一文字屋和輔
一文字屋和輔 (いちもんじやわすけ)は京都府京都市北区にある和菓子店。今宮神社の旧参道にあり、あぶり餅だけを提供している。平安時代の1000年(長保2年)創業で、2017年現在では飲食店としては日本最古の老舗である。



店名の看板表記は「一文字屋和助」あるいは「あぶり餅 一和」とも表記され、通称は「一和」。前述の通り「一文字屋和助」とも「一文字屋和輔」とも書き、正式表記は不明。
概要
一文字屋和輔の歴史は今宮神社の歴史に重なる。今宮神社は994年(正暦5年)に悪疫退散の祈願をしたのが始まりで、祈願には竹が使われ餅が供えられた。1000年(長保2年)、初代がそれらを参拝者にふるまったのがのがはじまりと言われている[1]、あるいは初代が香隆寺の名物「おかちん(勝餅:あぶり餅)] を今宮神社に奉納したのが始まりともいわれている[2]。今宮神社は悪疫除けの神社で一文字屋和輔のあぶり餅も疫病除けの餅といわれる[3]。建物は複数の建屋が密接していて古いほうは元禄年間、新しい方も大正時代のものとされている[4]。店内には直径3メートルもの大きな井戸があり、この井戸は平安時代からのものである。ただし衛生上の問題で現在は店内の別の井戸でくみ上げた水を使っている[4][5]。同店が提供しているあぶり餅は一口大の餅を竹串に刺してきな粉をまぶして店頭で焼く。焼き色がついたら皿に載せほんのり甘い白味噌のタレを垂らす[2]。一文字屋和輔ではあぶり餅を作るのは店の女性の仕事だとされる[3]。
店は今宮神社の旧参道にあり、ほぼ同じようなあぶり餅を出す店が向かい合わせに立っている。北側が一文字屋和輔で元祖を名乗り、南側はこちらも創業以来400年の歴史を持つ「かざりや」で「かざりや」は本家を名乗っている。両店のあぶり餅はほぼ同じように見えるが微妙に味が違うという[3][6]。2013年現在、あぶり餅は一人前一皿13本で500円。定休日は水曜で10時から17時までの営業[6]。