)
- 声 - 福山潤(幼少期:金田アキ) / 斎賀みつき / なし
- 信の幼馴染の親友。信と共に大将軍になることを夢見て武芸の稽古に明け暮れた。対戦成績は1253戦334勝332敗587引き分け+2戦分(勝敗不明)。
- 政と瓜二つの容姿により、昌文君に身請けされ王宮に仕官する(その役割は政の影武者であり、宮殿に着くまで召し抱えられた理由を聞かされなかったが、最終的に納得した)。王弟反乱の際、刺客の徐完に深手を負わされながら村へと戻り、信に全てを託して力尽き死亡した。恐らく初陣ながらも政の影武者としての役割を全うし、窮地に陥りながらも兵を鼓舞し、戦う姿は既に将であったと壁が語っている。
- 葬儀の際には、隣村から弔問する者がいるほど様々な人に慕われていた。
- 嬴政(えい せい)
- 声 - 福山潤(幼少期:金田アキ) / 朴璐美 / 同左
- 秦国の若き王。後の始皇帝。漂と瓜二つの容姿をしている。
- 出生の関係から幼少時代を趙国で育ち、その際、趙の人々に憎しみの対象として虐げられていたため、味覚・痛覚・嗅覚が全く無く、他人を一切信じようとしない荒んだ性格であった。昭王の崩御後、秦国への帰路で紫夏との出会いを通じて失っていた五感や人を信じる気持ちを取り戻した。
- 現在の性格は冷静でポーカーフェイスを崩さないが、昌文君や信たちのことを信頼している。武芸にも長けており、信の胸倉を掴んで片手で持ち上げるなど腕力も高い。
- 王都奪還の際、中華を統一する最初の王になると公言し、成人して正式に王となるために呂不韋陣営と政争を繰り広げる。
- 対合従軍戦終盤、南道から進軍してきた趙軍に対抗するため、自ら最後の戦場となる蕞へ向けて出陣する。蕞の戦いの中盤で士気を極限まで高める為に自ら前線に出て戦うが、その際に重傷を負った。しかし、翌日には重傷を隠して兵たちを鼓舞し続け、7日目に勝利を得た。
- 秦国統一編では、加冠の儀を最後までやり遂げ、呂不韋との対談では人の本質は光であると説いて、中華統一の真意を語って政敵である呂不韋を感嘆させた。そして、咸陽での勝利で遂に呂不韋との長年の政争に勝利した。
- 黒羊戦後、斉の王建王との会談で、斉王の「六国を滅ぼした後、どのように治めるのか?」との問いに対し、「人ではなく法によって治める」と解答し、斉王を感嘆させ、口約束であるものの、斉の事実上の降伏を勝ち取った。
- 河了貂(かりょう てん)
- 声 - 釘宮理恵 / 小林由美子 / 同左
- 黒卑村に住んでいた、梟鳴(きゅうめい)という山民族の末裔。鳥の頭を模した蓑を被っており、初めて見る者は謎の生き物と思う事が多い模様。
- 当初は金のために政と信に協力していたが、共に行動するうちに懐いていき、やがて仲間となる。やや幼い容姿と着ている蓑のために、登場時はどちらの性別か不明であった。王都奪還編のときに女性と明らかになるが、貂がそのことを明かさなかったために、信は長い間気づいていなかった。
- 得物の吹き矢は、王都奪還編でムタから貰ったものである。非力な彼女はこれを気に入っている。
- 幼くして天涯孤独になって以降、一人で生き抜いていくために様々な知識や技能を身につけており、字を読むこともでき、史についても学んでいる。特に料理の腕前は、冷徹な羌瘣が我を忘れるほど一級品。
- 王都奪還後は信と共に暮らしていたが、段を飛ばして力をつけていく信や同じ女性でありながら凄まじい強さを持つ羌瘣の姿を見て自分も同じ場所に立ちたいと思うようになり、軍師になることを決める。羌瘣の紹介により昌平君の下で蒙毅と共に兵法を学び、千人隊の長となった信のもとへ軍師として戻る。また、この際に自分が女性であることを信に明かした。当初はその容姿や性別から飛信隊の面々に侮られ、信用されなかったが、的確に状況を判断して策を指示し、隊の窮地を救ったことで受け入れられた。
- その後も軍師として活躍し、対合従軍戦の終盤の蕞の戦いでは軍師の一人として参陣するが、蕞の城壁から落下しそうになったカイネを思わず助けたりするなど、非情に徹しきれない一面を見せた。
- 著雍争奪戦では、初日から前線へ出過ぎたことで荀早隊に囚われる失態を犯すも、咄嗟の判断で羌瘣に荀早を捕らえさせた。その夜、魏国兵たちに槍で小突き回されるが、眼前の凱孟からの問いに臆せず素直に胸の内を語ったことで、それ以上は粗略にされず、翌日の人質交換で飛信隊に生還した。そして、最終日の朝に信たちへ立案した作戦を説明し、秦軍の勝利に貢献した。
- 秦国統一編では、昌平君からの暗号文を読み解いて政の加冠の儀での危機を知り、政たちに伝えた後に信や飛信隊一千と共に咸陽に駆けつける。咸陽攻防戦では、尚鹿に同行して駆けつけた昌平君軍の狙いにいち早く気づいて、反乱鎮圧軍を戦術の援護に動かして昌平君軍を援護し勝利に貢献した。黒羊戦では、二日目に丘右側を奪取する為に奇策を立てて、丘右側を奪取することに成功した。
- 鄴攻略戦では、信と共に事前に咸陽に呼び出され、昌平君たちから鄴攻略の戦略を説明された。
- 羌瘣(きょう かい)
- 声 - 日笠陽子 / なし / 沢城みゆき
- 伝説の刺客一族「蚩尤」の後継候補として育てられた羌族の少女。年齢は信の一つ下。緑穂(りょくすい)という剣を武器に戦う。
- 蚩尤を決める“祭”で姉のように慕っていた羌象を謀殺された事から、復讐のためだけに生きる道を選び、里を出奔。しかし一族からは、“祭”で勝ち残ってもいないのに外界へ出ているため、裏切り者と呼ばれている。
- 対魏国戦争編で澤圭の伍の一人として登場し、初陣の信と出会う。その後の刺客襲来編を経て、趙軍襲来編で百人隊として結成された飛信隊の副長となる。山陽攻略編で飛信隊が三百人に増強されてからは、その剣技に加え、戦術立案でも隊を支えていく。登場時は他人との慣れ合いを嫌っていたが、徐々に周囲に心を開くようになり、飛信隊を自分の居場所だと思うようになる。しかし自分の道はあくまで仇討ちの先にあり、このままでは先に進めないという思いから、山陽戦決着の後、再び戻ってくることを約束し、飛信隊と別れて仇討ちの旅へと出発した。
- 合従軍と戦い終えた飛信隊が秦国国境の戦災村落で防衛と復興に務めている頃に、同族の羌明からの情報で趙国の老山山中で遂に仇の幽連と遭遇する。“祭”の時よりも格段に力をつけた幽連の前に窮地に追い込まれるも遂に幽連を討ち果たし、飛信隊を離れて392日目に帰途に付いた。そして飛信隊に帰還し、帰還前に立てた二つの目標の一つ目である大将軍になるという願いを叶える為に、戦功を重ねる。屯留の反乱が起こった頃には、千人将に昇進していた。
- 著雍争奪戦では、河了貂の作戦によって信の本隊とは別働の二千で魏軍本陣を目指すと、玉鳳隊や録嗚未軍に遅れたことが幸いし魏軍本陣の司令部へ最初に突入を果たす。総大将の呉鳳明を取り逃がすも、周囲一帯を焼き払いその狼煙で全戦場に秦軍勝利の報を伝えさせた。著雍戦後に、簡易的な論功行賞で三千人将に昇進した。
- 黒羊戦では、一日目の夜に敵陣地にいた劉冬を襲撃するが、互いに重傷を負ってたどり着いた村の混バァに治療される。そして、混バァから離眼の悲劇について聞かされ、四日目の終盤で戦場に復帰し、劉冬を討ち取った。しかし、五日目に桓騎軍が混バァを含めた村人全員を虐殺した事に激怒し、桓騎兵を殺害した事で信の武功が帳消しになってしまった。
- 作中、徐々に信に対して信頼を寄せてきたり(現在はほぼ信頼している)、気遣ったりしている場面がよく見られるようになる。特に、秦趙同盟の席にて舞妓に鼻の下をのばす信を蹴ったり、河了貂と二人きり(実際には政もいたが)になろうとする信に疎外感を覚えたりと、恋愛感情のようなものを持っているようにも見える。後に飛信隊への帰還前に立てた二つの目標の二つ目である、信の子を産むという願いにその想いが反映していたが、河了貂から子作りについての詳細を聞かされたことで、しばらく信を避けていた。
秦国
王族
- 成蟜(せいきょう)
- 声 - 宮田幸季 / 阿部敦 / なし
- 政の異母弟で王弟。生母も公主の子(王族の娘)であり、王族は崇高な存在であるという考えから、自らの血筋に誇りを持ち、臣下を道具のように扱い、平民出身の優秀な部下を平民が側にいることが許せないという理由だけで虐殺するなど、子供ながらに暴虐な性格であった。
- しかし、それまで存在すら知らされていなかった異母兄・政へ王位継承権が移ったことを知り、また平民の血を引くという理由から政を憎み、王位を奪うため竭氏と組んでクーデターを起こすも失敗。反乱を鎮圧された後は永らく軟禁されていたが、呂不韋との権力争いで劣勢だった政によって解放され、見返りに協力を行う。その過程で兄の存在を認め、人間的にも成長する。
- 始皇8年に有力支持基盤である屯留を侵攻されるも、自ら出征して趙軍を一時的に撃退する。ところが屯留の城主代行・蒲鶮によって拘束された上に、反乱軍の首謀者に仕立て上げられてしまう。中央からの鎮圧軍との戦闘の最中に幽閉先から脱出。妻・瑠衣の救出に向かうも、遭遇した蒲鶮兵との交戦で重傷を負い、瑠衣に自身の亡き後の一派の取りまとめと政一派への一本化を頼み息を引き取った。
- 瑠衣(るい)
- 成蟜の妻(第一夫人)で、秦国の公女。趙国系住民の多い街・屯留の出身で、幼い頃から「王の后」となる名目で成蟜に近侍する。深い愛情を寄せる成蟜が王位簒奪に失敗して失墜した後も、その元を離れることはなかった。嬴政との関係は疎遠ではないものの、当初はよく思っていなかった模様。
- 屯留へ里帰りしていた始皇8年、趙軍を撃退した成蟜軍が蒲鶮によって反乱軍に仕立て上げられ、自身も屯留の一番奥の牢に幽閉されていた。鎮圧軍との戦闘のさなか成蟜に助け出されると、末期の夫から亡き後の成蟜一派の取りまとめを託される。咸陽への生還後には政を兄王様と呼んで、成蟜の予想に反して一割程度しか去らなかった成蟜一派を率いて呂不韋の打倒を誓った。
- 秦国統一編では、政の加冠の儀に列席し、政と呂不韋の対談にも立ち会い、政の語る中華統一の真意に涙した。
- 麗(れい)
- 始皇7年に、嬴政と向の間に生まれた娘。扶蘇とは異母兄妹。
- 秦国統一編では、後宮まで攻め込んできた毐国軍によって母の向や陽と共に危機に陥るが、信と飛信隊に救われた。
- 扶蘇(ふそ)
- 嬴政と妃との間に生まれた息子で、秦国の太子。
- 昭王(しょうおう)
- 声 - 金尾哲夫
- 秦の第28代君主。政の曽祖父。故人。
- 在位55年のほとんどを戦に明け暮れ、戦神と呼ばれた。王騎を始めとして秦国中の武人に慕われた王であり、王騎曰く中華統一に夢憧れる少年のような瞳を持った奇特な王。晩年には、目元を隠す仮面のようなものを付けていた。
- 荘襄王(そうじょうおう)
- 秦の第30代君主。政と成蟜の父。故人。
- 元は王位継承者としての順位も低く、趙国の人質となっていたが呂不韋の力で秦王となった。既に亡くなっており、回想シーンでのみ登場する。
- 王となったものの、実際には呂不韋の操り人形同然であった。
- 穆公(ぼくこう)
- 秦の第9代君主。政の先祖。故人。
- 回想シーンと作者の読み切り作品『馬酒兵三百』に登場。
- 軍馬を殺されたにも関わらず、山の民に馬肉に合う酒を振る舞う粋なところを見せた。こうして結ばれた山の民との交流は穆公一代限りで途絶えたが、その威徳は未だに忘れ去られてはおらず、主がとうにいなくなった穆公の離宮を整備し続けたほどだった。
- 郭景
- 昭王の甥。嫪毐の反乱時に樊琉期に殺害された。
重臣・高官
- 昌文君(しょうぶんくん)
- 声 - 仲野裕 / 秋元羊介 / 玄田哲章
- 政に忠誠を誓う秦国の文官で、後に左丞相へ昇進。
- かつては昭王の時代から最前線で戦って来た生粋の武人であり、自国で知られていなかった摎の死因を秘匿していたなど、豊富な実戦の経験を持つ。
- 王都奪還後に文官として(王弟反乱の前に武官から文官に転向していた)、自らの派閥を秦王派として立ち上げる。このとき王都奪還の際に無力であった自分を恥じ、文官の極みである丞相を目指すことを誓っていた。
- 末席文官の頃、発言力はさほど無くとも、前線での経験の多い軍事に関しては、国軍司令官の昌平君に助言を求められる程である。かつては王騎からも渋い働きをする別働隊の将、武骨な賢人として高く評価され、摎の素性に関する重大な秘密を打ち明けられている。
- 呂不韋の相国昇格に伴い、その昇格を逆手に取った政陣営によって左丞相となった。
- 対合従軍戦の終盤の蕞の戦いでは、政に同行して参戦した。
- 秦国統一編では、加冠の儀に列席し、終了直後に呂不韋陣営から離反した昌平君と共に一千の兵を率いて、咸陽攻防戦に参戦した。
- 竭(けつ)氏
- 声 - 辻親八 / 遠藤大輔 / なし
- 秦国の元左丞相。
- 呂氏を蹴落とし大臣の頂点を狙う野心家であり、王位を奪った後の国政委任を約束してくれた成蟜と共にクーデターを起こした。
- その後、山の民の協力を得て王都を奪還に来た政一派との戦闘により、命を落とした。
- 肆(し)氏
- 声 - 高瀬右光
- 元竭氏の参謀。王弟反乱の立案指揮を実質的に執り行っていた。王都に昌文君たちが潜入したことを察知する警備を増強ならび魏興を主軍に、左慈を別働隊の予測進路上に配置するなど策を講じたが相手に上回れてしまう。
- 王弟派の反乱鎮圧後、反乱は不問とされ竭氏勢力の残党を任される。後に才能を認められて政の陣営に加わり、側近の一人として信任を得ている。
呂不韋四柱
- 呂不韋(りょ ふい)
- 声 - 玄田哲章
- 元商人の立場から前秦王「荘襄王」を秦王にした功績で秦の右丞相となった男。秦の王宮内を竭氏と二分し、権力争いを繰り広げる。昌平君からは、秦の歴史における二大丞相である商鞅・范雎に比肩する大人物であると評されている。
- 王弟反乱鎮圧後は秦国における最大の勢力となり、政に代わって政治を執り行っている。その裏では政の暗殺を企む(蔡沢曰く遊び心によるもの)など、様々な思惑がある模様。
- 太后と密通してまで後宮勢力を味方に付けたために、政権争いが大きく動くこととなる。現在は丞相の上の相国という地位に就いている。
- 対合従軍戦後、自ら蕞に出陣して秦国の危機を救った大王派に勢力争いで押されていたが、自分の私財をほんの少し開いて有数の有力者や他国の貴士族を全員客として抱え込んだことで、大王派を上回った。更に、李斯に一年半後に行われる『加冠の儀』を利用して、国を盗ろうとしていることを語った。始皇八年には、一年以上前から屯留に送り込んでいた蒲鶮に反乱を起こさせ、謀略で成蟜を葬り去った。更に著雍争奪戦から二ヶ月以上後に、食客たちに編纂させていた一大書物『呂氏春秋』が完成し、お披露目している。
- 秦国統一編では、毐国軍に息のかかった者を多く潜り込ませて、嫪毐の反乱を利用して咸陽にいる王族を皆殺しにした上で雍にまで攻め入り嬴政を討ち取って、王族のいなくなった秦国の新たな王になろうと企む。しかし、加冠の儀が終了した直後に昌平君に離反されるが動揺一つ見せず、政との対談では自身の『中華の統治』の持論を語った。そして、政の語る中華統一の真意を聞いた直後に政の成長に思わず涙ぐんだ。そして、咸陽からの知らせで政との長年の政争に敗れたことを受け入れ、その後は罪状について審議中である為、監視付きではあるが咸陽を自由に出歩きしていた。始皇十年には、相国を罷免され所領での隠居を命じられた。
- 昌平君(しょうへいくん)
- 声 - 諏訪部順一
- 楚の公子で、呂不韋四柱の一人。呂不韋の相国昇格に伴い、秦国の右丞相となった。蒙武とは幼馴染であり、親友。国軍の司令官であり、軍師育成機関を運営する等、事実上秦国の軍事の責任者。
- 知略を重んじる軍略家だが、李牧の纏う武の空気を感じ取るなど、武人としての一面も持つ。同じく四柱の一人である蔡沢から「蒙武より強い男」と、臣下の介億からは「武力は蒙武級、知略は李牧級」とそれぞれ評されている。
- 優秀な若者を調査し、食客として招くなど人材収集には余念がない。特に現在は王弟反乱や魏国との戦争、さらには刺客襲来の際に政を守った信を最も手に入れたい若者と発言した。
- 秦国統一編では、加冠の儀の前に飛信隊に暗号文を送り、政の加冠の儀での危機を伝えた。そして、加冠の儀が終了した直後に遂に呂不韋陣営から離反。介億や昌文君たちと共に、一千の兵を率いて咸陽に駆けつけた。咸陽攻防戦では味方の兵を巧みに操り反乱軍を包囲し、敵将ワテギを自ら討ち取って勝利を決定的にした。
- 始皇十年の李斯の復帰の直後に、政に鄴への侵攻という一見無謀な戦略を進言する。そして、始皇十一年に苦労の末に鄴攻略の戦略を完成させ、事前に信たちを咸陽に呼び寄せて鄴攻略の戦略を説明した。そして、咸陽からの出陣の際に、王翦に戦局の推移によっては鄴攻略の戦略を捨ててもいいと告げた。
- 李斯(り し)
- 声 - 青木強
- 呂不韋四柱の一人。法の番人の異名を持つ。呂不韋の相国昇格に伴って、左丞相への抜擢を有力視されていたが、成蟜を加えて勢力を増した政陣営の昌文君に左丞相の座を奪われた。始皇九年の咸陽攻防戦では、毐国軍に秦王・政を殺害させる為に意図的に咸陽の守備を薄くしたことで、攻防戦後に入牢させられる。しかし、始皇十年に「法の下に天下を統一する」という政の施政にその存在が不可欠と判断した昌文君の懇願により、政治に復帰する。
- 確実さを重視する生真面目な性格の為、商人の視点から物事を見る呂不韋の考えを理解できず振り回される事が多かった。
- 蔡沢(さい たく)
- 声 - 千田光男
- 呂不韋四柱の一人。昭王時代の丞相であり、外交を司る最高外交官として、出身国の燕国との交渉を担当している。王を軽んずるような人物ではないが、「強き者にのみ仕える」という考え方を持っている。「剛成君」という称号で呼ばれることもある。
- 合従軍の襲来時には、ちょうど他国に居たことが幸いし、斉国王に謁見。斉国の合従軍離脱を説得し、成功させた。
- 黒羊戦後の始皇十年、斉王と李牧と秘密裏に交渉した上で両者を咸陽まで招き、秦王・政と斉王の会談を実現させ自身も同席した。そして、中華統一後の統治のあり方を問うた斉王に対して政が話した「法治国家」という答えに満足し、李牧との会談に向かう政を見送った後、眠るように静かに息を引き取った。
他の廷臣
- 道剣(どう けん)
- 声 - 星野充昭
- 昭王の時代の家臣。政がまだ趙国の首都・邯鄲にいた際、その脱出の手引きをするため、商人・紫夏に協力を要請した。脱出戦の際に全身に矢を受けて死亡した。
- 単元(たん げん) / 田慈(でん じ)
- 声 - 林和良(単元) / 森田成一(田慈)
- 昭王の時代の家臣。道剣に従って政の脱出を手引きする。脱出戦の際に、いずれも戦死した。
- 寿白(じゅ はく)
- 成蟜の元教育係を務めた老臣で、瑠衣とともに失脚後の成蟜を見捨てなかった数少ない忠臣。嬴政によって復権された後の成蟜の成長を頼もしく思っている。始皇8年に成蟜に同行して従軍するが、屯留城内で蒲鶮によって成蟜と共に拘束され、成蟜と同じ牢に幽閉される。その後、成蟜と共に脱獄するが、瑠衣を救出に向かう途中で蒲鶮兵に発見されて、成蟜をかばって死亡した。
- 蒲鶮(ほ かく)
- 趙国に近い屯留で城主代行を務める男。一年前に屯留に現れた新参者のようで成蟜はおろか瑠衣ですらその存在を知らなかったが、治政能力はあったようで城主である瑠衣の曾祖母からは信任を得ていた。しかし裏で呂不韋と通じており、始皇8年に成蟜軍が趙軍を撃退した前後に瑠衣を拘束した上に、屯留城内で成蟜たちを拘束した。そして成蟜を反乱の首謀者に仕立て上げて、屯留の反乱を引き起こした。本来の計画では、鎮圧軍が屯留城内に侵入した時点で成蟜の首を刎ねて差し出すことで反乱の真の首謀者である事実を隠蔽して、褒美として瑠衣と屯留を手中に収める予定だったが、成蟜が脱獄した事で計画が狂い、兵を率いて成蟜を追うが、待ち構えていた成蟜に斬り殺された。
将軍
秦国六大将軍
- 摎(きょう)
- 声 - 高梁碧
- 秦国六大将軍の一人。六将の中で最も謎に包まれている人物。六将の中では最も若かったが、その戦いの苛烈さは六将一と言われた。
