ウルトラマンG
『ウルトラマンG』(ウルトラマングレート)は、円谷プロダクションが、オーストラリアで制作した特撮作品。英題「ULTRAMAN TOWARDS THE FUTURE」。全13話。
概要
円谷英二没後20周年記念として制作され、メロスは除けば実写のウルトラマンは『ウルトラマン80』以来10年ぶりで平成になってから最初に製作されたウルトラ作品である。京本政樹が日本語版主演、命名、番組のPRなど深く関わっており、ウルトラマンのスーツも京本の「西洋人の素晴らしいスタイルなら身体の線が出る衣装の方が良い」という提案により従来のウエットスーツではなくレザースーツを採用したがNGになり、独自のスーツになっている。
企画当初は「新ウルトラマン」という仮題で日本国内制作によるTVシリーズで進められていたがペンディングとなる。一方円谷プロではオーストラリアを舞台とした別企画がペンディングとなっていたが、当時のVシネマブームを踏まえ両企画を統合しオーストラリアで6話完結のビデオオリジナルのウルトラマンを制作することとなる。その後海外での販売を考慮し7話追加の1クール構成となる。
日本のウルトラマンと比較して、グレートや怪獣の大きさがビルの高さより低いが、 この事が逆にウルトラマンや怪獣の巨大感を表す結果となっている。また、戦い終わったグレートが飛び去る場面を真下から映す等、今までとは少し違った切り口の特撮場面が見られる。
第1話冒頭の、人類の知らない所でのグレートの戦いを描く等、ウルトラマンの神秘性を前面に出すため[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。それまでのウルトラ兄弟の存在は主題歌の2番に示されているのみで本編中では語られておらず、UMAがウルトラマンを当初仲間と認めず攻撃するなど、本編中では他のシリーズ作品とのつながりは描写されない[1]。が、設定上では[2]グレートもM78星雲・光の国のウルトラ戦士であり、宇宙警備隊の隊員とされている。このような設定の曖昧な点は『ウルトラマンパワード』、『ウルトラマンネオス』でも見られる。 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では[3]宇宙警備隊の隊員としての姿が描かれた。
当初、グレートはゴーデス細胞が生み出した怪獣と闘っていた。登場する怪獣の中には、ゴーデス細胞に取り憑かれているだけで元々は無害な怪獣もいて、そのような怪獣は倒されずに終わることもありグレートが倒した怪獣の数は9体とカウントされており、他のウルトラ戦士と比べると少ないのも特徴的である。第7話以降は、従来のウルトラシリーズと同様に宇宙からの来訪者や環境破壊が原因で出現した怪獣などと闘った。この内容の変化は、元々ゴーデス編のみで進んでいた企画が製作開始前に延長された為である。
日本側文芸スタッフには『ウルトラマンティガ』以降のメインスタッフが多数参加しており、設定や作風などはそれら作品に通ずるものがある。
アーサー・グラント隊長の吹き替えには小林昭二、ナレーター(第6話まで)には藤岡弘と、過去の特撮ヒーローにゆかりのある俳優が起用されている。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ストーリー
宇宙飛行士のジャック・シンドーとスタンレー・ハガードは、火星探検中に宇宙生命体ゴーデスと遭遇する。その時、突如2人の前に銀色の巨人・ウルトラマングレートが現れ、ゴーデスと戦闘を始める。その戦闘中にジャックは負傷し、油断したグレートは気を失ってしまう。その隙に、ゴーデスはスタンレーの乗っていた探査船を破壊してしまう。再び気を取り戻したグレートはゴーデスを倒し、ジャックと一体化するのであった。
ジャックはグレートに救われ、地球に帰ってきた。しかし、火星で倒したはずのゴーデスの細胞・ゴーデス細胞に取り付かれた生物が怪獣化し、地底からブローズとなって現れた。ジャックはグレートに変身し、これを倒した。
その後、ジャックはUMAに入隊。ジャックの前に現れたのは、火星で生死不明となっていたスタンレーだった。ジャックはスタンレーがゴーデスに取り付かれている事を知る…。
キャラクターとしてのウルトラマングレート
邪悪生命体ゴーデスを追って太陽系にやってきたM78星雲・光の国の戦士。ゴーデスの本体(肉体)は火星で殲滅したものの、その微量な細胞が地球に逃れたため、宇宙船を破壊されて地球に帰還する方法を失った宇宙飛行士ジャック・シンドーと同化(一体化)して地球にやってきた。
戦闘能力は非常に高く、一度に3体の怪獣を相手に戦えるだけの戦力・体力をもつ。歴代ウルトラ戦士の中でも長身のもち主で、そのスマートな肉体から生み出されるパワーは圧倒的であり、並の怪獣なら瞬殺することができる。光線技も多くもち合わせ、その威力はどれも強力で、肉弾戦と併用して強大な効果をもたらす。肉弾戦では拳法のような技を使用する(スーツアクターが極真空手の有段者だったため、それが活かされた)。鉄塔などの周辺の物体で殴打したり、コンテナなどを相手に向かって投げたりすることもある(この戦法は歴代ウルトラ戦士にはあまり見られない)。対バイオス戦では、ウルトラシリーズ唯一の頭脳戦と言える早撃ち(連射)による対決を披露している。
