NUMBERS 天才数学者の事件ファイル

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NUMBERS 天才数学者の事件ファイル(NUMBERS てんさいすうがくしゃのじけんファイル、原題Numb3rsNumbers、公式にはNUMB3RS)は、アメリカ合衆国2005年から放送されているテレビドラマである。

概要

FBI特別捜査官ドン・エプス(ロブ・モロー)と、数学天才で犯罪者の行動を予測する公式を導き出す弟のチャールズ・エプス(デイビッド・クロムホルツ)の活躍を描く。番組の制作はニコラス・ファラッチ (Nicolas Falacci) とシェリル・ヒュートン (Cheryl Heuton)、製作局はCBSパラマウント・ネットワーク・テレビジョン、アメリカではCBSネットワークで放送されている。

日本ではサスペンスシアター FOXCRIMEで、2006年10月から第1シーズン、2007年4月から第2シーズンが放送されている。また、FOXでも2007年1月から第1シーズンが放送されている。第3シーズンまで放送中であり、すべて字幕版のみの放送である。 地上波では、2009年4月3日より、テレビ朝日にて第1シーズンの日本語吹き替え版を放送している。

DVDは、2009年5月22日以降、第1シーズンと第2シーズンのリリース(レンタルおよびセル)が順次行われている(詳細はパラマウント ジャパン DVD公式サイトを参照)。

番組では、ドン・エプスと弟チャールズ・エプス、そして父アラン・エプス(ジャド・ハーシュ)の関係を描く。また、兄弟で力を合わせて、主にロサンゼルスでの犯罪と戦う姿も同程度に焦点を合わせている。典型的なエピソードは、まず犯罪から始まり、そしてドン率いるFBI捜査官チームによる捜査、チャーリーによる数学的な解析となる。ちょくちょく、ラリー・フラインハート(ピーター・マクニコル)やアミタ・ラマヌジャン(ナヴィ・ラワット)がチャーリーの手助けをする。チャーリーの数学によって与えられる洞察は、毎回犯罪を解決するのに重要なヒントとなる。

NUMBERSと数学

コンサルタントとして、複数の数学者が各エピソードで協力している。[1] 番組内で提示されている数学は現実のものである。黒板上の方程式は正しいもので、各回の番組内の状況に実際に適用できる。このことは、現役の数学者によって認められている。たとえば、次の記事を参照。米国数学協会発行の記事 "Numb3rs gets the math right"[2]。さらに、Math Games1月21日[3]におけるEd Pegg, Jr.による関連する問題の議論、ベイジアン探索理論グラフ理論組合せ数学などについて。しかし、数学者コンサルタントの中には、数学の使い方や、各場面のコンサルタントのまとめ方の不足など、各話の制作について懸念を示している者もいる。加えて、女性数学者の描写、そしてチャーリー・エプスと大学院生アミタ・ラマヌジャンとの関係の不適切な描写も挙げている。[4]

FBIへの協力では、チャーリー・エプス教授は番組内で(主に)次の数学分野の理論を適用した。暗号解読確率論ゲーム理論偏微分方程式決定理論グラフ理論データマイニング、そして天体物理学

アメリカの数学教師は、番組内のエピソードを教材として使用している。これはアメリカ国内の法医学ブーム(そのきっかけはCSI:科学捜査班などの番組)にあわせたものである。[要出典] テキサス・インスツルメンツ数学教師評議会We All Use Math Every Day 教育福祉計画を作成した。そこでは、次回のエピソードで使用される内容の概念に基づいた教材を教師に提供している。[5]

登場人物

役名 役者 部門/部署
ドン・エプス (Don Eppes) ロブ・モロー (Rob Morrow)
日本語吹替:内田直哉
FBI特別捜査官
チャーリー・エプス (Charlie Eppes) デイビッド・クロムホルツ (David Krumholtz)
日本語吹替:咲野俊介
数学者/FBI/NSAコンサルタント
アラン・エプス (Alan Eppes) ジャド・ハーシュ (Judd Hirsch)
日本語吹替:長克巳
元LA顧問都市計画家
テリー・レイク (Terry Lake) サブリナ・ロイド (Sabrina Lloyd)
日本語吹替:勝生真沙子
FBI捜査官/プロファイラー(第1シーズンのみ)
メーガン・リーブス (Megan Reeves) ダイアン・ファール (Diane Farr)
日本語吹替:世戸さおり
FBI捜査官/プロファイラー(第2シーズンから)
ラリー・フラインハート (Larry Fleinhardt) ピーター・マクニコル (Peter MacNicol)
日本語吹替:石丸博也
物理学者/FBIコンサルタント
アミタ・ラマヌジャン (Amita Ramanujan) ナヴィ・ラワット (Navi Rawat)
日本語吹替:大坂史子
数学者/FBIコンサルタント
デイビッド・シンクレア (David Sinclair) アリミ・バラード (Alimi Ballard)
日本語吹替:竹田雅則
FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Colby Granger) ディラン・ブルーノ (Dylan Bruno)
日本語吹替:加瀬康之
FBI捜査官(第2シーズンから)

