新潟県立国際情報高等学校
新潟県立国際情報高等学校(にいがたけんりつこくさいじょうほうこうとうがっこう、英称:Niigata Prefectural Kokusai Joho High School)は、新潟県南魚沼市に所在する県立専門高等学校である。愛称は「KJ」(けーじぇー)、英略はNKJHS。
新潟県立 国際情報高等学校 | |
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国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 新潟県 |
学区 | 全県学区(創立より全国募集も実施) |
校訓 | 学ぶ青春 意気高く |
設立年月日 | 1991年7月12日 |
創立記念日 | 1992年4月1日 |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
設置学科 |
国際文化科(外語系) 情報科学科(理数系) |
高校コード | 15209K |
所在地 | 〒949-7302 |
![]() 北緯37度09分32秒 東経138度56分00秒 / 北緯37.15889度 東経138.93333度座標: 北緯37度09分32秒 東経138度56分00秒 / 北緯37.15889度 東経138.93333度 | |
外部リンク | KJ公式ホームページ |
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新潟県内の高等学校で唯一「スーパーグローバルハイスクール」(SGH)と「ユネスコ・スクール」に指定されており、特色ある高等学校として知られている。
概要
1980年代、新潟県の大学進学率は20%前後と、当時の全国平均を15ポイント以上下回っており、常に全国ワースト3に入るなど著しく低迷していた。
このことから、県内教育界では早急な対策が求められ、大学進学に対応した授業が行える新たなモデル校の新設が求められていた。
こういった背景から、新潟県の大学進学率向上を目的とするモデル校として、本校が設置されることになった。
設置場所は 新潟県南魚沼郡大和町(現:南魚沼市[1]浦佐)に決まった。
これは同町が北魚沼の中心地である小出町と南魚沼の中心地である六日町とのほぼ中間地点に位置していること、小出・六日町とも市街地が既にある程度形成されており、中心地に新たな高校を設置するのが難しいこと、さらに最寄りの浦佐駅には上越線のほか上越新幹線が停まるため、長岡市はもとより下越・県央・群馬(関東)方面などからも生徒を募集しやすく、通学の利便性を図りやすいことなどの理由によりこの地に設置されることになり、本校は1992年に開校した。
4クラスと小所帯であるが、1学級あたりの教員数は3名で、その内訳はクラス主任・担任・副担任である。
基本的なカリキュラムは両科とも一般的な普通科と全く同等であるが、設置名目上は専門教科「英語」を中心に履修する「国際文化科」と、専門教科「理数」を中心に履修する「情報科学科」からなる。これらは専門学科(ただし、他県における英語科・理数科に相当し、職業科目の授業は実施しない)であり、新潟県外から生徒を募集できることを特徴とした。
また、遠方から通う生徒の為に学校近辺に複数の学生寮もあり、全校生徒の3分の1程の生徒が入寮している。
新潟県外から地域の保証人をつければ、出願・受験できることは、全国の中山間地域や離島の公立高校で広がる全国募集の先進的な試みとして、本校の大きな特色となっている。
なお、他校で実施されている観光を目的とした修学旅行の実施は、開学から2018年に至る現在まで行われていないが、その代わりに関東方面(国会議事堂など)や語学研修・海外交流を海外(東南アジアなど)を訪問する研修旅行(企画は旅行会社が受諾)が実施されている。
また、同じく他校で実施されている文化祭も本校では全く行われていない。文化部・発表会という行事はあるが、内容的には一般的な文化祭とは全く異なり、授業内容や文化部の活動を全校生徒を前にして発表する場となっている。
なお、開校当初は新潟県はもとより、全国各地で高等学校の学区制が一般的に敷かれた背景から、県教委が定めた普通科の学区を超えて新潟県外から生徒を集めるという概念があったために「名目上のみ専門学科」とし、普通科と瓜二つの授業を実施することへの是非については、当時の新潟県教育委員会の中では賛否両論があった。
開校から16年が経った2008年度から新潟県立高校の全日制普通科の学区制が完全に撤廃されたことを受けて、「名目上の専門学科」として学区外から生徒募集する特色は失われつつある。
