ウルトラマンVS仮面ライダー

日本のオリジナルビデオ

これはこのページの過去の版です。ひととせうつる (会話 | 投稿記録) による 2008年6月5日 (木) 10:53個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (映像ソフト化: DVDが出てから書けば足りる。)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


概要

日本を代表する二大ヒーローウルトラマン仮面ライダー。世界観の相違はもちろん、製作会社が異なるため両者が競演(クロスオーバー)することは従来では考えられなかった。だが、1990年代前期には両シリーズとも久々に新作が発表されるなどの新たなムーブメントが起きており、そのような状況下で円谷プロダクション石森プロ東映)が(権利関係の問題をクリアするため)再販および放送しない前提で同意。歴代作品の名場面を使用した両シリーズの比較紹介、スタッフや出演者へのインタビューに加えて、完全新作の短編ドラマが収録されるに至った。

監督は『ゼイラム』『鉄甲機ミカヅキ』などで知られる雨宮慶太が、ナレーションは『ウルトラマン』の浦野光と『仮面ライダー』の中江真司が交互に担当した。本ビデオオリジナルの主題歌・挿入歌も1曲ずつ作られており、前者は両雄の活躍を高らかに称え、後者は全てのヒーローものに共通するテーマを影山ヒロノブが唄っている。

あらすじ

ストーリーは、ウルトラマン(初代)と地底怪獣ガドラス、仮面ライダー(新1号)とショッカー怪人毒サソリ男がそれぞれ対決。追い詰められた怪人が怪獣と合体してサソリガドラスとなったのに対し、ウルトラマンと同サイズに巨大化した仮面ライダーがタッグを組んで戦うというものであった。

放映当時の映像をCGで合成した両ヒーローの同時変身シーンや、飛行するウルトラマンの眼下をサイクロン号で疾走する仮面ライダー、それぞれの得意技を連携させる2大ヒーロー、と各自の特徴を比べつつ際立たせる演出がなされており(カラータイマー点滅やサイクロン号による大ジャンプ等、種々の「お約束」もきっちり再現されていた)、それはスペシウム光線とライダーキックの同時攻撃でサソリガドラスを葬り去るクライマックスで頂点に達していた。仮面ライダーが巨大化した理由については「奇跡」とのみ説明されていたが、これは「一度限りのお祭り」ならではの演出意図であると解釈されよう。

その他

初期企画段階では進行役に『がんばれ!!ロボコン』よりロボコン、『快獣ブースカ』よりブースカを迎えるというものがあった。これは勿論ロボコン=山本圭子、ブースカ=高橋和枝というキャスティングが可能という裏付けがあってである。結果的には浦野光中江真司のWナレーターという形で結実した。同様のコラボレーション要素としては、当時円谷プロダクションに所属していた美術監督山口修がデザインした怪獣ガドラス及びサソリガドラスをレインボー造型企画が製作するというものもある(これは実現している)。

共闘しているのにもかかわらずタイトルが「VS」であるのは、本ビデオソフト発売前に、その前身となる同名の書籍(書籍のタイトルは正確には『ウルトラマン対仮面ライダー』)が特撮ライター諸氏によって上梓されていることに由来する(内容はビデオの前半部分同様、作品解説や両シリーズの比較・関係者へのインタビューや製作秘話紹介…といったいわゆる「謎本」であった)。また、1970年代の児童向け映画興行『東映まんがまつり』における、永井豪原作による複数のアニメヒーローやロボットが世界観を超えて共闘した作品群で「A対B」という表現が取られていたこと(例えば『グレートマジンガー対ゲッターロボ』。石森作品についても、『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』が公開されている)も大きく影響していると考えられる(本作の主たる視聴ターゲットは、幼少期にこれらの映画を見てきた世代である)。さらに、ビデオ冒頭では夜の街を舞台に実際に両雄が拳を交えており、文字通りの「ウルトラマンvs仮面ライダー」という構図も実現している(スペシウム光線とライダーキックが交錯したカットでタイトルが入り、直後に本編へ移ったため勝敗は付かず)。

なお、1994年の映画『仮面ライダーJ』では仮面ライダーが正式な設定で巨大化しているが、この作品の成功を受けてのもの。

小ネタ

  • 仮面ライダーを巨大化させる事に猛反対していた石ノ森章太郎は、最終的に一つの条件を出してやむなく巨大化を承諾した。その条件とはウルトラマンを人間大に小さくしてサイクロン号にまたがらせる事であった。これは本作品のエンディングにおいて実現しておりその逆に仮面ライダー1号がスペシウム光線のポーズもとっている。
  • ウルトラマンと仮面ライダーの競演は、この他にヒーロー物のイベントや、2007年6月23日のプロ野球横浜ベイスターズオリックス・バファローズ横浜スタジアム)交流戦の始球式で実現している。この始球式は、投手がウルトラマンメビウス、打者が仮面ライダー電王(右打席)によるもので行っている。メビウスの投げ方はメビュームシュート、電王の構え方はエクストリームスラッシュをしている。結果はメビウスが左打席いっぱいの所へ悪送球を投げるも、電王がこれを空振り。その後、マウンドと打席の間であわや乱闘を始めそうな物々しい仕草を見せるが、すぐに和解。両者固く握手を結び会場を盛り上げた。
  • ルーキーズにおいてメビウス/ヒビノミライ役だった五十嵐隼士と電王/野上良太郎役だった佐藤健が共演している。
  • 本作以降からウルトラマン、仮面ライダーの両方に変身した俳優もいる。
    • ウルトラマンアグル(藤宮 博也)/仮面ライダーライア(手塚海之)&仮面ライダー2号 THE FIRST版(一文字隼人) 高野八誠
    • ウルトラマンネオス(カグラゲンキ)/仮面ライダータイガ(東條悟) 高槻純 
    • ウルトラマンネクサス(千樹燐)/仮面ライダーザビー&パンチホッパー(影山 瞬) 内山眞人
    • ウルトラマンヒカリ(セリザワカズヤ)/仮面ライダーシン(風祭真) 石川真
高野、高槻、内山はウルトラマン→仮面ライダーの順で変身しているが、逆の仮面ライダー→ウルトラマンの順で変身しているのは石川のみである。
  • また、「初代仮面ライダー~ストロンガー」の立花藤兵衛役にはウルトラマンでムラマツ隊長役だった小林昭二、「スカイライダー~スーパー1」の谷源次郎役は帰ってきたウルトラマンで加藤勝一郎役だった塚本信夫が出演している。
この逆として「ウルトラマングレート」のナレーター(1~6)には仮面ライダー1号/本郷猛役だった藤岡弘が担当している。
  • 仮面ライダーと同じく石ノ森章太郎原作の1993年の番組『有言実行三姉妹シュシュトリアン』の40話『ウルトラマンに逢いたい』において、円谷プロダクション作品のキャラクターであるウルトラマンバルタン星人を初めとするウルトラ怪獣、円谷プロのマスコット的存在である快獣ブースカ、今は無い怪獣倉庫が出ている。また、ハヤタ役の黒部進も重要な役割で出演している。これは当番組のファンだった円谷一夫(余談だが出演もしている)の協力でできた為、ウルトラマンVS仮面ライダーと異なり権利関係(シュシュトリアンとウルトラマンが主人公をするのでは無くシュシュトリアンをメインで描いた為)の問題をクリアしているためDVDにも収録されている。

スタッフ

映像ソフト化

ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)とLD(セルのみ)がリリースされている。

関連項目