■TV放送、DVD共に主役のドン、チャーリー兄弟のファミリーネームが"エップス"ではなく"エプス"の表記の場合がある。

エピソード

第1シーズン

第1シーズン(2005年1月23日2005年5月13日)では、FBIロサンゼルス支局とチャーリー・エップスの協力関係の始まりを描く。主なFBI捜査官は、チャーリーの兄ドン・エップス、テリー・レイク、そしてデイビッド・シンクレアである。ドンとチャーリーの父アラン・エップスは兄弟を精神面で支援する。ラリー・フラインハート教授と博士課程の学生アミタ・ラマヌジャンは、数学の支援と洞察でチャーリーに協力する。

第1シーズン前半の日本での放送順は、アメリカでの放送順と異なる。邦題はEPGより。

  • ()括弧内は通算放送回、[ ]括弧内はアメリカにおける放送回
放送回 題名 使用された理論 アメリカの放送日
1(1) 数字がすべて
Pilot
確率論11次元超重力理論弾道 2005年1月23日
2(2)[6] 鉄道破壊計画
Sabotage
カシスキ・テスト暗号理論フィボナッチ数黄金比ビール暗号H∞制御理論 2005年2月25日
3(3)[3] 謎のウイルス
Vector
ゼロ号患者ウイルス・ベクターベクトル多変量解析 2005年2月4日
4(4)[2] 銀行強盗集団
Uncertainty Principle
P対NP問題ハイゼンベルクの不確定性原理 2005年1月28日
5(5)[4] 危険な高層ビル
Structural Corruption
振り子フーコーの振り子オッカムの剃刀 2005年2月11日
6(6)[5] 少女誘拐事件
Prime Suspect
暗号理論素数リーマン予想リーマンのゼータ 2005年2月18日
7(7) 偽札事件を追え
Counterfeit Reality
ギロシェウェーブレット解析 2005年3月11日
8(8) えん罪の可能性
Identity Crisis
ポーカー等比数列 - 折り紙の数学、無限連鎖講指紋シュレーディンガーの猫 2005年4月1日
9(9) スナイパーの心理
Sniper Zero
弾道ティッピング・ポイント平均への回帰指数関数的増加 2005年4月15日
10(10) 盗まれた核廃棄物
Dirty Bomb
ゲーム理論 - 囚人のジレンマ放射性崩壊 2005年4月22日
11(11) セイバーメトリクス
Sacrifice
セイバーメトリクス計量経済学 2005年4月29日
12(12) 未確認飛行物体
Noisy Edge
組合せ数学条件付き確率分布 - フーリエ解析による"squish-squash" 2005年5月6日
13(13) 脱走犯の追跡
Man Hunt
ベイズ推定マルコフ連鎖チャップマン・コルモゴロフの方程式モンティ・ホール問題 2005年5月13日

第2シーズン

第2シーズン(2005年9月23日2006年5月19日)では、引き続きFBIとチャーリーの協力関係を描く。テリー・レイクはワシントン州に転任する。代わりに、ミーガン・リーブスが心理分析官としてチームに参加する。さらに、コルビ・グレンジャーも加わる。

  • ()括弧内は通算放送回
放送回 邦題 使用された理論 アメリカの放送日
1(14) 正義への報復
Judgment Call
散布図ベイジアンフィルタ条件付き確率 2005年9月23日
2(15) 誘拐事件の真相
Better or Worse
フォン・ノイマン・セル・オートマトン疑似乱数 2005年9月30日
3(16) 狙われたスター
Obsession
三角法curvelet解析筆跡鑑定用法医学情報システム

