逆転裁判
『逆転裁判』(ぎゃくてんさいばん)は、カプコンの法廷バトルのアドベンチャーゲームの名、及びそのシリーズ名。また、同作品に関連した漫画作品。通称はファンの間では『逆裁(ぎゃくさい)』だが、逆転裁判製作チームのスタッフは、『逆転』と呼んでいる。
概要
本ゲームは“法廷バトル”という今までにないジャンル名を生み出したゲームである(広義では“アドベンチャー”であるとされる)。主に殺人事件が話の中核となり、被告人や証人との駆け引き、真犯人への追及という部分に重きが置かれている。
初期シリーズ主人公は弁護士の成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)(以下、成歩堂)。後期シリーズ主人公は王泥喜法介(おどろきほうすけ)(以下、王泥喜)。ゲームは、移動と会話を繰り返して裁判のための情報・証拠品を集める「探偵パート」と、そこで得た証拠を武器に依頼人である被告人の弁護を行う「法廷パート」に分れている。
法廷においては、自分の手元にある入手した情報や証拠品とつきあわせつつ、証人達の言葉を聞き、尋問においてその中にある事実と食い違う部分、つまり『ムジュン(矛盾)』を探し追及するのが、このゲームシステムにおける原則である。また多くの矛盾点を暴いていく事で事件の真相を徐々に明かにしていき、依頼人の無実及び無罪を立証するのが最大の目的である。
ゲーム中の法律は現在の日本国における現行法とは制作上の意図で変えられている部分が多い。例えば、本作特有の裁判のシステム序審法廷制度が最たるものだが、他にも異なる点がある。ゲーム中、裁判長の手にある木槌は実際の日本の法廷では使われていないし、「異議あり」の発言も日本の法廷では稀である。言うとしても証人に向って叫ぶのではなく弁護士・検事が互いの質問・尋問に対して判事に申し立てるものである。 しかし、本作のように弁護人や検事でない人物が法廷に立つ事は、家庭/簡易/地方裁判所で「特別弁護人」として実際に認められている。また被告人が証言台に立つ事も刑事事件において認められており、そのような稀なケースも記録に残っている。
余談だが、攻略本によれば、舞台は東京都である。
また余談だが、2005年5月25日に行われた、法務省の第1回法教育推進協議会で逆転裁判の名前が出されたことがある。
基本ルール
物語は基本的に「法廷パート」と「探偵パート」とに分かれ、プレーヤーは弁護士となって両方のパートを繰り返しながら、事件を解決へと導いていく。
法廷パート
証人が行う「証言」を聞き、それに対してプレーヤー(弁護士)は「尋問」を行う。プレーヤーには体力ゲージ(裁判長の心証)があり、法廷で大きなミスを犯すとペナルティ(減点)を受ける。体力ゲージが0になれば有罪となりゲームオーバーである。ペナルティの量は状況によって異なり、最大値の1/6減点から一発ゲームオーバーになるものまで様々である。なお「1」と「蘇る逆転」にはゲージの概念がなく持ち点5点でどんな場合も1点ずつ減点の回数制である。体力は話中の区切りに達すると全回復する(ただし「2」「3」以外)。
- つきつける
- プレーヤーは証言の台詞のうち矛盾がある部分に対して「つきつける」を選び、同時に矛盾の根拠になる証拠を示す。「2」と「3」では人物リストも選択肢に含まれる。これが正解ならば先に進め、不正解または矛盾した部分でない場合はペナルティ(減点)を受けやりなおしとなる。
- ゆさぶる
- 証言のせりふに対して「ゆさぶる」を選ぶと、詳しい情報が得られる。証言のすべての部分にゆさぶりをかけ続けることで法廷が進む場合もある。新しい証言が出されることがあり、これがまさに矛盾した文を含んでいる場合もある。基本的に何度ゆさぶってもペナルティにはならない(まれにペナルティを受ける場合もある)。
- みぬく
- 特定の証言のせりふに対して腕輪を選ぶと、証人が嘘をつく時に出る「クセ」を見抜き、それを指摘して進める。この時は証人のしゃべるスピードが非常に遅くなり、嘘をついた時にクセが出る。見逃した場合はもう一度聞き直すことができる。「4」で登場。
法廷中は尋問以外にも、弁護人の考えを答えなければならない設問が発生する。設問の形式は様々で、選択肢の中から正しいものを選ぶ形式、証拠品(または人物)提示、資料図示、動画図示などがある。画面に残りゲージが表示されている設問では間違った答えを選ぶとペナルティとなるが、残りゲージが表示されていない設問ではペナルティの対象とならない。
探偵パート
さまざまな人物から情報を手に入れたり、現場検証して証拠品を集めるなどの行動を繰り返し、裁判に必要な手がかりを集めることが目的。基本的にペナルティはない。又、必要となる全ての証拠品及び情報を得た時点で次の法廷パートへ進むので「探偵パートで調べ忘れをした為に法廷パートのクリアが不可能になる」という事態にはならないようになっている。
シリーズ一覧
