ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(-エイト そらとうみとだいちとのろわれしひめぎみ)は、スクウェア・エニックスより発売されたゲームソフト。ジャンルはRPG。北米版のタイトルは "Dragon Quest VIII: Journey of the Cursed King"(サブタイトルの訳=呪われし王の旅)、ヨーロッパ版のタイトルは "Dragon Quest: The Journey of the Cursed King"。
| ジャンル | ロールプレイングゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | プレイステーション2 |
| 開発元 | レベルファイブ |
| 発売元 | スクウェア・エニックス |
| 人数 | 1人 |
| メディア | DVD-ROM1枚 |
| 発売日 |
【日本】 2004年11月27日 (uh)2006年7月20日 【北米】2005年11月15日 【欧州】2006年4月13日 |
| 対象年齢 |
CERO:全年齢 ESRB:Teen(13歳以上) PEGI:12歳以上 |
| 売上本数 | 【日本】約361万本 |
| その他 | ※(uh)はアルティメットヒッツ版を表す。なお、(uh)の記載の無い項目は全バージョンの共通データである |
概要
ドラゴンクエストシリーズの第8作であり、2006年11月現在の最新作。スクウェア・エニックスとして初めてのドラゴンクエストメインシリーズのオリジナル作品でもある。開発は『ダーククロニクル』『ダーククラウド』などで実績のあったレベルファイブが担当。
2004年11月27日に日本国内でプレイステーション2用ソフトとして発売された。発売日前夜に未成年が深夜販売に並んで補導されるなどの混乱を避けるため、販売開始は午前7時(日本時間)となった。また、後に廉価版「アルティメットヒッツ」として再販されている。
出荷本数は発売日から3日間で300万本以上を出荷し、最終的には日本でのプレイステーション2史上最多売上の実売350万本以上、出荷は360万本以上を達成、2006年5月現在、日本国内の同ハードでのソフト売上1位を誇る。また、第9回CESA GAME AWARDS(2005年)の年間賞(GAME AWARDS)を受賞した。
なお、日本で本作より半年ほど前に発売されたプレイステーション2版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』には、本作の開発中に製作されたデモンストレーション映像が収録された「プレミアム映像ディスク」が同梱されている。
北米では、2005年に発売された("Final Fantasy XII" の体験版同梱)。従来、北米では"Dragon Warrior" ブランドでの発売であったが、本作からは日本以外でも"Dragon Quest" のブランドとなった(詳しくはドラゴンクエストシリーズの項を参照)。また、本作はドラゴンクエストシリーズで初めてとなるヨーロッパで、5ヶ国語(英・仏・独・西・伊)対応で発売された。対応機種は各国ともプレイステーション2である。
本作は欧米でも好調で、累計90万本を超えるヒット(2006年5月時点)となっている。これは、日本以外での歴代ドラクエで最高の売上本数である。欧米での評価も高く、アメリカ大手ゲームサイトGameSpotにて2005年度最優秀RPGを受賞、IGNにおいても最優秀RPGに選出された。
表現技法の変化
ゲーム画面が完全3Dとなり、従来のドラゴンクエストとは異なる表現方法が用いられ、プレイヤーはゲーム中の広大な世界を実際に探検しているような感覚で遊ぶことができる。また、日本版においては、コマンドや世界観などは従来作品のスタイルを受け継いでおり、過去の作品のモンスターも多数登場しているので、“ドラゴンクエストらしさ”は失われていないと言える。しかし、元々ドラゴンクエストシリーズには表現を最低限にし、後はプレイヤーの想像力に委ねる部分が大きかったため、その点でドラゴンクエストらしくなくなったと言う弊害もある。
ゲーム内容
本作『VIII』は、ある道化師によって呪いをかけられた主人公の故郷である王国と、姿を変えられてしまったその国王と姫を救うことが主な目的となっており、ほぼストーリーの全体にわたって「犯人と思われる人物を追跡する」ことが中心となっている。
本作は、「勇者ロトの伝説シリーズ」である第1作~『III』、「天空シリーズ」と呼ばれる『IV』~『VI』、及び前作『VII』とはまったく別の世界が舞台となっている。ただし、作中のあるイベントでは過去の作品のキャラクターが登場している。またこの作品の過去を扱った『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』でも、不思議のダンジョンの勇者として『IV』のトルネコが出てくることから、天空シリーズとつながった場所がある世界が存在すると推測できる。ただし「勇者ロトの伝説シリーズ」のようなはっきりとした繋がりはゲーム中で語られることはなく、本編中でも一切触れられていない。
エピソード
完全3Dドラクエの実現
本作は対応ハードがプレイステーション2となったことにより、ゲームの全てが3Dとなった。ゲームデザイナーの堀井雄二へのインタビューによると、このような3D化の構想はスーパーファミコンの時代からあったが、当時はハードの性能上3D化は実現不可能であり、10年の月日を経て発売された本作でようやくその念願が叶ったという。3Dのゲームになっても、「プレイヤー自身が主人公である」というドラゴンクエストの基本コンセプトは変化させておらず、2D時代のわかりやすさやテンポを踏襲させている。
また、開発に携わったレベルファイブの日野晃博は、本作のグラフィックを作成する際、ドラゴンクエストシリーズの過去の作品を徹底的に研究し、堀井が構想するドラクエワールドを可能な限り美しく、そして細かく表現した。主人公がタルを投げた際の壊れ方や、差し込む太陽の光、そしてキャラクターやフィールド上の動物の動きなど、かなり細部にまでこだわって作り込んでいる。