大気汚染が激しい地球上では、その巨体を約3分間しか保つことができない。カラータイマーの点滅音には、警報音の様な音がエコーでかかる(原語版のみで、吹き替え版では初代ウルトラマンの物と同じ音に変わっている)。
ジャックはカラータイマーを模したペンダント〈デルタ・プラズマー〉で精神を統一してグレートに変身する。ただし、この変身は一時的に瞑想状態にならなければならないため、歴代ウルトラマンの中で最も隙が多いという弱点がある。第1話ではUMAに攻撃された事もあり、第9話ではデルタプラズマーを使ってバイオスと直接話した。また、第12話では海の中に飛び込んで変身するというイレギュラーな変身スタイルをとった。ジャックとは別々の人格を持っており、会話もできる。両者の目的が必ずしも一致しないような描写も見られたが、グレートはジャックの危機を救い、ゴーデスIIとの戦いではジャックにグレートが救われた事もあり、ジャックとグレートは強い絆で結ばれている。最後は、正体がばれないようにひっそりとジャックと分離し、核ミサイルの核エネルギーを吸収しており危険な状態のシラリーと共に宇宙へ帰って行った。
ウルトラマングレートの能力
現地のスタッフは、ウルトラマンの各種光線技は必要に応じて形を変えて発動しているだけで全て同一の技と解釈していた。以下の設定は日本側のスタッフが決定したものである。
- バーニングプラズマ
- 空間の一点にエネルギーを集中させてウルトラの国のプラズマスパークと同じエネルギーを生み出し、高熱火球ウルトラストゥリングを発生させて敵にぶつける。一度の戦いで3発まで連射が可能。設定ではグレートの主要必殺技であり、最強技とされているが、本編での使用は第1話でゴーデスとブローズに対して使ったのみである。1発目は邪悪大怪獣の動きを止めるのに使用し、続けて放つ2発目で止めを刺す。一部ではコダラーにも使ったと言われているが、コダラーに使ったのは後述のスタービームである。ゲーム版では怪獣を倒すのに必要な最強技に指定され本編とは違い一発で敵を倒すことができる。
- マグナムシュート
- 敵の放つ炎、冷気、光線等を受け止め、凝縮して撃ち返す。ギガザウルス、ゲルカドン、デカンジャを倒した。第12話ではコダラーに撃ち返されたスタービームをさらに撃ち返したが、コダラーがそれを増幅して更に撃ち返し、グレートはそれを受け切れずに敗北する事になった。(2009年時点、撃ち返した炎はウルトラシリーズ最大の火力(関連書籍))
- ナックルシューター
- 精神波を光線に変えて拳から放つ。両手から同時に発射する事も、連射する事も可能。主に牽制に使う。
- グレートスライサー
- 腕から刃状のエネルギーを発生させて敵を切り裂く。マジャバ(雌)の腕を切り落とした。左右どちらの腕からでも発生させられる。
- ディゾルバー
- 両拳を縦に突き出して放つ原子破壊光線。ギガザウルスの死体を分解して土に還した。第1話では倒したゴーデスを分解するために使ったが、ゴーデスは細胞単位で地球に逃走してしまった。第6話ではゴーデス(第2形態)に拳をつけた状態で使ったが、無効だった。
- トライアングルシールド
- 三角形のバリヤーを張る。対ギガザウルス戦で使用。
- アロービーム
- 弓を引くようなポーズから放つ光の矢。バランガスを倒した。
- フィンガービーム(ダブルフィンガービーム)
- 揃えた人差し指と中指の先から連射するナイフの刃状の光線。両手から同時発射する事もできる。ゴーデス(第2形態)やガゼボに使った他、マジャバの卵を焼くために使った。また、両手撃ちを5連発、計10発当てる事でバイオスを倒している。
- ディスクビーム
- エネルギーを円盤状に凝縮して投げつける。連射も可能。バランガスにダメージを与え、マジャバ(雌)を倒した。一部の文献では、この技の名前をトライアングルボンバーと記載している。
- ナックルボルト
- 右拳から電流を放つ。ブローズに使用(映画版のみ)。
- パームシューター
- 掌から放つナックルシューターの強化技。左右交互に出せる。デカンジャやUF-0に使った他、最終回ではダブルグレートスライサーで致命傷を負ったシラリーに密着状態で発射してとどめを刺した。
- スタービーム
- 両掌を交差させて星の形を作り、そこに星型光弾を発生させて投げつける。ガゼボ、コダラーに使用。一部の文献では、この技をディスクビームと記載している。
- ダブルグレートスライサー
- グレートスライサーを両腕に発生させる、二刀流のグレートスライサー。シラリーに4連続で斬り付けて致命傷を負わせた。
- 透視光線
- 両目から放つ光線で、隠れた敵を探し出す。バランガスとの戦いで使われたことになっている。
- 青く身体を発光させ回転する技(名称不明)
- 身体を青く発光させ、回転する。ゲルカドンに使用(映画版のみ)。
登場人物
UMAメンバー
- ジャック・シンドー隊員
