ツルラン
ツルラン(鶴蘭、別名 カラン、学名:Calanthe triplicata)はラン科エビネ属の多年生の地生ラン。環境省[2]および沖縄県[3]の絶滅危惧II類(VU)に指定されている。
| ツルラン | ||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ツルラン
(2025年7月 沖縄県石垣市) | ||||||||||||||||||||||||
| 保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||
| 絶滅危惧II類(環境省レッドリスト) | ||||||||||||||||||||||||
| 分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Calanthe triplicata (Willemet) Ames[1] | ||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| ツルラン(鶴蘭)、カラン |


特徴
高さ40–80 cm。葉は大型で縦じわが著しく、長さ20–80 cm、幅8–15 cmの倒卵状長楕円形で先は尖り、脚部は次第に狭くなり10 cmほどの葉柄につづく。葉の間から数個の葉状鱗片を互生させる花茎を出し、10 cmほどの総状花序をつける。花は白色で唇弁は大の字に裂ける。唇弁基部に黄~赤色の3条の隆起が目立つ。日本における開花期は6–10月[4][5][6][7][8][9]。
分布と生育環境
九州南部~南西諸島、台湾、中国南部~亜熱帯・熱帯アジア・オセアニアに広く分布し、常緑広葉樹林下に生育する[4][5][6][8][9]。かつては普通にみられる種であったが、近年は乱獲により激減し、ほとんど見られなくなった[3]。
脚注
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Calanthe triplicata”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年7月18日閲覧。
- ^ “環境省第5次レッドリスト(維管束植物)”. 環境省. 2025年7月19日閲覧。
- ^ a b (横田ほか 2018, pp. 383–384)
- ^ a b (池原 1979, p. 257)
- ^ a b (石田 1997, pp. 183–184)
- ^ a b (片野田 2019, p. 116)
- ^ (沖田原 2021, p. 57)
- ^ a b (遊川 2021, p. 144)
- ^ a b (林 & 名嘉 2023, p. 179)
参考文献
- 池原直樹「ツルラン」『沖縄植物野外活用図鑑』 6巻《山地の植物》、新星図書出版、1979年。
- 石田源次郎 著、岩槻邦男ら監修 編「ツルラン」『朝日百科 植物の世界』第9巻、朝日新聞社、183–184頁、1997年。ISBN 9784023800106。
- 横田昌嗣・治井正一・橋爪雅彦・横田昌嗣(追補)「ツルラン」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(菌類編・植物編)―レッドデータおきなわ―』沖縄県、2018年3月、383–384頁。
- 片野田逸郎「ツルラン」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056。
- 沖田原耕作「ツルラン」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832。
- 遊川知久 著「ツルラン」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、144頁。ISBN 9784582535389。
- 林将之; 名嘉初美「ツルラン」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。ISBN 9784899824350。