- 昭王の実の娘ながら生母の身分が低く、このままでは母子ともに暗殺されると悟った母親によって王騎の屋敷に引き取られた。政と成蟜にとっては大叔母にあたる。
- 母親はその後、かけがえのない命であり、不変の愛を注ぐべき娘であると十二分に理解しているがゆえに、是が非でも娘の将来を繋ぐため、周囲に「当然生存者はいないであろう」と思わせるがため(死者の詳細も分からぬ惨状になるように仕組み)、自身の部屋に火を放ち、あたかも娘と共に心中あるいは権力争いによって殺害されたかのように見せかけ、自らが完全に犠牲となり焼死しつつも、娘の将来を固く保護した[注 2]。
- 本人はその事実を一切知らされず、召使いとして育てられ、同時に王騎を間近で見てきたことにより武芸の達人へと成長する。戦場へ出るより前の幼い頃に王騎と「将軍になって城を百個とったら妻にしてください」という約束をしており、そのために召使いという身分であったが、王騎の側近として幾度も戦場へ出て戦果を挙げていた。
- その後、昭王との対面でお互いに親子であることを感じ取るが、公式に認めることができなかったため、暗黙の了解となる。この頃より、素性を探られることを防ぐため仮面(コリュス式兜と目元を隠す仮面が一体化したもの)を付けるようになった。
- それから戦果を挙げ続け、将軍となり更に戦の才能を開花させ、数年後には6人目の大将軍に任命された。
- その後、馬陽を攻略中、突如現れた龐煖との戦闘で命を落とした。皮肉にも馬陽が、王騎との約束である100個目の城であった。この事実が戦時に与える影響が大きいと判断した王騎と昌文君によって、病により没した事になっている。
- 回想シーンのみの登場。
- 白起(はく き)
- 六大将軍筆頭。せり出した両目が常に血走っている特異な容貌で描かれる。
- 危険を冒さず、相手がムキになるほど力を抜いて勢いをかわす戦い方をし、廉頗たちから「六大将軍の中でも最もやりづらい」「正真正銘の怪物」と評される。
- 長平の戦いにおいて秦軍の総大将を務め、投降した趙兵40万人を、兵糧の問題と反乱の危険を理由に全員生き埋めにするという決断を下した[注 3]。
- すでに自害して亡くなっており、回想シーンのみの登場。
- 王齕(おう こつ)
- 秦国六大将軍の一人。長く伸ばした鬚髯と顔を斜めに走る傷が特徴。六将一の怪力豪将と呼ばれ、武器は大斧を使う。
- かつて楚へ侵攻した際、汗明との一騎討ちに敗れて撤退していると汗明は語ったが、真相は定かではない。
- すでに亡くなっており、回想シーンのみの登場。
- 胡傷(こ しょう)
- 秦国六大将軍の一人。すでに亡くなっており、回想シーンのみの登場。
- 六大将軍の中で唯一武将ではなく軍師出身で、頭脳だけで六将に上り詰めた軍略の天才。自由に戦っていたという六将も、実際には胡傷が戦略の大枠を作り、他の5人がそれに従っていたと言われている。また、昌平君の軍略の師でもあった。
- 司馬錯(しば さく)
- 秦国六大将軍の一人。すでに亡くなっており、回想シーンのみの登場。
王騎軍
- 王騎(おう き)
- 声 - 小山力也 / なし / 中田譲治
- 秦国六大将軍の一人。そしてかつて昌文君と共に昭王に仕え、中華全土に名を馳せた武人。
- かつてありとあらゆる戦場にどこからともなく参戦し、その武で猛威を振るったことからついたあだ名が「秦の怪鳥」。個人的武勇と戦場全体を見渡せる知略の双方を兼ね備える、最強の六大将軍。その首を取れば50の城をとるよりも価値がある、生きる伝説等敵味方問わずその評価は高い。また六将・摎の出生の秘密を知る一人であり、同時に、摎の想われ人でもあった。
- 昭王に心酔し、その亡き後は仕えるべき主あらずと一線を退いていたが、趙軍侵攻編にて突如として復帰し蒙武を退けて秦軍総大将となる。復帰する前にも政の動きに介入、手助けするなど、昭王の後継者として政を推し量っていた場面が見られる。また、直属軍の調練や後進の育成として信の成長を促すなど、軍事力維持に余念がなかった。
- 趙軍との戦における序盤は趙軍を圧倒するが、深追いし過ぎた秦軍先鋒・蒙武の救援に向かったところを趙本軍とその伏兵との挟み撃ちに遭い乱戦の最中龐煖に討たれる。龐煖との一騎討ちではほぼ互角ながらも止めの一撃を加えようとしたまさにその時、趙の魏加の狙撃によって不意をつかれ逆に龐煖の矛に打ち抜かれた。その後、重傷を負いながらも戦場を離脱し、騰や蒙武や信に言葉を残し、最後に信に矛を託して力尽き死亡した。出陣直前に政を仕えるべき主と認め、昭王に託されていた遺言を伝えていた。
- なお時折、男色を好むような発言をするため、信との初対面時には「オカマ」呼ばわりされた。
- 騰(とう)
- 声 - 加藤亮夫
- 王騎軍の副官。常に王騎の傍に控えており、普段は飄々としてポーカーフェイスを崩さない。また王騎へ答える時は「ハ。○○です」と答えることが多い。
- 趙軍との戦では、終盤で趙荘軍本陣に突撃して大将代理・趙荘を討ち取り、その後に王騎が致命傷を負うと、戦場から離脱させるために撹乱目的で敵本陣に突撃をかける等、その実力は(王騎本人から)王騎に見劣りしないと評される程である。王騎が離脱すると部下の進言で自分も離脱し、王騎から王騎軍の全てを託された。
- 対合従軍戦では既に将軍へ昇進。蒙武軍と連合して楚軍と対峙し、第一陣将軍の臨武君を一騎討ちの末に討ち取った。
- 著雍攻略戦では、秦軍の更なる強化を見据え、信と王賁に主攻を託す。この判断が功を奏し攻略に成功。この功により、毐国建国宣言後に著雍での簡易的な論功行賞で、蒙武に続く秦国二人目の大将軍に任命された。
- 戦闘時は片手に持った剣を芝刈り機のように高速回転させ、敵兵をこともなげに撫で斬りにしていく。その際、「ファルファルファル」という独特の擬音が出る。
- 7巻巻末データによると特技は受け流し。飄々とした表情や、王騎亡き後にその笑い方を真似して蒙武を呆れさせたり、臨武君を破った際に、死んでいない録嗚未の名をわざわざ挙げたりと、お茶目な所も見せる。
- 録嗚未(ろく おみ)
- 声 - 田尻浩章
- 王騎軍第1軍長。王騎軍最強と評される。軍議中座らない蒙武にキレそうになって王騎にたしなめられたり、李牧が秦趙同盟を持ちかけた際には激怒して剣を抜きそうになったり、宴席においても文官を投げ飛ばして退席するなど、激情家な面が見られる。
- 秦趙攻防戦において万極軍と交戦中に王騎の死の知らせを受けて激昂し暴走、万極軍に大打撃を与えた。
- 対合従軍戦で楚将の臨武君と一騎討ちを繰り広げるが、力及ばず落馬させられる。その後、救援にきた騰が臨武君を打ち破った際、なぜか死んだことにされていた。
- 著雍攻略戦の頃には将軍に昇進しており、魏軍本陣を陥落させる為の三つの主攻の一つを任される。
- 著雍での簡易的な論功行賞の後、王賁と共に蒙武軍の援護の為に楚国との国境へ向かった。
- 隆国(りゅう こく)
- 声 - 加藤亮夫
- 王騎軍第2軍長。秦趙攻防戦において山間に退いた趙荘軍の所在を見破り、龐煖を追跡する蒙武を止めようと進言する等、目利きに長けた将。しかし驀進する蒙武を止められず、趙荘の策によって壊滅的な被害を負った。
- 蒙武を間近で見てその武力に感嘆していた。王騎の最期に立ち会い、騰が王騎軍を託されたことへの証人となった。その後は騰軍の参謀の役割に就いている。
- 著雍攻略戦の頃には、将軍に昇進している。
- 鱗坊(りん ぼう)
- 王騎軍第3軍長。敵将に対して辛辣な皮肉を浴びせる事が多い。
- 秦趙攻防戦で序盤に渉孟と戦いその武力の危険性を他の軍長たちに伝える。その後王騎の死の知らせを受けると言葉を発せず、泣き崩れた。
- 対合従軍戦で楚軍の臨武君の元まで突破するが、録嗚未と共に斬りかかった所で千人将の白麗に頭部を射抜かれて死亡する。
- 干央(かん おう)
- 声 - 赤城進 / 稲垣拓哉(VOMIC++)
- 王騎軍第4軍長。死闘を最も得意とし、軍の突破力は録嗚未からも認められる程である。
- 秦趙攻防戦の序盤で馮忌軍と当たる。この際馮忌を討ち取った信の名を高らかに宣言している(王騎曰く粋な計らい)。その後、龐煖の夜襲にいち早く反応して攻撃を仕掛けるが、援軍としてやってきた万極と交戦し隙を突かれ負傷する。
- 対合従軍戦では楚軍の戦象軍に苦戦をするも突破口を探りだし逆に撤退をさせ、その後の乱戦を生き残り、録嗚未軍と共に媧燐軍の背後に急襲をかけていた。
- 著雍攻略戦にも参戦するが、王賁からは「融通が利かない」と評されている。
- 同金(どう きん)
- 王騎軍第5軍長。秦趙攻防戦では目立った活躍の場は無かった。王騎の死の知らせを受けて「何かの間違いだ」と涙を流していた。
- 対合従軍戦で秦に侵攻した楚軍への迎撃戦において、氾斗平原で臨武君に討たれ戦死する。
- 黄楼(こう ろう)
- 王騎軍の古参武将。
蒙驁軍
- 蒙驁(もう ごう)
- 声 - 伊藤和晃
- 蒙武の父にして蒙恬・蒙毅の祖父。元々は斉国の人。伍長から昇進を重ねてきた歴戦の将であったが、斉において廉頗によって幾度も敗北させられたことから故郷での出世の道を諦め、息子の蒙武と共に秦へとやってきた。「白老」の名で列国に知れ渡る秦国筆頭の大将軍。
- 自ら前線で武勇を示すのではなく本陣で全体の指揮を執り、不利な戦況でも柔和な笑みを崩さずどっしりと構えている。攻城戦を得意とし、戦闘で負傷した部隊を見舞うよう指示したり、兵卒たちに対しても親愛のこもった檄を飛ばすなど、末端への配慮も欠かさない。常に定石を外さない戦い方から、昌文君には「極めて凡庸な将軍で、強き敵に勝つことは難しいが、弱き相手には絶対に失敗がない」と評された。
- 一方で人材を見極める眼力は確かで、危険視される副将二人さえ使いこなすばかりか、身分に拘らず人材を抜擢するなど、人を用いるという点においては優れた器量を持つ。それゆえ蒙驁本人が凡庸と評されながらも、その軍は結果を残している。考えに行き詰まると一兵卒に身をやつし自軍の陣営内を徘徊する癖を持ち、その際に夜食のための狩りをしていた信と知り合った。
- 魏攻略戦において、因縁の相手である廉頗と40年ぶりに対決。廉頗のためだけに40年間練り上げた策で迎え撃ち、廉頗本人からも「よくできている」と評されるが突破され本陣に迫られる。そこで一騎討ちを繰り広げた廉頗に対し、乗馬もろとも弾き飛ばす怪力で善戦するも左腕を失う(アニメ版では失っていない)。しかし別働の桓騎による魏軍本陣を陥落の報に、廉頗が降参したことで、目的であった山陽を得ることに成功する。戦争終結後、この時の負傷から事実上は引退状態にあるとされたが、対合従軍戦において国門函谷関を守護する将軍として抜擢され、張唐と共に歴史に名を残すことを誓った。
- 始皇7年に危篤状態となり、信と蒙恬が駆け付けた際に意識が戻り、王賁を含む三人で一緒に高みへ登れと信と蒙恬に言い残して息を引き取った。
- 蒙毅が予定していた韓侵攻への従軍を却下したり、蒙恬が千人将に昇格しそうになった際に時期尚早として三百人将に据え置くなど、一見身内にはかなり厳しかったが、実際は彼らを危険にさらさない過保護さの裏返しである。
- 羅元(ら げん)
- 声 - 竹内栄治
- 蒙驁軍の副官を務める将軍。顔に一閃の傷跡がある。山陽前哨戦にて暗躍する輪虎に翻弄され、数多くの千人将を失い自らも討たれて死亡した。
- 栄備(えい び)
- 声 - 竹内栄治
- 蒙驁軍に属する将軍。山陽戦では本隊の正面軍を率いる。最終局面では輪虎の巧みな戦術を目の当たりにして敗北を悟り、果敢に突撃をするも輪虎に斬られ死亡した。
- 乱銅(らん どう)
- 蒙驁軍所属の千人将。制圧後の高狼城で乱暴狼藉を働き、それを咎めた信に逆上して斬り掛かるも返り討ちに遭い死亡した(アニメ版では生存しており、重傷だが命に別状はなかったとのこと)。
- 常氾(じょう はん)
- 蒙驁軍所属の武将。輪虎の攪乱によって不足した千人将の座に臨時で就任するも、急造故に実力を発揮できずに輪虎軍に敗れる。
- 土門(ど もん)
- 声 - 玉木雅士
- 蒙驁軍に属する将軍。栄備と比肩し、山陽戦では本隊の正面軍を率いる。始皇十一年の鄴攻略戦にも、三軍連合軍の一員として参戦する。
- 郭叫 / 李充 / 馬令 / 朱可
- 声 - 竹内栄治 / 田尻浩章 / 林和良 / 赤城進
- 蒙驁の側近たち。名前はいずれもテレビアニメ版第2期より。
蒙武軍
- 蒙武(もう ぶ)
- 声 - 楠大典
- 呂不韋四柱の一人で蒙恬、蒙毅の父。絶対の自信を持つ自身の武力を、中華最強と証明するため政に六大将軍制度の復活を上奏する。
- 戦闘スタイルは、己の武力を筆頭に士気を高めた兵たちで一気に押し潰す力押し。その戦い方は「策も何もあったものでは無い」と言われるほどだが、その力はすさまじく、昌平君からは力で策を破る唯一の男と称される。
- 趙軍襲来編では、秦軍の副将となる。列国からは猪突猛進という評価を受けているが、兵の士気を上げるために戦を使って練兵をする等、軍への理解は深い。序盤こそ武力で勢いに乗るが、終盤では趙荘の策によって壊滅寸前の窮地に陥る。その後、王騎を戦場から離脱させる為に突破口を開き、王騎から秦国軍の顔になるべき一人とこれからのことを託される。
- 対合従軍戦では、騰軍との連合軍となり楚軍に当たる。昌平君の助言による「斜陣がけ」という戦術を使って汗明軍本隊への道を作り出し、汗明との一騎討ちの末に討ち取って汗明軍に再起不能の打撃を与えた。更に合従軍が函谷関から撤退した後、追撃して合従軍に打撃を与えた。その後に行われた論功行賞では、秦軍全体の第一功として大将軍に任命された。
- 毐国建国宣言後、秦国に侵攻してきた楚軍を蒙恬と共に迎撃する。
- 丁之(ちょう し) / 来輝(らい き)
- 蒙武の副官。いずれも隆々とした豪の者。
麃公軍
- 麃公(ひょうこう)
- 声 - 斎藤志郎
- 鋸の歯のようなギザギザの歯が特徴的な大将軍。得物は長刀のような武器。敵軍に突撃する際は棘をあしらった仮面と盾を装備する。
- 個人的武力は(王騎と)互角、軍を率いた際の武力は王騎軍よりも上と王騎に言わせる程であり、昭王による咸陽への召還を何度も無視していたために、六大将軍と並ぶ実力を持ちながら数えられておらず、また長年前線を拠点としていたことから、中央での知名度は低かった。
- 戦を「燃え盛る大炎」という独特の感性で表し、勝利のためならば歩兵の犠牲を省みず敵軍の急所を突き戦果を挙げるという冷酷な一面も持つ。戦の局面が動く時と判断した際の決断は非常に速く、戦が大いに盛り上がったとき(本人は「燃え盛る炎が最大となった時」と表現する)は、自ら戦場に出陣して敵総大将の首を狙うといった独特な戦い方をする。言わば知略・軍略よりも本能で戦う武将。そのため、戦の動きを見せない相手には、その強さを十分に発揮することができなかった。
- 対合従軍戦の序盤では趙軍に当たり、三倍もの兵力差を物ともせず互角に渡り合う。終盤には趙の別働軍を察知して猛追、李牧の策略をかいくぐって本陣まで辿り着く。自軍の本能型の将である慶舎でさえ破れなかった策略を破られたため、李牧は麃公のことを「本能型の極致」と称した。そこへ現れた龐煖との一騎討ちでは、片腕を折るも敗死した。死の間際、加勢に来ようとする信へ盾を投げ渡して(自分に構わず)咸陽へ行くよう命じ、「火を絶やすでないぞォ」と言い残した。
- 縛虎申(ばく こしん)
- 声 - 宇垣秀成
- 千人将。山和曰く「特攻好きのイカレ野郎」。自他共に厳しく、口答えをした歩兵を即斬るなど、直情的な面が見られる。
- 蛇甘平原戦において丘を奪取するために突撃し、副将・宮元と相討ちになって死亡した。
- 壁に対し将としての目的は「戦争に勝つ」ことであり、「配下の歩兵を死なせない」ことではないと厳しく諭しており、当初仲の悪かった壁自身も縛虎申の死は無念に思っていた。
- 味方が大勢やられた時ほど無茶をするという戦い方から周りには猪突猛進という印象を与えているが、勇猛と無謀の違いを信に諭すなど本人なりの考えを持っている。配下の部下にも篤く信頼されている有能な将だった。
- 蒼源(そう げん)
- 特殊弓騎兵団「蒼弓隊」の隊長。すでに亡くなっており、回想シーンのみの登場。
- 名を残す前に戦死してしまったが、かつて秦国でただ一人「中華十弓」に名を連ねるほどの弓の達人。
- 蒼仁と蒼淡の父親で、「中華十弓」の一人である魏の馬朱離と戦うために二人を置いて戦場へ赴く。麃公のもとで多くの味方を救い、多くの敵将校を射殺して勝利に導き、「中華十弓」の一人の魏の白公との弓対戦で勝利したことにより、「中華十弓」に認められる。
- ある戦場で敵の伏兵に遭って戦死してしまったが、彼に救われたことがある元麃公兵の岳雷らからは深く尊敬されている。
- 蒼仁曰く意外とドジな性格らしく、息子達からは馬に踏まれて死んだと思われていた。
桓騎軍
- 桓騎(かん き)
- 声 - 伊藤健太郎
- 蒙驁軍の副将。元は秦南方の野盗団の首領。生まれが一世代早ければ六大将軍に名を連ねたとされる軍才は、かつて秦の討伐軍を相手に無敗を誇ったほどで、王騎や蒙恬などからも化物と評される。
- 野盗時代に城邑を攻め落とした際、住人全員の首を自ら刎ねたことから「首斬り桓騎」の異名を持ち、将軍となっても投降兵諸々を殺してしまう残忍な性格。傲岸でもある一方、蒙驁に対しては目の届かない場所に居ても敬語を使うなど、敬服しているような面も見られる。野盗であった彼が蒙驁の副将となった経緯は不明。
- 自身で編み出した独自の兵法を駆使し、自ら変装して敵本陣に潜入するなど元盗賊らしい奇策を用いた戦法を得意とする。
- 対合従軍戦で函谷関を守護する役割を与えられ、魏軍の巨大井闌車を焼き払った。その後、二台目の巨大井闌車を逆に利用して地上へ降り、張唐と共に韓軍へ奇襲をかけて成恢を討ち取ることに成功する。
- 黒羊戦では、総大将として非道な戦略で黒羊を奪取した。始皇十一年の鄴攻略戦では、三軍連合軍の一角として参戦する。
- オギコ
- 桓騎軍所属の千人将。独特の髪型に鼻輪など非常に奇抜な格好をしており、また言動も頼りない所が多いが、接近戦での戦闘力は高いようで、桓騎による「腕っ節のつええ奴ら」の中に含まれている。
- 黒羊丘の戦い前に何故か飛信隊へ伝者として訪れるが、あまりに怪しすぎたため飛信隊に止められていた。
- モチーフは作者のサラリーマン時代の同僚“荻野さん”[1]。
- ゼノウ
- 獰猛さでは桓騎軍随一とされるゼノウ一家の頭。蒙武よりも一回り大きい体格の持ち主。
- 砂鬼(さ き)
- 残虐さでは桓騎軍随一とされる砂鬼一家(通称「灰面集団」)の頭。その一家は拷問好きで常に死臭を漂わせている。
- 黒羊丘の戦いでは五日目に黒羊丘近辺に住む村人達の屍で作った「贈り物」を紀彗達に届けて脅し、戦いの勝敗を決定づける。
- 一家の中に桓騎軍の最古参と名乗る者がおり、桓騎の中にある根源は「全てへの激しい怒り」であることを那貴に語っていた。
- 倫玉(りん ぎょく)
- 黒羊丘の戦いで、桓騎に付き従う。騎馬隊を率いる。
- 桓騎軍の中ではかなり良識のある人物であり、黒羊で桓騎軍と飛信隊が衝突した際、那貴と入れ替わりで桓騎軍に一時加入していた尾平を割って入らせたことで結果的に殺し合いに発展するのを防いだ。
- 馬印(ば いん)
- 桓騎軍の武将。黒羊丘の戦いでは飛信隊の伝達係として動いていた。桓騎が一日目の飛信隊の失態の咎で信の片腕を要求した際、危うく信に自身の腕を斬られそうになる。
黒桜軍
- 黒桜(こく おう)
- 声 - 川島悠美
- 桓騎軍五千人将。目つきが鋭い女性武将。野盗時代からの配下らしく、桓騎を将軍でなく「お頭」と呼び、粗暴で冷酷な指示にも忠実に従う。
- 粗暴な男ばかりの部隊の中での女性指揮官とあって、配下からは「姐さん」と呼び慕われる。
- 桓騎軍の幹部を務めるだけあって有能で、戦地では騎馬を駆りつつ、一射で2矢を命中させるほど武芸に優れる。また戦局の変化に敏感で、攻守に適切で迅速な指示を出すなど将としても優れる。なお当人が意識しているかは不明だが、劣勢個所への指示で増援を出してもらえる、もらえないの判断基準などから常々、不細工には厳しい、と配下から思われていたりする。