裁判
2004年12月に鉄人社が本作の非公式攻略本『ドラゴンクエストVIII 完全攻略データ集』を発売した。これに対し、スクウェア・エニックスは同年12月27日に商標権侵害と不正競争防止法違反を理由として同攻略本の出版差止を求める仮処分申請を東京地方裁判所に申し立て、翌2005年1月31日にはさらに著作権侵害を理由に加え出版差止や損害賠償を求める本訴を起こした。
その後2005年11月に両社は和解。具体的な和解内容は明らかにされていないが、鉄人社はこの件に関するプレスリリースの中でコメントを述べている[2]。
ちなみに同裁判の中では、ドラクエシリーズ全体(ドラクエI~VII、ドラゴンクエストモンスターズなど)の公式ガイドブックの売上が2004年末現在で約2256万部に上っていること、スクウェア・エニックスから発売される本作の公式ガイドブック1セット(上下巻セットで定価3100円)から得られる利益が1419.5円であることなどが明らかにされている。
ゲームの特徴・システム
前述の通り、ゲーム画面は移動中・戦闘中ともに完全な3D表現となった。キャラクターやモンスターの表現にはトゥーンレンダリングの技術を採用。キャラクターのサイズも従来の2頭身から、アニメにおける人間キャラクターに近い表現となり、作画の鳥山明の原画・アニメのイメージが忠実に再現された。本作では主人公たちだけでなく、町の人など全ての登場人物に鳥山のデザインによる絵が使用されている。ただし日本版では、キャラクターボイスは採用されていない。
移動画面での視点は、従来の上方からマップを見下ろした視点から、前方・後方から先頭キャラクターを見た視点に変化した。先頭キャラクター自身の視点から前後左右上下を見渡せる機能も搭載されており、ダンジョンの謎解きなどでもこの機能を活かせる場面がある。フィールドマップは、従来の作品では町、城、小屋、ほこらなどがアイコンになっていたが、本作では画面の切替はあるものの、フィールドからも町などの建物を同サイズで見ることができる。また、移動画面では、パーティーに何人いても、先頭のキャラクター以外のキャラクターが登場しなくなった。
戦闘画面では、従来は敵キャラクターのみが画面に映っていたが、本作ではシリーズで初めて、自軍パーティのキャラクターの動きを見ることができるようになり、カメラアングルも目まぐるしく変化する。ダメージ量や回復量の表示も、キャラクターに重なってアニメーション表示されるようになった。
パーティは2人~4人制。途中でのメンバーの加入や一時離脱はあるが、主人公、ヤンガス、ゼシカ、ククールの4人以外にパーティに加わるメインキャラクターは存在しない。これに加えて、馬車に乗ったトロデとその馬車を牽引するミーティア(馬)が旅に同行する。なお、本作の馬車は『IV』などと違い、メンバーの入れ替えをするための馬車ではない。
しかし一方で、若干ロード時間が長くなっている点や、ゴールド(所持金)が貯まりにくいなどの短所もある。
スキルマスターシステム
本作では、各キャラクターごとに5つのスキルが備えられている。このシステムは『ウィザードリィVI』の成長システムと類似性がある。
キャラクターのレベルが上がると、ステータスの上昇などと同時にスキルポイントが0~10ポイント得られ、そしてそれを5つのスキルに自分の好きなように振り分けることができる。スキルポイントが一定値に達すると、新しい呪文や特技を覚えたり、該当する武器での攻撃力がアップしたりする。ただし、レベルによってスキルポイントを上げられる限度があるので、ひとつのスキルを集中して上げようとしても、その限界値以上に上げることはできない。また、レベルアップ時以外でも、アイテム「スキルのたね」を使うといつでも5スキルポイントを得られる。
各キャラクターの持つスキルは、各々が使用できる武器のスキル3種類と、素手での攻撃に関する「格闘スキル」、それと各キャラクターの個性が現れた特殊スキル(登場キャラクターの節を参照)。各スキルポイントの最大値は100。最強レベル(99)に達するまでにレベルアップで得られる総スキルポイントは各350ポイントで(全スキルを極めるためには100×5=500ポイント必要)、しかも「スキルのたね」はレアで入手が難しいため、全スキルを極めることは非常に困難である。また、ゲーム途中のスキルポイントの振り分けをどのように行うかによって、戦闘の難易度が大きく変わる場合もある。
スキルアップによって覚える特技の中には、特定の武器を装備して(もしくは素手の状態で)いないと使用できないものも存在する。
テンション
戦闘シーンでは、攻撃などの威力を高めるための要素としてテンションという新たな概念が登場した。堀井によると、このシステムは『ドラゴンボール』の「超サイヤ人」をヒントにしたという[1]。これに伴い、AI戦闘の作戦にもテンションアップを重視する作戦「テンションためろ」が新登場した(代わりに「おれにまかせろ」が廃止)。
「ためる」のコマンドを選択するとテンションを1段階アップさせることができる。「ためる」を使うほかに、特殊なアイテムによって全員のテンションを一度に上げることもできる。テンションは4段階まで上昇させることができ、3段階目にはハイテンション、そして4段階目には身体からオーラを放つスーパーハイテンション(以下SHT)状態になる。ただし、SHT状態にまでなれる確率は低く、また、一定回数のテンションアップを経験していないとSHT状態になることはできない(SHT状態になれる条件を満たした最初の一回に限り、100%の確率でSHT状態になれるという仕様がある。この仕様は低レベルクリアやリアルタイムアタックでは重要な知識の一つにもなっている)。また、敵モンスターにもテンションを使用するものが存在し、中には一気にハイテンション、SHTになるものもいる。
