荒神 (宮部みゆきの小説)
『荒神』(こうじん)は、宮部みゆきによる長編小説である。朝日新聞に2013年3月から2014年4月まで連載された[1]。挿絵と題字はこうの史代が担当した[2](関連作品も参照)。2014年8月に朝日新聞出版より単行本が出版され、2017年6月には新潮文庫版が出版された。
荒神 | ||
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著者 | 宮部みゆき | |
イラスト | こうの史代 | |
発行日 | 2014年8月20日 | |
発行元 | 朝日新聞出版 | |
ジャンル |
ファンタジー アドベンチャー 時代劇 | |
国 |
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言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判上製 | |
ページ数 | 568 | |
コード |
ISBN 978-4-02-251204-8 ISBN 978-4-10-136941-9(文庫本) | |
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あらすじ
関ヶ原の戦いから100年後。東北地方[4]の永津野藩は養蚕を振興する一方、藩主側近の曽谷弾正が率いる役人「牛頭馬頭」たちが反抗的な領民を弾圧。更には隣藩の香山藩領民を拉致して労役を課すなど非道な圧政を敷いていた。そんなある日、香山藩国境の仁谷村が壊滅し、生き残った村民たちが永津野側へ逃亡するという事件が起きる。村民たちはあたかも牛頭馬頭より恐ろしい「何か」から逃げ出したかのようであった。
一方、国境の名賀村に暮らす弾正の妹・朱音は仁谷村の生き残りの少年・蓑吉を保護する。治療の末に回復した蓑吉は「蛇に似た、山のように巨大な怪物」が村を襲ったと証言した。朱音や村の用心棒・宗栄、相模藩の絵師・圓秀らは半信半疑ながらも調査に乗り出し、仁谷村村民が捕らえられているという砦へ赴く。すると件の怪物が出現、砦を破壊して牛頭馬頭たちを壊滅させてしまった。独自に事件を調査していた香山藩の番士・小日向直弥と合流した一同は、藩の垣根を超えて怪物対策に取り組むことを決意する。
しかし、怪物の正体には香山・永津野両藩の100年に渡る因縁、そして弾正・朱音兄妹の出生の秘密が深く関わっていた。
登場人物
この節の加筆が望まれています。 |
- 朱音(あかね)[5]
本作の主人公。兄の弾正とは対照的に心優しく働き者な女性。かつては孤児として寺に引き取られており、一時は弾正の屋敷で暮らしていたが、養蚕に興味を持ち国境の名賀村で生活を始める。兄との間にある秘密を抱えている。
- 曽谷弾正
朱音の双子の兄。かつては孤児として寺に預けられていたが、御前試合に優勝して永津野藩藩主側近に成り上がった過去を持つ。藩の改革に取り組んでいるが、そのやり口は極めて冷酷かつ非道で領民たちからも恐れられている。
- 榊田宗栄
江戸から来た浪人を名乗る男性。庄屋の孫を助けた縁で恩人として名賀村に迎え入れられ、用心棒として暮らしていた。一連の事件の中で朱音と惹かれあっていく。
- 菊地圓秀
相模藩御抱絵師を名乗る男性。眼前で怪物が暴れていてもその姿を書き写そうとするほど絵への執着心を抱いている。彼が滞在していた光栄寺で不可解な事件が起きた為、直弥からは永津野藩の間者ではないかと疑われている。
- 小日向直弥
香山藩番士の男性。香山藩主の側室から理不尽な逆恨みを受けた為に隠遁生活を送っており、仁谷村の事件を独自に調査していた。
- 蓑吉
仁谷村で暮らしていた少年。怪物に襲われたものの朱音に救助されたことで九死に一生を得て、名賀村に匿われる。
- 源一
仁谷村一番の鉄砲撃ちの老人。村を壊滅させた怪物を討伐しようと追跡を続けている。
- つちみかど
仁谷村を壊滅に追いやった怪物。山ほど巨大なトカゲの如き姿をしており、口から胃酸や可燃性ガスを吐き出す能力を持つ。その正体は強大な軍事力を持つ永津野藩に対抗すべく、香山藩が土塊から生み出した怪物。
書籍情報
- 単行本:朝日新聞出版(発売日:2014年8月20日、ISBN 978-4-02-251204-8)