- 26歳。元オーストラリア宇宙開発公団の惑星調査員で、火星探査中に遭遇したゴーデスに宇宙船を破壊されるが、グレートと同化して地球に帰還し、UMAに入隊する。怪獣対策においては人命を第一に考えその為ならば怪獣の排除も止むなしと判断する他の隊員に対し、科学者の立場から安易に倒す事を嫌い反対する。ただし割と筋肉質で、行動も伴うアクティブな科学者。グレートとの会話を人に聞こえている状態でしたり(他人にはグレートの声は聞こえないので傍目からは独り言同然)、グレートを介して得た知識に関して「なぜそんなことがわかるのか」と問われても曖昧にはぐらかす事が多い。その為当初は半ば変人扱いで、数々の任務のうちに信頼は得たものの最後まで仲間に発言が理解されない場面も多々あった。
- アーサー・グラント隊長
- UMA南太平洋支部の隊長で54歳。アーサー基金という大資本のオーナーでもあり、何かを知っていてもあえて隊員に伏せていたりするなど一筋縄では行かない人物。
- ロイド・ワイルダー副隊長
- UMA南太平洋支部の副隊長で31歳。専門的な軍事訓練の経験者で、軍人らしく忠実に職務をこなすが少々頑固なところがある。一部の子ども向けムックでは、元ARMYと記載されている。
- ジーン・エコー隊員
- 23歳。元宇宙開発公団のエンジニアで、ジャックの高校時代の後輩でもある。科学者としてジャックに近い立場をとる事が多く、ジャックのことを想っている。第5話では、ゴーデス細胞に侵されてしまうも救われる。第12話ではグレートがコダラーに敗れた後、ジャックが使っていたアイクのサングラスが落ちているのを発見し、グレートとジャックが同一人物だと気付いたように描かれている。唯一肉親の設定が付けられている。
- チャールズ・モルガン隊員
- 考古学と生物学の博士号を持つ26歳の天才で、分析などが主な仕事。大食漢でジョークが多く、軽口が過ぎることもよくあるが根は真面目。最終話の前後編では衛星の修理の為に宇宙へ上がる。
- キム・シャオミン隊員
- メインパイロットとして養成されたエリート隊員で25歳。活発でさばさばとした姐御肌な性格。チャールズやロイドと一緒に出撃する機会が多く、元孤児で子どもに優しい。
ARMY
オーストラリア軍。UMAとは縄張り争いなどで色々と対立する事が多い。
- ブリューワー
- ARMYの将軍。軍人気質の塊で強引な部分が目立ち、アーサー隊長と対立する事が多い。ウルトラマンに頼らない姿勢と自分が死ぬのを承知で核攻撃を求めており、地球を守る使命感は強く悪人と言う訳ではないが、ことごとく力押しの作戦が多く、結果的に成功した作戦はない。
- アイク・ユベロス
- ARMY情報部所属。UMAに対して嫌味な態度で接する。上の命令を絶対としていたが、第6話でゴーデスへの核攻撃が決まった際には命令に逆らった。また12話では職務怠慢で警備員に降格され、被災者の貧窮に時計と引き換えに貴重な食料を与えたり、難民となった市民の味方につくも、最終的に彼らを救う為の行動を果たす。
UMA
UMA(ユーマ)とは、Universal Multipurpose Agencyの略で、異常気象や超常現象などの調査・対応のために国家枠を超えて結成された国際的軍事組織である。科学の平和利用が使命であり、ノーベル賞級の科学者が大勢メンバーとして参加している。アメリカに本部があり、シベリア、日本海、インド、南太平洋(オーストラリア)、南アフリカ、イギリスなど、世界各地に12の支部が置かれている。アーサー基金を擁する南太平洋支部が最大であるが、その維持のために寄付金集めのパーティーも行なわれる。
UMA憲章により、どこかのUMA支部が一部の国家や軍人に占拠された場合は自動的に発電システムが破壊されて基地の装備は使用不可能になる。復旧させるには全世界の12人の各UMA支部長の命令が必要である。
装備
銃器類・特殊装備
- UMAガン
- 隊員が装備する小型レーザーガン。怪獣との戦闘時などに使うが、威力は弱い。UMAに入隊する前のジャックも所持し、火星でゴーデスに対して使用した。
- ブラックランチャー
- UMAガンの数倍の威力があるレーザーライフル。白兵戦で効果を発揮する。
- パルスキャノン(タルサー砲)
- 破壊力が強く、連射も可能な大型パルスレーザー砲。サイクロプス2号に搭載されることもある。
- UMAヘルメット
- 高性能通信装置が内蔵された超硬質特殊樹脂製ヘルメットで、ハマー搭乗時のみに着用する。
- 無人深海探査機(ロボット)
- ロボットは劇中の呼称で、マジックハンドとカメラを装備したUMA唯一の水中メカ。深海でコダラーを発見し、古代の金属プレートを回収した。活動場面は全てカメラの主観なので、ジャック達の後ろに少しだけ本体が写るのみで全形は確認できない。
航空機・車両
- ハマー
- 全長:14.5m 全幅:10.5m 重量:7.1t 最高速度:マッハ5.5 乗員:2名
- ホバータイプの多目的超高性能小型ジェット戦闘機。朱色の機体で、分析機器やエキシマレーザー砲を搭載し、完全空中停止も可能。主に2機で出撃することが多く、基地内から遠隔操縦して無人飛行することもある。戦闘ヘリコプターとする資料もあり、円形の機体内部にはローターがあるとされる。ラジカセ搭載。