テンションを上げているときは、武器攻撃、呪文、特技の威力が通常の1.5倍~7.5倍にもなる。これは相手へのダメージのみならず、防御行為や、回復呪文・特技や味方への補助呪文にも適用されるが、一部の呪文・特技やアイテムの使用に関してはテンションの影響を受けない。テンションの効果を一度発揮すると、元の状態(ふつう)に戻る。また、キャラクターがステータス異常に陥った場合や特定の攻撃を受けたときなどもテンションが解けてしまう。
本作では、ゾンビ系やエレメント系(幽霊など)の敵モンスターには特殊な耐性が設定されており、これらを攻撃するときにはテンションを上げた状態でないと、物理攻撃・呪文攻撃に関係なく与えるダメージが小さくなってしまう。
このテンションのシステムは外伝作品『少年ヤンガスと不思議のダンジョン』にも取り入れられている。
2つまたは3つのアイテムを合成させ、新たなアイテムを作り出すシステム。
移動中、馬車が一緒にいるときであればいつでも使用できる(スタート時からある程度シナリオが進むまでは使用できない)。「れんきんがま」コマンドで材料となるアイテムを釜に入れて一定時間走ると、“チン”という音とともにアイテムの合成が完了する。完成までにかかる時間はアイテムによって異なる。なお、錬金できない組み合わせの場合はすぐに元のアイテムが戻ってくる。錬金釜が使えるようになったばかりの頃は、釜に入れられる材料は2つだけだが、シナリオが進むと3つのアイテムを合成できるようになる。また、クリア後に挑戦できるイベントにより、待ち時間なしですぐにアイテムを合成できるようになる。
錬金の材料の組み合わせ(錬金レシピ)に関するヒントは、世界各地で人々の話や文献などから入手でき、情報を得ると「錬金レシピノート」に追加される。錬金を行うときにはこのレシピノートを見ながら行うこともできるが、レシピを入手しなくても必要なアイテムさえ揃っていれば錬金を行うことは可能である。
この錬金のシステムは外伝作品『スライムもりもりドラゴンクエスト2』や『不思議のダンジョンMOBILE』にも取り入れられている。
モンスターチーム
『V』『VI』の仲間モンスターシステムをアレンジさせた新システム。
本作のフィールド上には目に見えるモンスター(チームモンスター)が特定の場所を徘徊しており、これらに接触する戦闘となる。一定条件を満たしていると、これらのモンスターに勝利したとき、そのモンスターをスカウトすることができる。そしてスカウトしたチームモンスターの中から最大3匹のモンスターでモンスターチームを組むことができる。
結成したチームは、モリーが主催する闘技大会モンスター・バトルロードに参加させることができる。モンスター・バトルロードはランクGからA、そしてSまでの8段階があり、低ランクの試合で優勝しないと上のランクの試合に参加できない。それぞれ3試合連続で勝利すると優勝となり、賞品や特典を得ることができる。
モンスター・バトルロードでのランクを上げると、「チーム呼び」の特技により通常戦闘でモンスターチームを呼び出すこともできるようになる。通常戦闘では一定ターンの間モンスターチームに戦闘を任せることができるが、呼び出せるのは1回の戦闘内で1チーム1回だけ。さらにランクを上げればモンスターチームを2つ持つことも可能となる。チームのメンバーによって、戦いに参加するターン数が異なる。
モンスター・バトルロード、通常戦闘のどちらの場合においても、チームモンスターはオートで行動し、こちらが行動を指示することはできない。チームのメンバーをある特定の組み合わせ(同じ武器を持つモンスター同士など)にすれば、一定確率で特殊な必殺技が発動することがある。また、チームモンスターも主人公たちと同様HP・MPを持っており、HPが0になると死んでしまう。通常戦闘で死んでしまったモンスターは無料でモリーに復活させてもらうことができる。
その他の新システム
- コンパスと地図
- 移動画面の視点の変化に伴い、プレイヤーが迷いにくくなるような工夫がなされている。移動画面では自分がどの方角を見ているかがわかるように、画面左下にコンパス(方位磁針)が表示される。また、フィールド上だけでなく、町やダンジョン内でも地図を見ることができるようになった。ダンジョンのマップは宝箱からダンジョンの地図を手に入れることにより閲覧可能となる。
- キャラクター操作
- 本作では、キャラクターの移動の際、「歩く」と「走る」を使い分けることができるようになった。ほとんどの場合、「走る」を利用することが多いが、ダンジョン内や特定のイベントなどでは、あえて「歩く」必要がある場面も存在する。
- 時間の概念
- 『III』『IV』『V』で採用されていた「昼」「夜」の時間の流れが復活した。本作では立ち止まっていても、また、町などの中でも屋外であれば時間が過ぎていく。呪文やアイテムで時間を操作することはできないが、宿屋で「休む」を選択すると、HP・MPの回復と同時に時間を昼から夜にすることができる。夜でなければ見られないイベントやモンスターも存在する。
- 仲間会話システム
- 仲間との会話は「なかま」コマンドを実行し、話しかけるメンバーを選択して行うようになった。
- まとめ売り
- アイテムを店に売るときに、複数のアイテムを一度に売ることができるようになった。
- 「おどかす」コマンド
- 戦闘シーンでターン開始時に「おどかす」を選ぶと、敵を脅かすことによって敵を退散させることができる。退散した敵は宝を落とすこともある。ただし必ず成功するとは限らず、失敗した場合には敵から攻撃を受ける場合もある。脅しがまったく効かないモンスターも存在する。
- コレクション
-
- モンスター討伐リスト : 『VII』から登場したモンスター図鑑に相当するもの。本作では地方ごとの出現モンスターを見ることができるようになった。また、本作ではドラゴンクエスト本編作品で初めて、各モンスターに「系統」(スライム系やゾンビ系など)が設定された。ただし、本作では最低でも1度以上モンスターに勝利しないとリストに掲載されない。
- アイテム収集リスト : 新登場の機能。今までに入手したアイテムのデータを閲覧することができる。本作ではすべてのアイテムにおいてアイコンが用意され、ゲーム内でもアイテムの外観を見ることができるようになった。
