国民新党
国民新党(こくみんしんとう、平成17年(2005年)8月17日 ‐ )は、平成期における日本の保守政党。略称は「国民」。英文名称は"The People's New Party"(PNP)。
平成17年(2005年)、自由民主党の綿貫民輔、亀井静香ら「郵政事業懇談会」所属の国会議員が郵政民営化を巡る党内抗争の結果、離党して結成。民主党からも党の安全保障政策に不満を持っていた田村秀昭が参加した。
概要
党史
2005年8月17日 郵政民営化関連法案に反対した自民党と民主党の議員により元衆議院議長の綿貫民輔らを中心に結党された。(民主党に所属していた田村秀昭が結党に参加したことは小沢一郎との連携を視野にしたものと思われる。)
2005年8月24日 新党日本が政党要件を満たす為に長谷川憲正参議院議員が期間限定で転籍し、9月12日に国民新党への復党が了承された。(このことは各党にレンタル移籍だと批判を浴びた。)
2005年8月 副代表兼政策委員長にエコノミストの紺谷典子が就任(2006年10月に辞任)。
結党後初めての選挙となった第44回衆議院議員総選挙では、比例区は新党日本と比例ブロックで重複しないように全11ブロック中東北・北陸信越・中国・九州の4ブロックのみで候補者擁立。選挙後は、衆参両院で新党日本と会派を組み衆議院では国民新党・日本・無所属の会を、参議院では国民新党・新党日本の会を結成していた。しかし2006年9月、新党日本幹事長の荒井広幸参議院議員が、首相指名選挙で綿貫民輔代表でなく旧知の仲であった自民党の安倍晋三総裁に投票したことにより、新党日本との院内会派を解消した。
また、総選挙のあとから自民党離党者や新党日本離党者が五月雨的に参加し、党は2007年の参議院選挙での勢力拡大を虎視眈々と狙っている。国民新党に入党届けを提出し、党員となると本人の希望によって国民新党支部を設立することが出来る。党員証は自民党のそれと同じく、ハガキの切り取り式(つまり紙製)であり、レイアウトもとてもよく似ている。
公式ホームページでは「国民新党は民主党と合流するのか」の問いにはっきりノーと答えている。次期参議院選挙では民主党との選挙協力を強化しており、自公過半数割れを目指してキャスティング・ボートを握ろうとしている。だが、民主党・国民新党を支持する国民が一向に増えない現状から、不可能との説が根強い。
入党・離党
2005年8月17日 自由民主党の元衆議院議長綿貫民輔、元建設大臣亀井静香、元国土庁長官亀井久興、参議院議員長谷川憲正、民主党の参議院議員田村秀昭が結成。
2005年8月23日 自由民主党を離党した津島恭一前衆議院議員が入党した。
2005年8月24日 長谷川憲正参議院議員が離党(新党日本へ移籍)。
2005年9月12日 長谷川憲正参議院議員が復党(9月11日付けで新党日本を離党)。
2005年12月 自由民主党を除名された亀井郁夫参議院議員が入党した。
2006年5月 元文部科学副大臣で新党日本副代表の青山丘前衆議院議員と、同じく元文部科学副大臣の宮本一三元衆議院議員が入党した。
2006年7月 自由民主党を離党していた後藤博子参議院議員が入党した。
2006年10月 自由民主党を離党していた元郵政大臣の自見庄三郎前衆議院議員が入党した。
国民新党本部・執行部役員表
代表 | 副代表 | 幹事長 | 政策委員長 | 国会対策委員長 | 参議院 国会対策委員長 |
---|---|---|---|---|---|
綿貫民輔 | 亀井静香(代表代行) 亀井郁夫、田村秀昭 |
亀井久興 | 亀井久興 | 長谷川憲正 |
党勢の推移
衆議院
選挙 | 当選/候補者 | 定数 | 備考 |
---|---|---|---|
(結党時) | 3/- | 480 | 正式には0。下記参照 |
第44回総選挙 | ○4/12 | 480 |
参議院
選挙 | 当選/候補者 | 非改選 | 定数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
(結党時) | 2/- | - | 242 |
- 当選者に追加公認は含まず。追加公認には会派に加わった無所属を含む。
- 国民新党結党は衆議院解散後なので、形式的には結党時の所属衆議院議員は0。ここでは、解散時に議員で、結党に参加した人数を議席数とした。
- 追加公認は1 各会派所属議員数及び役員一覧(衆議院、2005年)にある、選挙直後の国会召集日の会派所属者数から判断した。
国民新党議員一覧
衆議院議員
結成時(3名) | |||
---|---|---|---|
綿貫民輔(富山3区) | 亀井静香(広島6区) | 亀井久興(比例中国) | |
移籍議員(1名) | |||
津島恭一(比例東北) | |||
第44回衆議院議員総選挙時(4名) | |||
○新人・元職 | |||
糸川正晃(比例北陸信越) | |||
〇落選(前職・元職) | |||
津島恭一 | 青山丘 | 宮本一三 |
参議院議員
結成時(2名) | |||
---|---|---|---|
田村秀昭(比例区) | 長谷川憲正(比例区) | ||
移籍議員(3名) | |||
※長谷川憲正(比例区) | 亀井郁夫(広島県) | 後藤博子(大分県) |
※新党日本からの再移籍。
政党交付金
平成18年(2006年)現在の政党交付金
- 国民新党 2億6,600万円
その他
4コマ
国民新党のウェブサイトに「4コマ」のページがあった。選挙にむけて国民に対し自分たちの政策をわかりやすく広める意図で置かれたものだったが、ヒトラーになぞらえたと思しき小泉首相や、綿貫党首の顔をした太陽(童話「北風と太陽」のパロディ)などの内容が注目を浴び、4コマ漫画の内容を揶揄する話題やコラージュ作品が電子掲示板等で数多く取り上げられた。(ちなみにコアなファンはマンガの下の「印刷する」というキーワードをネタとして取り上げる傾向にある。)大政党の宣伝が揶揄されたりパロディー化されることは珍しくないが、この4コマの場合は政党の規模の割に大きな話題となった。なお、4コマは現在は削除されている。
bizドメイン
結党時に開設した「国民新党(国民)ホームページ」がbizドメイン(www.kokumin.biz)であり、通常はビジネスサイトなどに使うドメインであるため当時話題となった。なお、国民新党ホームページは2006年3月にor.jpドメイン(www.kokumin.or.jp)に移行した。