- 黒羊丘の戦いでは副官(五千人将)を務め、紀彗軍の海剛と戦う。
- 角雲
- 桓騎軍千人将。守りの達人で黒羊丘の戦いに参加するが、奇襲してきた紀彗に首を刎ねられた。
- 永鬼・田鬼・中慈・太樹・外摩・智春・蛇暗一家
- 黒桜軍の武将達。
摩論軍
- 摩論(ま ろん)
- 桓騎軍五千人将。黒桜同様、野盗時代からの配下らしい。自称紳士と呼称し、相手には常に丁寧語を話す。
- 黒羊丘の戦いでは参謀(五千人将)を務め、慶舎軍の金毛と戦う。
雷土軍
- 雷土(らい ど)
- 声 - 小松史法
- 桓騎軍の武将。野盗時代からの配下らしく、左目の周りに輪っかの入れ墨がある巨漢。
- 粗暴な性格だが、戦況を見極めることに長けており、野盗時代に培った経験を駆使する。
- 黒羊丘の戦いで、左翼先行軍の五千人将として行動する。
- 巴印(は いん)
- 雷土軍で、尾平とともに行動する。
- ホウロ
- 雷土軍の一員。
- 岩迅(がん じん)
- 雷土軍の一員。仲間達とともに信を嘲笑にしたことに殴り掛かって来た尾平を逆上して殴り殺そうとしたが那貴に止められ、それに対して那貴と彼の隊を侮辱したことにキレた那貴に首を折られて死亡した。
王翦軍
- 王翦(おう せん)
- 声 - 堀内賢雄
- 蒙驁軍の副将。王賁の父親で王一族の現頭首。桓騎と同じく化物と評される。
- 恐ろしい形相を模した鎧に身を包み、目元を隠す仮面を付け、部下すらも味方に向けるものではない目で見る。秦国一の危険人物とされ、昭王の時代からずっと日陰に送られている。その理由として自らが王になりたいという野望を抱えているという噂があり、実際自分の領地を国と表現し、敵将である姜燕を執拗に勧誘した。
- 対魏攻略戦において、第二軍を動かすこともなく、第一軍の攻めだけで最も多くの城を陥落させるなど、その軍は味方から見ても異常と言えるほどの強さ。相手の攻勢をのらりくらりと躱すようなやり口や野戦築城の才を見せたことから六将筆頭・白起に匹敵するやもしれぬと、廉頗からその軍才を認められつつも、軍全体の戦略やその中における自らの役割を弁えず、あくまでも自分本位で動き、副将でありながら総大将・蒙驁の戦略に反した行動の面で「(人から信用されないために)英雄とは認められない男」として、見切られた。
- 対合従軍戦では燕軍に当たり、山岳族から見ても感心する程の山砦で渡り合う。燕軍に山砦の心臓部を突かれるも、撤退をしたように見せかけ燕軍の主力八千を誘い出して全滅させ、そのまま山中に姿を晦ました。その後、函谷関の裏手に現れた楚軍を一掃して陥落の危機を救った。
- 始皇十一年の鄴攻略戦では、三軍連合軍の総大将として参戦する。
- 孟知(もう ち)
- 王翦軍の武将。
- 孟龍(もう りゅう)
- 王翦軍の武将。王翦にオルドを生け捕りにするように命じられ、敗走するオルドとその配下を急襲したものの、オルドに返り討ちにされてしまった。
王賁軍(玉鳳隊)
- 王賁(おう ほん)
- 声 - 細谷佳正
- 王翦の息子。玉鳳隊という完全武装の騎馬隊で構成された特殊三百人隊を率いる三百将。初老の副長からも恐ろしい方と評されるほどの軍才を持つ。王騎とは同族で、王賁は本家筋になる。
- 武器は槍。天賦の才と弛まぬ努力からその槍術は達人と呼べる腕前を誇る。必殺技は変則的軌道を描く突き技「龍指」。
- 堅物で真面目、出自に対するプライドが高い性格。歩兵の本分を「蟻のごとく大集団を形成して戦うこと」、独立遊軍を「貴士族出身の騎兵が行う高度な任務」だと認識しており、百姓出身歩兵で構成された飛信隊が独立遊軍を務めることを快く思っていない。信に必殺技を叩き込んで下僕出身者と貴士族出身者との立場の違いを示す等、エリート志向が強い。
- 対魏攻略戦の途中、千人将不足を補うために、臨時に千人隊に増強される。戦争終了後の平定の最中に正式に千人隊となり、対合従軍戦前には二千人将に昇進していた。
- 対合従軍戦では騰軍に組み込まれ、左軍を率いる五千人将の役割を与えられた。合従軍が函谷関から撤退した後に蒙武軍に同行して合従軍の背を討った。戦争終結後、論功行賞によって三千人将に昇進した。
- 著雍争奪戦では玉鳳隊は独立遊軍の五千人隊となっており、王翦軍に援軍を頼もうとしていた騰に自らの考えた戦略を献策し、三つの主攻の一つを担う。二日目に魏火龍・紫伯と交戦して重傷を負うが、三日目に紫伯を討ち取り、作戦を成功へと導く。この功により、著雍での簡易的な論功行賞で信と共に五千人将に昇進した。そして、録嗚未と共に蒙武軍の援護の為に楚国との国境に向かった。
- 始皇十一年の鄴攻略戦では、事前に咸陽に呼び出され、信たちと共に鄴攻略の戦略を説明され、三軍連合軍の一員として出陣する。
- 番陽(ばん よう)
- 声 - 高塚正也
- 玉鳳隊の副長。老練な武将で王賁に心酔しているが、やや傲慢な所もある性格。多くが平民で構成される飛信隊に対しては、王賁以上に辛辣な言葉を浴びせる。
- 関常(かん じょう)
- 王賁が四千将に昇格した時に配備された千人将。以前は王翦の軍に所属していた。
蒙恬軍(楽華隊)
- 蒙恬(もう てん)
- 声 - 野島裕史
- 蒙武の息子で蒙毅の兄。登場時すでに千人将格であったが、祖父の蒙驁の指示により、より経験を積むため楽華隊という特殊三百人隊を率いていた。対魏攻略戦の途中、千人将不足を補うために、臨時に千人隊に増強される。
- 軍才にも恵まれ、若くして一隊の長として功績を多く挙げているが、本人は文官志望を公言するなど、飄々として周囲の期待に応える様子を見せない。しかし、気にかけている信の前では、韜晦している本心を顕にして自らも天下の大将軍を目指す者であるという野心を示し、軍法会議にかけられ処断されそうになった信を裏工作で助けたりもしている。対魏攻略戦終結後に、正式に千人将に昇進した。
- 対合従軍戦では騰軍に組み込まれ、右軍を率いる五千将の役割を与えられた。その後、蒙武と汗明の一騎討ちに横槍を入れようとした媧偃と交戦し、逆に自分が一騎討ちの場に入ってしまったことで汗明に斬られ、重傷を負った。
- 対合従軍戦終結後、回復した姿を見せて論功行賞によって二千人将に昇進した。
- 毐国建国宣言後、秦国に侵攻してきた楚軍を蒙武と共に迎撃する。咸陽攻防戦で負傷した信が前線に復帰した頃には、四千人将に昇進していた。
- 始皇十一年には五千人将に昇進しており、鄴攻略戦の前に黒羊から咸陽に呼び戻され、信たちと共に昌平君たちが練り上げた戦略を説明された後、三軍連合軍の一員として出陣した。
- 陸仙(りく せん)
- 声 - 高橋英則
- 楽華隊の副長。
飛信隊
- 渕(えん)
- 声 - 赤城進
- 飛信隊副長。元々は壁と信の連絡役であったが、王騎の元へ修行を付けてもらいに行った信に同行した結果、なし崩し的に修行に付き合わされ、そのまま副長となる。
- 隊における現場の支援兼纏め役。信の修行に付き合っていたことで「集」の基本的な戦い方を把握しており、目立った活躍が描かれることは少ないが誰よりも責任感が強く飛信隊にとって重要な存在。黒羊丘の戦いでは、二日目に不可能に近い急流渡河の任を全うして飛信隊の窮地を救った。武力は尾平と同程度。
- 楚水(そ すい)
- 声 - 小松史法
- 千人隊へと昇格した飛信隊へ、新たに編入された3人目の副長。左目を縦断する傷があり、前属の郭備隊でも副長であった。信のことを新たな将として信頼している。
- 山陽戦後は、正式な千人隊となった飛信隊の補給を一任される。その後、河了貂が軍師として参入した際に補給の役目も引き継いだ為、飛信隊の主攻の役割に就いた。
- 頑丈であり、山陽戦で輪虎に、著雍戦で凱孟に、黒羊戦で馬呈に重傷を負わされているが、いずれも回復して前線に復帰している。
- 岳雷(がく らい)
- 三千人隊へ昇格した飛信隊に編入された、元麃公兵の千人将。無骨な性格で信を嫌う旨の発言もあるが、その実力は認めている。
- 尾平(び へい)
- 声 - 鳥海浩輔
- 信の同郷。信が初陣で伍を組んだ1人。出っ歯が特徴。趙軍襲来編では飛信隊第十二伍長となる。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格している。
- 黒羊丘の戦いで、那貴の代わりに桓騎軍に加わる。五日目の桓騎軍が虐殺した村で落ちていた混バァの紫水晶の腕飾りを巴印に唆される形でもらってしまい、後に桓騎ともめている信と羌瘣の仲裁に入った時にそれを見られ、激怒した2人に見限られて除隊されてしまう。その後、途方に暮れて自棄になって故郷に帰ろうと考えたところに、信を嘲笑する岩迅達に激怒して殴り掛かるも返り討ちに遭ってしまうが、那貴に助けられる。
- 瀕死の重傷のまま飛信隊に運び込まれ、目が覚めた時に信から過去に起こした自身の過ちと後悔を聞かされ、自身が抱く飛信隊の理想を語られたことにより、尾平は心から謝罪し懇願して飛信隊に復帰する。
- 尾到(び とう)
- 声 - 高塚正也(幼少期:日笠陽子)
- 信の同郷。尾平の弟。信が初陣で伍を組んだ1人。兄より高い背と角刈りが特徴。趙軍襲来編では飛信隊第十三伍長となる。
- 趙戦にて夜襲して来た龐煖の援護のために現れた万極軍の矢を受け、信を背負いながらも襲撃から逃れるが、その矢傷が元で戦死した。死の間際、信に大将軍になって欲しいという願いを託した。
- 澤圭(たく けい)
- 声 - 佐藤晴男
- 信が初陣で伍を組んだ時の伍長。頼りない外見と性格のせいで常に最弱の伍を率いるが、弱者なりの戦い方を熟知しており、彼の伍は今まで誰も死んでいなかった。趙軍襲来編では飛信隊第十一伍長となる。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格している。
- 沛浪(はい ろう)
- 声 - 小山剛志
- 経験豊富な歴戦の伍長。趙軍襲来編では飛信隊の第一伍長となり、信の要請を受けて田有と共に精鋭の歩兵を集めた。飛信隊が三百人隊になると什長へ、千人隊になると百人将へと昇格している。
- 田有(でん ゆう)
- 声 - 林和良
- 伍作りで大人気だった巨漢の歩兵。趙軍襲来編では飛信隊の第十四伍長となり、信の要請を受けて沛浪と共に精鋭の歩兵を集めた。飛信隊が三百人隊になると什長へ、千人隊になると百人将へと昇格している。
- 飛信隊の中でも最も早く羌瘣の秘密に気付いていた。
- 秦国統一編では、信と共に咸陽攻防戦に参戦するが、呂不韋の息のかかった王宮警備兵たちが放った多数の矢から信を庇って負傷する。黒羊戦の頃には、回復し戦線に復帰している。五日目の桓騎軍の虐殺で信たちが桓騎に殴りこんだ際、拘束されて危うく首を切り落とされそうになる。
- モチーフは作者のサラリーマン時代の同僚“有田”さん[1](本人からの承諾は取っているとのこと)。
- 中鉄(ちゅう てつ)
- 声 -青木強
- 伍作りで大人気だった強面の歩兵。富村の殺し屋の異名を持つ。趙軍襲来編では飛信隊第十五伍長。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格している。
- モチーフは作者のサラリーマン時代の同僚“中村”さん[1]。キャラ名は同左の姓名から。
- 山和(さん か)
- 声 - 青木強
- 沛浪の伍の一員として登場。巨漢の男で力も強い。趙軍襲来時には飛信隊で第三伍長となるが、野営中に突如として来襲した龐煖によって殺害された。
- 脇次(きょう じ)
- 声 - 坂巻学
- 沛浪の伍の一員として登場。後に飛信隊で第二伍長となる。趙軍との戦いにおいて龐煖によって殺害される。
- 茷建(ばつ けん)
- 声 - 堀井茶渡
- 沛浪の伍の一員として登場。後に飛信隊で第四伍長となる。趙軍との戦いにおいて龐煖によって殺害される。
- 文穴(ぶん けつ)
- 馬陽戦から第九伍長として所属。龐煖の乱入によって混乱する陣から羌瘣に撤退を指示されるが、させまいとした龐煖によって斬殺された。
- 松左(しょう さ)
- 声 -高塚正也
- 馬陽戦から第十伍長として所属。飄々とした性格をしているが、核心をついた発言も多く、精神面で信を支える。よくしなる槍を振り回し、配下も皆槍兵。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格している。長く歩兵であったが、著雍の戦いのあと百人将となったようで初めて騎馬に乗っている。
- 田永(でん えい)
- 声 - 田尻浩章
- 馬陽戦から第六伍長として所属。強面の大男で、旧知であった沛浪の誘いで飛信隊に加わった。口が悪く、喧嘩っ早い。
- 名前の由来は、作者のサラリーマン時代の同僚の“永田”さんから(本人からの承諾は取っているとのこと)。
- 崇原(すう げん)
- 声 - 高橋英則
- 馬陽戦から第五伍長として所属。剣術の使い手で、彼の伍に所属する者たちも手練れであった。趙軍との戦いで左目を失っている。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格しており、黒羊丘での戦いの後の時点でさらに歩兵長へと昇格していた。
- 去亥(きょ がい)
- 声 - 下妻由幸
- 馬陽戦から第十七伍長として所属。魏国との戦いで壊滅状態に陥った秦国第二軍の数少ない生き残りであり、第四軍で大功を上げた信たちには当初不満を募らせていた。飛信隊が千人隊になると百人将へと昇格している。
- 竜有(りゅう ゆう)
- 声 - 青木強
- 馬陽戦から第十八伍長として所属。元対魏戦第二軍の生き残り。気難しい性格で、当初は信らに悪態をついていた。腕力には自信があるらしい。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格している。
- 邦(ほう)
- 馬陽戦から第十九伍長として所属。元対魏戦第二軍の生き残りで、去亥や竜有らとともに信らに反発していた。野営中に乱入した龐煖に隊が混乱する中、龐煖によって斬殺された。
- 有義(ゆう ぎ)
- 馬陽戦から第七伍長として所属。元対魏戦第二軍の生き残り。坊主頭で、信からは「ハゲ」というあだ名を付けられていた。野営中に乱入した龐煖と交戦するが、敵わず戦死する。
- 魯延(ろ えん)
- 声 - 林和良
- 馬陽戦から第八伍長として所属。最年長の伍長であり、戦場の経験も豊富。知恵袋的存在として、時に信に助言をしている。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へと昇格している。
- 竜川(りゅう せん)
- 声 - 高橋英則
- 馬陽戦から、飛信隊第十六伍長として新たに信のもとに加わった歩兵。飛信隊の中でも田有を超える巨漢の1人で、馮忌を奇襲した際には先陣を切って趙軍の重壁を打ち破った。馬鹿力においては田有の二倍と言われているが、本人いわく「田有の三倍」らしい。
- 飛信隊が三百人隊になると什長へ、千人隊になると百人将へと昇格している。
- 石(せき)
- 声 - 高橋英則
- 馬陽戦から第二十伍長として所属。山の民の一つである青石族の出身。聴覚に優れており、要所で飛信隊の働きに貢献する。
- 昂(こう)
- 声 -下妻由幸
- 馬陽戦から歩兵として所属。信らと同郷の城戸村の少年。当初は小柄で気が弱いところを見せていたが、「母親に楽をさせるために出世したい」という熱意を持つようになる。
- 慶(けい)
- 声 - 青木強
- 趙軍との戦いから歩兵として所属。信や尾兄弟と同郷。尾平とは馬が合うようでよく絡んでいる。
- 田孝(でん こう)
- 河了貂の補佐役を務める若い隊士。
- 田貝(でん がい)
- 騎兵。嫪毐の乱の際、危うくなった馬仁将軍を助けに行った。
- ハシュケン
- 青石族の隊士。山の空気を読むという能力を持っている。
- 烈(れつ)兄弟
- 元郭備隊の騎兵兄弟。山陽の戦い序盤戦で突撃を敢行する信に従う。兄はその戦いで戦死。
- 我呂(が ろ)
- 元麃公兵。やや軽い性格の持ち主。対合従軍戦後に、岳雷と共に飛信隊に加わった。
- 労我(ろう が)
- 自称・狼牙。巻末漫画に登場。
- 合従軍編以前に加入した、リーゼント頭の不良っぽい性格の平隊士。自信過剰な性格だが実力は伴っておらず、巨漢隊士たちに恐れを成したり、昴にすら取り押さえられてしまっている。
- 那貴(な き)
- 元桓騎軍所属の千人将。黒羊丘の戦いでは、尾平達の代わりに4騎連れて飛信隊に加わる。
- 常に冷静だが、本人曰く怒らせると雷土よりもおっかないらしい。
- 四日目の戦いで逃げようとする慶舎を足止めして信が討ち取る貢献を果たす。黒羊戦後、桓騎軍に戻るも信と飛信隊に惹かれて桓騎軍を抜けることを決意し、直談判して雷土達に殺されかけるも飛信隊のもとに辿り着いて加入する。
- 呂敏(ろ びん)
- 元桓騎軍所属。黒羊丘の戦いで、那貴と共に飛信隊に加わる。
- 孫仁
- 黒羊丘の戦いでは、羌瘣の補佐官をする。
- 岐鮑(き ほう)
- 峡村出身の兵卒で、実家が漁師の為、隊内で一番川に詳しい。黒羊丘の戦いでは河了貂の補佐をする。
- 土南(ど なん)
- 黒羊丘の戦いで、渕達とともに急流渡河の任に赴き、渡河の先陣を名乗り出て渡河しようとするも、あまりの激流に耐え切れず力尽きて流される。
- 蒼仁(そう じん)
- 黒羊戦後の始皇十年に飛信隊が募集した入隊試験に臨んだ狩人の少年で、蒼淡の兄。小柄な体格で、入隊試験の体力検査で弟と共に不合格となるが、父親が秦国でただ一人「中華十弓」に名を連ねた蒼源の息子であることが明かされた上に、父譲りの弓の腕前を披露した事で、弟の蒼淡と共に飛信隊に特例合格となった。
- 蒼淡(そう たん)
- 兄の蒼仁と共に飛信隊の入隊試験に臨んだ狩人の少年で、兄とは違って大柄な体格をしている。弓の腕前は父や兄譲りであるが、気が弱い一面を見せる。
- 干斗(かん と)
- 入隊試験に臨んだ青年。隊長が元下僕で隊士の多くが百姓出身で構成されているにも関わらず、秦国や他国に名を轟かせるほどの活躍をしていることから飛信隊に憧れている。入隊試験のあまりの厳しさに一度は不合格となり、仲間達とともに食って掛かるも、崇原に叩きのめされる。しかし、崇原から「信は俺が百人いて一斉に襲っても敵わない」と聞かされて改めて信と飛信隊の強さを知り、意地でも入隊すべく再度試験に挑んで見事合格し、新兵として入隊する。
- 翼(よく)
- 声 - 高橋英則
- 飛信隊の隊員。アニメオリジナルキャラクター。
- 中年の男性で、故郷には妻子もいる。温厚な性格で、飛信隊に新たに加入した河了貂に隊員たちが疑いをかける中、自発的に彼女の手伝いをした。その後に起こった魏との戦闘で戦死し、河了貂に戦の現実を叩きつけることになる。
その他の武官・軍師
- 張唐(ちょう とう)
- 秦軍大将軍。楚の国境守護に当たっていた。15歳で初陣して以来50年間、秦の軍人として戦歴を重ねた古参将軍。
- 性格は頑固そのもので、秦国の軍人であることを誇りに思っている。その性格のため、最初は桓騎とは折り合いが悪かったものの、才能を認めてからは激励の言葉を送っている。
- 合従軍迎撃戦を前に咸陽に招集された7人の将軍の一人で、昌平君には大将軍級と評された。しかし昭王時代には六大将軍の影に隠れており、それ故に彼らを大嫌いと語っていた。
- 函谷関の守護に当たっていたが、韓軍の毒兵器によって自らの命が長くないことを悟り、戦場へと降り立った。その後、桓騎軍と共に韓軍を襲撃して成恢を討ち取り、桓騎に「秦国一の武将となれ」と言い残して力尽き死亡した。
- 壁(へき)
- 声 - 遊佐浩二 / なし / 小西克幸
- 昌文君の副官。王騎を初めとして多くの人から「生真面目」と評される。名家の生まれだが気取らない性格で、信の兄貴分でもある。
- 作中では合流地点の穆公の離宮で昌文君と共に現われる。漂の死にもっとも悲しみの態度を見せた人物であり、信に漂と別れた時の振る舞いを語っていた。王都奪還戦では別働隊に参加、宮中の秘密の通路を通って王弟たちの元へと向かう道案内を勤めるが、その途中で待ち構えた左慈と遭遇。一太刀を浴びせるものの重傷を負わされるが無事に生還することができた。
