疾走れ、撃て!
| 疾走れ、撃て! | |
|---|---|
| ジャンル | ラブコメ、軍事、魔法 |
| 小説:疾走れ、撃て! | |
| 著者 | 神野オキナ |
| イラスト | refeia |
| 出版社 | メディアファクトリー |
| レーベル | MF文庫J |
| 刊行期間 | 2008年6月 - |
| 巻数 | 既刊4巻 |
| テンプレート - ノート | |
『疾走れ、撃て!』(はしれ、うて!)は、神野オキナによる日本のライトノベル。イラストはrefeiaが担当。MF文庫J(メディアファクトリー)より刊行中。
ストーリー
世界に脅威をもたらす敵(日本ではその容姿から「ダイダラ」と呼ばれる)の存在に対応するために、中学校を卒業した者は学生兵士(通称「学兵」)として徴兵される近未来の日本。田神理宇は友人たちと共に厳しい訓練期間を過ごし、その期間も終了が近づいた頃、突然呼び出しを受ける。理宇に与えられた指令は、魔導士官・紫神虎紅の護衛士官になることだった。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
世界観
ベトナム戦争期以降、巨人による襲撃を受けるようになった世界。陸上には導柱(ペナント)と呼ばれる巨大な柱が発生し、そこから不定期に巨人が出現する。海中にも導柱は存在するが、こちらは魚型の生物が出現し、また待ち伏せをしすぐには襲撃を行わないこともあるなど陸上より厄介な敵である。 また魔法が存在するのも大きな特徴である。魔力を攻撃力へと変換・増幅する数式兵器およびその補助となる「杖」と呼ばれる契約者とともに魔法を操ることができる人間はその魔力に応じて魔導兵もしくは魔導士官として従軍している。 以下は日本以外の国についての描写が少ないため、主に舞台として描かれる日本について解説する。 ダイダラの襲撃を受けたために現実の日本とは異なる部分が多く存在する。政治体制については言及がないため正確には不明だが、戦いの始まった時期から考えても現実とほぼ同一のようである。経済力や生活レベルの面ではやや劣る程度であるが、物資不足は甚だしく、砂糖などの貴重な物資は代用品が用いられている。ただ医療技術をはじめ一部の技術は現実より進んでおり、一概に現実より不便な社会というわけでもない。大きく異なるのは軍事面で、国軍が存在し、徴兵制度に準ずる学兵制度が存在する。長年の戦いによる社会の歪みは大きく、いつ崩壊してもおかしくはないほどという。 国軍は陸海空の三軍が存在し、それぞれ中学を卒業した国民を男女とも徴兵する。戦前のそれ同様、大半は陸軍に召集され海空軍には志願者や優秀な人間が選抜される。戦時中ということもあり階級は戦功に応じて柔軟に昇級する模様。
登場人物
陸軍
- 田神理宇(たがみ りう)
- 本編の主人公。階級は陸軍少尉。当初は学兵として陸軍に配属されるが、虎紅直々の指名で七階級特進し彼女の護衛士官となる。
- 護衛士官となったことで初年兵ながら小隊長に就任。富士山麓で行われた演習にて実際にダイダラの襲撃を受け命の危機に陥るが、虎紅と「杖」の契約を結んだことで難を逃れる。この際の行動が命令違反として軍法会議にかけられるも、軍内ではこの際に挙げた戦果ゆえに評価は高い模様。
- 紫神虎紅(さきがみ こべに)
- 魔導士官。階級は陸軍少佐。見た目は理宇より年下だが、魔導士官はその戦闘力次第で階級が決まるため。
- 秋葉原で見初めた当初から理宇のことを意識しており、護衛士官として指名する。富士山麓での襲撃の際は理宇に自分をおいて部隊を撤退させよと命令するも、戻ってきた理宇と契約し生還する。以後ははっきり理宇に迫るようになり、ミヅキとは理宇を巡り犬猿の仲。
- 華社ミヅキ(はなやしろ ミヅキ)
- 理宇の友人。階級は陸軍曹長。護衛小隊を編成した理宇の直々の指名で副隊長に就任。日米ハーフ、金髪碧眼で巨乳の少女。実は在日米軍最高司令官アーネスト・華社・スティンレー海軍中将の娘であるが、本人は親しい友人以外には伏せている。
- 中学時代までは裕也とともに仲間内のトラブルメーカーであったが、当時から調整役となってくれる理宇のことを想っていた。虎紅というライバルが出現してからは積極的になろうとするも、自らの持たない少女らしさを持つ虎紅に遅れをとっているのではないかと不安がる一面も。
- 佐武俊太郎(さたけ しゅんたろう)
- 理宇の友人。家族は代々夫婦どちらかが会計士官となっている軍人一家。護衛小隊の分隊長として理宇を支える。
- 家族は海軍で会計士官をしていた祖母、現役軍人の両親と妹の更紗(さらさ)。美冬のことが気になっている。
- 鳥越美冬(とりこし みふゆ)
- 理宇の友人。護衛小隊分隊長のひとり。ミヅキとは特に仲がよく親友同士。
- いわゆる名家の令嬢であり、長い黒髪と美貌、落ち着いた物腰の持ち主。茶道を嗜む。俊太郎のことが気になっている。
- 五巳鷹乃(ごみ たかの)
- 学兵で護衛小隊分隊長のひとり。軍人一家の出身で、兄の鷹人は海軍技術少佐であり尊敬の対象。