- 文庫本:新潮文庫(発売日:2017年6月28日、ISBN 978-4-10-136941-9)
関連作品
- 『荒神絵巻』:こうの史代 絵と文、朝日新聞出版(発売日:2014年8月20日、ISBN 978-4-02-251205-5)[6]
テレビドラマ
荒神(こうじん) | |
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ジャンル |
テレビドラマ 時代劇 |
原作 | 宮部みゆき |
脚本 | 山岡潤平 |
監督 | 松浦善之助 |
演出 | 松浦善之助 |
出演者 |
内田有紀 平岳大 平岡祐太 柳沢慎吾 |
製作 | |
製作総指揮 |
加賀田透 櫻井壮一 |
制作 | NHK |
放送 | |
音声形式 | 解説放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2018年2月17日 |
放送時間 | 土曜21:00 - 22:50 |
放送分 | 110分 |
回数 | 1 |
スーパープレミアム「スペシャルドラマ 荒神(こうじん)」 |
2018年2月17日21時 - 22時50分に、NHK BSプレミアムでスーパープレミアムのスペシャルドラマとして放送された[7]。地上波では総合テレビにて同年4月30日13時05分 - 14時55分に放送されている[8]。
ストーリー
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
関ヶ原の戦いから100年後。怪物が東北の寒村に現れる。
キャスト
- 朱音(あかね) - 内田有紀[9]
- 曽谷弾正 - 平岳大
- 榊田宗栄 - 平岡祐太
- 菊地圓秀 - 柳沢慎吾
- 音羽 - 前田亜季
- 畑中左平次 - 前川泰之
- 茂左衛門 - 中本賢
- 多江 - 角替和枝
- おせん - 蔵下穂波
- 加介 - 石田法嗣
- 太一郎 - 生島勇輝
- 蓑吉 - 高村佳偉人
- 代官 - 飯田基祐
- 磐井半之丈 - 渡邉紘平
- 竜崎高由 - 袴田裕幸
- 小夜 - 竹野谷咲
- 朱音〈16〉 - 駒井蓮
- 弾正〈19〉 - 佐藤寛太
- じい - 中原丈雄
- 明念和尚 - 品川徹
- 佐田義昌 - 田中要次
- 竜崎高持 - 加藤雅也
- 柏原信右衛門 - 柴俊夫
- 源一 - 大地康雄
- 江川央生、津村知与支、今里真、後藤郁、井川哲也、桜木信介、日中泰景、小暮智美 ほか
スタッフ
脚注
- ^ “こうの史代のオールカラー挿絵集「荒神絵巻」”. コミックナタリー (2014年8月19日). 2018年3月31日閲覧。
- ^ “朝刊連載小説に宮部みゆきさん「荒神」”. BOOK.asahi.com. 朝日新聞社 (2013年3月5日). 2018年4月6日閲覧。
- ^ “宮部みゆき原作『荒神』スペシャルドラマ化 内田有紀が出演”. ORICON NEWS. オリコン (2017年5月16日). 2018年3月31日閲覧。
- ^ 細谷正充 (2014年10月19日). “荒神 宮部みゆき著 人間の業露わにする怪物騒動”. NIKKEI STYLE. 日本経済新聞. 2018年3月31日閲覧。
- ^ “宮部みゆきインタビュー 「物語のために」できることすべてを”. AERA dot. (アエラドット) (2014年8月14日). 2018年3月31日閲覧。
- ^ “『荒神絵巻』(こうの史代・絵と文)の世界を垣間見る”. AERA dot. (アエラドット). 2018年3月31日閲覧。
- ^ “スペシャルドラマ「荒神」メインビジュアル・放送日決定!”. NHKドラマ (2017年12月22日). 2018年3月30日閲覧。
- ^ “再放送情報 スペシャルドラマ「荒神」”. NHKドラマ (2018年4月11日). 2018年7月3日閲覧。
- ^ “内田有紀:宮部みゆきの和風ファンタジーに挑戦 「CGと芝居をするのは大変」”. MANTANWEB (2018年1月23日). 2018年3月30日閲覧。
- ^ “宮部みゆき×内田有紀×怪物!『荒神』制作開始”. NHKドラマ (2017年5月16日). 2018年3月30日閲覧。