- 錬金レシピノート : 人々の情報や文献、メモなどから入手した錬金レシピ(前述)の一覧。中にはアイテム名、材料があいまいな記され方のレシピもあり、その場合は対象物の錬金が成功したときに正しいアイテム名、材料名が表示される。
- 戦歴システム
- プレイステーション版『IV』で登場した戦歴システムが継承されている。今回は「称号」に代わってトロデによるコメントが付く。
- カジノ
- 『IV』と同じ方式のスロットマシンに加え、シリーズ初登場のビンゴとルーレットが登場。
北米版・欧州版
北米版やヨーロッパ版では、日本版とは以下の点が異なっている。なお、欧米版でのキャラクター名については登場キャラクターの節を、地名については世界の節を参照。
- ストーリー中のイベントの会話ではキャラクターボイスがついている。ただし、主人公の名前の部分は読まれない。
- 移動中の呪文の使用や、アイテムの管理・装備などは、コマンドウィンドウで行う方式の日本版と違い、サブ画面で行われる。サブ画面ではキャラクターの顔やアイテムがアイコンで表示される。
- 仲間と話をするときはSTARTボタンを押す。仲間との会話画面の左上には操作ウィンドウが表示される。
- 戦闘画面のHP・MP表示ウィンドウが日本版と大幅に異なり、キャラクターの顔とHP・MPのゲージが表示される。
- 呪文の「キロキロキロ」、攻撃するときに鳴る「ピロリッ」、画面切り替えの「ザッザッザッザ」の効果音が鳴らない。
- 主人公がスーパーハイテンションになったときのアニメーションが日本版と異なり、かぶっていたバンダナが取れ、髪が黒髪から淡い色に変わり逆立ち、耳の形状が変わる(先述の「超サイヤ人」により近い演出となった)。
- BGMは東京都交響楽団によるオーケストラバージョンが使用されている。
- 日本版には登場しなかった主人公の特技 "Dragon Soul" が登場。また、「ギガブレイク」(Gigagash) と「グランドクロス」(Pearly Gates)のアニメーションが日本版と異なるものになっている。
- 「聖者の灰」の価格が大幅に異なる。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
世界
本作では光の世界と闇の世界という、地形が同一の2世界が存在する。光の世界はフルカラーであるのに対し、闇の世界は地形や生物がほとんどモノクロになっている。冒険のほとんどは光の世界が舞台となり、作中において闇の世界で行動できる範囲は隔絶された台地のみとなっている。光の世界と闇の世界との行き来は「ルーラ」「キメラのつばさ」では行えず、隔絶された台地にある条件で出現するワープホールでのみ行き来できる。
本作ではフィールド上に、主要な町やダンジョンを結ぶ街道が存在しており、街道と道しるべにそって走っていけば、確実に目的地に着くことができるようになっている。また、本作ではフィールド上のいたるところに宝箱が置かれているが、これらの宝箱は街道から外れた場所に置かれていることが多い。
出現するモンスターは、平地・森・砂浜といった地形によって異なっている。また、モンスターの分布は、終盤のイベント(暗黒魔城都市の崩壊)を境に変化し、変化後は光の世界で、闇の世界のモンスターや暗黒魔城都市のモンスターが従来のモンスターに混ざって出現するようになる。
本作では「モンスター討伐リスト」において「○○国領」「○○地方」といった地方名が設定されている。
利用できる乗り物
- 古代船 : トロデーン南の荒野に置かれていた古代船。水上を移動可能。本作では乗り物もリアルなサイズで描かれているため、船の乗降時にも画面が切り替わる。
- キラーパンサー : 陸上を高速で移動することができる。遠く離れた目的地へ移動するときなどに便利。ただしモンスターとのエンカウントは徒歩時と同様に発生する。フィールド上で「バウムレンのすず」を使用することによって呼び出す。「隔絶された台地」「翼を持つ者の場所」および闇の世界では呼び出せない。
- 神鳥の魂 : 神鳥レティスの子供の魂の力で主人公たちが鳥に姿を変え、空中を自在に飛ぶことができる(光の世界のみ)。「神鳥のたましい」を使用することによって飛行することができる。
城・町など
日本語地名の右の( )内の英語表記は欧米版での地名。
- トラペッタ (Farebury) : 物語の最初に訪れる町。七賢者の末裔マスター・ライラスや世界で高名の占い師ルイネロが住む。
- リーザス村 (Alexandria) : トラペッタの南方にある村。リーザス地方の名家アルバート家の屋敷がある。ゼシカの故郷。
- ポルトリンク (Port Prospect) : リーザス村より南西にある港町。アルバート家運営の、マイエラ方面への定期船が発着する。
- 船着き場 : 世界南西部の大陸の北海岸沿いに位置する、ポルトリンクの定期船の発着場。
- マイエラ修道院 (Maella Abbey) : ククールの所属する聖堂騎士団の宿舎がある修道院。三大聖地のひとつ。
- ドニ (Simpleton) : マイエラ修道院の南にある小さな宿場町。大きな酒場がある。
- アスカンタ (Ascantha) : 世界南西部の大陸の北東に位置する城と城下町。パヴァン王が治めるが、前王妃の死去以来、2年間もの間喪に服し続けている。
- パルミド (Pickham) : アスカンタ城よりはるか南方にある、ヤンガスの住んでいた貧民の町。極めて治安が悪い。カジノもある。
- トロデーン城 (Trodain) : トラペッタから西方、主人公たちが住んでいた城。ドルマゲスにイバラの呪いを掛けられ、魔物たちの巣窟と化した。
- 聖地ゴルド (Neos) : 世界地図の中心にある三大聖地のひとつ。巨大な女神像が祭られている聖堂がある。
- サヴェッラ大聖堂 (Savelia) : トロデーンより西の島にある三大聖地のひとつ。大聖堂があり、そこでは王家の結婚式なども行われる。また、大聖堂の裏には法皇の館に通じるパイプ通路がある。
