ノート:戦災孤児
「戦災孤児」から「戦争孤児」への改名提案
標題の通り、「戦災孤児」から「戦争孤児」への改名提案です。主な理由は、ページの内容全体が「戦争孤児」のものとなっており、「戦災孤児」というページ名が適切でないということによります。その他の理由含め詳細は次のとおりです(常体にて失礼いたします)。
現行の記事「戦災孤児」は、その内容が「戦争孤児」全般を扱っており、記事名と内容が乖離している。日本では、「戦災孤児」とは、「戦争孤児」のうち、特に戦時の空襲によって家族を亡くした孤児を謂う「戦争孤児」の下位概念にあたる(戦争孤児⊃戦災孤児)。そもそも「戦争孤児」は、原爆孤児、引揚孤児、残留孤児、沖縄の戦場孤児、混血孤児(国際孤児)に分類されるものだが(1)、本稿では、原爆孤児等、戦災孤児以外の戦争孤児についても広く言及があり、明らかに戦災孤児よりも一般的な上位概念である「戦争孤児」についての情報を成そうとしており、実状として「戦災孤児」という特殊性の高い記事名が不適切であることから、「戦争孤児」への改名を提案する。なお学術的に「戦争孤児たちの戦後史研究会」により、戦争孤児当事者に対するスティグマへの配慮やアドボカシーの観点からも、戦争によって孤児となった子ども一般については戦災孤児ではなく戦争孤児と称するのが適切であるとの整理が成されている点にも注意が必要である(2)。この動向は、社会一般の用法、意識の変化とも軌を一にしている。新聞記事や出版物においても、近年はより普遍的な概念である「戦争孤児」の用語が主流となっている。また、Googleトレンドのデータでも世間一般の関心が「戦災孤児」よりも「戦争孤児」に向けられていることが示されている。以上、記事の実態、学術的な適切性、そして社会的な通用度のいずれの観点からも、記事名を「戦争孤児」に改名することが、Wikipediaの正確性・普遍性の向上に資するものである。
1)本庄豊『戦争孤児を知っていますか?あの日,“駅の子”の戦いが始まった』2015,日本機関紙出版センター
2)浅井春夫,川満彰編『戦争孤児たちの戦後史 1 総論編』2020,吉川弘文館