(FISH, Forensic Information System for Handwriting)、球面天文学美術館問題

2005年10月7日
4(17) 小さな目撃者
Calculated Risk
条件付き確率複利 2005年10月14日
5(18) 暗殺の確率
Assassin
転置式暗号ゲーム理論紙飛行機 2005年10月21日
6(19) 狙いやすい標的
Soft Target
パーコレーション理論拡散 2005年11月4日
7(20) データマイニング
Convergence
群論データマイニングフーリエ変換カレンダー測量集合論軌道 (力学) 2005年11月11日
8(21) 隠された写真
In Plain Sight
群行動ステガノグラフィー行列-前方誤り訂正 2005年11月18日
9(22) 姿なき告発者
Toxin
情報理論-情報エントロピーグラフ理論-ケーニヒスベルクの問題
シャボン玉シュタイナー問題
2005年11月25日
10(23) 所有権争い
Bones of Contention
指数減少ボロノイ図 2005年12月9日
11(24) 放火捜査のカギ
Scorched
燃焼主成分分析 2005年12月16日
12(25) 報復の連鎖
The OG
ポアソン分布社会的ネットワーク 2006年1月6日
13(26) 賭けの代償
Double Down
単純無作為抽出時系列ランダム化 2006年1月13日
14(27) 臓器売買
Harvest
マルコフ連鎖楕円遺伝的多様性 2006年1月27日
15(28) 狙われたハイテクマシン
The Running Man
ベンフォードの法則**連分数天文学確率 2006年2月6日
16(29) 追憶
Protest
グラフ理論ラムゼー数回帰 2006年3月6日
17(30) マインド・ゲーム
Mind Games
フォッカー=プランク方程式**二項定理 2006年3月10日
18(31) イラク人女性弁護士
All's Fair
密度数独ロジスティック回帰ゲーム理論 2006年3月31日
19(32) ハイスクール乱射事件
Dark Matter
RFID最適化問題 2006年4月7日
20(33) 狂った使命感
Guns and Roses
反響定位数理生物学 2006年4月21日
21(34) FBI襲撃
Rampage
カオス理論ブラウン運動自己組織化臨界現象**ベン図超立方体 2006年4月28日
22(35) 闇からの挑戦状
Backscatter
関数陰関数等比数列指数増加オンライン整数列大辞典 2006年5月5日
23(36) アメリカン・ドリームの罠
Undercurrents
エンコーディングベクトル場運動学n次空間**ストレンジ・ループ** 2006年5月12日
24(37) 過去からのメッセージ
Hot Shot
有向グラフ放物線確率論軌跡 2006年5月19日

第3シーズン

NUMBERSの第3シーズンは、北米では2006年9月22日から始まった[6]。前シーズンからの目立つ変化として、オープニングクレジットシーケンスの削除が挙げられる(現在、クレジットは番組の最初のパートで表示される)。また、このシーズンでは、ピーター・マクニコルがシーズンの大半、ダイアン・ファールが数回、出演していない。ピーター・マクニコルは最初の11話に登場したあと、テレビドラマ24のため休み、第3シーズン第21話でNUMBERSに復帰した。ラリー・フラインハート博士欠席の理由としてペイロード・スペシャリストとして国際宇宙ステーションに行っていたと説明された。ダイアン・ファールはシーズンの間妊娠中で、第18話で産休に入った。ミーガン・リーブス欠席の理由として、アメリカ合衆国司法省での特別任務に着いたと説明された。

  • ()括弧内は通算放送回
放送回 題名 使用された理論 アメリカの放送日
1(38) 無差別強盗殺人Part1
Spree
追跡曲線ジオデシック分割法 2006年9月22日
2(39) 無差別強盗殺人Part2
Two Daughters
スパイラルパラメーター方程式 2006年9月29日
3(40) ホロコーストの悲劇
Provenance
線形不定方程式カーブレット解析クラックリュール判別分析 2006年10月6日
4(41) 二重スパイ
The Mole
オイラー角サイクロイド対称性組合せ数学 2006年10月13日
5(42) チャーリーVSメーガン
Traffic
ランダム偏微分方程式交通工学 2006年10月20日
6(43) 暴かれた賭け
Longshot
確率論裁定価格理論データマイニング 2006年10月27日
7(44) 仕組まれた停電の謎
Blackout
重心調和級数有向グラフ潮流計算手法シンプレックス法 2006年11月3日
8(45) 薬物使用の方程式
Hardball
セイバーメトリクスChange Point Analysis 2006年11月10日
9(46) 恐怖の落とし穴
Waste Not
地下水流動の数値解析ガンの群発発生地震波トモグラフィー 2006年11月17日
10(47) マインドコントロール
Brutus
フローネットワークネットワーク論ユークリッドの互除法標的選択理論 2006年11月24日
11(48) 殺人チャットルーム
Killer Chat
テキストマイニング主成分分析 2006年12月15日
12(49) カルト集団の家系図
Nine Wives
近親交配係数Levy flight系譜学 2007年1月5日
13(50) 危険な宝探し
Finders Keepers
流体力学制約充足問題組合せ最適化 2007年1月12日
14(51) 暗殺集団の目的
Take Out
外れ値データマイニング 2007年2月2日
15(52) 17年目の真実
End of Watch
量子力学LIDAR 2007年2月9日
16(53) 2つの死の関連性
Contenders
クラスカル法フローネットワーク 2007年2月16日
17(54) タイムリミット
One Hour
パレート効率迷路理論状態遷移図 2007年2月23日
18(55) 民主主義の危機
Democracy
統計学メタデータ組織論確率論 2007年3月9日
19(56) 飛行機墜落事故の目的
Pandora's Box
伊藤過程ウェーブレット解析 2007年3月30日
20(57) DNAボマー事件
Burn Rate
爆発パラダイムシフトコヒーレンス外れ値 2007年4月6日
21(58) 囚人のジレンマ
The Art of Reckoning
確率論ゲーム理論 2007年4月27日
22(59) テロリストの細胞
Under Pressure
社会ネットワーク 2007年5月4日
23(60) 投資ファンドの幻想
Money For Nothing
貪欲法最良優先探索 2007年5月11日
24(61) 選ばれた二人
The Janus List
Merkle-Hellmanナップサック暗号チェスボードの問題ストランディング暗号表
換字式暗号ベーコンの暗号ナップザック問題ローレンツ力
2007年5月18日