- サイクロプス(サルトップ、サルトプス)
- 3タイプ存在する超高速特殊自動車で、パトロールや戦闘、調査など目的に応じて使い分ける。各車共にマイクロコンピューターと高性能通信機を搭載しており、1号のみ車の上に警光灯が付いている。
- サイクロプス1号
- 全長:5.3m 重量:1.5t
- パトロールや追跡などに使う非武装の高速車両(三菱・ギャランがベース)。舗装された市街地などで主に使用され、隊員にプライベートでの使用も許可されている。
- サイクロプス2号
- パルスキャノンを搭載し、爆撃に強い車体を誇る戦闘車両。
- サイクロプス3号
- 非武装だが荒地も走行可能で、山間部の調査などに使う(2・3号共に三菱・パジェロがベース)。
登場怪獣
邪悪生命体 ゴーデス
第1話「銀色の巨人」に登場。
- 体長:83メートル
- 体重:12万7千トン
大脳丸出しのタコとナメクジのような下半身を持つ形態で、知的生命と思われるが生命体や惑星に憑依して融合する性質がある他は不明(一部では知性を持つレトロウィルスの集合体との説も)。火星にてグレートとの戦闘中にジャック達が乗って来た着陸船をムチ状の両腕で破壊した。バーニングプラズマをうけて倒され(倒れた時の映像はパペット用の人形)ディゾルバーで分解されるも、その細胞は無数の粒子(ゴーデス細胞)となり地球上に降り注いだ。
- アクション用着ぐるみとパペット用人形(口の形が異なる)の二つが存在し、後者はPV用映像に使用された。
邪悪生命体 ゴーデス(第二形態)
第6話「悪夢との決着」に登場。
- 体長:107メートル
- 体重:34万6千トン
地球上で地熱を吸収して復活した形態でかなり凶悪な面構えが特徴的である。地熱やミサイルの攻撃や戦闘機の爆発を吸収し、更に巨大に頑強になる。全てを融合して一つになろうとし、グレートの光線技を一切受け付けず、体内に捕獲するが、ジャックの意識に宇宙全てと融合した時ゴーデスが孤独になる事実を指摘され、動揺した所をグレートに体内から破壊された。
双脳地獣 ブローズ
第1話「銀色の巨人」に登場。
- 体長:72メートル
- 体重:9万4千トン
ゴーデス細胞が地球の生物と同化しようと試み、両生類と合体して誕生した。グレートの地球上での最初の対戦相手になった。1体に頭が2つあり、上が行動、下が思考を司る。イボからのガスと頭部の触手が武器で、触手から念力波を発射して敵をカプセル状の空間に閉じ込める。触手でグレートを捉え、ガスを浴びせて苦しめたが、最期はバーニングプラズマを受けて倒された。
- 『新世紀ウルトラマン伝説』にライブ映像で登場。
古代怪獣 ギガザウルス
第2話「凍てついた龍」に登場。
- 体長:120メートル
- 体重:14万9千トン
南極の氷山で凍結したまま眠りつつ、白亜紀以降も進化を続けていた古代恐竜ブロントザウルスが、ゴーデスの僕となったスタンレーの暗躍で復活させられた。長い間氷山の氷の中に閉じ込められていたために太陽の光を嫌い、日陰を求めてアイスガスを吐いて暴れる。ゴーデス細胞をも寄せ付けない強い生命力を持ち、最後はマグナムシュートでアイスガスを跳ね返されて凍らせられ、ディゾルバーで消滅させられた。
火炎飛龍 ゲルカドン
第3話「魅入られた少年」に登場。
- 体長:67メートル
- 体重:6万5千トン
ペットのガス(トカゲ)を失ったジミー少年の怨念と、アクミタワー建設現場から発見された爬虫類ゲルカドンの化石の残留思念にゴーデス細胞が憑依して誕生した。空を飛びながら高熱火炎を吐いて暴れ、実体化と消滅を繰り返してUMAを翻弄した。ゴーデスが生み出したジミー少年のクローンに、緑色に光る石でコントロールさせていたが、ジミーの意思にジャックがグレートを中継して説得し、クローンは消滅してゲルカドンはジミーと共にゴーデスの支配を逃れた。その直後、ジミーを乗せて何処かへと飛び去った。
- グレートに火炎を打ち返され(ここまでは事実)、爆死したと紹介する記述も一部にあるが、誤りである。
- 『新世紀ウルトラマン伝説』にライブ映像で登場。
風魔神 デガンジャ
第4話「デガンジャの風」に登場。
- 体長:89メートル
- 体重:7万4千トン
アボリジニーの伝説にある「地の怒りを伝える風の神」が、ゴーデス細胞の力でストーンサークル様の祭壇と共に風魔神として実体化した。黒い竜巻となって暴走し(伝承ではあくまで竜巻はデガンジャの使者でしかないらしい)、ハンターを襲撃した。その姿はハイウェーで轢死したタスマニアデビルなどの動物の姿だとも言われている。かなりの怪力の持ち主で、グレートをはね飛ばすほど強力な雷電光を放ってグレートと格闘した。最後はマグナムシュートで雷電光を跳ね返されて敗北、ゴーデスの支配を逃れ、砂漠に雨をもたらした。
- デザインモチーフはタスマニアデビルである。
- 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、百体怪獣ベリュドラの胴体を構成する怪獣の一体として姿が確認できる。
毒ガス幻影怪獣 バランガス
第5話「悪夢からの使い」に登場。
- 体長:79メートル
- 体重:12万9千トン