- 王都奪還の際に自らの無力さを痛感し、武官の極みである大将軍を目指すことを誓い、秦王派(昌文君派)武官の筆頭的な存在となる。登場時は将軍としての力量はまだ発展途上であったが、王騎には秦王派を引っ張っていく存在としてその可能性を認められていた。
- その性格からか基本に則った戦術を得意とし、撤退時には歩兵の事も気にかける等蒙驁と似通った部分がある。代わりに奇策や奇襲と言った戦法には対応が遅れがちになる事が多い。
- 対魏国戦争編では新任の千人将として登場。魏攻略戦においては、副将・王翦軍に配属される。千人将として基本戦術を習得し、地形を利用して優勢な敵相手に踏みとどまるなど成長が見られた。
- 対合従軍戦では三千人将になっており、武器を剣から長刀に変えている。
- 屯留の反乱が起こった頃には将軍に昇進しており、討伐軍の総大将に任命された。飛信隊と合流した後は、政からの指令で成蟜の救出を信たちに託して、自身は反乱の鎮圧に専念した。反乱の終盤では、自分の首を狙ってくる龍羽の奇襲を察知して、弓隊を伏せさせて龍羽を討ち取って反乱を鎮圧した。
- 秦国統一編では、加冠の儀に列席し、終了後に昌文君たちと共に咸陽攻防戦に参戦した。始皇十一年の鄴攻略戦では、三軍連合軍の一員として参戦する。
- 物語の下書きとなっている史記において反乱鎮圧のくだりで「将軍壁死(将軍の壁が死んだ)」とある。ここで死ぬために壁というキャラクターが生まれたが、後に誤訳の説が浮上した(壁死とは城内で戦死することを記す)ため、史実上の死を回避してしまったと作者は苦笑まじりにつづっている。
- 馬仁(ば じん)
- 秦国将軍で、壁軍の副将。屯留の反乱では、反乱鎮圧軍の副将として参戦した。秦国統一編では、反乱鎮圧軍の大将として参戦した。
- 蒙毅(もう き)
- 声 - 水沢史絵
- 蒙武の息子で蒙恬の弟。軍師候補生で昌平君の軍師養成学校で学ぶ。若いながらも養成学校では随一の実力で、蒙恬からも「とびきりの軍師」と太鼓判を押されている。なぜか最初から河了貂が女であることを知っていた。
- 蒙武に足りていない知力を補おうと考えていたが、「力が策を凌駕する」光景を目の当たりにし、父に欠けているものはなかったと認識を改める。
- 蕞の戦いでは、江亜たちを連れ出して参陣した。
- 秦国統一編では、昌平君に同行して咸陽攻防戦に参陣した。
- 左慈(さ じ)
- 声 - 高塚正也
- 上級武官。肆氏の片腕にして竭氏の人斬り長と呼ばれる。服を汚されただけで相手を真っ二つにするほど気性が荒い。
- 王都奪還戦で策を読んだ肆氏の指示により、別働隊が通ると予測した地点で待ち構え、壁や信たちと対峙する。
- 選抜された勇猛な山の民を圧倒するほどの武力を持ち、力と速さを兼ね備えた自らの剣を天下最強と豪語するも、壁に負わされた傷で剣が鈍り、信に敗れて死亡した。
- 魏興(ぎ こう)
- 声 - 青木強
- 上級武官。他国も恐れる弩弓隊を率いる。政を捜索する過程で黒卑村を殲滅した。その後、山の民を引き連れてきた政一派との戦闘中、場を濁しに来た王騎に一太刀で切り捨てられて死亡した。
- 黒剛(こく ごう)
- 丸城を守備する将軍。星眼の黒龍の異名を持つ隻眼の猛将だったが、呉慶率いる魏軍によって惨敗を喫し、戦死する。
- 尚鹿(しょう かく)
- 声 - 高塚正也
- 壁とは幼馴染の武官。飄々とした性格をしている。登場当初は千人将、後に壁とともに三千人将に昇格している。秦国統一編では将軍に昇格しており、壁の頼みで反乱鎮圧軍の副将として咸陽攻防戦に参戦した。
- 段歯(だん し)
- 馬央城を守備する将軍。趙軍の侵攻に対して楽観視を決め込むも、公孫龍軍によって城を落とされる。
- 江亜(こう あ)
- 声 - 玉木雅士
- 昌平君の軍師学校の生徒の一人。貂や蒙毅と比べると年長者。蕞の戦いでは、蒙毅に無理矢理連れられて参陣した。
- 郭[2]備(かく び)
- 声 - 土田大
- 千人将。知・技が優れており将来が期待されていた若手の将。楚水などの配下から尊敬されていた。
- 実は下僕出身であり各地の士族を渡り歩いていたが、子のいない士族の養子となり千人将に登り詰めた。経歴から信の活躍を我が事のように誇りに思っていた。
- 魏国侵攻戦で飛信隊と対面して激励するが、その後、輪虎の闇討ちを受け、なす術無く戦死した。僅かな対面だが、飛信隊に大きな衝撃を与えた。
- 輪虎の襲撃によって千人将が不足したことから信は臨時の千人将に抜擢されるが、不足の700人は郭備隊から補充された。つまり、信は郭備隊を受け継いだ形になる。郭備が生前に信のことを好意的に語っていたことから、すんなりと信の指揮下に入ることを受け入れた。
- 介億(かい おく)
- 昌平君の副官。軍師学校でも教鞭を取る知将。
- 対合従軍戦の終盤で、昌平君の命により蕞に出陣する。民兵の士気を揚げる政を、王の器と認めている。
- 秦国統一編では、加冠の儀に参列し、終了直後に昌平君と共に呂不韋陣営から離反した。そして、昌平君に同行して咸陽攻防戦に参戦した。始皇十一年には、昌平君たちと共に鄴攻略の戦略を苦労して完成させた。
- 袁夏(えん か)
- 成蟜知己の将軍。屯留救援戦において成蟜軍の副将として参陣する。しかし蒲鶮の裏切りに対処しきれず、龍羽によって半ば騙し討ちにされる形で死亡した。
- 龍羽(りゅう う)
- 屯留救援戦において成蟜軍の副将として参陣した将軍。しかし裏で蒲鶮と通じており、屯留城内で袁夏を斬り殺して成蟜たちを拘束する。そして屯留の反乱では、反乱軍の指揮官として討伐軍と交戦する。本来の計画では、裏で内通していた趙軍と共に討伐軍を殲滅して、総大将である大王派の武将である壁の首を手土産に趙へ亡命する予定だったが、飛信隊の参戦によって戦況が不利となり屯留城へ撤退する。反乱の終盤で、なおも壁の首を狙って奇襲をかけるが、それを察知していた壁が伏せていた弓隊によって射殺された。
- 敦(とん)
- 声 - 青木強
- 成蟜の側近を務める青年。低い身分から立身出世をしたが、その事が成蟜の機嫌を損ね、気まぐれにランカイによって殺害された。
- 樊於期(はん おき)
- 毐国将軍。嫪毐の反乱に参加。咸陽を攻めるもワテギが討死にしたことで反乱失敗を悟って逃亡、その後変装して咸陽での息子の処刑を見届ける。その後の消息は不明。本作では、桓騎とは別人として描かれている。
- 樊琉期(はん るき)
- 毐国将軍。樊於期の息子。嫪毐の反乱に参加。常に笑みを浮かべているが、弱者を殺すのは軍を持つ者の特権と考える残虐で歪んだ性格。それゆえか人望が無い。父とともに咸陽を攻めて民を虐殺し、後宮に侵入して向達を狙うも、駆け付けた信に右腕を切断され、さらに部下に見捨てられて捕縛される。反乱失敗後、他の反乱者らとともに咸陽で処刑された。
後宮
- 秦国太后
- 声 - 坪井木の実
- 政の実母であり、後宮の頂点に立つ人物。かつて傾国の美女と謳われ、政を産んだ以後も年を取らぬという噂が立つほど若く美しい容姿をしている。
- かつては「邯鄲の宝石」「美姫」などと呼ばれ、呂不韋の許嫁にまでなっていた。
- ところが荘襄王の妃として宛がわれたことに絶望し、そのうえ趙国で侮辱と虐待を受ける日々を送ったことで、周りの全てを憎悪するようになった。太后となってからもその性格は直らず、実子である政にも表向きは母性や愛情を全く示さない。
- 政権争いの助力を政から請われて引き受ける姿勢を見せたが、実際は助けるつもりは無く、後宮勢力を呂氏陣営へ入れるために呂不韋と姦通し、その後は太后との肉体関係を断ち切ろうとした呂不韋が送り込んだ嫪毐との肉欲に溺れる。
- 以降は占いで隠れるよう出たという名目で秦の古都・雍に籠もっていたが、実際は嫪毐との間に二人の子供を儲けていた。そして、著雍争奪戦から二か月後に突如朝廷に現れて、随行させていた嫪毐を山陽長官に任ずるよう呂不韋に認めさせた。更に太原一帯に兵や民たちを集めさせ、嫪毐と共に太原に移り、太原一帯を『毐国』にすると宣言した。
- 愚鈍な嫪毐が飾りであっても、有能な宦官・趙高の実務能力で毐国を創り上げる算段だったが、国としての体裁を整える前に一部廷臣に出し抜かれ、中央政府への挙兵に追い込まれる。
- 女性ながらも利発で、その廷臣たちの暴走を裏から操っている人物の存在を、事態の進行状況と僅かな手掛かりだけで推察し、見事に当てて見せた。
- 乱の失敗後は、その責任を一身に引き受けた嫪毐の貢献もあって雍に軟禁されながらも助命され、嫪毐との2人の子も政によって密かに逃された。その過程で、政との間の母子のつながりを取り戻した。始皇十年には幽閉を解かれ、雍から咸陽に帰還した。
- 向(こう)
- 声 - 中津真莉子
- 宮廷に仕える宮女。ド田舎の貧しい商人の娘。何度も夜伽で政の相手を務めているが、政が伽の時間に書を読むためであったり、話し相手になっているだけで、長い間手はつけられていなかった。
- 宮女という立場としてだけではなく、本心から政を慕っている。
- 呂不韋と太后の密通を目撃した際に、宦官に刺されるも、何とか逃げ出して政にことの次第を伝えた。
- 後に、政との娘である麗を妊娠・出産した(初子ではない)。秦国統一編では、麗や向と共に毐国軍に追い詰められるが、間一髪で信と飛信隊に救われた。反乱鎮圧後、嫪毐の処刑の際に政を責め立てる太后に対して、涙ながらに怒りを露わにして政に愛情を向けない太后を責めた。
- 陽(よう)
- 声 - 中塚智実
- 宮廷に仕える宮女で、向の親友。向とは対照的に、高貴な生まれ。
- 重傷を負った向を助けるために、夜伽の順番を無視して政に助けを求めた(政からは型破りな行動力と評される)。
- 秦国統一編では、向と麗を逃がす為に身を挺して毐国軍の前に立ちはだかったが、間一髪で信と飛信隊に救われた。
- 嫪毐(ろう あい)
- 宦官の一人として後宮に入った男性。実は宦官ではなく、呂氏陣営の命で太后の伽を務める事のみを任務にしている巨根絶倫の男。
- 著雍戦から二か月後、山陽長官に推す太后に伴われて朝廷に現れた。その後、太后と共に山陽から太原へ移住し、建国に至った。そこでは暴走しがちな廷臣たちを押しとどめる才覚も無く、ただ毐国造反の旗頭として祭り上げられてしまう。しかし、太后が心の中に隠している悲哀を見て取ったことで、太后のために忠誠を尽くし生きることを決意した後は、愚鈍ながらも一角の男としての器量と風格を見せるようになる。
- 反乱鎮圧後、捕えられて車裂きの刑に処せられ一族もすべて誅殺されたが、取り調べでは反乱をすべて自らの計画として太后をかばい通した。最期まで太后への愛に殉じ、太后に今までの感謝を述べたのち、従容として刑に臨んだ。
- 趙高(ちょう こう)
- 声 - 竹内栄治
- 後宮に仕える宦官。太后の側近として従順だが、彼自身の思惑を垣間見せる時もある。その才能を高く買う太后には個人的な秘書官のように重用され、実務面から毐国の建国を担った。嫪毐の反乱失敗後は、蜀に島流しにされた。
- 京令(きょう れい)
- 声 - 棟方真梨子
- 嬴政に直属で仕える女性医師。嬴政の指示によって重傷を負った向を救った。
その他
- 有(ゆう)
- 声 - 金田アキ / 西墻由香 / なし
- 城戸村の里典の息子。
- 父が信や漂を下僕としていたため、彼らを召使いとして使う。何をやってもうまくできない信についてはあまりいい感情を持っていなかったが、漂のことは気に入っていた。
- 徐完(じょ かん)
- 声 - 高塚正也 / 岡林史泰 / なし
- 朱凶の一人。影武者であった漂に致命傷を負わせ、漂および信の足取りから政を追い詰めたが、激昂した信に斬られる。
- ムタ
- 声 - 赤城進
- 南越ベッサ族の戦士。吹き矢(毒矢)と手斧を得物に戦いを行う。徐完の後任として政達の暗殺を依頼されるが、信に返り討ちにされる。その後、死んだフリをしながら吹き矢を河了貂に譲り、呂不韋への警戒を促した。その後の消息は不明だが、嫪毐の情報を探りに来た朱凶の密偵が彼と思わしき者の吹き矢で殺されている。
- 燕程(えん てい)
- 朱凶の族長。物静かな性格ながら実力は確か。呂氏陣営の要請で嬴政暗殺を依頼されるも、号馬の乱入によって機を失う。蚩尤の出身である羌瘣の絶技に心酔する。
- 公(こう)
- 声 - 池田汐里
- 少数民族・南巴族の少年。侵略者に果敢に立ち向かっていた所を、信に助けられる。
- 暁定(ぎょう てい)
- 声 - 高橋英則
- 南巴族と交戦を繰り広げていた少数民族の将。巨躯で恐れられていたが、信との一騎討ちに敗れる。
- ワテギ
- 毐国将軍。異民族・戎籊(じゅうてき)の王。通称・戎籊公(じゅうてきこう)。嫪毐の反乱に参加。領土を制圧された過去から秦に恨みを持つ。昌平君との一騎討ちに敗れ、戦死した。
- ブダイ
- 異民族・戎籊(じゅうてき)の重臣。ワテギに従い嫪毐の反乱に参加。ワテギの遺命を受け、部落へ逃げ延びる。
魏国
王族
- 景湣王(けいびんおう)
- 魏国の王。
- 廉頗に「見た目でしか人を量れぬ」と言った暴言を受けても激怒することなく、敗戦した廉頗の死罪を回避し追放に留めるなど温和な性格をしている。また、呉鳳明の説得に応じて、先王によって投獄されていた魏火龍の三名を解放するなど寛容さもある。
将軍
呉鳳明軍
- 呉鳳明(ご ほうめい)
- 魏国大将軍。同国の第一将であり最高武官でもある。呉慶の息子で父譲りの知略と戦略眼を誇り、独自の攻城兵器の考案・設計なども手掛けている。なお、その才を見た春申君からは「異質な武将」と評されている。
- 合従軍では魏軍の総大将を務め、「巨大井闌車」や「床弩」を投入し、「魏の嘗めた辛酸を今ここで清算する」と難攻不落の函谷関を陥落寸前まで追い詰めた。だが、巨大井闌車を桓騎に焼かれ、その後も徹底抗戦を受け、以降は李牧と合わせて彼も意識するようになる。
- 著雍戦では駆け付けた要衝の防衛を自ら指揮するだけでなく、景湣王を説得して霊凰たち三人の魏火龍を地下牢から解放して呼び寄せた。秦国からの猛攻の三日目に、敵の目論見に気付くも時すでに遅く、側近・韓徳を影武者に仕立てると間一髪で本陣から離脱する。その後に合流できた霊凰からは、騰の本隊への突入で騰を討ち取り戦況の逆転を試みんとする戦略を明かされるも、直後に飛信隊から襲撃される。その際「お逃げください、鳳明様」と、軍略の師である霊凰さえも咄嗟に自身の身代わりに仕立てて、死地から脱出する。その逃避行では「強き者が残らねば、これからの戦国を魏は勝ち残ることはできぬ」と告げて、霊凰側近の周鉱からの詰問を一蹴した。そして、「あと一年で霊凰と並び、次の一年で大きく引き離す」、「乱美迫をはじめとする霊凰の部下を全てもらい受ける」と宣言し、戦況の立て直しを断念して、著雍から魏軍を撤退させた。
- 朱比(しゅ ひ)
- 呉鳳明配下の武将。
- 韓徳(かん とく)
- 呉鳳明配下の武将。著雍戦で呉鳳明の影武者となって戦死した。
魏火龍七師
呉慶軍
- 呉慶(ご けい)
- 声 - 赤城進(少年時代 - 大原桃子)
- 魏国大将軍で、魏火龍七師の一人。趙に滅ぼされた亡国の王族であり、故国滅亡後、名を変え顔に墨を入れ、放浪している中で、魏の信陵君の元でその才を見出され、名を取り戻し魏の将軍となった。知略に長けながらも、前線に立つ優れた武力を併せ持つ。
- かつて秦国六大将軍や趙国三大天と鎬を削った、魏国七人の大将軍である魏火龍が二派に分かれて争った際には唯一人争いに加わらず、生き残った霊凰たち三人を処刑せんとする先王・安釐王(あんりおう)を説得。表向きには病死扱いとし、三人を地下牢への幽閉に留めさせた。麃公軍の魏国への侵攻では、秦の丸城を陥落させ、撃退気運を高めた。しかし蛇甘平原での決戦で形成逆転を許し、麃公との一騎撃ちで敗れて死亡した。
- 宮元(きゅう げん)
- 声 - 小室正幸
- 魏国将軍。呉慶軍の副将。戦略家ながらも、かつては呉慶と共に前線を荒らすほどの武人であったと自ら述べている。
- 縛虎申との一騎討ちで相討ちに斃れて死亡した。
- : モチーフは作者のサラリーマン時代の同僚“宮井”さん[1]。キャラ名は同左の姓名から。
- 白亀西(はく きさい)
- 声 - 青木強
- 魏国将軍。呉慶軍の副将。5万の兵を率いて丘上に陣取る。しかし戦局の変化に対応し切れず、呉慶の元へ駆け付ける途中、王騎に止められたため、退散した。
- 山陽戦では蒙驁率いる秦軍に対し、迎撃軍の名目上の総大将となった。凡将に過ぎぬも何故か魏国民から愛されるという特徴によって、廉頗から据えられた為である。
- しかし桓騎軍によって本陣を落とされた際に捕えられ、命乞いをすれば助けてやるという申し出を突っぱね、桓騎の手によって惨殺された。
- 黄離弦(こう りげん)
- 宮元の部将。弓術に長け、宮元の連弩隊を指揮して縛虎申隊に当たる。
- 布陣していた丘に奇襲してきた縛虎申隊に損害を与えるも、信に切り倒され死亡した。
- 朱鬼(しゅ き)
- 声 - 高橋英則
- 呉慶の部将。きつい目つきと顔の傷が特徴的。麻鬼と行動を共にする。麃公を討つため、麻鬼と麃公軍の前に立つ。麻鬼が信に討たれた瞬間、麃公が突破して来て現れたため、迎撃出来ずに一太刀で斬り捨てられた。必殺技は朱鬼麻鬼ツインアタック(7巻末より)。
- 麻鬼(ま き)
- 呉慶の部将。細い目と無表情が特徴的。朱鬼と行動を共にする。麃公を討つため、朱鬼と麃公軍の前に立つ。単騎で吶喊して来た信と一騎討ちになり圧倒するも、麃公が迫っていたことが焦りを生み、その隙を突かれて信に斬り伏せられて死亡した。必殺技は朱鬼麻鬼ツインアタック(7巻末より)。
霊凰軍
- 霊凰(れい おう)
- 魏国大将軍で、魏火龍七師の一人。冷酷無慈悲な軍略家で、呉鳳明の師でもある。魏火龍が二派に分かれて争った際には、凱孟や紫伯と共に敵対した三人を殺して、先王によって他の二人と共には表向き病死扱いとされ、地下牢へ幽閉された。
- 十四年ぶりに他の二人と共に地下牢から解放され、著雍防衛戦へ加わる。戦争とは領土の奪い合いではなく、武将の殺り合い(とりあい)だと考えており、目的は著雍を守りに来たのではなく、騰を殺しに来たのだと呉鳳明に語っている。騰の本軍を担当していた三日目に、魏軍本陣からの狼煙で陥落を悟る。少数で離脱してきた呉鳳明と合流した際には、騰軍へ戦力を突入させて騰を討ち取り戦況を逆転させる策を示す。ところが直後に飛信隊の襲撃に遭うと「お逃げください、鳳明様」と呉鳳明から叫ばれたことで、信に呉鳳明だと誤認されて斬り殺された。
- 乱美迫(らん びはく)
- 魏国将軍で、霊凰の部下。鉄仮面をつけている。かつて王騎や摎が手を焼いた程の強者であり、呉鳳明からは「狂戦士」と呼ばれている。
- 著雍争奪戦では騰軍を横から急襲して、騰軍を後退させた。その後、騰軍に再び急襲をかけようとしたが、呉鳳明からの命を受け撤退した。
- 周鉱(しゅう こう)
- 魏国の武将で、霊凰の部下。呉鳳明が霊凰を身代わりにしたことを責めたが、「強き者が残らねば、これからの戦国を魏は勝ち残ることはできぬ」と一蹴され、渋々ながら納得した。
凱孟軍
- 凱孟(がい もう)
- 魏国大将軍で、魏火龍七師の一人。討ち取った武将の数は百を超えるといわれる剛将。
- しかし同世代の王騎達と違って、頭が良いとは言えず、自軍が優勢な状況下で対象である自分の位置をわざわざ名乗り出るなど、兵法にそぐわない無茶な振舞をする事が多い(それでも歴戦の猛将であるうえに、軍師である荀早が上手く纏めてくれている事もあって、軍自体は機能している模様)。
- 十四年ぶりに地下牢から解放され、防衛に加わった著雍戦では飛信隊と激突し、信と壮絶な一騎討ちに及ぶ。対峙した信からは、かつて戦った廉頗と同じく「本物」と言われている。三日目に再び信と交戦するが、隆国軍の介入で決着がつかず、霊凰を信に討ち取られたことで立て直しが不可能だと判断した呉鳳明からの撤退命令で、著雍から撤退した。
- 荀早(じゅん そう)
- 凱孟直属の軍師。
- 常に投げやりな口調で話すが、戦術や兵法においては飛信隊を苦戦させる程の腕前を有しており、凱孟軍の頭脳そのもの。どれだけ軽口を言おうとも凱孟からの信頼は厚く、人質に囚われても、その人命を尊ばれた。
紫伯軍