第4シーズン

NUMBERSの第4シーズンは、北米では2007年9月28日から始まった。 本シーズンは2007–2008 全米脚本家組合ストライキの影響で、12話を放映した後、2ヶ月半放送中断をし、再開後、6話を放映した。 そのため、第2、第3シーズンに比べ、全18話と少なめになっている。

  • ()括弧内は通算放送回
放送回 題名 使用された理論 アメリカの放送日
1(62)
Trust Metric
2007年9月28日
2(63)
Hollywood Homicide
2007年10月5日
3(64)
Velocity
2007年10月12日
4(65)
Thirteen
2007年10月19日
5(66)
Robin Hood
2007年10月26日
6(67)
In Security
2007年11月2日
7(68)
Primacy
2007年11月9日
8(69)
Tabu
2007年11月16日
9(70)
Graphic
2007年11月23日
10(71)
Chinese Box
2007年12月14日
11(72)
Breaking Point
2008年1月11日
12(73)
Power
2008年1月18日
13(74)
Black Swan
2008年4月4日
14(75)
Checkmate
2008年4月11日
15(76)
End Game
2008年4月25日
16(77)
Atomic No. 33
2008年5月2日
17(78)
Pay to Play
2008年5月9日
18(79)
When Worlds Collide
2008年5月16日

第5シーズン

NUMBERSの第5シーズンは、北米では2008年10月3日から始まった

  • ()括弧内は通算放送回
放送回 題名 使用された理論 アメリカの放送日
1(80)
High Exposure
2008年10月3日
2(81)
The Decoy Effect
2008年10月10日
3(82)
Blowback
2008年10月17日
4(83)
Jack of All Trades
2008年10月24日
5(84)
Scan man
2008年10月31日
6(85)
Magic Show
2008年11月7日
7(86)
Charlie Don't Surf
2008年11月14日
8(87)
Thirty-Six Hours
2008年11月21日
9(88)
Conspiracy Theory
2008年12月5日
10(89)
Frienemies
2008年12月19日
11(90)
Arrow of Time
2009年1月9日
12(91)
Jacked
2009年1月16日
13(92)
Trouble In Chinatown
2009年1月23日
14(93)
Sneakerhead
2009年2月6日
15(94)
Guilt Trip
2009年2月13日
16(95)
Cover Me
2009年2月27日
17(96)
First Law
2009年3月6日
18(97)
12:01 AM
2009年3月13日
19(98)
Animal Rites
2009年4月10日
20(99)
The Fifth Man
2009年4月24日
21(100)
Disturbed
2009年5月1日
22(101)
Greatest Hits
2009年5月8日
23(102)
Angels and Devils
2009年5月15日

プロダクションノート

参考文献

  1. ^ Hollywood Math and Science Film Consulting”. 2006年4月26日閲覧。
  2. ^ Keith Devlin. “NUMB3RS gets the math right”. 2006年5月7日閲覧。
  3. ^ Math Puzzle.com”. 2006年4月27日閲覧。
  4. ^ Silverberg, Alice (November 2006). “Alice in NUMB3Rland”. FOCUS 26 (8): 12-13. http://www.maa.org/pubs/nov06focus.pdf. 
  5. ^ We all use math everyday Math Education Program”. 2006年6月24日閲覧。
  6. ^ Mahan, Colin. “Voila! CBS renews 14 shows at once”. TV.com. http://www.tv.com/numb3rs/show/25043/story.html?story_id=3543&tag=headlines;title;1 2005年6月7日閲覧。 
  7. ^ "Numb3rs (2005)”. 2006年5月7日閲覧。
  8. ^ Official Numb3rs website”. 2006年5月13日閲覧。
  9. ^ Arts and Crafts by the 'Numb3rs' by Christy Hobart, Special to The Times Los Angeles Times, February 17, 2005

外部リンク