また、2008年度入試から文理の枠を撤廃し、「専門系」として生徒を募集する、いわゆる「くくり募集」が実施されていた[2]が、2012年度入試の4年間で廃止された。なお、2010年代に入った近年は定員割れが続いており、2018年度に至るまで各学科で通年2次募集が実施されている状況である。
また、2018年度入学生から制服が初めて改定された。
主なデータは以下の通り。
- 主要中学校別 (2016年4月現在)
<長岡市>
新潟大学教育学部附属長岡中学校(51人)、長岡市立東北中学校(15人)、長岡市立東中学校(14人)
<南魚沼市>
南魚沼市立塩沢中学校(26人)、南魚沼市立大和中学校(25人)、南魚沼市立六日町中学校(18人)
<魚沼市>
魚沼市立小出中学校(14人)
<新潟市>
新潟大学教育学部附属新潟中学校(4人)
- 地域別
<2013年4月現在>
下越80人(うち新潟市67人)、中越349人(うち長岡市143人、南魚沼市72人、魚沼市50人)、上越22人(うち上越市20人)、その他(新潟県外、外国)5人、全数456人である。
<2016年4月現在>
下越38人(うち新潟市29人、佐渡市2人)、中越313人(うち長岡市131人、小千谷市12人、南魚沼市79人、魚沼市38人、十日町市21人)、上越16人(うち上越市15人)、その他(新潟県外、外国)4人、全数371人である。
- 生活場所 (2016年4月現在)
男子(自宅:81% 寄宿舎19%)、女子(自宅:89% 寄宿舎11%)
- 通学手段 (2016年4月現在)
新幹線:9% 新幹線以外の鉄道:66% 徒歩17% その他(バス・自転車含む)7%
このほかにも、千葉県や東京都の中学校から進学する生徒や、中国からの留学生などが在学している。
教育目標
進取の精神と豊かな人間性を身につけ、国際化・情報化社会で活躍できる心身ともに健康な人間を育成する
学食
本校周辺にはコンビニ等が一切なく、購買が校舎内に設置されていないため、校舎隣には学校食堂「カフェテリア・カンエツ」が設置されている。学生寮に入寮している生徒をはじめ、職員などの利用者は多い。平日はもとより土日も営業しており、講習や模擬試験が実施されない休日にのみ休業する。
なお、新潟県立高校に於いて学食が設置されている例は極めて珍しく、2018年5月現在では本校のみである。(他校では過去に新潟県立巻高校に設置されていた)
沿革
- 1991年7月12日 - 設置が認可される。
- 1992年4月1日 ‐ 新潟県立国際情報高等学校として開校。
- 1993年2月24日 - アメリカ合衆国 イリノイ州エヴァンストン市の学校と姉妹校提携。
- 2004年4月2日 - オーストラリア連邦 南オーストラリア州 アデレード市の学校と姉妹校提携。
- 2004年10月23日 - 新潟県中越地震の発生により11月2日まで臨時休校を実施する。
- 2011年10月15日 - 創立20周年記念式典・講演会挙行。
- 2013年度 - 海外大学進学コース開設。
- 2014年度 - スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト校に指定される。
- 2015年度 - スーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定される。
- 2018年度 - 平成30年度入学生より、制服の全面改定が実施される。これにより、開校当時から続いた伝統の制服が一新される。
スクールバス
国際情報高校では、民間の業務委託によるスクールバスが運行されている。休日にも部活動や模擬試験・講習などが行われている関係上、休校日を除いて毎日運行されている。運行は南魚沼市に本社を置く「(株)魚沼中央トランスポート」が行っており、運用される車両は魚沼中央トランスポートに所属する車輛である。直通のため途中の停留所は設けられておらず、浦佐駅とKJとの間を約5分で結んでいる。 (詳細については、国際情報高校の公式ホームページ内にある「スクールバス」の項にて紹介されているので、そちらを参照されたい)
交通・アクセス方法
- 魚沼トランスポート・浦佐駅東口バス停より直通スクールバス乗車(所要時間:約5分)
- JR東日本(上越新幹線・上越線)浦佐駅(東口)より浦佐大橋を渡り南へ徒歩:約25分
- 南越後観光バス・浦佐駅 東口バス停より徒歩:約25分
(なお、公共交通機関が発展しておらず不便なために、自転車通学が認められている)
学校行事
- 4月 - 入学式・新入生研修(於:巻)
- 5月 - 勤労体験学習・田植え(2017年度は5月16日に実施された)
- 6月 - 球技大会・オープンスクール
- 8月 - 1年:職場訪問・2年:大学見学・3年:学習合宿(於:志賀高原)
- 9月 - 1・2年:チャレンジウォーク・3年:八海山登山・勤労体験学習(稲刈り)・オープンスクール
- 10月 - 体育祭・収穫祭・文化部発表会:文化講演会
- 12月 - 球技大会(3年生除く)