- ベルガラック (Baccarat) : 世界北東部の大陸にある、大きなカジノがある町。カジノはギャリングによって運営されていたが、ある理由により閉鎖されている。
- サザンビーク (Argonia) : ベルガラックから南方、サザンビーク国領の中心に位置する城と城下町。年に1回バザーが開催される。
- 闇の遺跡 : 北西の孤島にある遺跡。暗黒神ラプソーンの復活を願って建設されたという。ある方法で暗黒の霧を払わない限り、内部に入ることはできない。
- リブルアーチ (Arcadia) : サザンビーク城から北方の海峡に掛かる橋上にある町。石像造りが盛ん。
- オークニス (Orkutsk) : リブルアーチより北、雪山地方の北に位置する町。正六角形の建物と地下街から成り、六角形の中心に町長の家がある。
- レティシア (Empycchu) : 聖地ゴルドから南の島「隔絶された台地」の唯一の村。神鳥レティスを崇める人々が住む。衣装や住宅などはこの村独特のもの。村の南西にはレティスの止まり木と呼ばれる場所がある。
- 闇のレティシア : 闇の世界のレティシア。村を襲う神鳥レティスに悩まされているが、人間は襲われていない。
- 三角谷 (Tryan Gully) : マイエラ地方とパルミド地方に挟まれた密林地帯にある、人間と魔物とエルフが暮らす集落。賢者クーパスの仲間の妖精ラジュと魔物ギガンテスが作った。
- 暗黒魔城都市 : 空中に浮かぶ暗黒神ラプソーンの居城。ラプソーンの復活と共に出現する。
- 竜神族の里 : 異界にある村。竜神族という種族が暮らす。主人公の生まれ故郷である。
登場キャラクター
人物名右の( )内の英語表記は欧米版での名前。
主人公と仲間たち
- 主人公
- 元トロデーン王国近衛兵。実は、サザンビーク王クラビウスの兄エルトリオと、竜神族の女性ウィニアとの間に生まれた混血児である。しかし両親は既にこの世におらず、主人公は人間界で暮らすこととなったが、その際に竜神王によって記憶を喪失させる呪いを掛けられた。その呪いがあまりに強力なため、他の呪いを一切受け付けなくなっている。このおかげで、トロデーンがイバラの呪いにより滅んだ際にも呪いを受けずに済み、国を救うために国王トロデとともに旅に出る。王女ミーティアとは幼馴染でもあるためトロデらからの信頼も厚い。赤いバンダナがチャームポイント。
- 素早さはやや控えめで力、HP等が高い戦士系である。後半で爆発的にステータスが伸びて全ての面でヤンガスを越える戦士になる。武器は剣・ヤリ・ブーメランを扱い、呪文は回復呪文・ギラ系・デイン系呪文などを覚える。特殊スキルは「ゆうき」。
- ヤンガス (Yangus)
- パルミド出身の元山賊の男。トロデーンとトラペッタを結ぶ橋の上で、トロデーン城から旅立った直後の主人公たちを襲ったが、その際に橋から落ちそうになったところを主人公に助けられた。これ以来、主人公を「兄貴」と呼び慕っている。「おっさん」と呼ばれるのを嫌っているが、トロデのことは「おっさん」と呼んでいる。自分自身、こわもてで誰からも相手にされなかった時代があるせいか、魔物にされたトロデに若干同情するところもある。言葉の最後に「~でがす」をつけるのが口癖でイガイガ帽子がチャームポイント。
- ちからやHPが高くすばやさやMPが低いという典型的な戦士系キャラクター。武器は斧・鎌・打撃系武器(ハンマー等)・鉄球(スキル対象外)を扱うが、覚える呪文は数少ない。特殊スキルは「にんじょう」。
- ゼシカ・アルバート (Jessica)
- 名家アルバート家のお嬢様。七賢者のひとりであったシャマル・クランバートルの血を受け継ぐ最後のひとりである。少々わがままで気が強く、ドルマゲスに殺された兄サーベルトの敵討ちのため、主人公たちと行動をともにする。彼女の容姿は、しばしば作中で「ぼんっきゅっぼーんのダイナマイトバディ」と形容される。また、一部の防具を装備しているときは、ゲーム画面上での外見が変化する。ドルマゲスを倒した直後に暗黒神の封じられた杖を手にし、暗黒神ラプソーンに操られてパーティから一時離脱し、リブルアーチで「呪われしゼシカ」として主人公たちと戦うこととなる。
- ヤンガスと対照的にHPやちからが低い魔法使い系のキャラクターである。武器はムチ・短剣(スキルを上げれば一部の長剣も扱える)・杖を扱い、呪文はメラ・ギラ・イオ・ヒャド系を中心に覚える。特殊スキルは「おいろけ」。
- ククール (Angelo)
- マイエラ修道院の聖堂騎士団に所属する聖堂騎士。幼少時に両親を亡くし、マイエラ修道院でオディロ院長によって育てられた。美男子で女性からの人気も高いが、口が悪く、ナルシストな面とキザな性格を持っている。制服も他の聖堂騎士とは少し違う。女性をナンパしたり、カジノや酒を好むなど聖職者にあるまじき行為を平然と行う。オディロをドルマゲスに殺された後、敵討ちのため主人公たちの一行に加わる。
- 主人公に似た能力だが、やや素早さが高く力が低い等、少し違いがある。武器は剣・弓・杖を扱い、呪文は回復・蘇生系やバギ系・ザキ系を中心に覚える。特殊スキルは「カリスマ」。
以下は戦闘には参加しないが、主人公たちの旅に同行する重要キャラクターである。
- トロデ (Trode)
- トロデーン王国国王。ドルマゲスの呪いで緑色の魔物の姿に変えられた。自分や城の人々の呪いを解くために、主人公たちとともにドルマゲスを追っている。王なので自尊心が高く、中年なので少し頭が固い。仲間達にも偉そうな態度をとるがジョークを飛ばしたりと気さくな面もあり、ヤンガスとはいい漫才コンビのようにふるまう。愛娘ミーティアを大変可愛がっており、彼女を最優先に考えている場面も多い。いつも馬車に乗っており、ミーティアにその馬車を引かせている。呪われた姿が仇となる場面もしばしば。物語の途中で本来の姿を現すミーティアとは違い、物語の最後にならないと本来の姿は判明しない。錬金釜の管理を行ったり、戦歴画面でコメントを述べたりする役割も担う。
- ミーティア (Medea)
