ゆきかぜ (宇宙戦艦ヤマト)

宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場兵器

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ゆきかぜは、『宇宙戦艦ヤマト』に登場する架空の宇宙駆逐艦

概要

地球防衛軍日本艦隊所属のミサイル駆逐艦。制式名称は「M-21881式雪風型宇宙突撃駆逐艦」。艦長は古代守

艦名は、戦艦大和沖縄特攻に随行した駆逐艦「雪風」に由来する。なお1話の初登場時における呼称はミサイル艦17号[1][2][3]。艦名は、日本海軍や海上自衛隊の伝統を引き継ぎ平仮名で、艦体に左横書きで書かれている。

同型艦が多数存在し、地球防衛艦隊の戦力の中核を担い、冥王星空域の会戦で描写がある。なお、冥王星会戦のシーンでは雪風型の艦が、「突撃艦」「ミサイル艦」「レーザー艦」等の複数の名称で呼称されており[4]、複数のサブタイプが存在する可能性がある。

艦体解説

艦型
その艦容は、大型航空機と宇宙艦艇を折衷したような姿であり[5]、のちに登場した地球防衛軍の戦闘艦の中でも異質である。艦橋は非常に低くて艦体と一体の構造で、第二次世界大戦期の大型爆撃機のキャノピーを思わせる形状を持つ。
艦首には板状の構造物があり、その上にレーダーまたは噴射ノズルの様な機器が2基見られる。その端から上下横方向に三角形状の小型のフィンが合わせて6枚付いており、エンテ型航空機の機首に似た形態を持つ。艦後部両舷に水平尾翼があり、その付け根には上下に姿勢制御用の垂直尾翼が付いている。
艦底部には燃料用増槽を2基付属している。
塗装は、艦中央部から後部一帯、光線砲塔前部、増槽が黄色。艦首の板状構造物及びフィン、艦橋アンテナ[6]、光線砲塔後部、艦後部と増槽の一部(縦方向)、水平尾翼・垂直尾翼が赤色。艦橋周りなどの艦前部が白色である。
主機
主機関は不明だが1基備える。また、小型ノズルが、艦首の板状構造物後部の付け根部分に左右それぞれ1基ずつ、艦首から艦橋付近まで、艦底部に板状構造物があり、その後部にある1基、合計3基を備える。
兵装
艦橋手前に固定式ミサイル発射管3門を備える。光学兵器として、三連装小口径光線砲を、艦橋の背後に1基、その真下に1基の計2基を備える。

諸元

全長[7] [68.5m][8]
全幅 [24m][8]
全高 [23m][8]
基準排水量 不明
乗員 不明
主機 不明×1基
兵装
  • 艦首三連装ミサイル発射管×1基
  • 上部三連装小口径光線砲×1基
  • 下部三連装小口径光線砲×1基
  • [ ]内は、書籍、ゲームソフト、プラモデル、コミカライズ等の設定。詳細は、脚注・出典を参照の事。空欄は不明な項目である。

注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


劇中での登場

第1話、冥王星空域で、沖田十三率いる地球防衛艦隊の1隻としてガミラス艦隊と交戦し、数隻の駆逐型デストロイヤー艦を撃沈する活躍を見せる[9]。劇中の冥王星会戦は、艦艇というより航空戦に近い描写がされており、ゆきかぜも高速で立体的な機動をしている。

同型艦が全滅し、敗色が濃厚になったため、沖田はゆきかぜに撤退命令を送るが、艦長の古代守は徹底抗戦の構えを見せて従わず、反転離脱してガミラス艦隊に戦いを挑む。ガミラス艦に包囲され集中砲火を浴びつつも応戦し、最期は古代の敬礼を残し、炎上しながら戦闘空域から消えていった。

第6話、ヤマト修復のためのコスモナイト採掘のために、立ち寄った土星衛星タイタンで、氷結した状態で墜落していたところを古代進に発見される。

第18話、ゆきかぜの最期は、旗艦である沖田艦を逃がすための盾となって敵艦隊に立ち塞がったと伝えられていた。しかし、当時同艦の整備担当であった古代守の同期生真田志郎は、弟の古代進に対し、同艦は地球出撃の時点で既に整備不十分で帰還は不可能であったと語っている。

関連作品での登場

SPACE BATTLESHIP ヤマト

2010年に公開された実写映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』においては、艦種は宇宙駆逐艦のままであるが、200m超の大型艦となっている[10]

火星圏海戦に「ふゆづき」を初めとした複数の同型艦とともに参戦した。デザインもオリジナルのものに変更され、艦尾エンジンはアンドロメダ同様のノズル配置となり、砲塔は二連装二基を搭載。船体上部に艦橋等の構造体を配置した、原作のヤマト以降の戦艦と同様の構造となっている。

詳細は該当する項目を参照。

宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ディレクターズカット

宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ディレクターズカット』には、本艦の同型艦を改造した輸送船が登場。カスケード・ブラックホールの接近に伴う人類の地球脱出において、ブルーノア級宇宙空母の非武装艦「ブルーアース」と共に、取り残された人々の救助を行っている。

