黒塚古墳
黒塚古墳(くろつかこふん、くろづかこふん)は、奈良県天理市柳本町にある前期(3世紀末頃)前方後円墳。33面の三角縁神獣鏡が出土したことで有名。
黒塚古墳 | |
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![]() 黒塚古墳 | |
所在地 | 奈良県天理市柳本町 |
位置 | 北緯34度33分35.73秒 東経135度50分35.21秒 / 北緯34.5599250度 東経135.8431139度 |
形状 | 前方後円墳 |
規模 | 全長130m、高さ11m |
出土品 | 三角縁神獣鏡など |
築造時期 | 3世紀末~4世紀前半 |
史跡 | 平成13年(2001年)国指定 |


憤形・形状
後円部3段、前方部2段で前方部と後円部の落差が大きい。前方部正面にわずかな弧状のふくらみが見られ撥形であることが分かる。これらは、前期古墳の特徴である。周濠を持っている。
発掘調査とその後
1997年(平成9年)から翌年にかけて奈良県立橿原考古学研究所が行った第3次発掘調査で、三角縁神獣鏡33面と画文帯神獣鏡1面が、副葬当時に近い状態で発見された。
棺内には被葬者の頭のところに画文帯神獣鏡と両側に刀1・剣1をおき、棺外に東壁側15面、西壁側17面の三角縁神獣鏡を内側に向けて木棺と壁のわずかな間に立てられていた。刀剣類や鉄鏃・小札(こざね)・用途不明の鉄製品などを配置してあった。玉類や腕装飾品類は出ていない。
後円部の埋葬施設は竪穴式石室で、内法長約8.3メートル、北小口幅0.9メートル、高さ約1.7メートルで、二上山麓の春日山と芝山の板石を持ち送りに積んで合掌造状の天井を作り出している。石室内では、粘土棺床が設けられ、断面半円形の全長1メートル以上の刳抜式木棺が納められている。木棺には中央部の長さ2.8メートルの範囲のみ水銀朱を施し、両端はベンガラの赤色で塗られていた模様である。水銀朱のところに安置されていたものと考えられている。なおこの縦穴石室は、ほぼ真北を向いており、被葬者の頭も真北に向けられていたことは推定できる。この真北は単なる偶然ではなく、ヤマト王権の中に被葬者の頭を真北に向けて埋葬する風習があったらしいと考えられている。
古墳は天理市によって整備が行われ、柳本公園となっているほか、古墳に隣接して竪穴式石室の実物大模型などを展示する「天理市立黒塚古墳展示館」が設けられている。平成13年(2001年)1月29日国の史跡に指定された。
周辺情報
関連項目
外部リンク
- 奈良県立橿原考古学研究所黒塚古墳現地説明会資料 - 1998年1月、1999年1月