サウル・アルバレス 対 テレンス・クロフォード戦

WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ

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サウル・アルバレス 対 テレンス・クロフォード戦(サウル・アルバレス たい テレンス・クロフォードせん、別名There Can Only Be One)は、2025年9月13日にアメリカ合衆国ラスベガスアレジアント・スタジアムで開催されたプロボクシングの試合。WBAWBCIBFWBO世界スーパーミドル級統一王者のアルバレスと、WBA世界スーパーウェルター級王者のクロフォードが行うタイトルマッチ。

There Can Only Be One
サウル・アルバレス 対 テレンス・クロフォード戦
開催日 2025年9月13日
認定王座 WBAWBCIBFWBOリングマガジン世界スーパーミドル級タイトルマッチ
開催地 アメリカ合衆国ラスベガス
会場 アレジアント・スタジアム
観衆 70,482人
リングアナ マイケル・バッファー
放送局 Netflix
実況・解説 ジョン・アニック(実況)
アンドレ・ウォード(解説)
マックス・ケラーマン(アナリスト)
ヘンディー・アンドロル(リポーター)
ジム・グレイ(インタビュー)
主催 トゥルキ・アラルシク(リヤド・シーズン)
ダナ・ホワイト(ZUFFAボクシング)
トム・ローファー(360プロモーションズ)
サウル・アルバレス(カネロ・プロモーションズ)
テレンス・クロフォード(TBCプロモーションズ)
ボブ・アラムトップランク
佐々木修平(志成ボクシングジム)
ウェブサイト Canelo vs. Crawford

サウル・アルバレス 対 テレンス・クロフォード
Canelo(カネロ) Bud(バド)
比較データ
35歳 年齢 37歳
ハリスコ州グアダラハラ 出身地 ネブラスカ州オマハ
67戦 63勝 (39KO) 2敗 2分 戦績 41戦 41勝 (31KO) 無敗
173cm 身長 173cm
167.5 lb (76.0 kg) 体重 167.5 lb (76.0 kg)
179cm リーチ 188cm
オーソドックス 特徴 スイッチヒッター
エディ・レイノソ 指導者 ブライアン・マッキンタイア
エサウ・ディエガス
WBA世界スーパーミドル級スーパー王者WBC世界スーパーミドル級王者・IBF世界スーパーミドル級王者・WBO世界スーパーミドル級王者・リングマガジン世界スーパーミドル級王者・世界4階級制覇王者 評価 WBA世界スーパーウェルター級王者・世界4階級制覇王者・世界2階級4団体統一王者

結果 クロフォードの12回判定勝ち(3-0)
主審 トーマス・テイラー(4団体)
副審 ティム・チーザム(4団体)
スティーブ・ワイスフェルド(4団体)
マックス・デルーカ(4団体)

試合までの経緯

アルバレスの王座獲得から防衛まで

2018年12月15日、ニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンで、当時ミドル級王者だったアルバレスが階級を上げてWBA世界スーパーミドル級正規王者ロッキー・フィールディングと対戦し、3回2分38秒TKO勝ちを収め、王座を獲得し3階級制覇に成功した[1]

2020年12月19日、テキサス州サンアントニオアラモドームで、アルバレスがWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミスとWBA王座団体内統一戦並びにWBC世界スーパーミドル級王座決定戦で対戦し、12回3-0(117-111、119-109×2)の判定勝ちを収め、WBAは王座統一による初防衛、空位だったWBC王座の獲得、スミスが保持していたリングマガジン認定王座の獲得にも成功した[2]

2021年2月27日、フロリダ州マイアミハードロック・スタジアムで、アルバレスがWBC世界スーパーミドル級1位で指名挑戦者アブニ・イルディリムと対戦し、3回終了TKO勝ちを収めWBA王座は2度目、WBC王座の初防衛に成功した。試合後に5月8日にWBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・ソーンダースとの3団体王座統一戦が発表された[3]

2021年5月8日、テキサス州のAT&Tスタジアムで、アルバレスがWBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・ソーンダースと3団体王座統一戦を行い、8回終了TKO勝ちを収めWBA王座は3度目、WBC王座の2度目の防衛と、WBO王座の獲得に成功し3団体王座統一を果たした[4]