- 紫伯(し はく)
- 魏国大将軍で、魏火龍七師の一人。魏国史最強の槍使いと言われ、槍を極めようとする者でその名を知らない者はいないと評される槍術の達人。
- その槍術は討たれた人間が気付いていない程の速さと重さを併せ持っており、王賁が自分より上を行くと認める程。加えて知略にも長けており、玉鳳隊を軽々と策に嵌めて後手を踏ませている。
- 紫伯とは、紫家における当主名であり、本名は詠。元々は先代の紫伯(以下紫太と表記)の囲っていた女性の連れ子であった。直接の血の繋がりが無い事から母親を流行病で亡くすと存在を疎まれて激戦地へ送られる日々を過ごしていた。これらの経験から槍術を実戦形式によって徹底的に鍛え上げられ、紫太に実子が生まれなかった事から紫伯の名を継ぐ事になる。
- それまでの経歴からか全ての物事に興味を持っておらず、妹の紫季歌のみを心の拠り所としていた。その絆は兄妹としての関係を超えており、妻として娶る事を紫太に願い出るほどであった。
- しかし本来は赤の他人である紫詠があらゆるものを持っていく事に我慢ならなかった紫太により、遠征中に紫季歌の婚儀を強引に執り行われる。この相手が魏火龍七師の一人である太呂慈であり、その価値観によって不貞を働いたと見なされた紫季歌は斬殺されてしまう。この事で激怒した紫詠は紫太を殺害、そのまま太呂慈とその味方に付いた晶仙・馬統の三人を一人で討ち取った。
- その後は先王を呉慶が説得した事により幽閉に減刑され、著雍戦にて十四年ぶりに解放される。その知略と武勇を持って玉鳳隊を苦戦させ、王賁に重傷を負わせた。しかし三日目の再戦では、唯一の弱点を見破った王賁によって倒され死亡した。
その他の火龍
- 太呂慈
- 魏国大将軍で、魏火龍七師の一人。女性に対して異常に独占欲が強く、20名もの妻となった女性を、不貞を働いたとして殺害した異常者。
- 紫太の計略によって妻となった季歌を殺害し、火龍の昌仙・馬統を味方につけ紫伯を迎え撃ったが紫伯によって討たれた。
廉頗軍
趙国から亡命した歴戦の大将軍・廉頗と随従の配下。秦軍の侵攻に対し、魏の迎撃軍を率いる任を負った。
- 廉頗(れん ぱ)
- 声 - 楠見尚己
- 魏国大将軍。元は趙の大将軍で三大天の一人。
- 顔中傷だらけの初老の大男。豪快な性格で、戦が自分の全てと言い切るほどの戦好き。かつて秦の六大将軍と激戦を繰り広げた大将軍で、李牧からも「正面から当たれば勝てる人間は一人もいない」と評される。
- 趙の英雄とされる百戦錬磨の名将だが、白起・王騎と2年に亘り戦い続けた「長平の戦い」の最中に趙王の命により趙括へ総大将の任を委譲させられた苦い過去を持つ。また魏の繁陽城を攻めていた最中に悼襄王が趙王に即位すると、素行の悪さを度々諌めたことで恨まれていたため、更迭処分される。これを突っぱねた事で逆賊扱いされるも、趙国大将軍・楽乗の率いる追討軍を返り討ちにした。そして愚行を繰り返す趙を見限り、そのまま生え抜きの配下を引き連れて魏へ亡命。その後、3年間沈黙を保っていたが、秦の魏国侵攻に対して魏軍を率いることを決意する。
- 蒙驁軍の本陣へ乱入して秦軍を窮地に追い込んだものの、総大将としていた白亀西を討たれた上にその後の戦況の不利を察し、山陽の割譲で和睦に妥協した。ただし魏国からは山陽を失った責任を取らされ、終戦後には部下と共に追放されると、楚国へ客将として亡命した。
- 楚国では、春申君の暗殺後に李園を媧燐に面会させる。
- 介子坊(かい しぼう)
- 声 - 檜山修之
- 魏国将軍で、廉頗四天王筆頭。辮髪と大柄な体躯が特徴。得物は柄の長い斧の形をした矛。
- 変則的な戦い方をする相手を苦手とするも、正面からのぶつかり合いでは、廉頗に匹敵するほどの力を持つとされる。その特徴通り、山陽戦序盤は桓騎のゲリラ戦法に翻弄されても、玄峰の指示によって襲撃した桓騎の本陣を、瞬く間に半壊させた。また最終局面でも、断崖を騎馬で駆け上って廉頗に加勢。蒙驁本陣で猛威を振るった。
- 山陽敗戦後は、廉頗に従い楚に亡命した。
- 輪虎(りん こ)
- 声 - 櫻井孝宏
- 魏国将軍で、廉頗四天王のひとり。見た目は少年のようでも、実際には30過ぎ。戦争孤児だったが、廉頗に拾われ育てられた。得物は二振りの剣。
- 少数部隊での暗殺から大部隊の指揮までこなす。特に突破力に優れ、敵本陣をついて将の首をとる戦法を得意とし、かつて六将・王騎に一太刀を浴びせた逸話を持つ。
- 信や王賁、蒙恬と幾度も戦い、戦乱が次の世代へと移りゆくことを感じながら信によって討たれた。戦争終了後、武器の剣は廉頗によって信に譲られた。遺体は信の願いで棺に入れられて、廉頗の元へ送られた。
- 姜燕(きょう えん)
- 声 - 川田紳司
- 魏国将軍で、廉頗四天王のひとり。双眸を閉じたような容姿をした、十弓のひとりに数えられる弓の名手。かつて小国の雄として廉頗と戦い、国が滅んだ後、廉頗に従った。
- 攻め重視の戦い方を得意とする武将で、鏑矢を飛ばすことで離れた部隊へ指示を出し自在に操る。山陽戦では右軍の指揮を執り、王翦と渡り合った。
- 山陽敗戦後は、廉頗に従い楚に亡命した。
- 玄峰(げん ぽう)
- 声 - 後藤哲夫
- 魏国将軍で、廉頗四天王のひとり。巨大な目をした禿げ頭の老人。かつて廉頗の師でもあった軍略家。傲岸な性格で口癖は「阿呆」。
- 策を巡らせて、一方的に相手を殺戮する戦いを身上とする。山陽戦においては緒戦で秦軍に大打撃を与えたが、左軍の攻防において、桓騎の策略にはまり命を落とした。
- 魏良(ぎ りょう)
- 声 - 田尻浩章
- 魏国の武将。外様である輪虎の副将として山陽で戦う。
- 魏兵を軽視しがちだった輪虎に異議を唱え、魏兵の士気を大いに高めた。最終局面において信と輪虎の一騎討ちが縺れ込むと、痺れを切らしてしまい乱入を試みたところを、楚水に阻まれて斬られ死亡した。
その他の武官・軍師
- 隆太(りゅう たい)
- 魏国将軍。滎陽城の守将を務める城主。対秦軍のために駐屯した呉慶によって兵力を接収される。
- 風伯(ふう はく)
- 声 - 高橋英則
- 魏国将軍。守城戦に長けていて、蒙驁軍の侵攻に際しては高狼城東側の城壁を守備し、大量の弓兵を用いる作戦で秦東軍に打撃を与える。
- 間永(かん えい)
- 魏国将軍。山陽戦での輪虎隊の生き残り。後に残党を率いて山陽奪還を目指して里井に侵攻するも、河了貂の指揮する飛信隊によって敗れて生け捕られた。
- 氷鬼(ひょう き)
- 間永軍の軍師。魏軍師八指に数えられる知将。巧みな戦術で飛信隊を追い詰めるも、河了貂に上回られて敗北し、間永ともども生け捕られた。
- 道清(どう せい)
- 魏国千人将。里井で飛信隊と交戦を繰り広げていた。間永らの増援を得て、敗戦続きの飛信隊を殲滅せんと息巻くも、河了貂の策略に圧倒され、田有によって斬られ死亡した。
市井の人々
趙国
王族
- 悼襄王(とうじょうおう)
- 趙国の王。龐煖を新三大天に任じ、蒙驁が大軍を率いて韓を攻めている隙を狙って秦国への侵攻を命じた。
- 太子時代に素行の悪さを諌められた恨みから、大将権の剥奪を通達した廉頗に拒否されると討伐軍を差し向けたり、愛妾の春平君が呂不韋に人質に取られると、李牧を「断れば反逆罪で打ち首」として秦に行かせるなど、暗愚な人物。廉頗からは「バカ王」と評されている。
重臣・高官
- 藺相如(りん しょうじょ)
- 廉頗と刎頸の交わりを交わした人物で兄弟に例えられる。既に亡くなっており、作中では廉頗の会話と回想でイメージが出たのみだが、公式ガイドブック『英傑列紀』にラフイラストが載せられている。
- 郭開(かく かい)
- 趙国の大臣。合従軍の失敗で李牧が失脚した後、趙国の政権を奪取した人物。裏で呂不韋と繋がっている。
- 姚賈(よう か)
- 趙国の家臣。郭開に取り入って、李牧を失脚させることに貢献する。実は昌文君によって派遣されているスパイであり、得た情報を昌文君へと流している。
その他の廷臣
- 春平君(しゅんぺいくん)
- 悼襄王の寵愛を受けている青年。呂不韋とは旧知で、書簡をもらい秦に出向いたところを拉致され、秦趙同盟が結ばれるきっかけとなった。
将軍
李牧軍
- 李牧(り ぼく)
- 声 - 森川智之 / なし / 浪川大輔
- 趙国大将軍で、三大天のひとり。秦と趙の戦の最中、河了貂らが観戦している古城跡に突如現れた素性不明の男。
- かつては数え切れない程の戦場をくぐり抜けて来た武人であり、現在は知略に優れた策略家である。秦と趙の戦に先立ち匈奴軍20万を撃破するという大掛かりな戦をしたが、大規模な情報封鎖によって他国はおろか、同じ趙軍にすらその事実を知らせなかった。
- 趙戦の終盤で、4万の軍を率いて登場。その行軍能力の早さは王騎の予測を遥かに上回り、王騎の死のきっかけを作った。
- 王騎を討ち取った功績から趙の宰相となり、燕への侵攻のために秦と同盟を結ぶなど、趙国の内政・外交・軍事の主要な案件に関わっている。
- 秦へ攻め入った合従軍の発起人で、秦国を滅亡寸前まで追い詰めた。しかし、終盤の蕞の戦いで山民族が秦国の援軍として参戦したことで形勢が逆転し、蕞から撤退し敗戦した。帰国後、王によって宰相を解任され、前線地の監督の見回りに左遷された。
- 始皇8年には宰相の席に戻ったようだが、実権は失脚していた間に勢力を増した郭開に握られている模様。
- 15年前の「離眼の悲劇」の勅命時には善満の補佐として参加していた。
- 無意味な死を嫌っており、非戦闘員を殺めない、味方の損害を増やすと分かっていることは行わない、といった考えを持っている。
- 読み切り作品『李牧』ではその理由について触れられており、若い頃、両親と兄と弟を失い、暴走して無謀な突撃を行なって敵将を討ち取ることに成功したものの、自分の仲間を全て失うという経験をしているためである。
- カイネ
- 声 - 優希
- 李牧の護衛を務める女剣士。軍師の本質に関することを河了貂に教えた後、敵として分かれる。
- 合従軍での李牧別働軍では、配下を率いる隊長の一面も見せた。蕞の戦いで河了貂に吹き矢で攻撃されて思わず蹴り倒すも、殺すことを躊躇い捕虜にしようとしたが、信に吹き飛ばされて城壁から落ちそうになるも、河了貂が手を掴んだことで落下が免れ、その隙に集まった味方兵士に受け止められる。
- 読み切り作品『李牧』にも登場。また、別の読み切り作品『馬酒兵三百』(穆公の時代が舞台)に登場する山民族の族長も彼女と同名である。
- 傅抵(ふ てい)
- 趙国三千人将。二刀の剣を獲物とし、鼻と口を覆うように布を巻いており、三大天の一角になるという野望を抱く。カイネに好意があるようだが、本人からはあしらわれている。その実力は確かで、俊敏な剣技で剛勇の田有・竜川を一蹴し、信さえも一時は翻弄したが、誘い込まれたところを吹き飛ばされて気絶する。目を覚ました時にカイネが落ちたのを見て激高して再び襲い掛かるが、復活した竜川に城壁から突き飛ばされてしまうも、運よく味方兵士の上に落ちて助かる。
- 魏加(ぎ か)
- 李牧の傍らに居た弓使い。「中華十弓」の一人に数えられている。
- カイネに王騎とはどのような将かを伝え、新時代の幕開けに自らの軌跡を残すことと龐煖に生き残ってもらうため、王騎へ一矢報いた後、激昂した信に一刀両断にされて死亡した。
- 晋成常(しん せいじょう)
- 合従軍での李牧別働軍の副将。常に笑みを絶やさぬ歯が無い白髭の男。陽気ながら峻烈な言動が目立つ。
- 李牧を諭して殿軍の役割を代行したが、バジオウに斬られ戦死した。
- 舜水樹(しゅん すいじゅ)
- 李牧の副官。
- 馬南慈(ば なんじ)
- 李牧の副官
趙三大天
- 龐煖(ほう けん)
- 声 - 高塚正也
- 趙国大将軍で、三大天のひとり。自らを武神と称する大柄な男で、ざんばらに伸ばした髪と王騎に斬られた顔の傷が特徴。得物は先端が極端に反った形をした薙刀のような武器。
- 自らと並ぶ強者の存在を許さず、直感だけで強者を探し当てては殺すという単独行動により、軍を率いる器ではないと昌文君には評される。しかし三大天の名を預かる事から、趙軍は龐煖に命を預けており、その士気の源となっている。
- かつては摎の宿営所に単独で襲撃し、摎を殺した。その直後、激情に駆られた王騎に顔を斬られる。この因縁から、王騎を討つために趙軍総大将となる。
- 王騎を討った対秦戦での序盤は戦場に姿を出さなかったが、羌瘣の気配を強者と感じて秦軍の夜営地を単独で襲う。この際、信によって一度斬られるも、全く意に介さず返り討ちにしている。決戦日では王騎との一騎討ちで、横槍を入れられたものの致命傷を負わせた。戦後、李牧から趙に誘われるも戦場などに用は無いと言い残し立ち去った。
- その後、深山で修行を積んでも王騎を超えた感触を得られず迷っていた所を、李牧の誘いによって燕国との戦争で再び総大将となる。本陣に迫っていた劇辛軍を返り討ちにしても「本物の戦場に飢えている」と李牧に言い残し、姿を消した。
- 合従軍でも終盤まで姿を見せぬまま、南道を進む趙軍に同行。追撃してきた麃公を一騎討ちの末に、片腕を折られるも討ち取った。
- 蕞の戦いの終盤で、信との一騎討ちの末に重傷を負い、龐煖の矛盾に気付いていた李牧からの伝言を晋成常から聞かされると、信との決着をつけずに、信に名を覚えておくと告げて姿を消した。
- 昌文君によると純粋な武の結晶、羌瘣によると「求道者」の一種であり、武の道を極める一族の者だという。また麃公は、「己の中の大いなる矛盾に気付かず一人もだえているただのど阿呆」と評し、戦っても「全く何も感じていない」と評し、信は「廉頗と比べたら(武力が)軽い」と将軍の資格がないと揶揄している。
- 李牧(り ぼく)
- 上記参照
- 廉頗(れん ぱ)
- 上記参照
趙荘軍
- 趙荘(ちょう そう)
- 声 - 津田健次郎
- 趙国の軍師。王騎を討った対秦戦では大将代理。自らの戦略に自信を持っていた。
- 王騎には及ばなかったが、策をもって蒙武軍を壊滅に近い状況に追い込み、援軍として現れた王騎軍とぶつかり合った。ここで騰の隊に追い詰められ離脱を試みるが、逃げ切れずに戦死した。
- 討たれる間際、自らが大将代理を務めたことに満足しており、王騎の死を見届けられなかったことだけが唯一の無念であると残していた。
- 斉明(せい めい)
- 趙荘の副官。
- 秦国侵攻戦で本陣付きで参戦。最後の騰軍の突撃により趙荘を失い、自らも片腕を失う重傷を負った。
慶舎軍
- 慶舎(けい しゃ)
- 趙国将軍。「沈黙の狩人」と評され、国内の模擬戦では李牧軍を返り討ちにするなど、守勢からの反撃に長けている。合従軍戦では、合従軍本営の李牧に替わって趙軍の総指揮を執り、麃公軍を苦しめた。
- 秦軍の麃公とはまた違ったタイプの本能型の武将で、張り巡らせた罠にかかった獲物がもがく様を愉しむ様子が見られるなど、知略の将軍と思われがちだった。ところが秦軍を迎撃した黒羊丘の戦いでは、序盤での殲滅戦に自ら赴いて尾平の槍を一撃で圧し折るなど、華奢な体躯に似つかぬほど将としての戦闘力を備えていた。
- 四日目に布陣していた丘から降りて飛信隊を襲うも桓騎の策に嵌り、桓騎軍に包囲されてしまう。紀彗により包囲を脱出したものの、追い詰めて来た信との一騎討ちに敗れ、討ち取られた。
- 市松模様の頭飾りに見られるように、慶舎の近衛兵らの馬装も市松模様で統一しており、また近衛兵は桓騎兵や元麃公兵を圧倒するほどの実力を持つ。巻末漫画では、戦争孤児であったが、戦略の才能を李牧に見出された。
- 岳嬰(がく えい)
- 慶舎の副官。黒羊戦では、雷土軍と戦う。五日目に紀彗軍が黒羊から撤退しようとした時は殺してでも止めようとしたが、紀彗軍が敵になりかねない短慮な行動に金毛から「歩兵からやり直せ」と叱られる。
- 金毛(きん もう)
- 慶舎の副官。黒羊戦では、摩論軍と戦う。四日目に慶舎が戦死した後も紀彗の説得で黒羊戦を続行するが、五日目に紀彗軍が黒羊から撤退した事で敗北が決定的になり、趙軍を黒羊から撤退させた。始皇十一年の鄴防衛戦では、李牧の幕僚に加わっている。
- 胡台(こ だい)・陽央(よう おう)
- 黒羊丘の戦いに参加する。
紀彗軍
- 紀彗(き すい)
- 趙国将軍。離眼城の城主で亡父同様、民から慕われている。
- 自城付近で始まった黒羊丘での防衛戦では、他国には無名ながら、知勇兼備の名将として慶舎から副将に抜擢される。
- 慶舎にのみ警戒していた桓騎軍の黒桜隊を、一時は撃退する。黒羊戦の四日目に慶舎を失っても、金毛を説き伏せて継戦したことで実質的な総大将になる。ところが、桓騎軍による非道な戦略を知り、黒羊での継戦と、自城防衛の二者択一を迫られる。苦悩の末に紀彗軍だけを離眼救援に向かわせたことで趙軍全軍の敗戦を招いた。結果的に黒羊を明け渡すばかりか、離眼まで手離さざるを得なくなって、灰城へと流れた。
- 始皇十一年の鄴攻防戦で、秦が三軍連合軍を出陣させたことで、李牧によって趙西部の前線地である武白城に馬呈と共に召喚された。
- 馬呈(ば てい)
- 趙国将軍で、紀彗の幼馴染。身体中傷だらけの大柄な体躯で、紀彗軍の副官を務める剛将。「離眼の悲劇」では、味方が「旦虎の戦い」で勝利した一方で、傷病兵として劉冬とともに離眼で療養してところを唐鈞軍に襲撃され、応戦するも力及ばず失陥し、紀昌の前で劉冬とともに深く悔いていた。
- 黒羊戦では、飛信隊と対峙し、一日目に河川と舟を使った迅速な進軍で飛信隊を奇襲して撃退し、二日目は劉冬に舟がなければ「無手(攻略できない)」と言われた川岸に陣を張って迎え撃つも、激流を渡河した渕の別動隊によって突破され、やむなく撤退する。五日目に桓騎軍が離眼に向かったことで、紀彗とともに離眼へ撤退する。
- 劉冬(りゅう とう)
- 紀彗の幼馴染で、その副官を務める智将。「離眼の悲劇」で左眼を失い、以後前髪で隠している。
- 黒羊戦では、一日目に地の利を活かして飛信隊を破る。しかし、深夜に羌瘣に襲撃されて撃退するも重傷を負い、それゆえに二日目は戦線に出なかったが、三日目に傷をおして戦線に復帰する。しかし、四日目には因縁の羌瘣との再戦の末に討ち取られる。今際の際に失くした「離眼のお守り」を羌瘣から渡された。
- 海剛(かい ごう)
- 趙国将軍で、紀彗軍に所属する。黒羊丘の戦いでは、黒桜軍に苦戦する。
その他の武官・軍師
- 楽乗(がく じょう)
- 趙国大将軍。廉頗と20年間共に戦い、趙軍のNo.2に位置した人物。廉頗すら凌ぐのではないかと噂された程の実力者。
- 王命に従い、やむなく激突した廉頗の軍勢を数で圧倒したものの、単騎で切り抜けて来た廉頗に刀を突きつけられて降伏する。廉頗からは「腹六分目」と評され、廉頗や秦国六大将軍達とは住んでいる世界が違うと痛感した。
- 万極(まん ごく)
- 声 - 武藤正史
- 趙国将軍。「特攻の万極」の異名を持つ。長く伸ばした白髪に黒い歯が特徴で吃音の気がある。得物は波打ったような形の剣。
- 父兄を失った長平の戦いにおける数少ない生き残り(当時は少年兵)で、秦を深く憎んでおり、秦領の馬央周辺集落を蹂躙部隊で制圧する。
- 王騎を討った対秦戦では副将を務めた。
- 合従軍戦では配下の全兵を長平の戦いの遺児・遺族のみで構成し、李白から「長平の呪いそのもの」と評される。麃公軍の背後を襲って大打撃を負わせるが飛信隊によって押し止められ、信との一騎討ちの末敗れて致命傷を負った。その後、信から「長平のようなことはしないし絶対にやらせない」との誓いを聞き、最後にはどこか楽になったような表情で死亡した。
- 馮忌(ふう き)
- 声 - 浜田賢二 / 我妻正崇(VOMIC++)
- 趙国将軍。「頭脳の馮忌」の異名を持つ。騎を討った対秦戦において、趙荘の総指揮下での初戦では秦左軍と当たり、軍略によって壊滅同然にまで追い込んだ。
- しかし、それも全て王騎の狙い通りであったことに気付いて離脱を試みるものの、王騎の策と干央の追撃に遭い、一瞬隙を見せた所を信に強襲され、命を落とした。
- 渉孟(しょう もう)
- 声 - 水島裕
- 趙国将軍。「破壊の渉孟」の異名を持つ。頭上で結った辮髪と太めの容姿が特徴。得物は三日月のような形の刃をつけた戈。