ゴーデスの使者となってUMAに侵入して暗躍していたジャックの友人のスタンレー・ハガードが操っていた怪獣で、正体を見破られた後で同化した。別名の通り、翼状の機関から毒ガスを撒く。物語冒頭に出現してスタンレーに倒されたように見せかけ、その後UMA南太平洋支部基地を襲撃した。スタンレー自身は火星でゴーデスに蘇生され、ゴーデスの僕として暗躍していた模様。神出鬼没で気体に変化して移動し、様々な場所に出現しては消え、グレートが油断した隙をついて押さえつけてガスを浴びせて苦しめたが、最後はアロービームで倒された。
- アロービームを受けて逃走し、その後ゴーデスに吸収されたという文献もある。
守護獣 ガゼボ
第7話「森の守護神」に登場。
- 体長:63メートル
- 体重:8万トン
古代の有袋類であったクロコフトロンの原型が怪獣化し、森の奥深くで生息していたが、人間の土地開発に伴う森林破壊に怒って現れた。巨大な爪と、象のような長い鼻を持ち、金属に敏感で、森に生えている毒キノコ(ある種の金属を溶解する)が苦手。また、体が硬い殻で覆われていて、外部からの攻撃を寄せ付けない。グレートとの戦いの末、最後は地中に戻されて再び眠りについた。
- SFCのゲームでは口から火を吐き、最期は原作と異なりバーニングプラズマで爆死している。
昆虫怪獣 マジャバ
第8話「姿なき復讐 -昆虫の叫び-」に登場。
- 体長:78メートル
- 体重:7万5千トン
オルガノPCBという農薬で怪獣化したイナゴ群の中でも特に巨大な個体で、オスとメスの2体いた。オルガノPCBが大好物で密造所を襲った。外見的にはカマキリに似た姿。両腕の鎌が武器で、鎌は雌雄で左右対称。口から黄色いガス(おそらく吸収した農薬あるいは化学物質)を吐く。オス、メス共にマッハ6で飛行する。メスは皮膚が硬くレーザーも効かない。オスはハマーのエキシマレーザーで倒され、メスと巣の卵はオルガノPCBの中和剤を浴びて倒された後、グレートのディスクビームで消滅させられた。
電脳植物(プラント) バイオス
第9話「バイオス計画 -植物都市-」に登場。
- 体長:80メートル
- 体重:9万9千トン
宇宙から来た植物が、サザン大学の超高性能コンピューターと融合して誕生した。クランクスタイン博士のバイオ空間計画に目をつけ、大学構内のバイオ空間(人工環境)を支配していた。汚染された地球の大気を浄化する為に全人類の処理を企て、「ベゴイド」という自分の作り出した酸素でしか生きられない様に改造した学生と蔦を手足の様に使っていたが、UMAに正体を知られロボットのような姿になって大学の施設を破壊し巨大化した。音楽を好み、目から強力な電撃ビームを出し、胸部には高圧電流が流れている。計算速度に長ける為、グレートに早撃ち勝負で挑んだが、フィンガービームを受けて敗れた。
変身生命体 リュグロー
第10話「異星人狂奏曲(エイリアンラプソディー)」に登場。
- 体長:120メートル(巨大化時)
- 体重:13万2千トン(巨大化時)
自分の星を追われ、妻のベロニカ・アレイと共に流星となって地球に飛来した。一定の形を持たない異星人の旅人で、地球人女性の姿になって地球人と積極的に関わろうとする妻に対し、リュグローは地球人を嫌って車に変身していた。ハンバーガー店を開いて働く妻のベロニカと親しくするチャールズ隊員に嫉妬し、彼を妨害する。ベロニカの正体が軍にばれて包囲されたため巨大化。赤い後鰓類に似た姿で、三日月状の角と鎌状の爪を持つ。角からのビームと瞬間移動を駆使してグレートと戦うが最後は和解し、以後はチャールズ隊員そっくりの姿(ロイド・モーリス)に変身して妻と共に暮らした。
- 頭部と脚部、尾部の鎌は日本側シナリオで鎌状のビームを出す設定にちなんだデザインであった。なお、鎌状では無いものの、ビームを発射することは出来る。
変身生命体 ベロニカ
第10話「異星人狂奏曲(エイリアンラプソディー)」に登場。
- 体長体重共に不明(リュグローと違い、怪獣に変身していない為)
夫のリュグローと共に地球に飛来した異星人。人類文明が破滅に向かう事に懸念しつつも、地球人を愛しており、破滅に向かう地球人を劣った存在と看做す感情的な夫リュグローに対しては、フォローに回る描写が目立つ。当初、若い女性の姿であったが、正体がばれた後は老女の姿で隠れていたものの、胸元のチャールズから貰ったバッジから足がつき、軍へ通報された。UMAに保護されそうになったが、それも牢獄も同然と断った。事件の後は夫と地球でひっそりと暮らしている。
- 正体は流星状の生命体である為、その形態は光学合成によるものとなる。
円盤生物 UF-0 (ユーエフ.ゼロ)
第11話「第47格納庫」に登場。
- 体長:15~180メートル
- 体重:1万2千~18万4千トン
軍が第47格納庫に異星人の宇宙船として保管していたが、自らの野望実現の為に地球環境保護を訴えるテロリストの学者ノルバーグ(円盤の量産を考えていた)が強奪し、グラント隊長への恨みからUMA基地を攻撃させる。ノルバーグを吸収して巨大化し、円盤生物の正体を現す。小さな宇宙船から巨大な蟹のような姿に変貌し、グレートに彼より遥かに巨大な威容で迫って金縛り光線で捕縛するが、最後はグレートの反撃を受けて宇宙へ逃走した。宇宙船に擬態した生物であり正体は巨大な宇宙蟹であった。