2021年11月6日、ラスベガスMGMグランド・ガーデン・アリーナで、アルバレスがIBF世界スーパーミドル級王者カレブ・プラントと4団体王座統一戦を行い、11回1分5秒TKO勝ちを収め、WBA王座は4度目、WBC王座は3度目、WBO王座の初防衛及びIBF王座を獲得し、史上7人目となる主要4団体統一に成功しスーパーミドル級では初の4団体統一王者になった[5]

2022年9月17日、ラスベガスのT-モバイル・アリーナでアルバレスがWBA・IBF・IBO世界ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンとスーパーミドル級タイトルマッチとして通算で3回目の対戦を行い、12回3-0(116-112、115-113×2)の判定勝ちを納めWBA王座は5度目、WBC王座は4度目、WBO王座は2度目、IBF王座の初防衛に成功した[6]。試合後の会見で、アルバレスは左手首の靭帯損傷を明らかにし長期離脱の可能性があることを表明した[7]

2023年5月6日、ハリスコ州グアダラハラエスタディオ・アクロンでアルバレスがWBO世界スーパーミドル級暫定王者ジョン・ライダーと団体内王座統一戦で対戦し、12回3-0(120-107、118-109×2)の判定勝ちを納めWBA王座は6度目、WBC王座は5度目、IBF王座は2度目、WBO王座は王座統一及び3度目の防衛に成功した[8]

2023年9月30日、-モバイル・アリーナでアルバレスが2階級下のWBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界スーパーウェルター級統一王者ジャーメル・チャーロと対戦し、12回3-0(119-108、118-109×2)の判定勝ちを収めWBA王座は7度目、WBC王座は6度目、IBF王座は3度目、WBO王座は4度目の防衛に成功した[9]

2024年5月4日、T-モバイル・アリーナでアルバレスがWBO世界スーパーミドル級1位のハイメ・ムンギアと対戦し、12回3-0(117-110、116-111、115-112)の判定勝ちを収めWBA王座は8度目、WBC王座は7度目、IBF王座は4度目、WBO王座は5度目の防衛に成功した[10]

2024年9月14日、T-モバイル・アリーナでアルバレスがWBA世界スーパーミドル級1位のエドガー・ベルランガと対戦し、12回3-0(118-109×2、117-110)の判定勝ちを収めWBA王座は9度目、WBC王座は8度目、WBO王座は6度目の防衛に成功した[11]

2025年2月4日、アルバレスとクロフォードが対戦することに合意したと各メディアが一斉に報じた[12]。しかしその2日後に、試合がキャンセルされたとの報道が続報として流れた[13]

対戦決定後の概要から試合まで

2025年5月3日、サウジアラビアリヤドのANBアリーナでアルバレスがIBF世界スーパーミドル級王者ウィリアム・スクールと対戦し、12回3-0(115-113、116-112、119-109)の判定勝ちを収めWBA王座は10度目、WBC王座は9度目、WBO王座は7度目の防衛及び再びIBF王座を獲得し、スーパーミドル級4団体統一王者に返り咲いた[14]

試合後のリングにクロフォードが上がり、次戦ラスベガスのアレジアント・スタジアムでアルバレスとクロフォードの対戦が決まったことが発表された。アルバレスは「クロフォードは最高の選手。そういった選手と同じリングに立つのは好きだし、光栄だ」と対戦へ意欲を見せ、クロフォードも「出来事には理由があり、俺がここにいるのにも理由がある。9月には偉大な選手がどういうものか世界に示すつもりだ」と応じた[15]

2025年8月11日、アンダーカードでWBC世界スーパーミドル級暫定王者クリスチャン・エンビリがWBC世界スーパーミドル級7位のレスター・マルティネス英語版と防衛戦を行うことが発表された[16]

2025年8月20日、追加のアンダーカードで堤麗斗がハビエル・マルティネスとスーパーフェザー級6回戦で対戦することが発表された[17]

2025年8月25日、キャンプを行うアルバレスのスパーリングパートナーとして、元世界ウェルター級統一王者ジャロン・エニスが招聘されたことが明らかになった[18]

2025年9月5日、クロフォードが自身のインスタグラムにて、上半身が露わとなった2枚の写真を投稿。くっきりと浮き上がった腹筋が強烈なインパクトを放ち、2階級上げてアルバレスに挑戦するに辺り、肉体改造が準備万端であることをアピールした[19]