- トロデーン王国の姫。ドルマゲスの呪いで白馬の姿に変えられた。サブタイトルにある「呪われし姫君」である。物語内では馬車馬として働くが、あるイベントで初めて元の人間の姿を見ることができ、その後は主人公の夢に度々登場する。先祖代々からの約束事のため、サザンビークの王子と婚約しており、ミーティア自身も運命と思っているが、旅をすることで心境が変化してゆく。
- トーポ (Munchie)
- 主人公の服のポケットにいる利口なネズミ。その正体は竜神族の掟に従い、娘夫婦への罪滅ぼしもあって、この様な姿を取ってまで孫の成長を傍で見守り続ける主人公の祖父グルーノである。どう考えてもネズミとは思えない力を持っているのは元々竜神族であるため。チーズが大好物らしく、戦闘中にチーズを与えるとブレスによる攻撃ができる。また、主人公たちが入ることのできない狭い場所を探索することもできる。
重要人物
- クラビウス (Clavius)
- サザンビーク王国国王で、主人公の叔父。妻に先立たれ、唯一の息子であるチャゴスを甘やかしてきたが、彼の意気地無さに苦悩している。
- チャゴス (Charmles)
- サザンビーク王国王子で、主人公のいとこ。ミーティアの婚約者。太っており、トラブルがあるとベルガラックのカジノに逃げ込むなどといった臆病者で、しかも利己的な性格である。後にそれが災いすることとなる。トカゲが大の苦手。欧米版では自分の名前 Charmles を 'Sharm-LEI' と発音しているが、周りからはしばしば 'Charmless'(魅力なし)と呼ばれる。
- ポルク (Bangerz)、マルク (Mash)
- リーザス村に住む勇敢な子供。ゼシカを慕っている。
- マルチェロ (Marchello)
- 聖堂騎士団団長。ククールの腹違いの兄。ククールが生まれた後、幼少時に母とともに屋敷を追い出され、母を亡くした。そのような境遇からククールを激しく憎んでいる。端正な顔つきだが、かなりの欲望を持つ。強靭な精神力を持っており、一時期、ラプソーンの封じられた杖を握っていたにもかかわらず、精神を操られなかった。聖地ゴルドにおいて、暗黒神の封じられた杖を取り戻そうする主人公たちと対峙する。
- ゲルダ (Red)
- パルミドの西に住む女盗賊。ヤンガスと旧知の仲であり、青年時代のヤンガスの憧れの存在だった。「うるわしの貴婦人号」と呼ばれる船の所有者でもある。
- レティス (Empyrea)
- 七賢者と共にラプソーンを封印した神鳥。妖魔ゲモンによって子供を人質にとられ、ゲモン退治を主人公たちに依頼するが、その前に戦いで主人公たちの力を試す。別の世界ではラーミアと呼ばれていたと語っており、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場する不死鳥と同一の存在と推測することができる。
七賢者の末裔
かつて暗黒神ラプソーンを封印した7人の賢者の子孫。彼らが全員死んでしまったとき、杖からラプソーンが甦る。7人のうち、マスター・ライラスとギャリングは作中には実際に登場しない。
- マスター・ライラス (Rylus)
- トラペッタの魔法使いの老人。ドルマゲスの魔術の師匠。魔法使いマスター・コゾの末裔。
- サーベルト・アルバート (Alister)
- ゼシカの兄でリーザス地方の名士。魔法剣士シャマル・クランバートルの末裔。
- オディロ (Francisco)
- マイエラ修道院の院長であり、ククールやマルチェロにとっては親代わり。神の子エジェウスの末裔。
- ギャリング (Golding)
- ベルガラックのカジノの元オーナー。無敵の男ギャリング(同名だが同一人物ではない)の末裔。素手で熊を倒すほどの豪傑。
- チェルス (David)
- リブルアーチの呪術師ハワードの召使い。大呪術師クーパスの末裔。ハワードの元で下男をしている。
- メディ (Marta)
- オークニスの南の家に住む薬師の老婆。大学者カッティードの末裔。
- 法皇
- サヴェッラ大聖堂に住む聖堂信仰の長。天界を見てきた男レグニストの末裔。
その他の人物
- ルイネロ (Kalderasha)
- トラペッタに住む占い師。自分の占いによって少女ユリマの親が殺害された事から、罪悪感を感じ、水晶玉を滝の洞窟に捨て、ユリマを自分の娘として育てた。
- パヴァン (Pavan)
- アスカンタ王国国王。王妃シセルを亡くしてから2年間もの間、喪に服し続ける。
- イシュマウリ (Ishmahri)
- 月の世界の住人。不思議な力を秘めるハープの弾き手。
- ハワード (Dominico)
- リブルアーチに住む呪術師。愛犬レオパルドを寵愛し、召使のチェルスを虐めている。町の人からは好かれていないが、術の腕前は確かである。金払いは良い。
- フォーグ (Cash)、ユッケ (Carry)
- ベルガラックのカジノのオーナー、ギャリングの義理の子供たち。フォーグが兄でユッケが妹。ケンカがいつも絶えない。
- グラッド (Marek)
- オークニスの薬師。メディの息子である。
- ニノ (Rolo)
- 法皇の館の大司教。次の法皇は自分だと鼻にかけている。マルチェロによって主人公たちと共に煉獄島に投獄されることになる。後に本当に法皇になる。
- モリー (Morrie)
- モンスター・バトルロードの主催者。主人公を「ボーイ」と呼び(その他ヤンガスを「ミスター」、ゼシカを「レディ」、ククールを「ナイスガイ」と呼ぶ)、常に風が吹いている熱い男。マリー・ミリー・ムリー・メリーという4人のバニーガールが側にいる。『ドラゴンボール』のミスターサタンに似ている。
- メダル王女 (Minni)
- 「ちいさなメダル」の収集を行ってきたメダル王の娘。メダル王が倒れてしまい、寝込んでいる状態のため、代々続けてきたメダル収集を父に代わりに行う。
- ラパン (Ferix)
- ベルガラックの南東「ラパンハウス」に住む男。キラーパンサー友の会会長。キラーパンサーをこよなく愛し、「キラーパンサーの父」と呼ばれている。多忙なため、カラッチという忠実な召使いの認めた者としか会わない。
異界関連
- エルトリオ (Eltrio)
