熊本駅
熊本駅(くまもとえき)は、熊本県熊本市にある九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。JR九州の駅は春日三丁目15番1号に、JR貨物の駅は南側ほど南の蓮台寺四丁目1番13号にある。


本稿では、JR九州の駅前にある熊本市交通局の熊本駅前電停についても記述する。
利用可能な鉄道路線
概要
熊本県の県庁所在地たる熊本市の中心駅。特急列車を含め、全列車が停車する。楽チャリ設置駅である。
2011年春に全線開業予定である九州新幹線の駅が併設される予定である。そのため、現在駅の改築工事が行われている。既に準備工事が開始され、車両基地については移転を完了。新幹線開業時は高架駅となる予定である。
駅構造
3階建て(一部4階)の駅舎が線路の東側に置かれている。跨線橋はガラス張りで、「シンデレラブリッジ」という名前が付けられている。
1階はコンコース。自動改札機やみどりの窓口、ジョイロードなどが設置されている。コンビニ(am/pm)、土産店、駅弁屋、パン屋、飲食店、郵便局などもある。2階は商店街となっており、書店(福家書店)や洋服店、レストランなどが入っている。跨線橋に直結した改札口もある。3階以上はJR九州熊本支社をはじめとするJR九州関連企業の業務スペースとなっている。
出札及び1階改札業務はJR九州直営で、マルス端末機及びPOS端末機の設備がある。2階の改札業務は九州交通企画に業務委託されている。
のりば
以前の熊本駅は単式ホーム1面と島式ホーム2面であった。単式ホーム(1番のりば)は改札とつながっており、さらに八代方に切り込み式ホームを2線設け、それぞれ0番A・Bのりばとしていた。2面の島式ホームは改札手前から順に2・3番のりば、4・5番のりばとしていた。
2006年9月24日より新幹線高架工事と在来線高架工事が開始されたため、のりばの変更が実施されている。主な変更点は以下の通り。
- 旧4・5番のりば→廃止の上撤去。
- 旧2・3番のりば→2番のりばを3番のりばに、3番のりばを5番のりばに変更の上、新3番のりばの八代方に切り込み線を設け、これを新4番のりばとする。
- 1番のりばの南側を一部削り、新3番のりばとの間に簡易ホームを設置し、これを新2番のりばとする。合わせて0・1番のりば、3~5番のりばと2番のりばを連絡する跨線橋を設置。
- 0番A・Bのりばに関しては特に変更なし。
- 新3~5番のりばには当初売店の設置はなかったが、不便であったことから臨時の売店が設けられた。その後正式にKIOSKが設置された。
なお、詳しくは下のリンクを参照されたい。
現在各ホームに発着する列車はおおよそ以下の通りであるが、折返しや出入庫等の都合により違いが多いので駅の案内で確認されたい。
0A・0B | ■特急「九州横断特急」 | 八代・人吉方面 |
---|---|---|
■快速「あそ1962」 | 肥後大津・宮地方面 | |
■豊肥本線 | 水前寺・武蔵塚・肥後大津・宮地方面 | |
1 | ■特急「リレーつばめ」 | 新八代・新幹線乗換鹿児島中央方面 |
■特急「有明」 | 水前寺・武蔵塚・光の森・肥後大津行 | |
■特急「くまがわ」 | 八代・人吉方面 | |
■鹿児島本線 | 八代方面 | |
2 | ■鹿児島本線 | 八代方面 |
3 | ■鹿児島本線 | 八代・玉名・大牟田方面 |
4 | ■三角線 | 三角方面 |
5 | ■特急「リレーつばめ」「有明」 | 大牟田・鳥栖・博多・小倉方面 |
■特急「九州横断特急」 | 宮地・大分方面 | |
■寝台特急「はやぶさ」「なは」 | 新大阪・京都・名古屋・東京方面 | |
■鹿児島本線 | 玉名・大牟田方面 |
発着及び停車する列車
構内の飲食店
- ケンタッキーフライドチキン(1階)
- 吉野家(1階)
- モスバーガー(1階)
- トランドール(1階)
- 音羽屋(駅弁販売、1階、1番ホーム)
- らん蘭(中華、2階)
- NANDEN やく蔵(2階)
- 火の国とらや(2階)
うどん・そば(駅うどん・そば、0・1番ホーム、2・3番ホーム)の営業は2006年9月30日をもって全廃された
利用状況
旅客
2005年度の1日平均の乗車人員は10,550人である。これはJR九州で11番目、九州の駅の乗車人員では22番目で、67万都市の玄関口にあたる駅としては利用客が少ない。
挙げられる理由として、
- 熊本市の市街地は市内中心部を軸にすると東(水前寺駅、健軍町駅方面)、もしくは北(武蔵塚駅方面)に大きく偏って伸びており、西のはずれに立地している熊本駅は大半の市民にとって不便な位置にあること
- 利用者が、鹿児島本線上り方面は上熊本駅を、豊肥本線肥後大津駅方面は新水前寺駅を利用するなど熊本市内のターミナル機能が分散されている
- 新幹線未開業のため本州地区からの旅客需要が乏しいこと
などがある。
また、熊本駅の東側は川(白川)、西側は山(花岡山)となっていることから大規模開発がしにくく、他都市のように駅前に商業集積がされなかったことも理由である。
貨物駅
JR貨物の駅は、旅客駅の南方1kmほどに位置する。旧・熊本操車場にあり、現在も時刻表には熊本(操)と記述される。旅客駅とは別に着発線を備えており、豊肥本線から進入することはできない。
コンテナホーム付近は西側から、上り本線、熊本車両センター、下り本線、着発線4本、コンテナホームの順に並んでいる。コンテナホームは3面(うち1面は上屋付きホーム)、荷役線は5本あり、最も東側の着発線1本のみ着発線荷役方式(E&S方式)を採用する着発荷役線となっている。