2025年9月8日、ラスベガスのベラージオホテル前の観光名所となる噴水前でフェイスオフイベントが開催された[20]。またこの日は勝者に贈られる特注リングマガジン・チャンピオンシップ・メガベルトが公開された[21]

2025年9月10日、海外のボクシングメディア『Boxing Kingdom』がSNSにて、アルバレスによる首を鍛えるトレーニング動画を公開した[22]

2025年9月11日、クロフォードが試合前のメディアを前に会見に応じた。アルバレスとの対戦を前に肩を痛めたという情報が飛び交り、メディアから負傷箇所の質問攻めにあったクロフォードだが、「私が肩を負傷した? そんなことは知らない。きっとファンがふざけ合っているのだろう。テレンス・クロフォードがケガをした、体調がすぐれない、動きがスローだ……そんな話で盛り上がっているだけだ」と噂を一蹴し、「明らかにパワーアップを感じる。(2階級越えに)何も心配することはない」と自信を示し、またモチベーションをかき立てるものは「周囲を黙らせることだ」と決意を表した[23]

2025年9月12日、ラスベガスのフォンテンブローで前日計量が行われ、アルバレスとクロフォードともに167.5ポンドを計測し一発で計量をパスした[24]。興行全体の計量はメディアに公開されたが、アルバレスとクロフォードの2人は別室で非公開で行われた[25]

2025年9月13日、アレジアント・スタジアムで行われたWBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチにに於いて、クロフォードが12回3-0(116-112、115-113×2)の判定勝ちを収め、男子ボクサーでは史上初となる3階級での主要4団体王座統一に成功するとともに5階級制覇を達成した[26]

試合後

史上初の3階級4団体王座統一及び5階級制覇を達成したクロフォードは、試合後のフラッシュインタビューで「カネロは偉大なチャンピオンだ。彼には脱帽せざるを得ない。彼は素晴らしいファイターであり、彼を深く尊敬している」と挑戦を受けたアルバレスを称えた上で、“世紀の一戦”を制しての偉業達成に「俺がここにいるのは単なる偶然ではない。全てのファンと、全てのアンチに感謝したい」と語った[27]

一方試合に敗れたアルバレスは、試合後のリングインタビューで「彼のような偉大なボクサーと戦えて嬉しい。俺はボクシング界ですでにたくさんの偉業を達成した。レガシーはすでにある。リスクを負うのはボクシングが大好きだからだ」と答え、「クロフォードは類まれなスキルの持ち主。クロフォードを称賛するよ」と敬意を示した[28]

対戦カード

階級 契約 vs. 結果 ラウンド 時間 Notes
スーパーミドル級 168 lbs.   サウル・アルバレス (C) vs.   テレンス・クロフォード 判定0-3 12R - Note 1
スーパーミドル級 168 lbs.   クリスチャン・エンビリ (C) vs.   レスター・マルティネス英語版 判定1-1 10R - Note 2
スーパーウェルター級 154 lbs.   カラム・ウォルシュ vs.   フェルナンド・バルガス・ジュニア 判定3-0 10R - Note 3
スーパーフェザー級 130 lbs.   堤麗斗 vs.   ハビエル・マルティネス TKO 1R 2:18[29] Note 4

^Note 1 WBAWBCIBFWBOリングマガジン世界スーパーミドル級タイトルマッチ
^Note 2 WBC暫定世界スーパーミドル級タイトルマッチ
^Note 3 スーパーウェルター級10回戦
^Note 4 スーパーフェザー級6回戦