宇宙戦艦ヤマト2199

2012年公開のTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』では、デザインの細かい変更と新たな設定が施されて登場している。メカニックデザインは玉盛順一朗が担当。

艦名表記がカタカナ[11]になり、艦種名が「磯風型突撃宇宙駆逐艦」に変更された。ガミラス戦役以前の内惑星戦争時に活躍した宙雷艇のコンセプトを受け継いだ、高い機動力と攻撃力を備えた小型のコルベット艦とされている。

ユキカゼは磯風型の3番艦で、識別番号はDDS-117。国連宇宙海軍、極東方面空間戦闘群、連合宇宙艦隊、第一艦隊所属。旧作同様古代守が艦長を務める。

外見上の相違点としては、艦首上部に対艦砲2門、艦橋後部にミサイル発射管8基(2基ずつ並列配置ものを4列備える)が追加されている事などが挙げられる。艦首にある板状の構造物に「艦首装甲翼」と言う名称が付与され、魚雷発射管を守るように設置されていると設定された。艦首装甲翼の上にあるレーダーまたは噴射ノズルの様な機器は対艦砲とされた。

第1話では、第一艦隊所属の磯風型突撃宇宙駆逐艦が合計12隻登場しており、ユキカゼ以外の艦名および識別番号はネームシップの「いそかぜ (DDS-101)」、「かげろう (DDS-164)」、「しまかぜ (DDS-172)」、「ふゆづき (DDS-147)」、「あやなみ (DDS-103)」、「しらぬい (DDS-144)」、「はつしま (DDS-149)」、「たちかぜ (DDS-216)」、「あやせ (DDS-119)」、「しきなみ (DDS-106)」、「みなづき (DDS-148)」である[12]。この他、漫画版には「あきづき[13]」、「よいづき」が登場している。また、「ユキカゼ」、「いそかぜ」、「あやせ」はバンダイホビーによってプラモデルの試作品が参考出品されている[14]

塗装については、ユキカゼなどの旧作と同じ黄色を主にした塗装以外にも、灰色を主とした塗装、赤色を主とした塗装の合計3パターンある。

重力制御装置を持たず、艦内は無重力状態であるため、乗員は磁力靴を履いて身体を床に固定している。

諸元
全長 80m
全幅 不明
全高 不明
基準排水量 不明
乗員 24名
主機 不明×1基
兵装
  • 12.7サンチ三連装高圧増幅光線砲×2基
  • 12.7サンチ対艦砲×2基
  • 魚雷発射管×3基(「ユキカゼ」は試製空間魚雷を装備)
  • ミサイル発射管×8基
劇中での登場
第1話冒頭の冥王星会戦(メ号作戦)に第一艦隊所属の磯風型突撃宇宙駆逐艦が合計12隻参加するが、先行していた「ユキカゼ」を除く全艦がほぼ一方的に撃沈された。唯一「ユキカゼ」のみが勇戦、旗艦「キリシマ」を急襲したクリピテラ級航宙駆逐艦1隻を、搭載していた試製空間魚雷[15]2発を用いた、後方からの雷撃で撃沈した。その後、「ユキカゼ」は「キリシマ」撤退を援護すべく撤退命令を拒否して単艦で敵艦隊に突入、敵艦隊内で同士撃ちを生じさせるなど奮戦した。しかし、艦後部に直撃を受けて爆発。以後、消息不明となる。
第4話ではヤマトが土星の衛星エンケラドゥスより救難信号を感知、機関部修繕のために必要なコスモナイト90採掘も兼ねてここに立ち寄る。古代進と森雪と原田真琴らは救出に向かうが、大破して表面が氷結した姿で横たわっていた艦が「ユキカゼ」だった。艦内を捜索すると、乗組員の遺体が発見されるも生存者は皆無で、救難信号の機器のみが生きている状態だった。

新宇宙戦艦ヤマト

松本零士の漫画『新宇宙戦艦ヤマト』には、「ゆきかぜ」の名を継承する宇宙戦艦「雪風」が登場する。艦型は地球防衛軍艦艇の伝統とも言える葉巻型であり、艦上部前方と艦底に艦橋を有する。エンジンは、船体の物と下部に張り出したエンジンブロックの物を合わせて3基を持つ。武装は、3門ずつ束ねられた砲身を十字型に配置した12連装砲塔を両舷に計6基、通常の3連装砲塔を後甲板と艦底後部に計2基搭載するほか、3連装ミサイル発射管と思しき物を艦橋前部の甲板上と両舷、及び艦橋の両脇に計5基装備している。作品の舞台となる西暦3199年時点では、「雪風」の他にも複数の同型艦が量産されている。

劇中では、「雪風」を含む複数艦が、地球へと向かう輸送船団の護衛艦として登場。地球と大マゼラン星雲の中間点付近で、ダークィーンが操る移動性ブラックホールに遭遇。輸送船団と護衛艦全艦が退避の為に地球へのワープに入るが、ワープに成功したのは「雪風」のみであった。唯一生還した「雪風」も、艦後部が丸ごと脱落し、乗員も副長を務めていた古代進32世を除いた全員が消滅していた。

