価格
商品の取引で提示される金額
価格(かかく)とは、有形・無形の各種の商品(サービスを含む)の取引に際して提示される金額をいう。基本的には需要と供給のバランスによって決定される。一般には、値段(ねだん)とも呼ばれ、サービスについては料金(りょうきん)ということもある。
価格の種類
価格は、基本的に商品の需要と供給によって決まる物であるが、価格に決定の仕方によっていくつかの種類がある。
- 市場価格
- 市場で現実に成立する価格で、需要と供給の変動によって上下するが、長期的には生産価格に一致する傾向がある。例として、株式市場における株価などがある。
- 統制価格
- 政策上の必要から国家によって統制される価格で、公共料金などがこれにあたる。例としては、交通機関の運賃などがあげられる。
消費者の購買心理に関する価格
価格と物価
ミクロ経済学におけるP(価格)とマクロ経済学におけるP(物価)は、前者は財の相対価格を表すものであるのに対し、後者は単に物価水準を表しており、根本的に別の概念である。
つまり、「マクドナルドのハンバーガーが値下がりした」というのはミクロ経済学において価格の下落として認識されるが、「現在経済はデフレの傾向にある」という時には、財の相対価格は変化していないので、ミクロ経済学においてPの値は変わっていない。
物価の上下はミクロ経済学においては純粋に貨幣的な問題であるので、財市場とは何の関係もないのである。
価格と物価には次のような違いがある。
価格と効用
ある財が希少性(使いたい量に比べて使える量の少ないこと)を有しているとき、それに見合っただけの価格を、その財は有することになる(希少性のない自由財は価格をもたない)。とはいえ、ある財の価格が、それに見合っただけの効用(主観的な満足)を示していると考えることはできない。たとえばダイヤモンドと水を比べた場合、前者は希少であり価格が高いが、しかし効用はありふれた後者のほうが高い。このことを、アダム・スミスに由来する価値のパラドックスという。