- 龐煖に心服しておらず、自身も軍功で三大天となることを目指している。その武力は秦軍兵から蒙武に匹敵すると言われるが、強さを自負するせいか、やや傲慢な面が見られる。過去の遺物と見下して一騎討ちを挑んだ王騎には、返り討ちに遭い一刀両断され死亡した。
- 公孫龍(こうそん りゅう)
- 声 - 斉藤次郎
- 趙国将軍。「万能の公孫龍」の異名を持つ。左目を縦断する傷痕が特徴。王騎を討った対秦戦では副将を務めた。始皇十一年の鄴防衛戦では、邯鄲以外の王都圏の軍の指揮を任される。
- 李白(り はく)
- 声 - 桐本琢也
- 趙国将軍。「守備の李白」の異名を持つ。乾原の戦いで蒙武の軍と相対する。初日に大したことは無いと評した蒙武軍には、士気の上がった二日目以降の「力攻め」に晒されて大きな被害を受けた。
- 昧広(まい こう)
- 趙国将軍。李牧失脚後の混乱期において突如として秦国への進軍を開始する。
- 趙括(ちょう かつ)
- 声 - 高橋英則
- 趙国大将軍。長平の戦いで、廉頗の後任として趙軍を指揮して秦軍と戦った。白起の副将であった王騎に一刀両断にされて死亡した。父親は当時の三大天・趙奢(ちょう しゃ)。
- 豪紀(ごう き)
- 趙国将軍。秦・趙国境地の曹州の守備に当たる。
- 冬顔(とう がん)
- 声 - 田尻浩章
- 趙国将軍。嬴政が趙国にいた時代の武官。趙国から脱出する嬴政を、精鋭の騎射兵を率いて追撃した。
- 茂英(も えい)
- 声 - 高橋英則
- 趙国と秦国を結ぶ関所・青郭の責任者。
- 天布(てん ふ)
- 声 - 高橋英則
- 冬顔の部将。騎射兵の一人。
- 紀昌(き しょう)
- 15年前の「離眼の悲劇」の当事者。
- 元・離眼城の城主で、紀彗の父。戦上手で人格者であったが、唐釣に隙を突かれ、離眼城を落とされる。
- その後、勅命により城内の人質の助命と引き換えに唐釣の手によって処刑される。
- 岳印(がく いん)
- 紀昌の側近。勅命により紀昌と共に処刑される。
- 赫公(かく こう)
- 紀昌の側近。勅命により紀昌と共に処刑される。
- 唐寒(とう かん)
- 元・暗何(あんか)城の城主。力で圧政を敷いていて、地域の覇権を紀昌と争っていたが、「旦虎の戦い」で紀彗に討ち取られる。
- 唐鈞(とう きん)
- 唐寒の息子。臆病者だが紀昌の隙を突いて、離眼城を落とし、勅命により紀昌達を処刑した。現在の消息は不明。
- 善満(ぜん まん)
- 15年前の「離眼の悲劇」後の勅命の立会人。
- 司馬尚(しば しょう)
- 趙東部の中都市・青歌城の城主。表向きは病弱だと噂されているが、実際は趙中枢を嫌っており中央からの命令を全て無視している。それ故に李牧の推挙による『三大天』の任命を断り、青歌から動かずにいる。始皇十一年の鄴防衛戦では、趙東部に侵攻した燕軍が青歌に侵攻した事で、五千の兵を率いて出陣する。
市井の人々
- 紫夏(し か)
- 声 - 大原さやか
- 趙国の闇商、紫家の頭目を務める女性。戦争孤児だったが、餓死寸前のところを敵国の兵から逃走中だった行商人・紫啓に拾われ、育てられた。優れた商才を持ち、家督を継いでから商売を倍の規模に成長させた。養父への恩返しという意識から、自分と似た境遇の政を秦国に帰還させる仕事を受け、道中で政の失われた五感を取り戻させた。その後、趙兵による襲撃で命を落とした。
- なお、一連の出来事は秦国後宮にて「大王(政)は即位前に女商人ヒカから振られた」と、歪曲した噂になっている。
- 江彰(こう しょう)
- 声 - 草尾毅
- 闇商で、紫夏の孤児時代からの幼馴染。趙兵による襲撃で命を落とした。
- 亜門(あ もん)
- 声 - 落合弘治
- 闇商で、紫夏の孤児時代からの幼馴染。おかっぱ頭でキモい(と紫夏に言われる)。趙兵による襲撃で命を落とした。
- 紫啓(し けい)
- 趙国の行商人、紫家の前頭目。紫夏らの養父。孤児であった紫夏たちを救い、以後も人助けに傾注した結果、自らも命を落とした。
その他の人々
- 混バァ
- 黒羊丘の森内に住む村の村長。劉冬を奇襲した後に、負傷し村へたどり着いた羌瘣を治療する。しかし、黒羊戦の五日目に恒騎軍の襲撃によって村人ごと虐殺されてしまった。
楚国
王族
- 考烈王(こうれつおう)
- 楚の王。気位が高く激しやすい性格。始皇九年に崩御した。跡継ぎに恵まれず、亡くなる前に精神に異常のある王弟より、李園の妹が産んだ春申君の子を自身の子として次の楚王に即位させるよう、春申君と李園の三人で企てた。
- 王弟君(おうていぎみ)
- 考烈王の弟。本名不詳。精神異常者。
- 李園の妹
- 本名不詳。以前は春申君の妾だったが、妊娠した状態で考烈王の妾となり、春申君との子を考烈王の子として産んだ。
重臣・高官
- 春申君(しゅんしんくん)
- 楚の宰相。戦国四君で存命している最後の1人。
- 魏・燕・韓・趙の5ヶ国連合軍の合従軍が結成された際、李牧から総大将に推挙された。
- 合従軍が敗戦した後、責任を負って朝廷から遠ざけられ、田舎都市・来虎に左遷された。
- 考烈王・李園と共に自分と李園の妹との子を王の子として王位につかせることを図っていたが、考烈王の死後に変心。王弟に王位を継がせようと李園に刺客を送ったが、逆に李園の刺客によって暗殺された。
- 李園
- 春申君の食客。春申君を暗殺後に媧燐と面会して、共に宰相となる。
媧燐軍
- 媧燐(か りん)
- 楚国大将軍。大柄な汗明とほぼ同じ長身。弟が一人いる。合従軍では楚の第二軍を率いた。
- 臨武君の戦死後、配下に編入した第一軍の副長を「敗戦の豚」呼ばわりして蹴り殺す、出陣命令に反して第二軍を出陣させない等性格に難があるが、春申君から「戦の天才」と評される。
- 普段は副官のバミュウをいたぶって遊んでいるが、戦術においては函谷関に自軍の半分を迂回させて投入するなど意表を突いた戦い方を披露している(本人は、戦いには華やかさとかわいさが必要と言っているが)。ただ臨武君や汗明と違って、戦いに手段を選ばない狡猾さも併せ持っており、誇りを重んじる楚将の中では異色の存在とも言える。函谷関戦後は、楚軍全体の第二将に昇格している。自分の身長にコンプレックスを抱いているようで、口外した者は斬首にすると言っている。
- 春申君の暗殺後、春申君を暗殺した李園と面会して、共に宰相となる。
- 媧偃(か えん)
- 楚国の武将で、媧燐の弟。槍の使い手でもある。合従軍では汗明と蒙武の一騎討ちの際、姉の命で蒙武の背を貫こうとしたが、蒙恬に妨害されて失敗した。
- バミュウ
- 楚国の武将で、媧燐の副官。ちゃらちゃらした風貌ながら常識人。たびたび媧燐によって理不尽な制裁を受けるものの、本人も満更ではない様子である。
将軍
汗明軍
- 汗明(かん めい)
- 楚国大将軍。各国からはその強さを恐れられ、大柄な体躯と圧倒的な戦いぶりの両面から“楚の巨人”の異名で呼ばれる。
- 初陣から全戦全勝の経歴があり、自らを天の気まぐれによって生み落された超越者と呼び、強者と自負する敵対者を「勘違い」と戒めるべく正面から叩き潰すことを責務としている。武器は先端が極端に沿った形をした剣と大錘。他に巨大な分銅のような流星錐を使用。
- かつては楚に侵攻した秦六将の1人、王齕をも撃退したと言っているが真相は不明。秦や燕以外の各国前線地帯では彼の名は恐怖と共に浸透していた。
- 魏・燕・韓・趙との合従軍において楚軍の総大将を務めると、函谷関戦では配下の貝満、剛摩諸らと共に蒙武軍を迎撃。終盤における蒙武との一騎討ちでは、互いの片腕を砕くほどの激戦を繰り広げるが、誤って一騎討ちに割って入ってきた蒙恬に激怒して斬り伏せると、それに激高した蒙武の一撃を喰らい、止めに頭を粉砕されて戦死した。
- 貝満(べい まん) / 剛摩諸(ごうま しょ)
- 楚国軍師兼将軍。汗明軍の軍師を務める。汗明軍を見事に率いる手腕を持っており、汗明が討死した後も奮戦した。
- 仁凹(じん おう)
- 汗明の側近を務める老軍師。汗明を眼前で失い、自らの軍も壊滅の憂き目にあった。生死不明。
臨武君軍
- 臨武君(りんぶくん)
- 楚国将軍。常人よりも一回り大きな巨漢で、同時に怪力と卓越した戦闘能力を有する。
- 氾斗平原において王騎軍と相対した際、指揮官の一人だった同金を瞬く間に葬り去り、函谷関戦では録嗚未をも圧倒する力を見せる。その後騰との一騎討ちになるが、それまでとは逆に力の差を見せつけられ敗北し戦死した。
- 項翼(こう よく)
- 楚国千人将。信と同年代であり、楚若手で期待の武人の一人。
- 白麗によると、果敢すぎて先走る性格ゆえに千人将に留め置かれている模様。しかし臨武君によると、長所でもあるという。
- 中国五大宝剣の一振りに数えられる「莫耶刀」を愛刀として所有している。
- 本来は臨武君の部下であったが、彼の死後は白麗達と共に媧燐率いる第二軍に吸収された。その最中、媧燐から五千の兵を与えられ、臨武君の敵である騰に真っ向勝負を仕掛けた。
- この戦いでは互いに引き分けに終わったが、合従軍では長時間騰と戦って斬り負けなかった唯一の人間となる。
- 毐国建国宣言後、白麗と共に秦国へ侵攻する。しかし、嫪毐の反乱失敗後に媧燐の命令で撤退した。
- 白麗(はく れい)
- 楚国千人将。信と同年代で、期待の若武者の一人。
- 項翼の相棒で、先走りやすい項翼の抑え役。中華十弓における最年少で、中華三位を自負する弓使い。李牧が提唱した合従軍戦では、早々に秦将・鱗坊を射抜く功を挙げた。
- 白翠という姉がおり、臨武君に嫁いでいる。
- 毐国建国宣言後、項翼と共に秦国へ侵攻する。
- 魯近(ろ きん)
- 臨武君軍の副官。
- 臨武君の死後、媧燐に指示を仰ごうとするが、媧燐に蹴り殺される。
燕国
将軍
- 劇辛(げき しん)
- 燕国大将軍。かつて楽毅と共に燕国を復興させた、救国の英雄とされる。元々は趙人であり、金目当てで燕国へと移った。
- 60年もの戦歴と楽毅の戦を見て来たことから蔡沢に化物の一人と言われ、趙国に居れば三大天の一人となっていたであろうと評されていた。
- 趙国との戦で李牧の策略を見破り本陣に迫るも、龐煖によって斬られ戦死した。なお、初登場は11巻(第114話)で、王騎の出陣を知った瞬間が描かれていた。
オルド軍
- オルド
- 燕国大将軍。北の五十の山岳族の王であり、合従軍において燕軍の総大将を務めた。
- 闊達で少々子供っぽい性格。血筋は平地の民のものだが生まれと育ちが山岳地という経歴を持ち、山岳族から見ても感心する程の「山読み」という技術を持つ。
- 王翦軍と当たり、山砦の心臓部を強襲して撤退させるも王翦の策によって主力の八千を失った。その最中に矢傷を負い、王翦軍の姿を見失ったために王翦の投げ出した山砦に入り、長時間の足止めを受けることになった。その後すぐに函谷関に向かえば、函谷関を陥落させられたが、王翦との心理戦に敗れたため、山砦に残り、それが結果的に媧燐の策を失敗させた。
- 始皇十一年には、秦軍の趙王都圏侵攻の直前に、燕軍大将軍として趙東部に侵攻する。
- ユキイ
- オルドの側近。山岳族出身で、仮面をつけている。
- 頭に矢が刺さったフリをしてオルドの笑いをとるなど、お茶目な面もある。
その他
- 楽毅(がく き)
- 軍神と称される大将軍。既に亡くなっており、回想のみの登場。滅亡寸前であった燕国を復興させ、逆に当時大国であった斉に対し六国連合の合従軍を作り上げ、滅亡寸前まで追い込んだ。秦の六大将軍や趙の三大天と並ぶ人物とされ、列国全てに名を知られる伝説的な存在。
- 郭隗(かく かい)
- 昭王の家臣。
- 昭王によって亡国の危機を脱した後に国力を回復するために助言を請われ、「先ずは郭隗を厚遇することから始める」ように上奏した(「先ず隗より始めよ」)。その結果、楽毅や劇辛などといった有力者が続々と燕に集まり、燕は強国化した。
韓国
将軍
成恢軍
- 成恢(せい かい)
- 韓国大将軍。ドス黒い血管の浮かぶ醜悪で異様な容貌をしている。
- 合従軍においては韓軍の総大将を務めた。率いる部隊の正体は毒武器兵隊。大陸の向こうの異世界の毒物まで集めて日々研究を重ねた結果、高い即効性と殺傷力を誇る多種の奇毒を扱う。
- かつては男も色を覚えるほどの美男子であったが、長きにわたって各種の猛毒に触れた研究の悪影響で、前述したような姿に変わり果てていた。
- 自慢の毒兵器で張唐軍の指揮系統を弱らせるが、桓騎軍と張唐軍による奇襲を受けて逃げようとしたところを背後から張唐に斬られて戦死した。
- 奈棍(な こん)
- 成恢軍の武将。傷だらけの顔が特徴。
- 合従軍においては精鋭部隊を率い韓軍の本陣守備長を務めた。本陣に迫る張唐軍と交戦したが、必死の張唐に討たれた。
その他の武官・軍師
- 張印(ちょう いん)
- 韓国将軍。
- 成恢亡き後の韓軍総大将代理。
- 馬関(ば かん)
- 韓国二千人将。徐国を攻め滅ぼすために独立軍を率いていたが、偶然遭遇した飛信隊の襲撃に遭い、信に斬られた。
斉国
王族
重臣・高官
- 后勝(こう しょう)
- 斉国の重臣。
山の民
秦よりさらに西にある深い山々に住む民族の総称。幾多の民族に分かれており、それらの盟主となった者を平地の人々は「山の王」と呼ぶ。民族ごとにデザインの違う面を被り、腰布を巻きつけただけといった簡易的な格好ではあるが、断崖絶壁を利用した城を築くなど、その技術力は非常に高い。かつての秦王・穆公は彼らと盟を結んでいたが、穆公亡き後一方的な盟の断絶を受けて山に追いやられた。
- 楊端和(よう たんわ)
- 声 - 園崎未恵 / 棟方真梨子(ゲーム)
- 山の民の最大勢力の王。他の山民族からは「山界の死王」と呼ばれる。女性ながらその武力は山の民一とされ、自ら先頭に立って幾多の山民族を統合していった。幼少より世界を広げたいと考えており、かつてない国の広がりを求めて、政と強固な盟を結んで王都奪還に力を貸した。
- その後は山界の勢力を強化するため戦に明け暮れ、山民族の統一に成功する。更に北の匈奴討伐のため大軍を引き連れて北上した所、匈奴軍10万以上が屍となっている光景を目の当たりにし、その事態からそれを成した人物(李牧)への注意を政に伝えた。
- バンコ族との一大決戦へと赴いていたが、政との盟約の為、それまでの全ての戦績と犠牲を投げ打って蕞の防衛戦に援軍として駆けつけ、陥落寸前の秦国を救った。
- その功績で秦の大上造(大将軍)の爵位を貰い、嫪毐の処刑後に魏国の衍氏を攻略する。始皇十一年の鄴攻略戦では、三軍連合軍の一角として参戦する。
- バジオウ
- 声 - 新垣樽助
- 戦に巻き込まれて滅んだバジ族の生き残り。信には隊長と呼ばれる。得物は双刀。
- 発見当時、それまでを一人で生きてきたことから同じ山の民の言葉すら話すことが出来ず、獣のような気性であったという。楊端和に敗れて一族に加わり、次第に人間性を取り戻して山の民、秦両方の言語を話す有能な戦士に育つ。しかし過去の獣の心は未だに持っており、本人の意思でその獣を解放することができる模様。実は方向音痴(4巻末より)。
- アニメ版では、楊端和の部下になった際のエピソードが少し長いが、これは原作ではネームの段階で削られたシーンである。
- タジフ
- 声 - 高橋英則
- 巨漢で剛力を誇る戦士。得物は巨大な石球。自らの面を折った信を平地の戦士として認める。
- シュンメン
- 声 - 青木強
- 鳥牙族の代表。得物は長刀。
- 引き取られたランカイの教育係になっている(10巻末より)。
- ランカイ
- 声 - 高塚正也
- 成蟜子飼いの常識外れの巨体と怪力を持つ巨漢。幼少期に化猿の子として売られていたところ、成蟜に買われる。その後、彼により「お仕置き」という拷問に近い行為により、恐怖によって支配されていた。反乱鎮圧後は、山の民に引き取られた。
- 後に合従軍編では山の民とともに救援に駆けつけ、その暴威を李牧軍相手に振るって見せ、信を除く飛信隊の面々を驚愕させていた。
蚩尤族
- 羌象(きょう しょう)
- 声 - 吉田小百合
- 羌瘣と姉妹同然に生きてきた羌族の女性。羌瘣と並んで、蚩尤候補の中でも群を抜いた強さを持っていた。得物は「白鳳」という名の剣。
- 蚩尤となって外の世界を見たいという気持ちと、妹同然の存在である羌瘣を殺めたくないという気持ちが葛藤し、“祭”の日に羌瘣を香で眠らせ、一人で挑むが、幽族の連に謀殺された。
- 羌識(きょう しき)
- 羌瘣達の次の代の蚩尤候補。非常に寡黙であるが、外の世界に少なからず興味を抱いている。また男女の営みにも興味はあるようで、それに関する羌礼から羌瘣への問い掛けの際に、さり気無く聞き耳を立てる描写がされていた。
- 羌礼(きょう れい)
- 羌瘣達の次の代の蚩尤候補。羌識とは対照的によく喋り、外の世界への興味も深い。特に男女の営みに興味を示し、羌瘣に「男ができたな」と茶化していた。
- 羌明(きょう めい)
- かつての羌族代表の蚩尤候補。だが“祭”から脱走し、一族から命を狙われ続けた。やがて、外界における里への連絡役として一族に尽くす事で赦されている。消耗した幽族数人を相手取って勝利するなど、未だ実力も兼ね備えている。
- 羌瘣の要請を受けて、幽連の居所を彼女に伝えた。
- 幽連(ゆう れん)
- 声 - 岡田栄美
- 幽族の代表にして現・蚩尤。得物は「赤鶴」という名の剣。“祭”において他の氏族と結託して、羌象を謀殺した。
- 蚩尤の座を勝ち獲った事で、当初は魏王から厚遇されたものの、“祭”の後から精神に異常をきたしていたため(実妹を殺害したことが理由)、手に負えなくなったことから追い出され、趙国の山中に潜むようになった。“祭”において実妹を殺害しており、それによって巫舞を必要としない圧倒的な戦闘力を会得していた。
- 飛信隊が国境地帯で復興と防衛に務めている頃に、趙国の根拠地へ乗り込んで来た羌瘣を、事前に呼び寄せていた幽族の巫舞使いたちに襲わせる。やがて羌瘣が優勢になると自身も加わり、羌瘣に重傷を負わせる。しかし心身共にボロボロの羌瘣が極限の“魄領の禁”を冒したことで形勢逆転を許し、致命傷を負わされた。死の間際、「必ず『次の蚩尤』が貴様を殺しに来る」と羌瘣に言い残して死亡した。死後その遺体は、次の“祭”を行わせないという羌瘣の願いの為に、羌明によって隠された。
- 羌瘣は彼女に関して「精神に異常を来たすほどに妹との絆は深かったのだろう」と推測している。
用語
- 戦国七雄
- 周王朝衰退後の数百年に及ぶ動乱を経て生き残った秦・魏・趙・楚・燕・斉・韓の七カ国。
- 秦国
- 中華の西方に位置する国。昭王の代に六大将軍の働きによって大きくその勢力を伸ばした、七国中でも一、二を争う強国。作中でも天下統一を狙い活発な軍事活動を続けてはいるが、昭王時代よりも武威には陰りが見える。荘襄王の代(昭王の2代あと)に丞相となった呂不韋が握る国の実権を、取り戻そうとする大王派との間で政争が続いている。歩兵における什伍の制度に代表されるように、七国中最も論功行賞の制度が確立されている。
- 馬酒兵
- 穆公と盟を結び、その後秦国と晋国の戦争で秦に援軍として現れた山の民のことを指す。名前の由来は、穆公の軍馬を勝手に殺して食らった際、馬に合う酒を振る舞われた恩を返すために援軍として訪れたことから。
- わずか300人の戦士で数千もの兵を蹴散らし、更には敵本陣の晋王を捕えてしまうほどの高い戦闘能力を持つものの、その戦い方は味方された秦兵ですら背筋を凍らすほどに凄惨であったという。
- 六大将軍
- 昭王によって「戦争の自由」という権利を与えられた秦国の6人の大将軍[注 4]。彼らの存在によって、かつての秦国は中華で最も危険な国とされていたが、昭王亡き後はその名を継ぐ者が現れず、その武の威光は失われている。
- 呂不韋によると、六大将軍制は常に兵糧や兵士の補充を必要とし、国に著しい負担を与え、また独立色を強める制度のために謀反の恐れが常に付きまとうとされ、昭王と六将の間にあった鉄の忠誠心があってこそ成り立っていたという。
- 構成員は白起を筆頭として王騎・摎・王齕・胡傷・司馬錯。唯一存命していた王騎も作中で没した。
- 飛信隊
- 初陣での戦果により百人将となった信の部隊で、発足初戦の秦趙攻防戦において王騎から名付けられた。
