第四紀
第四紀(だいよんき[1]、Quaternary)は地質時代の一つで、約180万年前または260万年前から現在までの期間。
他の地質時代が生物相の大幅な変化(特に大量絶滅)を境界として定められたのに対し、第四紀は人類の時代という意味で決められた。したがって、古人類学の進展に伴い次々に古い原人が発見されるとともに第四紀の始まる年代も変化していった。現在ではヒト属の出現を基準とし、地質層序や気候変動を併用して決定している。
| 周辺の時代 | |||
|---|---|---|---|
| 新生代 | 第四紀 Quaternary | 完新世 Holocene | |
| 更新世 Pleistocene | |||
| 第三紀 Tertiary | 新第三紀 Neogene | 鮮新世 | |
| 中新世 | |||
| 古第三紀 Paleogene | |||
語源
かつて、地質時代を大きく第一紀(Primary、現在の古生代)、第二紀(Secondary、現在の中生代)、第三紀、第四紀に分けたことに由来している。
これらのうち第四紀のみが、現在も公式の名称となっている。(第三紀は古第三紀と新第三紀に分割された)
Quaternaryを「第四紀」と和訳した意図に基づけば,「第4紀」と数字で書くのは誤りである。
範囲
第四紀の始まりは、国際地質科学連合 (IUGS) が定めた公式な地質区分では、180万年前である。しかし、第四紀を専門とする研究者の間では、260万年前とすることが多い。260万年前~180万年前は、公式な地質区分では新第三紀鮮新世ゲラシアンとなっている。
公式にも260万年前からに変更しようという提案もあるが、そうするとゲラシアンが新第三紀から外れるため、第三紀の研究家からは反対の声が多い。
特徴
生物
気候
新第三紀との併合問題
2004年の国際地質科学連合 (IUGS) において、第四紀を新第三紀に併合し新生代をPaleogeneとNeogene(新第三紀+第四紀)の2つに区分する提案がなされたが、同年の万国地質学会 (IGC) では批准されず、国際第四紀学連合 (INQUA) もこの提案に反対した。これを受けてIUGS内の国際層序委員会 (ICS) とINQUAのタスクフォースが設置され、結論として、
- 第四紀の存続
- 第四紀の始まりを260万年前とする
ことが提案された。これは2008年のIUGS大会で投票される予定である(日本第四紀学会(PDF))。
脚注
- ^ 一部の地学事典には「だいしき」と記述されているが、文部省『学術用語集 地学編』(日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2、オンライン学術用語集)の表記は「Daiyonki」である。『学術用語集』編纂の経緯に鑑み、ここでは「だいよんき」とした。なお、第四紀学会公式サイト[1]では「だいよんき」と記述しているコーナーがある。
関連項目
参考文献
- 国立天文台編 『理科年表 平成20年』 丸善、2007年、ISBN 978-4-621-07902-7。