ツルラン

これはこのページの過去の版です。M108t (会話 | 投稿記録) による 2025年7月19日 (土) 00:50個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (初回作成)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

ツルラン(鶴蘭、別名 カラン、学名:Calanthe triplicata)はラン科エビネ属多年生の地生ラン。環境省[2]および沖縄県[3]の絶滅危惧II類(VU)に指定されている。

ツルラン
ツルラン
(2025年7月 沖縄県石垣市)
保全状況評価
絶滅危惧II類環境省レッドリスト
Status jenv VU.svg
Status jenv VU.svg
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: エビネ属 Calanthe
: ツルラン C. triplicata
学名
Calanthe triplicata
(Willemet) Ames[1]
和名
ツルラン(鶴蘭)、カラン
樹下に生育
総状花序

特徴

高さ40–80 cm。葉は大型で縦じわが著しく、長さ20–80 cm、幅8–15 cmの倒卵状長楕円形で先は尖り、脚部は次第に狭くなり10 cmほどの葉柄につづく。葉の間から数個の葉状鱗片を互生させる花茎を出し、10 cmほどの総状花序をつける。花は白色で唇弁は大の字に裂ける。唇弁基部に黄~赤色の3条の隆起が目立つ。日本における開花期は6–10月[4][5][6][7][8][9]

分布と生育環境

九州南部~南西諸島、台湾、中国南部~亜熱帯・熱帯アジア・オセアニアに広く分布し、常緑広葉樹林下に生育する[4][5][6][8][9]。かつては普通にみられる種であったが、近年は乱獲により激減し、ほとんど見られなくなった[3]

脚注

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Calanthe triplicata”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年7月18日閲覧。
  2. ^ 環境省第5次レッドリスト(維管束植物)”. 環境省. 2025年7月19日閲覧。
  3. ^ a b (横田ほか 2018, pp. 383–384)
  4. ^ a b (池原 1979, p. 257)
  5. ^ a b (石田 1997, pp. 183–184)
  6. ^ a b (片野田 2019, p. 116)
  7. ^ (沖田原 2021, p. 57)
  8. ^ a b (遊川 2021, p. 144)
  9. ^ a b (林 & 名嘉 2023, p. 179)

参考文献

  • 池原直樹「ツルラン」『沖縄植物野外活用図鑑』 6巻《山地の植物》、新星図書出版、1979年。 
  • 石田源次郎 著、岩槻邦男ら監修 編「ツルラン」『朝日百科 植物の世界』第9巻、朝日新聞社、183–184頁、1997年。ISBN 9784023800106 
  • 横田昌嗣・治井正一・橋爪雅彦・横田昌嗣(追補)「ツルラン」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(菌類編・植物編)―レッドデータおきなわ―』沖縄県、2018年3月、383–384頁https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/629/ikansokusyokubutsu.pdf 
  • 片野田逸郎「ツルラン」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056 
  • 沖田原耕作「ツルラン」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832 
  • 遊川知久 著「ツルラン」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、144頁。ISBN 9784582535389 
  • 林将之; 名嘉初美「ツルラン」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。ISBN 9784899824350 

外部リンク