- ひとクセもふたクセもある、荒くれの百姓を中心に発足した特殊百人隊。百姓ゆえに軍装も充分に整わぬばかりか、騎馬や弓に長けた配下など皆無に等しく、剣と槍に頼った白兵戦を戦い抜く。
- 発足時には渕、羌瘣の2人を副長としていた。秦趙攻防戦後には三百人隊へと増員され、更に魏領への侵攻戦中に特例として千人隊へと増員、この際に元郭備隊の楚水を副長に加えた。
- 魏戦終了後、正式に千人隊として認可されるも羌瘣が一時離脱。後に河了貂が軍師として参入する。
- 対合従軍戦中に麃公から兵千人を補給され実質二千人隊となった。後の論功行賞によって三千人隊へと増員し元麃公軍の岳雷とその千人隊を加える。彼らは後に乱戦特化兵の飛麃と呼ばれるようになった。
- 屯留の反乱の頃には隊に復帰した羌瘣が千人将、更に信も四千人将へと昇進し五千人隊の独立遊軍となった。著雍攻略戦後には羌瘣が三千人将、更に信も五千人将へと昇進し八千人隊の独立遊軍となった。
- 後宮
- 1,000人を超える宮女と宦官から成る城で、宮女のほとんどが名家の出である事から、それらを束ねたならば絶大な力を要するとされる。呂不韋でさえ手を出しあぐねる強大な勢力であり、政陣営と呂氏陣営の争いにも不干渉を貫いていた。
- 三大宮家
- 太后の下で後宮を仕切る三侍女の後ろ盾となっている実力者。氾家、介家、了家の三氏。
- 魏国
- 中央部に位置する国。天下統一を狙う秦にとって中原進出の障害となっており、当面の標的国である。軍事力は秦に劣るものの、趙・韓と連携することで対抗している。生真面目な国民性で、兵も命令に忠実で粘り強い。中華最強を自負する装甲戦車隊を持ち、原野戦を得意とする。
- 魏火龍七師
- 魏の先代王・安釐王の時代に魏国の矛戟を振るった7人の大将軍。軍旗にそれぞれの個人名の一文字に火龍の印をあしらった物を用いている。秦の六大将軍や趙三大天と並ぶ英雄とされるものの、その中の1人呉慶以外が表舞台から姿を消した為に、そこまで名を広める事ができなかった。
- 表向きには5人が病、1人は戦傷が元で死去となっているが、実際は呉慶を除いた6人が2派に別れて同士討ちを行い、生き残った3人は14年間投獄されていた。
- 構成員は呉慶・霊凰・凱孟・紫伯・太呂慈・晶仙・馬統の7人。
- 趙国
- 中央北部に位置する国。仇敵の間柄である西の秦・東の燕に挟まれており、特に秦に対しては長平の戦い以降、根深い恨みを抱えている。かつての軍の要であった三大天が潰えて転換期を迎えたものの、新たに三大天に任命された李牧が、宰相としても国の中枢を担う。武霊王以来の伝統を誇る騎馬隊が精強。
- 趙三大天
- 趙を支え、秦の六大将軍と戦いを繰り広げた3人の大将軍。任命された軍には「大天旗」という旗が掲げられる。王騎によると、その華々しい戦歴は三大天の異名と共に国内外の人々の頭に強烈に焼き付いており、大天旗一つで士気が跳ね上がるという。
- 当初の構成員は廉頗・藺相如・趙奢だったが、唯一存命していた廉頗の出奔後しばらくは適任者不在で、趙の武威は衰えた。李牧・龐煖を新たに抜擢して、再び武威を示している。残り一席は空位。
- 楚国
- 領土が全土のおよそ半分にも及ぶ南方の大国。秦と並んで二大強国に数えられる。その広大さから兵の動員力は七国中最大。しかし東西に長過ぎる防衛線により複数の国と接する為、他国への侵攻には慎重な構えを取っている。製鉄技術の先進国としても知られる。
- 燕国
- 北東端に位置する辺境国。他国にあまり情報が流れておらず、未知の部分が多い。様々な異民族と交流があり、彼らによって構成された特殊な部隊を擁する。
- 斉国
- 東方に位置する国。かつては大国として隆盛を誇ったが、燕の楽毅に撃ち破られ衰退した。
- 韓国
- 中央南部に位置する、七国中最も領土が小さく軍も弱い国家。西の秦からの侵攻を受けているが、その立地的重要性から趙・魏の援軍を受けることで、秦軍を退けている。
- 北の騎馬民族
- 大陸の北に住む民族であり、山民族のようにいくつかの民族に分かれている。山の民ですら桁違いと評する戦闘民族であり、彼らと国境を面する秦・趙・燕は長城を築いて防御に徹している。現在判明している民族は「月氏」「匈奴」「東湖」の3つ。
- 戦国四君
- 斉の孟嘗君、魏の信陵君、趙の平原君、楚の春申君の4名。いずれも数千名にも及ぶ食客を抱える有力者であり、一国の王に匹敵するほどの力を持った。作中では春申君のみ存命。
- 朱凶(しゅきょう)
- 赤黒い服装をした刺客一族であり、暗殺200年の歴史を持つ。200年以上の前には蚩尤に仕えた一族であった。
- 堅仙(けんせん)
- 暗器の使用に長ける刺客集団。登場した人物は全て肩にかかるくらいまで髪を伸ばしている。
- 号馬(ごうま)
- 集団での陣形による技に長ける刺客集団。登場した人物は全て髪を後ろで束ねている。
- 赫力(かくりき)
- 気を外に練り、刃物をも通さぬ肉体と剛拳で闘う刺客集団。登場した人物は全て禿頭。
- 蚩尤(しゆう)
- 1000年以上昔から闇世界で恐れられてきた特異体質を持つ幻の一族。
- 山々に点在する19もの氏族の中から、常に一人の女が祭(さい)と呼ばれる過酷なしきたりの末にその名を継ぐ。元々は司祭の類である巫女一族であったが、時代の流れの中で異形の変化を遂げていったとされる。
- 達人が駆使する奥義はその名残か、舞うような剣技「巫舞(みぶ)」と呼ばれる。
- 巫舞(みぶ)
- 人の秘められた力を引き出す為、蚩尤の19氏族ごとに異なる拍子で舞い、呼吸法によって自らを変性意識状態にする(作中では「荒ぶる神」を身に堕とすとされる)奥義。その際の陶酔で意識を遠のかせることで、あらゆる感覚を活性化させて、常人離れした剣技を駆使する為、蚩尤以外の人間には使うことができないという。その力量は「長さ」や「深さ」で表され、深い者ほど強いが、深く落とすほどその反動も大きく、解けるとまともに戦うことすら困難になるなど欠点もある。
- 巫舞状態の使い手には周囲の物の動きがゆっくりに感じ、やがて飛んでいる虫ですら止まって見えるという。さらに羌瘣の場合は、青く澄んだ水の中にいるような感覚に陥り、そのままゆっくりと底の見えない深部へ沈んでいくという。
- 意識を遠のかせる妨げとなるのが現世のしがらみや感情である為、それらを強制的に断ち切る目的で蚩尤の先人たちが考案したのが、しきたり“祭”であった。その祭を経た幽連は、呼吸法と神堕としの舞による「助走」無しでも素の状態のまま、即座に巫舞同然の境地に入れる極意を体得した。
- 武神
- 龐煖の自称。蚩尤族によると「荒ぶる神」を元々身の内に宿す者のことを指し、武の道を極めることに全てを費やす求道者の一族。ただ一族といっても血の繋がりは無く、素質のある子供をさらって後継者として育てている。
- 基本的に深山に籠って修行に明け暮れ、時折実力を確かめるために人里へ降りては無差別に勝負を挑むという行為を繰り返す。
書誌情報
漫画本編
- 原泰久 『キングダム』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、既刊46巻(2017年4月19日現在)
- 「無名の少年」2006年5月24日発行(5月19日発売[集 1])、ISBN 978-4-08-877079-6
- 「将軍への道」2006年8月23日発行(8月18日発売[集 2])、ISBN 978-4-08-877129-8
- 「王都咸陽」2006年11月22日発行(11月17日発売[集 3])、ISBN 978-4-08-877171-7
- 「嘲笑う王弟」2007年2月24日発行(2月19日発売[集 4])、ISBN 978-4-08-877213-4
- 「最初の城」2007年5月23日発行(5月18日発売[集 5])、ISBN 978-4-08-877259-2
- 「伍の戦い」2007年7月24日発行(7月19日発売[集 6])、ISBN 978-4-08-877289-9
- 「将の才力」2007年10月24日発行(10月19日発売[集 7])、ISBN 978-4-08-877336-0
- 「過去」2007年12月24日発行(12月19日発売[集 8])、ISBN 978-4-08-877361-2
- 「千年の名」2008年3月24日発行(3月19日発売[集 9])、ISBN 978-4-08-877409-1
- 「六大将軍」2008年6月24日発行(6月19日発売[集 10])、ISBN 978-4-08-877462-6
- 「王騎出陣」2008年9月24日発行(9月19日発売[集 11])、ISBN 978-4-08-877504-3
- 「飛矢」2008年12月24日発行(12月19日発売[集 12])、ISBN 978-4-08-877563-0
- 「天災」2009年3月24日発行(3月19日発売[集 13])、ISBN 978-4-08-877611-8
- 「友」2009年6月24日発行(6月19日発売[集 14])、ISBN 978-4-08-877663-7
- 「真打ち」2009年9月23日発行(9月18日発売[集 15])、ISBN 978-4-08-877715-3
- 「天下の大将軍」2009年12月23日発行(12月18日発売[集 16])、ISBN 978-4-08-877771-9
- 「李牧、咸陽へ」2010年3月24日発行(3月19日発売[集 17])、ISBN 978-4-08-877819-8
- 「奇貨居くべし」2010年6月23日発行(6月18日発売[集 18])、ISBN 978-4-08-877873-0
- 「千人将」2010年8月24日発行(8月19日発売[集 19])、ISBN 978-4-08-879015-2
- 「曲者」2010年11月24日発行(11月19日発売[集 20])、ISBN 978-4-08-879057-2
- 「将器」2011年2月23日発行(2月18日発売[集 21])、ISBN 978-4-08-879101-2
- 「あの時代」2011年5月24日発行(5月19日発売[集 22])、ISBN 978-4-08-879141-8
- 「論功行賞」2011年8月24日発行(8月19日発売[集 23])、ISBN 978-4-08-879184-5
- 「相国」2011年11月24日発行(11月19日発売[集 24])、ISBN 978-4-08-879223-1
- 「迫り来る合従軍」2012年2月22日発行(2月17日発売[集 25])、ISBN 978-4-08-879268-2
- 「王騎が認めた男」2012年5月23日発行(5月18日発売[集 26])、ISBN 978-4-08-879330-6
- 「人間全て」2012年8月22日発行(8月17日発売[集 27])、ISBN 978-4-08-879390-0
- 「陥落の危機」2012年11月24日発行(11月19日発売[集 28])、ISBN 978-4-08-879455-6
- 「至強」2013年2月24日発行(2月19日発売[集 29])、ISBN 978-4-08-879521-8
- 「麃と飛」2013年4月9日発行(4月4日発売[集 30])、ISBN 978-4-08-879560-7
- 「政、語りかける」2013年7月24日発行(7月19日発売[集 31])、ISBN 978-4-08-879609-3
- 「開く城門」2013年10月23日発行(10月18日発売[集 32])、ISBN 978-4-08-879681-9
- 「不抜」2014年1月22日発行(1月17日発売[集 33])、ISBN 978-4-08-879736-6
- 「別の道」2014年4月23日発行(4月18日発売[集 34])、ISBN 978-4-08-879782-3
- 「剣と盾」2014年7月23日発行(7月18日発売[集 35])、ISBN 978-4-08-879867-7
- 「新生玉鳳隊」2014年10月22日発行(10月17日発売[集 36])、ISBN 978-4-08-890027-8
- 「これからの戦国」2015年1月24日発行(1月19日発売[集 37])、ISBN 978-4-08-890098-8
- 「新しい国」2015年4月22日発行(4月17日発売[集 38])、ISBN 978-4-08-890141-1
- 「人の本質」2015年7月22日発行(7月17日発売[集 39])、ISBN 978-4-08-890230-2
- 「敗北の巨星」2015年10月24日発行(10月19日発売[集 40])、ISBN 978-4-08-890277-7
- 2016年1月24日発行(1月19日発売[集 41])、ISBN 978-4-08-890347-7
- 2016年4月24日発行(4月19日発売[集 42])、ISBN 978-4-08-890396-5
- 2016年7月24日発行(7月19日発売[集 43])、ISBN 978-4-08-890471-9
- 2016年10月24日発行(10月19日発売[集 44])、ISBN 978-4-08-890512-9
- 2017年1月24日発行(1月19日発売[集 45])、ISBN 978-4-08-890571-6
- 2017年4月24日発行(4月19日発売[集 46])、ISBN 978-4-08-890622-5
総集編・その他
- キングダム総集編I 〈無名の少年〉 - 2010年7月27日発売
- 収録内容
- 『キングダム』第1話 - 第22話
- 読切『金剛』
- 読切『馬酒兵三百』
- キングダム総集編II 〈王都の奪還〉 - 2010年8月10日発売
- 収録内容
- 『キングダム』第23話 - 第47話
- 読切『李牧』
- 読切『蒙武と楚子』
- キングダム 公式ガイドブック 英傑列紀 - 2012年8月17日発売
- 収録内容
- キャラクター&エピソード解説
- 原泰久×安彦良和スペシャル対談&原泰久ロングインタビュー
- キャラクター原案スケッチ&秘蔵ネーム集
- キングダム 公式ガイドブック 覇道列紀 - 2016年1月19日発売
ゲーム
- キングダム 一騎闘千の剣
- PlayStation Portable用ソフト。2010年11月25日にコナミデジタルエンタテインメントより発売。公称ジャンルは「中国歴史大アクション」。
- キングダム 激突パズル無双
- iPhone用アプリ。2012年12月17日にコナミデジタルエンタテインメントより配信開始。アイテム課金制のソーシャルゲーム。ジャンルは、パズルバトルゲーム。
テレビアニメ
NHK BSプレミアムで2012年6月から2013年2月にかけて第1シリーズが放送された。全38話。2013年6月から2014年3月にかけて第2シリーズが放送された。全39話。第3回衛星放送協会オリジナル番組アワードで、オリジナル番組賞 最優秀賞(アニメ部門)を受賞。
第1シリーズはCGアニメーションが重きを占める動画構成となっている。 また、戦闘のシーンでは基準内で放送できるよう、表現に抑制が行われている(体が切断されるシーンでは透過光でぼかしている等)。
スタッフ
- 原作 - 原泰久
- 監督 - 神谷純(第1期) / 岩永彰(第2期)
- シリーズ構成 - 荒川稔久
- キャラクターデザイン
- 第1期 - 戸部敦夫 / 大竹紀子 / 波間田正俊
- 第2期 - 竹田逸子 / 徳永久美子 / 下島誠
- コンセプトデザイン - 高橋武之 / 中森良治(第2期から)
- 総作画監督 - 竹田逸子(第2期)
- 美術監督 - 東潤一(第1期) / 金鉉洙(第2期)
- 色彩設計 - いわみみか(第1期) / 甲斐けいこ(第2期)
- 撮影監督 - 吉田寛
- 編集 - 松村正宏
- 3DCG監督 - 奥村優子
- 音響監督 - 高桑一
- 音楽 - 関美奈子
- 音響効果 - 北方将実
- アニメーションプロデューサー - 磯谷麻依子
- 制作統括 - 斉藤健治 / 柴田裕司 / 上田憲伯
- アニメーション制作 - ぴえろ
- 制作 - NHK / 総合ビジョン / ぴえろ
主題歌
- 第1期
- オープニングテーマ「Pride」
- 作詞・作曲・編曲・歌 - Nothing's Carved In Stone
- エンディングテーマ
-
- 「Voice of Soul」(第1話 - 第19話)
- 作詞・作曲・編曲 - 山下和彰 / 歌 - 石田匠
- 「Destiny Sky」(第20話 - 第30話)
- 作詞 - BOUNCEBACK / 作曲・編曲 - ats- / 歌 - 若井友希
- 「Never Ending」(第31話 - 第38話)
- 作詞・作曲 - BOUNCEBACK / 編曲 - ats- / 歌 - 蛇足
- 第2期
-
- オープニングテーマ「GLORY DAYS」
- 作詞 - KOHSHI / 作曲・編曲 - TAKE / 歌 - D☆DATE
- エンディングテーマ
-
- 「21」(第1話 - 第13話)
- 作詞 - 多田宏 / 作曲・歌 - The Sketchbook / 編曲 - The Sketchbook、MB2nd
- 「Exit」(第14話 - 第26話)
- 作詞 - 多田宏 / 作曲・歌 - The Sketchbook / 編曲 - The Sketchbook、MB2nd
- 「そこに君がいる」(第27話 - 第39話)
- 作詞 - 多田宏 / 作曲・歌 - The Sketchbook / 編曲 - The Sketchbook、MB2nd
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
第1シリーズ | |||||
第1話[3] | 無名の少年 | 荒川稔久 | 神谷純 村川建一郎 |
神谷純 たかおかきいち |
戸部敦夫 |
第2話 | 運命の出会い | 白石雅彦 | 堀之内元 | サトウ光敏 | 大竹紀子 |
第3話 | 友よ…! | 村山桂 | 木村哲 | 筑紫大介 | 波間田正俊 |
第4話 | 王と剣 | 玉井豪 | たかおかきいち | 高田昌宏 | 竹内由香里 |
第5話 | 折れない心 | 和智正喜 | 若林厚史 | サトウ光敏 | 大竹紀子 |
第6話 | 大将軍への道 | 白石雅彦 | 浪速勉 | たかおかきいち | 波間田正俊 |
第7話 | 恐ろしき山の民 | 村山桂 | 若林厚史 | 三原武憲 | 竹田逸子 |
第8話 | それぞれの夢 | 玉井豪 | 堀之内元 | サトウ光敏 | 大竹紀子 |
第9話 | いざ咸陽へ | 和智正喜 | 村川建一郎 | 筑紫大介 | 竹内由香里 |
第10話 | 王都突入 | 白石雅彦 | 浪速勉 | 中山敦史 | (高橋はつみ)[注 7] |
第11話 | 激戦開始 | 村山桂 | 若林厚史 | たかおかきいち | 戸部敦夫 |
第12話 | 究極の一刀 | 玉井豪 | 西村聡 | 髙田昌宏 | 波間田正俊 |
第13話 | ランカイ吠える | 和智正喜 | 若林厚史 | サトウ光敏 | 竹内由香里 |
第14話 | 剣の力 | 白石雅彦 | 佐藤雄三 | 筑紫大介 | 川口弘明 徳永久美子 |
第15話 | 王の資格 | 荒川稔久 | 若林厚史 | たかおかきいち | 波間田正俊 |
第16話 | 呂不韋 | 村山桂 | 堀之内元 | 高田昌宏 | 大竹紀子 |
第17話 | 初陣 | 玉井豪 | 佐藤雄三 | サトウ光敏 | 竹内由香里 |
第18話 | 戦車隊の脅威 | 和智正喜 | 村川建一郎 | 筑紫大介 | 波間田正俊 |
第19話 | 烈火の戦い | 白石雅彦 | 西村聡 | いとがしんたろう | 松竹徳幸 |
第20話 | 王騎乱入 | 村山桂 | 浪速勉 | たかおかきいち | 徳永久美子 |
第21話 | 将軍の意味 | 玉井豪 | 堀之内元 | サトウ光敏 | 波間田正俊 |
第22話 | 知将対猛将 | 和智正喜 | 若林厚史 | 高田昌宏 | 大竹紀子 |