- 『ウルトラマンレオ』に登場したブラックスターの円盤生物との関係は不明。前述の通り『レオ』と『G』の世界観の関係も曖昧である。しかし、偶然なのか意図的なのかこのUF-0もレオに登場した円盤生物と同様に海洋生物に酷似した形態となっている。
- 本編では「円盤生命体」とされている。
伝説深海怪獣 コダラー(クダラ)
第12話「その名は"滅亡(ほろび)" -伝説2大怪獣登場-」、第13話「永遠(とわ)なる勇者 -伝説2大怪獣登場-」に登場。
- 体長:62メートル
- 体重:9万4千トン
深海で眠っていたが、人間の環境破壊が原因で謎の藻と共に復活した「深海に閉ざされし者」。滅びの伝説が記された古代のディスク状プレートを持つ者を狙う。謎の藻はコダラーの鰓で共生しており、オーストラリア近海を死の海に変えた。背中の甲羅を水上に出して海を猛スピードで泳ぐ。海洋哺乳類(特にネズミイルカの仲間-Porpoiseに似る)のような容姿をしている為か、海での戦いは得意だが陸上では動きが鈍い。怪力で、パンチ攻撃が得意。両目や手から電撃球を放ち、光線や装甲貫通弾を含めたあらゆる攻撃を吸収する。また、吸収した光線を2倍に増幅して跳ね返すことも可能。
- 第12話
- 海から現れてグレートと戦い、グレートの打撃攻撃や鉄塔の殴打もあまり通じず、グレートのスタービームを跳ね返し、それを跳ね返したマグナムシュートをさらに跳ね返してグレートを倒す。これによりグレートはエネルギーを使い果たし、時空の狭間に落ちて残り1回しか変身できない状態となった。13話の冒頭でジャックは浜に打ち上げられていた。
- 第13話
- オーストラリアの町に現れてから山岳地帯に向かい、宇宙から飛来したシラリーと合流し、再びグレートと闘う。UMAがタルサー砲に装備した古代のディスク状プレートに自らの光線を2度跳ね返され、エネルギー過剰になって爆散した。
- 名前の由来は百済からで、元々の名前はクダラだったがクレームにより公開後に変更された。
- 日本側シナリオ段階では伝説二大怪獣を生み出して封印したのは太古のM78星雲人だった。
- OPの動画とSFCのゲーム内容で誤解されやすいが、グレートには倒されていない。
伝説宇宙怪獣 シラリー(シイラギ)
第12話「その名は"滅亡(ほろび)" -伝説2大怪獣登場-」、第13話「永遠(とわ)なる勇者 -伝説2大怪獣登場-」に登場。
- 体長:120メートル(四足歩行形態時85メートル)
- 体重:8万2千トン
コダラーの仲間で、環境破壊を行う人類の滅亡を望む地球の意思に呼ばれ、宇宙の彼方からやってきた「天空に追放された者」。両腕と目からレーザー光線を放ち、口から高熱火炎を放射する。
- 第12話
- コダラーがグレートを倒してからまもなくして、物語のラストで宇宙から地球に向かう。
- 第13話
- 1週間かけて地球に向かっている途中、大陸間弾道ミサイルで成層圏に入る前に総攻撃されるが、核爆発のエネルギーを全て吸収してしまった。地球に飛来し、各地を蹂躙したのちにコダラーと合流してグレートと闘うが、コダラーがUMAに倒された後は単体でグレートに挑んだ。レーザー光線と火炎放射でグレートを追いつめるが、止めの長い嘴での攻撃を外した一瞬の隙をつかれ、ダブルグレートスライサーで首を切り裂かれ、怯んだ所にパームシューターを至近距離で当てられて倒された。しかし核爆発のエネルギーを吸収している為そのまま地球に放置しておくことは危険だった事から、グレートはジャックと分離して残骸を宇宙に運んだ。
- 名前の由来は新羅からで、元々の名前はシイラギ(あるいはシラギ)だったがクレームにより公開直後に変更された。
作品リスト
話数 | サブタイトル | 英題 | 英題の日本語訳 | 登場怪獣・宇宙人 |
---|---|---|---|---|
1 | 銀色の巨人 | Signs of life | 生命の兆候 |
|
2 | 凍てついた龍 | The hibernator | 冬眠するもの |
|
3 | 魅入られた少年 | The child's dream | ある子供の夢 |
|
4 | デカンジャの風 | The storm hunter | 嵐を追い求める者 |
|
5 | 悪夢からの使い | Blast from the past | 過去からの風 |
|
6 | 悪夢との決着 | The showdown | 最終決着 |
|
7 | 森の守護神 | The forest guardian | 森の守護神 |
|
8 | 姿なき復讐 -昆虫の叫び- | Bitter harvest | 皮肉な結果 |
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9 | バイオス計画 -植物都市- | The biospherians | 生命圏人達 |
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10 | 異星人狂奏曲(エイリアンラプソディー) | Tourists from the stars | 星からの旅行者 |