- サザンビーク王国国王クラビウスの兄で、主人公の父親。竜神族のウィニアと出会うが、ウィニアの父グルーノによって引き裂かれてしまう。その後ウィニアを追って竜神族の村へ向かうも、あと少しというところで力尽き、死す。作中で主人公たちと出会う場面は無い。彼の亡骸は村の入り口にある墓の中で、グルーノの計らいによりウィニアと共に眠っている。
- ウィニア (Xia)
- 竜神族でグルーノの娘。主人公の母親である。好奇心から人間界を訪れた際にエルトリオと出会ったが、グルーノによって引き裂かれた。既にこの世にはいないため、作中で主人公たちと出会う場面は無い。彼女の墓は天の祭壇にあるのだがそれはカモフラージュで、本当は村の入り口にあるエルトリオの墓に共に眠っている。
- グルーノ (Chen Mui)
- 竜族の長老の一人で、主人公の祖父。主人公を手助けするため、ネズミのトーポに姿を変えて人間界を訪れた。
- 竜神王 (Lord of the Dragovians)
- 竜神族の長。人間の姿を捨てる儀式に失敗して正気を失い、自我を無くして凶暴化した巨竜となり竜神族の里を襲った。正気を取り戻した後は、主人公たちに「竜の試練」を与える。竜の試練では主人公たちが人間形態に勝利した後、6つの巨竜形態のうちの1つに変身する。試練を6回終えた後の「竜の力試し」では、人間形態と、最終形態である「永遠の巨竜」を含む7形態が順に現れる。
敵キャラクター
- 暗黒神ラプソーン (Rhapthorne)
- 最終ボス。世界を暗黒化させようと目論む暗黒神。かつて七賢者とレティスが封印し、魂をトロデーン王家の宝の杖に、肉体を聖地ゴルドの女神像に封じ込められていたが、七賢者の血脈者7人を殺害し杖の封印を解除したことにより復活する。まず暗黒魔城都市で主人公たちと戦うが、このときは仮の姿であり、身体は非常に小さい。その後、暗黒魔城都市の力を吸収し、非常に巨大な身体を持つ。最終決戦ではバリアが張られており、このバリアを破壊しない限りダメージを与えることは不可能。本作ではラストダンジョンの奥にラストボスがいるのではなく、「レティスの止まり木」での会話イベントを終えると直接ラストボスの元を訪れ、戦闘が始まる。
- ドルマゲス (Dhoulmagus)
- トロデーン王家の宝の杖を盗み出し、杖に封じられた暗黒神ラプソーンに操られ、城にイバラの呪いを掛けた道化師。全ての出来事を引き起こした張本人。七賢者の子孫うちマスター・ライラス、サーベルト、オディロ、ギャリングの4人を殺害後、闇の遺跡で主人公たちと戦う。戦闘では、第1形態は3体に分身する。その後、暗黒神の封じられた杖の力を解放し魔物化して第2形態となる。
- 魔犬レオパルド (Evil Sir Leopald)
- リブルアーチの猛犬。ハワードの愛犬だったが、ゼシカの落とした暗黒神の封じられた杖を拾い、暗黒神ラプソーンに操られ、魔物化した。チェルスとメディを殺害後、羽根を生やし、法皇の館で主人公たちと戦う。
- 妖魔ゲモン (Gemon)
- 神鳥の巣(闇)に住む暗黒神ラプソーンの腹心。レティスの子供の卵を人質に、レティスに闇のレティシアを襲わせた。
- ドン・モグーラ (Don Mole)
- アスカンタ城地下宝庫から「月影のハープ」を奪ったモグラ盗賊団のボスである巨大モグラ。アスカンタより北方の洞窟にアジト(モグラのアジト)を構えている。音楽を愛するが、その歌声は…。
ストーリー概略
プロローグ
ある晩、トロデーン城にて、城に仕える道化師ドルマゲスが、城内に封印されていた邪悪な力を持つ杖を奪った。彼はその杖の邪悪な力に目覚め、トロデ王とミーティア姫はその杖の魔力により、それぞれ醜い魔物と白馬に姿を変えられてしまった。ドルマゲスはさらに杖の力を解放しようとするも制御できずに、杖は暴走し、トロデーン城や城の住民は呪いによりイバラに覆われてしまった。ドルマゲスはその後、姿を消してしまう。何故かイバラの呪いに掛からず無事だったトロデーン城の近衛兵・主人公は、トロデ、ミーティアとの3人(2人と1頭)で自分たちや城、住民の呪いを解く為にドルマゲスを追う旅に出る。途中で山賊ヤンガスを仲間に加え、まずは呪いを解く手段を知っている可能性のあるマスター・ライラスを訪ねるため、トラペッタに向かう。(ゲーム本編は、トラペッタに到着する前に森の中で休憩をしているシーンから始まる。)
ドルマゲスを追う
主人公たちは人々の情報を頼りに、ドルマゲスを追跡する。しかし、マスター・ライラスを始め、ゼシカの兄サーベルトやマイエラ修道院のオディロ院長、ベルガラックのカジノオーナーのギャリングが次々と殺されていく。途中でゼシカやククールを仲間にした一行は、サザンビークで入手した太陽の鏡によって北西の無人島にある闇の遺跡に入り、ドルマゲスを打ち倒す。しかし彼を倒しても、トロデやミーティアの呪いは解けなかった。
暗黒神の復活
ドルマゲスを倒した直後、彼の持っていた杖を拾ったゼシカが豹変。主人公たちは呪術師ハワードの協力を得てゼシカを我に返す。その後ゼシカの話により、暗黒神ラプソーンの存在が明らかになる。杖に封印されたラプソーンが杖を持つ者を操り、かつてラプソーンを封印した七人の賢者の子孫を殺すことによって、自身を甦らせようと企んでいるのだ。しかしゼシカの次に杖を拾ったハワードの飼い犬レオパルドによって、七賢者の子孫であるハワードの弟子チェルスや薬師メディも殺され、残すはあと一人となってしまった。主人公たちは神鳥レティスの子供の魂を手に入れて空を飛び、杖を取り返すためレオパルドを打ち倒すが、杖はマルチェロの手に渡り、七賢者の子孫の残りの一人であった法皇も殺される。主人公たちがマルチェロと戦った直後、ラプソーンはついに杖から復活。主人公たちは神鳥レティスの協力を得て、ラプソーンに戦いを挑む。
豆知識
ゲーム中の楽曲
- オープニング系
- 序曲 : タイトル画面でのBGM。『IV』のものと『V』~『VII』のものを両方合わせたようなバージョン。エンディングのワンシーンでも使われる。
- インテルメッツォ : 冒険の書選択画面でのBGM。IV~VIIと同一曲。
