ブルックリンのニューヨーク市地下鉄駅の一覧
ブルックリンのニューヨーク市地下鉄駅の一覧ではアメリカ合衆国・ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区にあるニューヨーク市地下鉄の鉄道駅について概説する。

沿革
編集ブルックリンの現在の地下鉄路線の大半は、ブルックリン・マンハッタン・トランジット(BMT)やブルックリン・ラピッド・トランジット、そしてそれ以前の鉄道会社にその起源を持つ。ブルックリンの地下鉄線で最も古い路線区間は、BMTウェスト・エンド線である。この路線は、1863年10月9日に「ブルックリン・バス・アンド・コニーアイランド鉄道」という名称の地上蒸気鉄道として旅客運行を開始した[1][2]。その後、二重契約に基づき改修され、1916年6月24日に現在の高架鉄道として開通した[3]。ただし、高架鉄道に絞った場合はBMTジャマイカ線となり、ゲイツ・アベニュー駅とヴァン・シックレン・アベニュー駅間の区間が1885年5月13日に開通した[4]。現在も使用されている改修されていない最古の区間は、アラバマ・アベニュー駅とサイプレス・ヒルズ駅間の区間である。この区間は、1885年9月5日から1893年5月30日の間に開通した[5][6]。これらの区間は、かつては廃線となったBMTレキシントン・アベニュー線の一部であった。マーシー・アベニュー駅からブロードウェイ・ジャンクション駅までの区間は、二重契約の際に改修された。また、この時期にサイプレスヒルズからクイーンズのジャマイカ方面へ延伸された。
ウェスト・エンド線と同様の歴史を持つ路線には、BMTシー・ビーチ線(ニューヨーク・アンド・シービーチ鉄道)、BMTカルバー線(プロスペクトパーク・アンド・コニーアイランド鉄道)、BMTフランクリン・アベニュー線、BMTブライトン線(ブルックリン・フラットブッシュ・アンド・コニーアイランド鉄道)、BMTカナーシー線(ブルックリン・アンド・ロッカウェイビーチ鉄道)などがある。
BMTとその前身企業以外にも、インターボロー・ラピッド・トランジットはブルックリンに2つの地下鉄路線と1つの高架鉄道を延伸させた。IRTイースタン・パークウェイ線は、1908年にボロー・ホール駅からアトランティック・アベニュー駅まで、そして1920年にクラウン・ハイツ-ユーティカ・アベニュー駅まで延伸された。この路線は、ジョレールモン・ストリートトンネルを経由してIRTレキシントン・アベニュー線(マンハッタン方面)と、クラーク・ストリートトンネルを経由してIRTブロードウェイ-7番街線ブルックリン支線と接続する。また、1920年にはイースタン・パークウェイ線から2つの支線が建設された。一つは、フランクリン・アベニュー-メドガー・エヴァース・カレッジ駅からフラットブッシュのフラットブッシュ・アベニュー-ブルックリン・カレッジ駅までを結ぶIRTノストランド・アベニュー線である。もう一つは、ブラウンズビルとイースト・ニューヨークの東98丁目とリヴォニア・アベニューの上を走る高架のIRTニューロッツ線で、1922年にニューロッツ・アベニュー駅まで延伸された。
1933年には、市営の独立地下鉄(IND)が、ロングアイランドシティのコート・スクエア駅からグリーンポイントのナッソー・アベニュー駅まで、そしてウィリアムズバーグのメトロポリタン・アベニュー駅からダウンタウンブルックリンのホイト-スカーマーホーン・ストリーツ駅までINDクロスタウン線を建設した。同年、INDはジェイ・ストリート-ボロー・ホール駅からチャーチ・アベニュー駅までINDカルバー線も建設しました。3年後、IND6番街線はラトガース・ストリートトンネルを経由してジェイ・ストリート駅と接続された。BMTカルバー線のチャーチ・アベニュー駅とディトマス・アベニュー駅間の連絡路は1954年まで存在せず、その後INDがカルバー線の管理を引き継いだが、BMTウェスト・エンド線の9番街駅方面へのカルバーシャトルは例外としてBMTの路線のままだった。BMTカルバー線のこの区間は、1975年5月10日に廃線となっている。ブルックリンで最新の路線は、かつてのBMTフルトン・ストリート線と接続するINDフルトン・ストリート線の勾配区間で、1956年4月29日に開通した。この勾配区間は、ピトキン検車区およびグラント・アベニュー駅と接続している。
詳細
編集ブルックリンにはニューヨーク市地下鉄駅が170駅(ブルックリンとクイーンズに跨がっている75丁目-エルダーツ・レーン駅を含めると171駅)存在する。複数のホームを持つ乗換駅を1駅と数えると157駅になる。
路線と運行系統
編集MTAの公式の数え方では、ブルックリンには170駅が存在する。そのうち、22駅がエクスプレス(急行)かつローカル(各停)の駅である。10駅ある複合駅を1駅と数えると、157駅になる。以下の表では、色付きの路線は基幹路線を表す。その色は運行系統の丸または菱形のラベルの色と一致する。開業年月日はその路線のプラットホームの最初の区間が開業した年月日を記す。ディビジョンは現行のディビジョンの次に括弧でくくって以前のディビジョンを記載する。
| ディビジョン | 路線 | 運行系統 | ブルックリンの駅 | 開業年月日 | ブルックリンより先の進路 |
|---|---|---|---|---|---|