脚注

  1. ^ カネロ3回TKOで3階級制覇 次戦は5月4日と明言 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年12月16日
  2. ^ カネロがスミスを圧倒 S・ミドル級2冠を手中 キャリアのベストファイトをアピール Boxing News(ボクシングニュース) 2020年12月20日
  3. ^ カネロが楽々3回TKO勝ち 5.8サンダースと3団体統一戦発表 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年2月28日
  4. ^ カネロは8回終了TKO勝ち S・ミドル級3団体統一 秋に4団体制覇目指す Boxing News(ボクシングニュース) 2021年5月8日
  5. ^ カネロに新たな勲章 プラントを11回TKOでS・ミドル級4冠統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年11月7日
  6. ^ スコアカード カネロがゴロフキンに明白決着 S・ミドル級4団体王座守る Boxing News(ボクシングニュース)2022年9月18日
  7. ^ カネロの負傷は左手首靭帯損傷 長期離脱の可能性も 対戦相手候補ベナビデスはバッサリ Boxing News(ボクシングニュース)2022年9月20日
  8. ^ カネロ地元でS・ミドル級4団体統一王座防衛 粘るライダーにKOは逃す 観衆5万5000人 Boxing News(ボクシングニュース)2023年5月7日
  9. ^ カネロがダウン奪いチャーロに大差勝利 S・ミドル級4団体王座守る 次はベナビデス? ビボル? Boxing News(ボクシングニュース)2023年10月1日
  10. ^ カネロ S・ミドル級4団体ベルト守る ムンギアからダウン奪い3-0判定勝ち Boxing News(ボクシングニュース)2024年5月5日
  11. ^ カネロ、ベルランガに3-0大差勝ち ダウン奪うも3年ぶりのTKOはならず Boxing News(ボクシングニュース)2024年9月15日
  12. ^ カネロvsクロフォード9月対戦で合意 会場はラスベガスの大スタジアムか――米国報道 Boxing News(ボクシングニュース)2025年2月5日
  13. ^ カネロvsクロフォードは一転してキャンセル⁉ ザ・リングが続報で伝える Boxing News(ボクシングニュース)2025年2月7日
  14. ^ カネロが再び4団体世界王座統一 無敗のIBF王者に判定勝ち 世界Sミドル級王座統一戦 日刊スポーツ 2025年5月4日
  15. ^ 【ボクシング】アルバレス、スクールに判定勝ちして男子史上初の同階級で2度目の4団体統一 9月12日にラスベガスでクロフォードと防衛戦発表 サンケイスポーツ 2025年5月5日
  16. ^ カネロvs.クロフォードのセミでS・ミドル級暫定王者エンビリが防衛戦 Boxing News(ボクシングニュース)2025年8月12日
  17. ^ 【ボクシング】アマ9冠の堤麗斗、カネロVSクロフォードの前座でプロ3戦目が決定 7勝2敗のマルティネスと対戦 サンケイスポーツ 2025年8月20日
  18. ^ ジャロン・エニスがクロフォード戦を控えたカネロのスパーリング相手として合流 Boxing News(ボクシングニュース)2025年8月26日
  19. ^ 「カネロ、終わったな」 37歳クロフォードの最新肉体に衝撃、決戦前なのに「嘘だろ…」 THE ANSWER 2025年9月6日
  20. ^ 14日アルバレス-クロフォード戦が観光名所噴水前でフェースオフ演出「結婚式か」ファン批判も 日刊スポーツ 2025年9月9日
  21. ^ 約3000万円の金色メガベルト公開 アルバレス-クロフォード戦の勝者が獲得 日刊スポーツ 2025年9月9日
  22. ^ 怪物カネロ、クロフォード戦直前に“危険な”首トレ動画が話題「こんなの見たことない!」 イーファイト 2025年9月11日
  23. ^ こちらもいよいよ、カネロvs.クロフォード戦 クロフォード肩の負傷を否定し4団体王座奪取に自信 Boxing News(ボクシングニュース)2025年9月13日
  24. ^ 明日カネロvs.クロフォード 前座も好カード目白押し 堤麗斗プロ3戦目 Boxing News(ボクシングニュース)2025年9月13日
  25. ^ カネロvsクロフォードあすゴング!“リアル”前日計量は非公開でクリア オッズはカネロ有利 スポニチアネックス 2025年9月13日
  26. ^ クロフォード、カネロに3-0判定勝ち 3階級で4団体統一王者に Boxing News(ボクシングニュース)2025年9月14日
  27. ^ 前人未到の大偉業に感涙! クロフォードが王者カネロを圧倒して3階級での4団体統一達成「全てのアンチにも感謝したい」 COCO KARA NEXT 2025年9月14日
  28. ^ 陥落カネロ敗戦の弁「クロフォードを称賛する」 判定0-3の完敗「偉大なボクサーと戦え嬉しい」 THE ANSWER 2025年9月14日
  29. ^ アマ9冠・堤麗斗 カネロVSクロフォード前座で圧巻の初回TKO勝ち 連続KOでデビュー3連勝 スポニチアネックス 2025年9月14日

関連項目

外部リンク

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イスラエル・マドリモフ戦
テレンス・クロフォードの試合
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ウィリアム・スクール戦
サウル・アルバレスの試合
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