- 城・町・ほこら系
- 城の威容~王宮のガヴォット : 城内でのBGMであるが、ゲーム中での初使用は非常に遅い。イントロ部分「城の威容」については、基本的に城に入った最初の時のみ流れるほか、夜用の場合はカットされる。
- 穏やかな街並み : 一般的な町で使われているBGM。夜用のアレンジもある。
- 対話 : 規模の大きな町で使われているBGM。夜用のアレンジはない。
- 酒場でブギウギ : 酒場で使われるBGM。リメイク版『III』の「ブギウギ」と同一曲。
- 楽しいカジノ : カジノで使用されるBGM。『IV』の楽曲からの流用。
- 静かな村 : 村や小屋で使われるBGM。夜用のアレンジもある。
- 讃美歌に癒されて : 教会の中でのBGM。マイエラ修道院初訪問時もこのBGM。
- 修道僧の決意 : マイエラ修道院、聖地ゴルド、法皇の館で使われるBGM。
- 大聖堂のある街 : サヴェッラ大聖堂でのBGM。マルチェロ関連のイベントでも使われる。
- ダンジョン系
- ひんやりと暗い道 : 洞窟内でのBGM。
- 暗い道の奥で : 洞窟の深奥部で流れるBGM。
- 神秘なる塔 : 塔の中でのBGM。
- 闇の遺跡 : 名前の通り闇の遺跡の内部で使われるほか、闇の世界のフィールド上でも使われる。
- 終末へ向かう : ラストダンジョンにあたる暗黒魔城都市内でのBGM。
- フィールド系
- 広い世界へ : メインフィールド上でのBGM。物語前半と後半とでは曲の始まりが異なる。
- 乗り物系
- 大平原のマーチ : キラーパンサー搭乗時のBGM。前述の「広い世界へ」のアレンジ版。
- 海の記憶 : 古代船で移動する際のBGM。古代船浮上イベント用のソプラノバージョンもある。
- おおぞらをとぶ : 「神鳥のたましい」の力で飛行中に流れるBGM。『III』の楽曲からの流用。
- 戦闘系
- 雄叫びをあげて : 通常戦闘時のBGM。
- 難関を突破せよ : 各種中ボスとの戦闘時のBGM。
- ドルマゲス : 名前の通りドルマゲス(変身後)との戦闘時に使われるほか、暗黒神ラプソーン(変身前)、暗黒の魔人、竜神王(変身体含む)との戦闘でも使われる。
- おおぞらに戦う : 最終ボスである暗黒神ラプソーン(変身後・バリア破壊後)との戦闘時のBGM。前述の「おおぞらをとぶ」と「ドルマゲス」のメロディが取り入れられている。
- イベント系
- 馬車を曳いて : 物語冒頭のスタッフクレジット時や、古代船関連のイベントでも使用されており、後半になってからは専らレティスのテーマとして使われている。
- それ行けトーポ : イベント中でトーポを操作する際のBGM。トーポ以外のイベント時も使われる。
- 詩人の世界 : イシュマウリの世界及びふしぎな泉で使われる。
- この想いを… : 死別等の悲しめのイベントで多用されるほか、トロデーン城や喪中のアスカンタ城でも使われる。
- この想いをハープにのせて : 前述の「この想いを…」のアレンジ版。こちらもイベント用で使われる。
- つらい時を乗り越えて : 主に回想シーンなどのイベントで多用されるBGM。ふしぎな泉でのミーティアとの会話シーンでも使われる。
- そうだあの時は… : イベント用のBGMの一つだが使用頻度はやや低め。
- 急げ!ピンチだ : イベント用BGM。主に何らかの緊急事態が発生した際に使われる。
- 忍び寄る影 : イベント上でドルマゲス(その他、暗黒神に支配された者)が出現した際に使われるほか、ドルマゲス(変身前)、暗黒神ラプソーン(変身後・バリア破壊前)との戦闘時にも使われる。
- その他
- 錬金がま : 錬金釜の画面でのBGM。
- エンディング系
- 空と海と大地 : エンディング用のBGM。ゲーム音源では「大聖堂のある街」から連続してこの曲が流れる。
スタッフ
関連商品
ガイドブック
- Vジャンプブックスゲームシリーズ ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 (ISBN 4-0877-9304-4)
- SE-MOOK ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 公式ガイドブック 上巻 世界編 (ISBN 4-7575-1378-X)
- SE-MOOK ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 公式ガイドブック 下巻 知識編 (ISBN 4-7575-1379-8)
- ドラゴンクエストVIIIのあるきかた (ISBN 4-7575-1491-3)
その他の書籍
- Vジャンプ緊急増刊 ドラゴンクエストVIII大冒険スーパーガイドブック -- Vジャンプ2004年12月15日増刊号。鳥山明によるメインキャラクターや町の人、乗り物などの書き下ろしイラストが掲載された。
CD
派生作品
- ゲーム『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』
- 本作のキャラクター「ヤンガス」の少年時代の外伝的作品で、ローグライクゲームである。
参考資料
- ^ a b Vジャンプ2004年12月15日増刊号 「Vジャンプ緊急増刊 ドラゴンクエストVIII大冒険スーパーガイドブック」(集英社)より
- ^ 鉄人社プレスリリース
外部リンク
- 日本版ドラゴンクエストVIII公式サイト -- スクウェア・エニックス
- 日本版ドラゴンクエストVIII公式サイト -- レベルファイブ
- 北米版 Dragon Quest VIII: Journey of the Cursed King 公式サイト -- SQUARE ENIX、英語
- ヨーロッパ版 Dragon Quest: The Journey of the Cursed King 公式サイト -- SQUARE ENIX、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語の5ヶ国語に対応