| B (BMT) | 4番街線 | 16(3駅はエクスプレスかつローカル駅、4駅は複合駅の一部、1駅はブライトン線と共用) | 1915年6月22日 | マンハッタン | |
| B (IND) | 6番街線 | 1 | 1936年4月9日 | マンハッタン | |
| B (IND) | 8番街線 | 1 | 1933年2月1日 | マンハッタン | |
| B (BMT) | ブライトン線 | 20(6駅はエクスプレスかつローカル駅(1駅はフランクリン・アベニュー線と共用)、1駅は複合駅の一部、1駅は4番街線と共用、1駅はカルバー線と共用、1駅はカルバー線・シー・ビーチ線・ウェスト・エンド線と共用) | 1878年7月2日 | マンハッタン | |
| A (IRT) | ブロードウェイ-7番街線 | 2(1駅は複合駅の一部) | 1919年4月15日 | マンハッタン | |
| B (BMT) | カナーシー線 | 19(3駅は複合駅の一部) | 1906年7月28日 | マンハッタン | |
| B (IND) | クロスタウン線 | 11(1駅は複合駅の一部、1駅はフルトン・ストリート線と共用) | 1933年8月19日 | クイーンズ | |
| B (IND) | カルバー線 | 21(2駅は複合駅の一部、1駅はフルトン・ストリート線、1駅はブライトン線、1駅はブライトン線・シー・ビーチ線・ウェスト・エンド線と共用) | 1919年3月16日 | 区内のみ | |
| A (IRT) | イースタン・パークウェイ線 | 11(4駅はエクスプレスかつローカル駅、3駅は複合駅の一部) | 1908年1月9日 | マンハッタン | |
| B (BMT) | フランクリン・アベニュー線 | 4(2駅は複合駅の一部、1駅はブライトン線と共用) | 1878年8月18日 | 区内のみ | |
| B (IND) | フルトン・ストリート線 | 16 (5駅はエクスプレスかつローカル駅、3駅は複合駅の一部、1駅はカルバー線と共用、1駅はクロスタウン線と共用) | 1936年4月9日 | クイーンズ | |
| B (BMT) | ジャマイカ線 | 16(4駅はエクスプレスかつローカル駅[^ 1]、1駅は複合駅の一部) | 1888年6月25日 | マンハッタン、クイーンズ | |
| B (BMT) | マートル・アベニュー線 | 3(1駅は複合駅の一部) | 1888年4月10日 | クイーンズ | |
| A (IRT) | ニューロッツ線 | [^ 2] | 7 | 1920年11月22日 | 区内のみ |
| A (IRT) | ノストランド・アベニュー線 | 7 | 1920年8月23日 | 区内のみ | |
| B (BMT) | シー・ビーチ線 | | 10(1駅は複合駅の一部、1駅はブライトン線・カルバー線・ウェスト・エンド線と共用) | 1915年6月22日 | 区内のみ |
| B (BMT) | ウェスト・エンド線 | 13(1駅は複合駅の一部、1駅はブライトン線・カルバー線・シー・ビーチ線と共用) | 1916年6月24日 | 区内のみ |
駅一覧
編集完全に廃止・撤去・解体された駅はリストに含めていない。95丁目駅は「ベイ・リッジ-95丁目駅」としてリストアップしている。
| 凡例 | |
|---|---|
| 終日停車 | |
| 深夜を除き終日停車 | |
| 深夜のみ停車 | |
| 平日のみ停車 | |
| ラッシュ時混雑方向以外の終日停車 | |
| 平日のラッシュ時の混雑方向を除く終日停車 | |
| ラッシュ時のみ停車 | |
| ラッシュ時の混雑方向のみ停車 | |
| 時間帯詳細 | |
| * | ステーション・コンプレックス(複合駅)を形成する駅 |
| ** | 緩行線と急行線間または同一路線の運行系統間の乗換駅のターミナル;上述の複合駅の一部でもあり得る |
| *** | 複数階または隣接プラットホームで別の路線への乗り換えができる駅。MTAはこれらのプラットホームは同一駅としてカウントしている。 |
| † | 運行系統のターミナル駅 |
| *†, **† または ***† | 乗換およびターミナル駅 |
| ‡ | ブルックリン内での最終駅。以降はブロンクス、マンハッタン、またはクイーンズに入る。 |
| *‡, **‡, または ***‡ | ブルックリン内での最終駅かつ乗換駅 |
| *†‡, **†‡, または ***†‡ | ブルックリン内での最終駅、乗換駅、かつターミナル駅 |
| 障害を持つアメリカ人法準拠の障害者対応駅[7] | |
| (N) または (S) | 障害者対応駅であるが、北行または南行のみ対応の駅 |
関連項目
編集- ニューヨーク市地下鉄の駅一覧
- :en:List of New York City Subway transfer stations
- :en:List of New York City Subway terminals
- :en:List of accessible New York City Subway stations
- :en:List of closed New York City Subway stations
- :en:List of Staten Island Railway stations
