村上光彦
日本のフランス文学者
村上 光彦(むらかみ みつひこ、1929年3月14日 - 2014年5月22日)は、日本のフランス文学者、成蹊大学名誉教授。
略歴
長崎県佐世保生まれ。1953年に東京大学文学部仏文学科卒業。東京学芸大学教員を経て1965年より成蹊大学助教授・教授、1997年に定年により名誉教授。
フランス文学作品に加え、第二次世界大戦関連、ノーベル平和賞作家となったエリ・ヴィーゼル、ロナルド・D・レインなどのほか英語圏文学も翻訳し、大佛次郎研究など多彩な活動を行った。『大佛次郎セレクション』(未知谷、全18冊)を編み、大佛次郎研究会会長も務めた。
2014年5月22日、呼吸不全のため死去[1]。85歳没。
著作
- エジプトの神話 宝文館(中学生世界神話全集 2 エジプト編) 1959
- エジプト神話の口承 鷺の宮書房 1968
- 大仏次郎-その精神の冒険 朝日選書 1977.8
- 鎌倉幻想行 朝日新聞社 1986.5
- パリの誘惑 魅せられた異邦人 講談社現代新書 1992.7
- イニシエーションの旅――マルセル・ブリヨンの幻想小説 未知谷 2010.12
主な翻訳
- 第二次世界大戦 ルーズヴェルトとホプキンズ ロバート・シャーウッド みすず書房(現代史大系) 1957
- 新版『ルーズヴェルトとホプキンズ』未知谷 2015
- ソヴェト革命とアメリカ 第1 ジョージ・ケナン みすず書房(現代史双書 第1) 1958
- 第三次世界大戦の原因 ライト・ミルズ みすず書房 1959
- ドゴール大戦回顧録 全6巻 みすず書房 1960-1966。第2回ポール・クローデル賞 1968
- 日記 : 1952-1957 第1 (1952-55年) / 1952-1957 第2 (1956-57) フランソワ・モーリャック、山崎庸一郎 共訳 みすず書房 1961
- リヴィングストン発見記 H・M・スタンレー 三輪秀彦共訳 世界ノンフィクション全集 筑摩書房 1960
- ルオー ピエール・クルティヨン編著 柳宗玄 共訳 みすず書房 1962
- ロマン・ロラン全集 第16 ペギー / 山崎庸一郎 共訳 みすず書房 1965
- 九月のクロニクル ポール・ニザン著作集7 晶文社 1968
- 夜 エリ・ヴィーゼル みすず書房 1967、新装版2010ほか多数
- 死者の歌 エリ・ヴィーゼル 晶文社 1970、新版1986
- 夜明け エリ・ヴィーゼル みすず書房 1971、のち新装版
- 昼 エリ・ヴィーゼル みすず書房 1972、のち新装版
- 偶然と必然 現代生物学の思想的な問いかけ ジャック・モノー 渡辺格共訳 みすず書房 1972
- 結ぼれ R・D・レイン みすず書房 1973、のち新装版
- 幸運の町 エリ・ヴィーゼル みすず書房 1973
- 砂の荷物 アンナ・ラングフュス 晶文社 1974
- コルヴィラーグの誓い エリ・ヴィーゼル 白水社 1976、新装版2003
- 好き?好き?大好き? 対話と詩のあそび R.D.レイン みすず書房 1978、のち新装版
- 沈黙のユダヤ人-ソビエト・ロシア旅行から帰って エリ・ヴィーゼル 白水社 1978
- サンタクロース殺人事件 ピエール・ヴェリー 晶文社 1980、新装版2013
- 人類学者と少女 A.シュルマン 岩波書店:岩波現代選書 1981.2
- 日常性の構造 物質文明・経済・資本主義 15-18世紀(第1部) フェルナン・ブローデル みすず書房(全2巻) 1985。
- 世界時間 物質文明・経済・資本主義 15-18世紀(第3部) みすず書房(全2巻) 1996-99。第2部は「交換のはたらき」山本淳一訳
- 意識ある科学 エドガール・モラン 法政大学出版局・叢書ウニベルシタス 1988.4
- 歴史写真のトリック 政治権力と情報操作 アラン・ジョベール 朝日新聞社 1989.10
- フランスのお話 1・2 アンリ・プーラ 用美社 1990.3
- 夢宮殿 イスマイル・カダレ 東京創元社 1994.9/創元ライブラリ(文庫)2012.2
- そしてすべての川は海へ エリ・ヴィーゼル 朝日新聞社(上下)1995
- しかし海は満ちることなく エリ・ヴィーゼル 平野新介 共訳 朝日新聞社(上下)1999
- 幻影の城館 マルセル・ブリヨン 未知谷 2006.9
- 砂の都 マルセル・ブリヨン 未知谷 2007.4
- 旅の冒険―マルセル・ブリヨン短篇集 マルセル・ブリヨン 未知谷 2011.6
- ロマン・ロラン伝 ベルナール・デュシャトレ みすず書房 2011.12
脚注
- ^ 村上光彦氏が死去 成蹊大名誉教授 日本経済新聞 2014年5月28日