- 1月 - もちつき大会・百人一首大会(3年生除く)・1年チャレンジスキー(於:八海山麓スキー場)
(注:2010年度までは浦佐スキー場)
- 2月 - 2年チャレンジスキー(於:志賀高原)
- 3月 - 卒業式・1年生:海外研修
部活動
特徴としては、男女サッカー部があること。女子サッカー部は、3年連続北信越大会出場を果たしている(ただし、女子サッカー部はほかに柏崎総合高校しか設置されていない)。
なお、新潟県内の全日制課程を有する共学の高等学校で、特に男子生徒が多く在籍する高等学校では珍しく、 「野球部」が設置されていない。
- 運動部
- 文化部
※運動部・文化部共に月・火・木の週3回活動(大会前の場合は除く)である。
合格・進学状況
15期生(2009年3月卒)から23期生(2017年3月卒)までの主要な進路状況を示す。括弧内の数字は、15期生から23期生の総計を表す。なお、すべて現役のみのデータであり過年度生は含まれていない。
・国内国公立大学 (合格数)
北海道(18)、東北(58)、東京(10)、京都(4)、名古屋(6)、大阪(10)、九州(2)
東京工業(3)、一橋(8)、東京学芸(16)、お茶の水女子(7)、筑波(24)、千葉(18)、新潟(183)、埼玉(21)
・国内私立大学 (合格数)
青山学院(36)、学習院(8)、慶応義塾(31)、中央(115)、東京理科(85)、法政(76)、明治(100)、立教(46)、立命館(59)
・海外大学(合格数)
University of Oregon The State University of New York Mount Allison University University of California, Davis など(44)
・国公立大学合格率 (単位:パーセント)
15期:86.7 16期:68.0 17期:68.3 18期:67.7 19期:62.0 20期:56.1 21期:64.7 22期:70.4 23期:66.6
・大学等進学率 (単位:パーセント) ※短期大学や専門学校等、その他の教育機関を含んだ進学率
15期:92.0 16期:87.3 17期:84.9 18期:82.0 19期:84.5 20期:82.0 21期:89.3 22期:90.1 23期:86.3
学校関係者による不祥事
- 2017年3月8日 - 同日午後7時6分、当時1年生の担任が、自宅で生徒指導要録の所見を記入しようと作業途中のファイルを添付したメールを私用のメールアドレスに送信しようとしたが、ドメイン名を誤ったメールアドレスに送信した。漏洩した個人情報は、担当するクラスの31人分の氏名と性別、そのうち14人分の通知表前期の所見及び2人分の生徒指導要録の所見、平成27年度の卒業生37人分の氏名と生徒指導要録の所見の3点。該当する生徒・卒業生及びその保護者に謝罪を行うとともに、このような事故の再発防止に向けて、国際情報高校をはじめ、各校へ再度、個人情報流出防止策を徹底するよう指導するとともに、メールの送信方法の改善について検討を進める。[3][4]
- 2017年7月28日 - 新潟県警(南魚沼警察署)と同署少年課は、魚沼市在住の本校・数学科教諭を、新潟県青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕する事案が発生した。逮捕容疑は同年7月中旬に長岡市内のホテル内で、18歳未満であることを知りながら、新潟県の中越地方在住で高校生だった女性(当時17)とみだらな行為をしたというもの。容疑者から女性に直接声を掛けた上で、メール上でやりとりしていたという。容疑者は「性欲を満たそうとした」と容疑を認めている。[5]当事件は本校の学校関係者から高校側に相談があり初めて発覚した。容疑者は欠勤などは一切なく、とてもまじめな勤務態度であったが、2017年11月28日付けで新潟県より懲戒免職処分と教員免許の剥奪処分が下されている。[6]
著名な出身者
- 中田 エミリー(NST・新潟総合テレビアナウンサー)
- 池田 伸子(NHKアナウンサー)
関連項目
脚注
- ^ 大和町は2004年11月1日に南魚沼市の新設合併により廃止。
- ^ ただし、4学級160名の募集に変更はない。
- ^ “Wayback Machine” (2018年4月8日). 2018年4月8日閲覧。
- ^ “新潟県:国際情報高校でメールの誤送信による個人情報の漏洩がありました” (2017年11月29日). 2018年4月8日閲覧。
- ^ “高校教諭を逮捕 17歳女子高生とみだらな行為 - 産経ニュース” (2017年11月29日). 2018年4月8日閲覧。
- ^ “新潟県立高校教諭2名を懲戒免職 - 産経ニュース” (2017年11月29日). 2018年4月8日閲覧。