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11 | 第47格納庫 | The survivalists | 生き残るもの |
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12 | その名は"滅亡(ほろび)" -伝説2大怪獣登場- | The age of plagues | 災難の時代 |
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13 | 永遠(とわ)なる勇者 -伝説2大怪獣登場- | Nemesis | 天罰 |
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映画
両作品とも1990年12月15日公開。日本語吹き替え版で上映。
後に発売されるビデオ版に先駆けて上映。本編でビデオ合成処理されていた光線技やグレートの巨大化場面などが日本で新規に撮り足された。また、第1話のハマー墜落場面や一部のナレーションなど、劇場版のために新撮された部分もある。『ゴーデスの逆襲』で第2・3話の出来事がほぼ同時に起こった様になっているのは、本編の脚本の段階でそのように設定されていたからである。
劇場公開時とビデオでの完全版(海外公開版)はOPなども異なるほか、タイトルが『ウルトラマン』で"G"がつかない。コロムビアから当時発売された交響楽集のビデオにそのタイトルがNG映像と共に収録されている。
- ウルトラマンG ゴーデスの逆襲
- 第1・5・6話を中心に一部第2話の場面を交えて再編集した劇場版。
- ビデオの完全版は、第1~3・5・6話を再編集。
- ウルトラマンG 怪獣撃滅作戦
- 第7・10・12・13話を再編集した劇場版。
- ビデオの完全版は、第4・7・10・12・13話を再編集。
ビデオ発売
テレビ放映
主題歌
出演・声の出演
- ウルトラマングレート/ジャック・シンドー隊員:ドーレ・クラウス:京本政樹
- アーサー・グラント隊長:ラルフ・コトリール:小林昭二
- ロイド・ワイルダー隊員:リック・アダムス:山寺宏一
- チャールズ・モルガン隊員:ロイド・モーリス:柳沢慎吾
- キム・シャオミン隊員:グレース・パー:平野文
- ジーン・エコー隊員:ジーヤ・カリディス:榊原良子
- ウルトラマングレート:スティーブ・アップス、ロバート・シンパー
- ウルトラマングレート(声):岡部政明 *戦闘中の掛け声は初代ウルトラマンの流用。(海外版では加工されている)
- 怪獣:マイク・リード、ジョニー・ハーリディ
- ナレーター:日本語版…藤岡弘(第1~6話)、内海賢二(第7~13話)、玄田哲章(次回予告)、原語版…ジョン・ボネー
主なゲスト出演者
スタッフ
- 制作:ウルトラマン制作委員会、円谷プロダクション
- エグゼクティブプロデューサー:円谷皐
- プロデューサー:鈴木清、スー・ワイルド
- 音楽プロデューサー:玉川静
- SFXコンサルタント:高野宏一
- 原案:会川昇、宮沢秀則、小中千昭、遠藤明範、鈴木智
- 監督:アンドリュー・プラウズ
- シリーズ構成:テリー・ラーセン
- 撮影監督:ポール・タルウィッツ
- 特殊技術:ポール・ニコラ
- 格闘場面監督:ケン・アーリッジ
- 音楽:風戸慎介
日本語版スタッフ
- プロデューサー:島田十九八
- 音響監督:山崎宏
- 製作:プロダクションゆーりか
映像ソフト化
ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)とLD(セルのみ)が全話リリースされた。字幕版と日本語吹き替え版がある。
DVD化
日本では2010年現在、本作のDVD化の情報は無い。
海外においては英語音声のみのDVDが生産・発売されている。
ウルトラシリーズでの客演
- ウルトラマンキングの誕生日を他のウルトラ戦士と共に祝福する。
- 大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE
- 宇宙警備隊の隊員としてグレートが登場。主に同じ海外作品の『ウルトラマンパワード』、『ウルトラマンUSA』のウルトラチームと一緒にいる場面が多い。ウルトラマンべリアルとの戦いにも参加した。
漫画
いずれもコミカライズ作品。
- 講談社 テレビマガジン版
- 『テレビマガジン』1990年10月号から1991年11月号まで連載された、漫画家・島本和彦によるコミカライズ作品。作中での呼称は「グレート」ではなく、一貫して「ウルトラマン」となっている。
- 最終エピソードの第13話、第14話ではグレートが死亡し、その肉体にジャック・シンドーの魂が宿るという大きな変更がある。
- 単行本は徳間書店から発売。初版発行日:1993年3月20日。ISBN 4198330328
- 月刊ヒーローマガジン 付録版
- 森藤よしひろによるコミカライズ作品。
続編企画