- ブロンクスのニューヨーク市地下鉄駅の一覧
- マンハッタンのニューヨーク市地下鉄駅の一覧
- クイーンズのニューヨーク市地下鉄駅の一覧
注釈
編集- ^ J・Z系統の千鳥停車運転時には、「エクスプレスかつローカル駅」にはどちらの系統も停車する。ジャマイカ線の2駅が該当する。
- ^ 2系統と5系統はラッシュ時に何本かIRTニューロッツ線内を運行する。
- ^ a b 4番街/9丁目駅にはホームが2組あるが、国際的に比較する場合は1駅と数える。
- ^ a b ニュー・ユトレヒト・アベニュー/62丁目駅にはホームが2組あるが、国際的に比較する場合は1駅と数える。
- ^ a b c アトランティック・アベニュー-バークレイズ・センター駅にはホームが3組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
- ^ IRTイースタン・パークウェイ線アトランティック・アベニュー-バークレイズ・センター駅は急行線用の島式ホームと緩行線用の相対式ホームが分かれている。緩行線・急行線の間はホーム下連絡通路を通って乗換可能であるが、ネヴィンズ・ストリート駅またはフランクリン・アベニュー駅で対面乗換する方が便利である。
- ^ a b c ボロー・ホール/コート・ストリート駅にはホームが3組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
- ^ a b フランクリン・アベニュー/ボタニック・ガーデン駅にはホームが2組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
- ^ a b c ブロードウェイ・ジャンクション駅にはホームが3組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
- ^ a b フランクリン・アベニュー-フルトン・ストリート駅にはホームが2組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
- ^ a b ロリマー・ストリート/メトロポリタン・アベニュー駅にはホームが2組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
- ^ a b マートル-ワイコフ・アベニュース駅にはホームが2組あるが、国際的に比較する際は1駅と数える。
脚注
編集- ^ “Opening of a New Railroad”. Brooklyn Daily Eagle (Brooklyn, NY): p. 2. (1863年10月5日)
- ^ “Railroads”. Brooklyn Daily Eagle (Brooklyn, NY): p. 1. (1863年10月9日)
- ^ New York Times, New Line to Bath Beach, June 24, 1916, page 7
- ^ “Done at Last”. Brooklyn Daily Eagle (Brooklyn, NY): p. 1. (1885年5月13日)
- ^ “Still Extending Its Lines”. Brooklyn Daily Eagle (Brooklyn, NY): p. 6. (1885年9月5日)
- ^ “Trains Running This Morning”. Brooklyn Daily Eagle (Brooklyn, NY): p. 10. (1893年5月30日)
- ^ “MTA Guide to Accessible Transit: Accessible Stations in the MTA Network”. New York Metropolitan Transportation Authority. 2010年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y Fischler, p. 239-240
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq br bs bt bu bv bw bx by bz ca cb cc cd ce cf cg Fischler, p. 241-242
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au Fischler, p. 243-244
- ^ Atlantic Avenue; BMT Canarsie Line (NYCSubway.org)
- ^ a b c “Subway Stations Opened: Last Three in Eastern Parkway Branch of I.R.T. Put Into Service”. New York Times. (1920年10月11日) 2015年12月20日閲覧。
参考文献
編集- Fischler, Stan (1997). The Subway: A Trip Through Time on New York's Rapid Transit. H & M Productions II Inc. ISBN 1-882608-19-4