取扱貨物
- コンテナ貨物
- 産業廃棄物・特別産業廃棄物の取扱許可を得ている。
貨物列車
下り列車(八代駅方面行き)は、1日5本停車する。当駅終着の列車はない。上り列車(鳥栖貨物ターミナル駅方面行き)は、1日6本停車する。なお、そのうち1本が当駅終着、1本が当駅始発となっている。行き先は東京貨物ターミナル駅や名古屋貨物ターミナル駅、梅田駅など。
駅弁
- 味彩(音羽屋)
- 味の華(音羽屋)
- あやめ(音羽屋)
- おにぎり弁当(音羽屋)
- 春日野(音羽屋)
- 草枕(音羽屋)
- さつき(音羽屋)
- すいぜんじ(音羽屋)
- すみれ(音羽屋)
- 中華飯店(音羽屋)
- 殿様弁当(音羽屋)
- 肥後てまり(音羽屋)
- ふきよせ(音羽屋)
- もっこす(音羽屋)
バス
現在、高速道を通る高速バス路線はすべて熊本交通センターを発着し、熊本駅前に発着するものはない。
駅周辺
歴史
- 1891年(明治24年)7月1日 - 九州鉄道の駅として、玉名~熊本間の延伸と同時に開業。
- 1894年(明治27年)8月11日 - 九州鉄道線が川尻駅まで開通。
- 1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道の国有化により国鉄の駅となる。
- 1914年(大正3年)6月21日 - 宮地軽便線(現在の豊肥本線)が肥後大津駅まで開通。
- 1914年(大正3年)7月 - 駅舎新築。
- 1924年(大正13年)8月1日 - 熊本市電 熊本駅前~浄行寺・水前寺間開業。
- 1945年(昭和20年)7月27日 - 空襲被災により上りホーム上家全焼。駅本屋は被災を免れた。
- 1958年(昭和33年)3月 - 現駅舎に改築。
- 1959年(昭和34年)12月24日 - 熊本市電田崎線開業。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、国鉄駅はJR九州・JR貨物が継承。
- 1991年(平成3年) - 駅舎を改修。
- 2002年(平成14年)11月2日 - 1階改札口に自動改札機を5台設置。
- 2006年(平成18年) - 新幹線工事に伴うホーム配置大幅改変。
- 2010年(平成22年) - 九州新幹線、博多~新八代駅間開業予定し西口完成予定。
- 2016年(平成28年) - 鹿児島本線・豊肥本線連続立体交差化完成予定。
熊本駅を取り巻く問題
駅の設置位置
当駅が現在地に設置されたのには歴史的経緯がある。
「本来は、現在の新町付近に建設が予定されていた。ところが、『機関車の煙で生活環境が悪化する可能性がある』などという理由で付近の住民が反対した」という逸話が残されている。しかし、明確な記録はなく全国各地に残る鉄道忌避伝説の可能性がある。
[1]
合理的な理由として、新町付近は地価が高く大規模な用地の確保が困難であったこと、また当時百貫港の整備計画があり坪井川・白川の水運との接続を考慮したためだと考察する研究がある(余談だが、後に百貫港の整備は困難と判断され三角港が開港。これが三角線が敷設されるきっかけとなった)。
また、現在は全く面影がないが、駅に程近い二本木地区は風俗街として栄えていたため、市外からの客がお金を落とすことを期待して設置したという珍説もある。
一方、バスセンターであり市電との乗り換えも便利な熊本交通センターは市内中心部に立地し、佐賀市、鹿児島市以外の九州内全県庁所在地及び佐世保市、延岡市、北九州市へ向けての高速バスが頻発しており、こちらの方が利用客が多い状況にある。例えば福岡に行く場合、交通センター発福岡行きの高速バスが10~15分間隔で運行され、市中心部を通ってから熊本市東部を縦断する高速道路に乗るため、市中心部・東部の住民は熊本駅をあまり利用しないのが実状である。
駅前再開発と新幹線開業
熊本駅南側には、現在熊本城の敷地内にある国の合同庁舎の春日2丁目(月星化成工場跡)への移転建替が計画されている。 1棟目は2009年度完成予定、敷地面積:約2.5ヘクタール、整備主体:国(国土交通省九州地方整備局)、入居予定官庁:九州財務局,九州農政局はじめ14官署、就業予定人口:約1,800人。
駅東口側(東A地区)には、市電の電停を含めた広場、坪井川を利用した親水公園、図書情報センターや商業施設を含めた再開発ビルの建設が検討されている。2007年3月22日の地元紙(熊本日日新聞)では、森ビル都市企画と三井不動産のうち前者の事業提案書を受理し施工業者として決定した。素案は、情報交流施設や熊本の食をテーマにした食料品店、ファッションブランドなどの商業施設(地上5階、地下1階)・超高層マンション(地上33階、地下1階)、地権者が入る権利者棟(地上4階、地下1階)で構成される予定で、総事業費約140億円を見込む。2008年度着工し2010年度の竣工を目指している。 また、市電の電停はJRのホームに乗り入れる計画もあり、実現すれば日本初の試みである。
これらの再開発計画でも未解決の問題点として、西口の再開発が白紙であること,市中心部から離れている為にターミナル駅としての役割を十分果たせてない事等が挙げられる。
九州新幹線全線開業が迫っている中、熊本市は将来のビジョンを明確に示すと共に、早期に再開発事業に道筋をつけることが求められている。
備考
位置情報
隣の駅
関連項目
外部リンク
参考文献
- ^ 鉄道忌避伝説関連
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