- その出自から軍人としての使命感は高いが、一方で周囲の学兵を見下すような一面があった。中でも入隊時に騒いでいるのを見かけた理宇たちを「学生気分」と毛嫌いしており、理宇が護衛士官となりその指揮下に編入された際は反乱を起こした。しかし理宇の、反乱という経緯を踏まえてなお自らを分隊長に就任させたことをはじめとした振る舞いを見たことで認識を改め、「鬼の分隊長」として活躍している。
- 伊達雅臣(だて まさおみ)
- 学兵の教官であったが、理宇の護衛士官就任と同時に魔導士官の教官に転属。
- 鬼教官として君臨し初年兵には恐れられるが、全て学兵たちのことを考えての振る舞いであり、そのことに気づいた二年兵以上からは尊敬され頼られる存在でもある。それは理宇たちにも同様であり、陽に陰に理宇たちを支える。
- 加藤夏華(かとう なつか)
- 魔導士官の教官。階級は陸軍中尉。急造士官となった理宇に鬼教官として士官教育を施す。
- 伊達とは浅からぬ縁で、気になっており時折アプローチしているものの当の伊達がそれに気づかないため徒労に終わっている。
- 馬上(まがみ)
- 陸軍参謀本部員。階級は陸軍准将。参謀本部の長老というべき存在であり、リヴァーナを保護し、以後も後見人として支えてきた。フルネームは作中で言及されていない。
- リヴァーナ
- トップアイドル。年齢は17、8歳程度で天然青髪の持ち主。陸軍広報部に所属する軍人でもあり、軍人アイドルとしての成功例といわれる。階級は少佐。
- 5年前の「第2次東北大戦」において記憶喪失の状態で発見され、馬上に保護された経歴の持ち主。夢見という能力を持っており、未来の光景と数字の羅列が時折夢中に出てくる。見える光景は日時も場所も不明なためあくまで参考程度にしかならないものの、数字の羅列は解析するとプログラムになっており、重要な技術情報となっている。
- ある夢をみたことから虎紅に会うために「馬上リマナ(まがみリマナ)」という偽名で夏季休暇中の兵舎に現れる。
- 紫神 虎鈴(さきがみ こすず)
- 虎紅の双子の妹で、魔導士官。難関の電脳技術士官の試験に合格している。「姉から吸い取った」と思ってしまうほどの体格。大変な「お姉ちゃんっ子」で、明るく、食欲旺盛。夏季休暇中に海軍から戻った姉に会うために兵舎にやってくる。ミズキと意気投合する。
海軍
- 太刀風美由紀(たちかぜ みゆき)
- 海軍第403戦隊司令官で、空母「ふげん」(元はアメリカ海軍のキティホーク)に座乗。階級は海軍准将。パイロット出身。五巳鷹人とはパイロット時代からの恋人。
- 事故で右目を失うも、クローンによる復元を拒否し実験中であったイザナミシステムの被験者に志願する。そのため右目に埋め込まれた装置から艦隊すべてのコンピュータシステムと自らの脳を直結させることができる。この手術を受けた直後に乗艦がダイダラの攻撃を受け司令部が壊滅するという事態に遭遇するが、システムを利用して指揮を執り無事生還したことで一躍アメリカ以外では世界の海軍でも初の女性准将に20代にして昇進し、「海軍の女神」と呼ばれるようになった。
- 更津カオル(さらつ かおる)
- 美由紀の副官。階級は海軍中尉。
- 南雪早苗(なゆき さなえ)
- 美由紀の副官。階級は海軍中尉。美由紀が昇進するきっかけとなった戦いに参加していたと思われる。
- 真凪佳代子(まなぎ かよこ)
- 空母「ふげん」の魔導士官。階級は海軍少佐。虎紅たちの接待役。
- 見広一郎(みひろ いちろう)
- 佳代子の「杖」。階級は海軍大尉。空母「ふげん」の魔導士官および「杖」の中では最年長。
- 石動ナギサ(いするぎ なぎさ)
- 「杖」であるが、上官は不明。階級は海軍少尉。下ネタが大好きで、周囲にそれをたしなめられることもしばしば。
- 五巳鷹人(ごみ たかと)
- MJ計画(水中戦闘機開発計画)に携わる技術士官。年齢は20代。階級は海軍技術少佐。鷹乃の兄で、美由紀の恋人。
- 華社アカネ(はなやしろ あかね)
- ミヅキの母親。故人。最終階級は不明だが、士官であったらしい。
- 夫のアーネストとは下士官時代に参加した環太平洋合同演習において乗艦が故障し、その際修理要員をアーネストが艦長を務める艦から出してもらったのが馴れ初め。
空軍
- 三隅裕也(みすみ ゆうや)
- 理宇の友人。中学時代はミヅキと問題を起こし、それに理宇が振り回されることがしばしば。成績優秀、眉目秀麗で通っており、エリートばかりの空軍に召集される。
アメリカ軍
- アーネスト・華社・スティンレー(-・はなやしろ・-)
- 在日米軍最高司令官。階級は海軍中将。ミヅキの父親で、娘を溺愛している。そのため恋人候補だと思い込んでいる理宇には敵対的で、隙あらばミヅキを米海軍に引き抜こうとする。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
既刊一覧
MF文庫J(メディアファクトリー)より刊行されている。
- 2008年6月30日初版第1刷発行 ISBN 978-4-8401-2334-1
- 2009年5月31日初版第1刷発行 ISBN 978-4-8401-2724-0
- 2009年9月30日初版第1刷発行 ISBN 978-4-8401-3031-8
- 2010年2月28日初版第1刷発行 ISBN 978-4-8401-3190-2
外部リンク
- MF文庫J
- 三人共用名刺 (神野オキナ公式)
- rumblefish (refeia HP)