ものみの塔
ものみの塔(ものみのとう)、ものみの塔誌、はエホバの証人によって月に二回発行されているエホバの証人の機関誌である。表題の言葉は新世界訳聖書のイザヤ37章1節に由来している。
歴史
この出版物は1879年に発刊した。正式名称は当初「シオンのものみの塔およびキリストの臨在の告知者(Zeon's Watch Tower and Herald of Christ's Presence)」であった。1909年に「ものみの塔およびキリストの臨在の告知者(The Watch Tower and Herald of Christ's Presence)」に変更された。後の、1939年10月、「ものみの塔およびキリストの臨在の告知者(The Watchtower and Herald of Christ's Presence)」に、1940年3月には「エホバの御国を知らせる ものみの塔」に改名され、1970年代から今まで正式名称は「エホバの王国を告げ知らせる ものみの塔」である。
発行・配布
「ものみの塔」は(2008年1月1日号によると)平均印刷部数が3,710万0,000部で、(点字版を含む)101の言語で月2回、(アメリカ手話のDVD版を含む)66の言語で月1回、合計167言語で発行されている。このうち130以上の言語で同時発行されている。
この雑誌の各1日号はエホバの証人が配布している。彼らは配布活動を公共の奉仕だと考えている。彼らは、通常家から家の奉仕でこの雑誌を提供するが、公共の場所で人々に近づいたり、医師、教育関係者、政治家、知人に非公式に近づいて配布したりすることもある。「ものみの塔」は、読み物としてバスターミナルやコインランドリー等の、公共の場所に置かれていることもある。しかし、ただポストに投函したり、公共の場所に大量に放置したりしないよう、ものみの塔協会から勧められている。
雑誌の複製版
日本語では大文字版、カセットテープ版、コンパクトディスク版(2007年2月号から)、点字版、オンラインMP3版が入手可能である。
内容
「ものみの塔」誌は、2008年から2種類発行されている。毎月1日号は配布用と呼ばれ、一般向けに配布される。毎月15日号は研究用と呼ばれ、エホバの証人が「ものみの塔研究」という集会で用いる研究記事が記載されており、一般向けには配布されない。研究版にはものみの塔研究用に書かれた4つか5つの記事が記載されている。(当然のことながら、信者以外の人も希望すれば読む事は可能。)
世界中のエホバの証人は毎週の「ものみの塔研究」で同じ研究記事の資料を討議する。この集会で、ものみの塔研究の司会者は各節を朗読者に読んでもらった後、紙面の下に印刷してある節ごとの質問を読む。次に、会衆のメンバーは、最初、節ごとに読まれる資料を使って質問に答えることが求められる。次に、資料を彼ら自身の言葉で言い換え、「聖句の適用、裏づけとなる論議、または資料の実際的な適用に注意を引く」ことも勧められている。印刷された記事には、聖書の預言、クリスチャンらしい振る舞いや道徳、宗教や聖書の歴史も含まれている。
お決まりのコーナーとしては、「ライフストーリー」や(通常1号おきに)「読者からの質問」、「訪問を受けたいと思われますか」というのがある。毎年2月1日号には世界中のエホバの証人の野外奉仕報告が掲載される(2004年までは通常1月1日号に掲載してあった)。しかし2008年からこの全世界の野外奉仕報告は信者向けの出版物である「エホバの証人の年鑑」もしくは「わたしたちの王国宣教」毎年2月号に掲載される事になった。もしくは4ヶ月ごとに掲載される「覚えていますか」と題するコーナーでは、過去の雑誌の記事の要点が簡潔に要約される。毎年11月1日号には、「ものみの塔」誌に対してなされるさまざまな寄付を概説する記事が掲載されている。
料金
「ものみの塔」は、姉妹誌の「目ざめよ!」と共に、現在は無償で配布されている(かつては2冊150円)。しかし、雑誌の発行のための費用や世界的な布教活動を賄うための自発的な寄付は、受け付けている。
引用
- 「わたしたちの王国宣教」(ものみの塔聖書冊子協会)1998年12月号8ページより