平成最初のウルトラマンとして製作された本作には続編企画が複数存在したが、いずれも実現に至らなかった。
- 日本編劇場版
- 日本を舞台にした劇場用新作。1991年暮れ公開予定とされていた。
- 第2シーズン(第14話以降、日本サイド案)
- 新シリーズ案として、シノプシス集が会川昇によりまとめられている。第14~17話は「バルタン星人編」として、地球へ来襲したバルタン星人に合体巨大化して立ち向かうリュグローとヴェロニカ夫妻の危機に、グレートが帰還するという展開で、ウルトラ兄弟の客演も検討されていた。
- バルタン星人のデザインも吉田穣によって描かれており、通常の個体の他にトライポッドのような3本足のバルタン星人も描かれている。
- 第2シーズン(第14~27話、オーストラリアサイド案)
- テリーラーセンによる第2シリーズ案。詳細不明。
その他
- 「グレート」の日本名は京本政樹の命名による。オーストラリアのグレートバリアリーフから命名したとの事。本作はウルトラマンのマニアとしての京本が円谷プロと親交が深くなった時期に制作され、日本語版ではプロデュース部分に京本の意見を取り入れた部分が多かった。
- 脚本を担当した会川昇は、第1話冒頭の火星でのグレートとゴーデスの戦いについて、「内山まもるの漫画で描かれた人類が知らない宇宙でのウルトラマンの戦いの描写に影響された」とコメントしている。
- グレートの必殺技は「バーニングプラズマ」だが、日本側脚本段階では「バーニング・マスアクション」というマイクロブラックホールをぶつける技であり、初期の媒体ではその初期設定が記されている。最終話でも脚本ではバーニング・マスアクションが使われ、コダラーに跳ね返されて、ジャックがブラックホールから異次元へという展開であった(コダラーがバーニングプラズマを跳ね返したという表記も、初期設定の名残である)。
- 特撮場面の多くは、オーストラリアの地の利を生かしてオープンセットで自然光下で撮影で巨大感を表現していた。ミニチュアワークの細かさやコダラー出現時の波の表現など、以後の作品では見られないような迫力ある場面が多かった。そんな中でも、円谷プロが旧来の作品で用いた「木や建物越しのアングル」はこの作品でも多用されている。これはSFXコンサルタントにあたった高野宏一の影響が大きい。だが撮影当初、現地スタッフからは「手前に物があったらぼやけてしまうではないか」と高野の意図がなかなか理解されず、完成した映像を観てようやく納得してくれたという。
- 一方、ビデオ合成処理された部分は切り貼りしたような印象のある不自然なカットが目立ち、劇場版ではオプチカル合成に直されている。ただし、劇場版の対ゴーデス、バランガス、シラリー&コダラー戦(シラリー、コダラーのみビデオ版にも使われた)で敵を殴る度にスパークが走る場面のように、簡便に合成できる点を生かした意欲的な部分もあった。
- 本作以後の円谷プロ作品とオーストラリアの関わりとしては、『ウルトラマンゼアス』のコッテンポッペとベンゼン星人のスーツがオーストラリアで造型された事例がある。
- バンクフィルムの一部が『ウルトラマンティガ』最終章で流用されている。
- 『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』に登場した朽ち果てた巨人の石像の中にウルトラマングレートそっくりの石造があった。
- アトラクション用のグレートのスーツが『ウルトラマンティガ』のイルドに改造されている。
- スーパーファミコン版の『ウルトラマン』をベースとしてSuper Nintendo Entertainment System(海外版スーパーファミコン)用のゲームソフトが発売されている。登場する怪獣はGudis(ゴーデス)、Bogun(ブローズ)、Degola(デガンジャ)、Barrangas(バランガス)、Gudis II(ゴーデス第2形態)、Zebokon(ガゼボ)、Majaba(マジャバ)、Kodalar(コダラー)、Killazee(シラリー)の9体。日本では未発売。
- 1992年に本作はアメリカのケーブル系でリピートを含む一年間の放映が行われ、かつて『ウルトラマン』を放映した時よりも高い視聴率を記録した。
- 島本和彦の漫画版に昭和のウルトラシリーズの怪獣が登場しているとの情報がネット上で流布した事があったが、事実ではない。
参考資料
脚注
- ^ 『マン』~『80(エイティ)』の世界観を扱った『ウルトラマンメビウス』でもグレートの存在について触れられていない。
- ^ 円谷プロダクションが監修した講談社まんが百科7「ウルトラマンひみつ大百科」その他の当時の関連書籍では『ウルトラマンパワード』とともに旧シリーズと設定上の世界観が繋がっていることが明確にされていた。
- ^ 同映画パンフレット坂本浩一監督のインタビュー参照、なお当初は登場予定はなかったが「設定上さしさわりないなら出したい」というスタッフの意向で他のパワードやチャックらと共に登場することとなった。
関連
TBS 土曜17時台後半 | ||
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