ゲーム

プレイステーション用2ゲームソフト『イスカンダルへの追憶』、『暗黒星団帝国の逆襲』、『二重銀河の崩壊』の三部作にて、真田や守の同期の天才技術者、大山俊郎(ゲームオリジナルキャラ)の手によりタイタンにてエクラノプランに似た無人艦に改造された。艦名は『ゆきかぜ・改』。

耐久力はヤマトに劣るものの機動性等に優れる。『イスカンダルへの追憶』では超長距離ワープの先導艦などとして活躍を見せている。作品内において、唯一自律行動が可能な地球防衛軍の無人艦である。

プレイヤーの選択次第では、ストーリーの結末を大きく変える艦でもある。

商品化

  • バンダイのプラモデルシリーズ「宇宙戦艦ヤマト・メカコレクション」にて、「地球防衛軍艦隊 古代艦」の商品名でラインナップ。シリーズ番号はNo.20。
  • B-CLUBのレジンキャストキットNo.2620。スケールは1/350。
  • メガハウスの「宇宙戦艦ヤマト コスモフリート コレクション 」、「総集編」、「復刻版」に、「宇宙追撃駆逐艦ゆきかぜ」としてラインナップ。台座に書かれている英語表記は「SPACE DESTROYER YUKIKAZE」となっている。
  • ザッカピー・エイ・ピーのブラインド商品宇宙戦艦ヤマト メカニカルコレクション PART.3」にラインナップ。突撃駆逐艦の3隻セット。シークレットは1隻だけ「ゆきかぜ」の文字が入った3隻セット。
  • ファインモールドより「松本零士ユニバースシリーズ」として、「太陽系連邦軍 旧地球連邦 宇宙防衛連合艦隊 ミサイル護衛艦」の商品名で、1/500スケールでプラモデル化されている。この商品は松本零士が監修を行っており、オリジナルの同型艦[16]やカラー、マーキングなどが多数設定されている。
  • バンダイのプラモデル「宇宙戦艦ヤマト2199」シリーズにて、「1/1000スケール 連合宇宙艦隊セット1」にて、キリシマ、ムラサメと共に2199版のユキカゼのプラモデルが初めて商品化された。多色成形により塗装を行わなくても劇中のカラーリングが再現される。のちに構成と成形色を変えた「1/1000スケール 連合宇宙艦隊セット2」も発売された。

脚注

  1. ^ 17号という艦名は、雪風が昭和19年から終戦まで所属した第17駆逐隊が由来と思われる[要出典]
  2. ^ 松本零士の漫画『宇宙戦艦ヤマト』では、「第107号」と呼称されている。また艦艇全般を戦闘ロケット艦とも呼称している。
  3. ^ バンダイのプラモデルシリーズ宇宙戦艦ヤマト・メカコレクションでは艦名(商品名)は古代艦である。
  4. ^ 松本零士の漫画版では「巡洋宇宙艦」とも。
  5. ^ このような艦容は、本級が現存する大型航空機と同サイズの、全長100mに満たない小型艦であることと関係すると考えられる。
  6. ^ シーンによっては白色だったりと描写が一定していない。
  7. ^ 設定資料には人間との比較図が描かれており、人間の40倍ほどの全長しかない。それから推定されるゆきかぜの全長は100メートルに満たない。現代における航空機と同等のスケールであると推定される。続編に登場する艦艇群と比較すると、かなりの小型艦である。
  8. ^ a b c ファインモールドの1/500プラモデル「太陽系連邦軍 旧地球連邦 宇宙防衛連合艦隊 ミサイル護衛艦」の完成品の概算である全長137mm・全幅48mm・全高46mmから計算した場合、この数値になる。
  9. ^ 松本零士の漫画『宇宙戦艦ヤマト』ではガミラス巡洋艦に近接攻撃を行うが、かすり傷の程度の損害を与えるのみである。
  10. ^ 公式パンフレットより
  11. ^ 艦体に表記されている艦名はひらがなのままである。
  12. ^ 「艦名(識別番号)」は『電撃ホビーマガジン』2012年8月号P121より。
  13. ^ 公式サイトに掲載されているコンセプトアートでは識別番号DDS-113
  14. ^ GA Graphic:HS:宇宙戦艦ヤマト2199の戦艦群が共通スケールでリリース!?
  15. ^ 後にヤマトに搭載される事になる物の試作型。
  16. ^ カラー設定がある物は、「暁」「ソブレメンヌイ」「吹雪」「フレッチャー」「カサール」の5隻。文字設定のみの物は、「電」「雷」「谷風」「浦風」「浜風」「初雪」「白雪」「白雲」「叢雲」「薄雲」の10隻。

参考文献

  • 松本零士『宇宙戦艦ヤマト』秋田書店
  • 「宇宙戦艦ヤマト発信!情報班資料室 ゆきかぜ」バンダイナムコゲームスNE事業本部(旧バンダイネットワークス)ウェブサイト
  • 「宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国編3部作」ヤマト用語辞典 地球編バンダイナムコゲームスNE事業本部ウェブサイト
  • 「宇宙戦艦ヤマト・メカコレクション プラモデルの解説」バンダイ

関連項目