第23話 | 夜語り | 荒川稔久 | 浪速勉 | 渡部周 | 増田敏彦 |
第24話 | 新たなる試練 | 白石雅彦 | いとがしんたろう | 斎藤寛 | |
第25話 | 任命 | 村山桂 | サトウシンジ | 筑紫大介 | 南伸一郎 |
第26話 | 武神 龐煖 | 玉井豪 | たかおかきいち | 徳永久美子 | |
第27話 | 飛信隊誕生 | 和智正喜 | 若林厚史 | 高田昌宏 | 波間田正俊 |
第28話 | 王騎の飛矢 | 白石雅彦 | 西村聡 | 熨斗谷充孝 | 竹内由香里 |
第29話 | 戦局急転 | 村山桂 | 堀之内元 | 河合滋樹 | 大竹紀子 |
第30話 | 天災 | 荒川稔久 | 浪速勉 | たかおかきいち | 南伸一郎 |
第31話 | 集の力 | 玉井豪 | 村川健一郎 | いとがしんたろう | 青木真理子 |
第32話 | 敗走の飛信隊 | 和智正喜 | 宍戸淳 | 筑紫大介 | 松竹徳幸 |
第33話 | 王騎 出陣! | 白石雅彦 | サトウ光敏 | 徳永久美子 | |
第34話 | 真打ち | 村山桂 | 堀ノ内元 | 熨斗谷充孝 | 大竹紀子 |
第35話 | 総大将見える | 玉井豪 | 戸部敦夫 | たかおかきいち | 中森良治 |
第36話 | 王騎と摎 | 和智正喜 | 村川健一郎 戸部敦夫 |
いとがしんたろう | 竹内由香里 |
第37話 | 我、死線にあり | 白石雅彦 | 西村聡 | サトウ光敏 | 波間田正俊 |
第38話 | 継承 | 荒川稔久 | 神谷純 | 神谷純 たかおかきいち |
戸部敦夫 |
第1シリーズ総集編 | |||||
第1話 | 風雲急 | - | |||
第2話 | 運命の歯車 | ||||
第3話 | 山の民 | ||||
第4話 | 命と覚悟 | ||||
第5話 | 激闘 | ||||
第6話 | 若き王 | ||||
第7話 | 本物の戦 | ||||
第8話 | 将軍 | ||||
第9話 | 百人隊 | ||||
第10話 | 勝利のために | ||||
第11話 | 最強の男 | ||||
第12話 | 激突の刻 | ||||
第13話 | 新たな光 | ||||
第2シリーズ | |||||
第1話 | 新時代 | 荒川稔久 | 岩永彰 | 徳永久美子 折井一雅 | |
第2話 | 静かなる戦場 | 白石雅彦 | 福島利規 | 松竹徳幸 大竹紀子 | |
第3話 | 嵐の祝宴 | 和智正喜 | 影山楙倫 | 熨斗谷充孝 | 中森良治 |
第4話 | 王と蟻 | 玉井豪 | サトウ光敏 | 刃間田雅俊 | |
第5話 | 第三勢力 | 村山桂 | 田所修 | 布施木一喜 | 原田峰文 |
第6話 | 美しき猛毒 | 荒川稔久 | 影山楙倫 | 石田暢 | 竹内由香里 |
第7話 | 呪われた王子 | 白石雅彦 | 浪速勉 | 筑紫大介 | 大竹紀子 |
第8話 | 政と紫夏 | 和智正喜 | 田所修 | 堀内直樹 | 川口弘明 |
第9話 | つなぐ願い | 玉井豪 | 佐藤雄三 | 熨斗谷充孝 | 中森良治 |
第10話 | 砕けた愛 | 村山桂 | ユキヒロマツシタ | 布施木一喜 | 原田峰文 |
第11話 | 揃い踏み | 荒川稔久 | サトウ光敏 | 刃間田雅俊 | |
第12話 | 高狼城攻略 | 白石雅彦 | 神谷純 | ながはまのりひこ | 松竹徳幸 富田美文 |
第13話 | 俺の戦り方 | 和智正喜 | 城所聖明 | 辻美也子 | |
第14話 | その男、廉頗 | 玉井豪 | 中川聡 | 小野田雄亮 | 大竹紀子 |
第15話 | 武将の空気 | 村山桂 | 影山楙倫 | 又野弘道 | 山﨑展義 |
第16話 | 真夜中の大将軍 | 白石雅彦 | ユキヒロマツシタ | 筑紫大介 | 南伸一郎 |
第17話 | 開戦前夜 | 玉井豪 | 浪速勉 | 布施木一喜 | 敷島博英 |
第18話 | 激突! | 村山桂 | 佐藤雄三 | 熨斗谷充孝 | 原詔之 |
第19話 | 玄峰の奇策 | 和智正喜 | サトウシンジ | ながはまのりひこ | 下島誠 |
第20話 | 飛信隊逆襲 | 福島利規 | 阿部栞士 | 刃間田雅俊 | |
第21話 | 盗賊対軍略家 | 白石雅彦 | サトウ光敏 | 辻美也子 | |
第22話 | 蒙恬の提案 | 村山桂 | 影山楙倫 | 又野弘道 | 山﨑展義 |
第23話 | 三隊共闘 | 玉井豪 | 浪速勉 | 小野田雄亮 | 李相民 |
第24話 | 越えるべき壁 | 白石雅彦 | 神谷純 | 村山靖 | 高鉾誠 |
第25話 | 裏の裏 | 村山桂 | サトウ光敏 | 南伸一郎 富田美文 | |
第26話 | 将の器 | 和智正喜 | 影山楙倫 | 熨斗谷充孝 | 中森良治 |
第27話 | 決着の刻 | 白石雅彦 | 田所修 | ながはまのりひこ | 久保翔 |
第28話 | 最後の策 | 和智正喜 | 浪速勉 | 小山知洋 | |
第29話 | 一瞬 | 村山桂 | ユキヒロマツシタ | 小野田雄亮 | 下島誠 |
第30話 | 大事な仲間 | 玉井豪 | サトウ光敏 | 刃間田雅俊 | |
第31話 | 蒙驁、退かず | 白石雅彦 | 影山楙倫 | 村山靖 | 原田峰文 |
第32話 | 色あせぬ時代 | 和智正喜 | 本多康之 | 小高義規 | 辻美也子 |
第33話 | 勝利…そして | 荒川稔久 | ユキヒロマツシタ | 西村博昭 | 中森良治 |
第34話 | 軍師の到着 | 玉井豪 | 影山楙倫 | 熨斗谷充孝 | 富田美文 |
第35話 | 試練と覚悟 | 荒川稔久 | 神谷純 | ながはまのりひこ | 小山知洋 |
第36話 | 上を行く | 浪速勉 | 石田暢 | 木村春斗 | |
第37話 | 遠雷 | 和智正喜 | 田所修 | 小高義規 | 清水恵蔵 |
第38話 | 謀略の舞台 | 村山桂 | サトウ光敏 | 下島誠 | |
第39話 | 新たなる伝説 | 白石雅彦 | 福島利規 | 辻美也子 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 備考 |
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第1シリーズ | ||||
日本全域 | NHK BSプレミアム | 2012年6月4日 - 9月24日 2012年10月1日 - 2013年2月25日 |
月曜 19:00 - 19:25[注 8] 月曜 18:30 - 18:55 |
リピート放送あり |
NHK総合 | 2013年4月7日 - 2014年1月19日 | 日曜 25:10 - 25:35 | [4] | |
AT-X | 2014年11月2日 - | 日曜 17:00 - 17:25 | リピート放送あり | |
第1シリーズ総集編 | ||||
日本全域 | NHK BSプレミアム | 2013年3月4日 - 3月25日 2013年4月6日 - 6月1日 |
月曜 18:30 - 18:55 土曜 23:45 - 24:10 |
リピート放送あり[5] |
第2シリーズ | ||||
日本全域 | NHK BSプレミアム | 2013年6月8日 - 9月28日 2013年10月5日 - 2014年3月1日 |
土曜 23:45 - 24:10 土曜 24:00 - 24:25 |
|
韓国全域 | ANIPLUS | 2013年6月13日 - 2014年1月9日 2014年1月16日 - |
木曜 24:30 - 25:00 木曜 24:00 - 24:30 |
15歳以上視聴可で放送 韓国語字幕あり |
日本全域 | NHK総合 | 2014年4月4日 - 2015年3月6日 | 金曜 26:10 - 26:35 | [6] |
DVDソフト
avex entertainment→avex picturesより発売。
|
|
|
NHK BSプレミアム 月曜19:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
おさるのジョージ(再放送)
|
キングダム
※本作までアニメ枠 |
|
NHK BSプレミアム 月曜18:30枠 | ||
キングダム
↓ キングダム 総集編 ※本作よりアニメ枠 |
フランダースの犬(再放送)
|
|
NHK BSプレミアム 土曜23:45枠 | ||
ap bank fes '12
※23:30 - 25:30 |
キングダム(再放送)
↓ キングダム 総集編(再放送) ↓ キングダム 総集編 ↓ キングダム2 ※本作よりアニメ枠 |
-
|
NHK総合テレビジョンミッドナイトチャンネルにおけるアニメ枠(本作まで「ヨルアニ」) | ||
へうげもの
日曜深夜 |
キングダム(2013・14年度)
2013年度は日曜深夜、2014年度は金曜深夜 |
英国一家、日本を食べる(2015年度前期)
水曜深夜 |
その他
- 2012年5月18日よりWEB上で1人1コマずつ約1000人でキングダム単行本第26巻の内容を描き上げるファン参加企画「ソーシャルキングダム」が行われた。ゲストの荒木飛呂彦、井上雄彦、本宮ひろ志やアニメの出演声優、それ以外に一般からもプロの漫画家が参加した。2012年6月13日に一旦完成となった[7]。
- 2012年10月10日から12月24日まで東京国立博物館で開かれる「中国 王朝の至宝」展において森田成一と釘宮理恵が、それぞれの演じる信・河了貂として会場の音声ガイドを務めることが発表された[8]。
- 2015年10月より作者である原泰久の出身地 佐賀県三養基郡基山町(さがけんみやきぐんきやまちょう)のふるさと納税の返礼品としてキングダムグッズの取り扱い開始[9]。
- 2015年10月に、WEB上でキングダムキャッチコピー大賞の募集が行われ、大賞には、「僕たちは今、千年に一度の漫画を読んでいる。」(茅ヶ崎の塾講師)が選ばれ、単行本第41巻の帯とヤングジャンプ2016年第9号の表紙にそれぞれ掲載された。優秀賞には、「三度の飯よりキングダム」(パッキャオの友人)、「うちの奥さん、春秋戦国時代から帰ってこない。」(陽介&美帆)、「前には夢が、隣には仲間が。」(めかなぎ)が選ばれ、原泰久特別賞には、「課金後」(ヘアスタイリスト)が選ばれた。
- 2016年、連載10周年を記念して、実写特別動画が制作され、信役を山﨑賢人が務めた。動画は4月18日より特別サイト上にて3分の動画として配信開始され、4月19日にフジテレビ系列「有吉弘行のダレトク!?」にて、60秒バージョンのテレビCMとして放送された[10]。また、ほう煖は五城健児、羌かいは山本千尋が演じている[11]。
- 作者である原泰久は漫画家に転身する前のサラリーマン時代に経験した「組織」の美学を当該作品に注ぎ込んでいる旨を明かしている。その意気込みは「もし学生でデビューしていたら、キングダムは描けなかった。社会人経験は大きかったと思います」と断言するほどのものである[12]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d 2016年10月30日放送 「情熱大陸」漫画家・原泰久
- ^ アニメ版での表記。原作本来の表記は、偏が「享」、旁が「乚」。
- ^ 通常30分放送のところ、初回のみ60分。
- ^ “アニメ「キングダム」 第2シリーズ放送決定!”. アニメワールド+BLOG. NHK (2013年1月23日). 2013年1月24日閲覧。
- ^ “アニメ「キングダム」の魅力を凝縮した総集編、放送決定!”. アニメワールド+BLOG. NHK (2013年2月22日). 2013年2月23日閲覧。
- ^ “NHKアニメワールド キングダム”. NHK (2013年1月23日). 2013年1月24日閲覧。
- ^ “social_kingdom:ついに、1153コマ完成です!投稿して頂いたみなさま、銅鑼を…”. ソーシャルキングダム運営事務局Twitter (2012年6月13日). 2013年5月10日閲覧。
- ^ >“中国 王朝の至宝:展示の6割が国宝級の一級文物 「キングダム」が案内”. まんたんウェブ. 毎日新聞社 (2012年6月13日). 2013年5月10日閲覧。
- ^ ふるさとチョイス:佐賀県三養基郡基山町
- ^ “山崎賢人が中国で信を熱演!「キングダム」10周年で実写動画プロジェクト”. コミックナタリー. (2016年4月12日) 2016年4月12日閲覧。
- ^ “山崎賢人主演「キングダム」特別動画が本日公開、女剣士と最強の敵も登場”. 映画ナタリー. (2016年4月18日) 2016年4月18日閲覧。
- ^ “サラリーマン世界の美学が中国史のなかに蘇る― 「キングダム」人気の秘密”. Yahoo!ニュース. (2016年10月20日) 2016年10月22日閲覧。
以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
- ^ “キングダム/1|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/2|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/3|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/4|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/5|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/6|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/7|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/8|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/9|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/10|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/11|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/12|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/13|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/14|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/15|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/16|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/17|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/18|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/19|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/20|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/21|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/22|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/23|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/24|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/25|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/26|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/27|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/28|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/29|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/30|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/31|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年9月13日閲覧。
- ^ “キングダム/32|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2013年10月18日閲覧。
- ^ “キングダム/33|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2014年1月17日閲覧。
- ^ “キングダム/34|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2014年4月18日閲覧。
- ^ “キングダム/35|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2014年7月18日閲覧。
- ^ “キングダム/36|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2014年10月17日閲覧。
- ^ “キングダム/37|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2015年2月12日閲覧。
- ^ “キングダム/38|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2015年4月17日閲覧。
- ^ “キングダム/39|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2015年7月17日閲覧。
- ^ “キングダム/40|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2015年10月19日閲覧。
- ^ “キングダム/41|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2016年1月22日閲覧。
- ^ “キングダム/42|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2016年9月16日閲覧。
- ^ “キングダム/43|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2016年9月16日閲覧。
- ^ “キングダム/44|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2016年10月16日閲覧。
- ^ “キングダム/45|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2017年1月16日閲覧。
- ^ “キングダム/46|原 泰久|ヤングジャンプコミックス|”. 2017年1月16日閲覧。