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS等で発売されている。これまでのシリーズ作品のディレクターとシナリオは全編を通して巧舟が担当している。
- 逆転裁判(GBA 2001年10月12日発売)
- 逆転裁判2(GBA 2002年10月18日発売、NDS 2006年10月26日発売)
- 逆転裁判3(GBA 2004年1月23日発売) - CEROレーティング12歳以上対象
- 逆転裁判 蘇る逆転(NDS 2005年9月15日発売) - CEROレーティング12歳以上対象、PEGIレーティング7歳以上対象
- 逆転裁判4(NDS 2007年4月12日発売) - 限定版のみCEROレーティング12歳以上対象
逆転裁判1~3までの主人公成歩堂龍一に代わり、主人公は王泥喜法介(おどろき ほうすけ)が登場する。
- 以下は移植作品(ソースネクストから販売)
このほかに、携帯電話用アプリがある。
逆転裁判
ジャンル | 法廷バトル |
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対応機種 | ゲームボーイアドバンス |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人 |
メディア | GBAROM |
発売日 | 2001年10月12日 |
売上本数 |
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シリーズ第1作目。全4話。続編が出る予定はなかったため、4話でほぼ全ての伏線を回収している。システムはこの時点でほぼ完成されており、続編において大きな変更は見られない。
- 第1話:初めての逆転
- 綾里法律事務所所属の新米弁護士、成歩堂龍一の初裁判。某アパートで殺人事件が起こった。被告は被害者の恋人で成歩堂の友人・矢張政志(やはり まさし)。成歩堂は矢張を救うことができるのか。
- 第2話:逆転姉妹
- 「綾里法律事務所」で成歩堂の師匠、綾里千尋(あやさと ちひろ)が撲殺された。その犯人として、被害者の妹で修行中の霊媒師である綾里真宵(あやさと まよい)が逮捕された。彼女が犯人ではないと信じる成歩堂は弁護を引き受ける。
- 第3話:逆転のトノサマン
- 人気テレビ番組のヒーロー、トノサマンが怪人アクダイカーンを倒した!…テレビではごく当たりまえのことが、現実に起こってしまった。番組のファンである真宵に引っ張られ、成歩堂は調査を開始する…。
- 第4話:逆転、そしてサヨナラ
- ライバルであり旧友でもある御剣怜侍(みつるぎ れいじ)が殺人容疑で逮捕されてしまう。御剣の弁護を成歩堂が引き受けようとするのだが…。
逆転裁判2
ジャンル | 法廷バトル |
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対応機種 |
ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人 |
メディア |
GBAROM DSカード |
発売日 |
GBA版:2002年10月18日 DS版:2006年10月26日 |
対象年齢 | CERO: A(全年齢) |
売上本数 |
GBA版:約17万本 DS版:約10万本 |
当初は全5話を予定していたが、ROM容量の不足からやむなく収録エピソードを一つ削る事が決まり、全体の構成がやりなおしになり開発全体がかなり難航したという。その影響かはさだかではないが第2話のトリックに非常に不可解な点があり、ユーザー間の議論を招いた。ニンテンドーDSソフトの北米版は"Phoenix Wright: Ace Attorney - Justice For All"。
変更点
- 「1」では「つきつける」コマンドの対象は証拠品ファイル内のものだけだったが、今作から人物ファイルもつきつけられるようになった。
- 法廷パートでの尋問時に、方向キーで証人の証言内容を先へ送ろうとした時、うっかりキーを押し過ぎてループさせてしまうというミス(スキップができない成歩堂のセリフが入った後、証言内容の先頭に戻ってしまう)が「1」ではよく発生したが、「2」でこれに対して防止措置がとられた。
- 法廷パートで間違ったタイミングや証拠で異議を唱えた場合、「1」ではどんな間違いでも重みが同じで1回の裁判につき4回のペナルティまで許されるという回数制だったが、「2」からはゲージ制に変更された。失敗した状況によってペナルティの大きさが変化し、一度の重大な局面でのミスが即ゲームオーバーに繋がる緊迫感を演出する。
- サイコ・ロックという新要素が導入された。これは探偵パートで秘密を抱えた人物から証拠品を突きつけて情報を引き出すというもの。
ニンテンドーDS版が2006年10月に発売されたが、「蘇る~」の第1話~第4話に加えられた変更と同様にタッチペン対応の証拠品リストやマイクでの音声認識機能はあるものの、新シナリオその他の追加要素は特に無い純粋な移植作品となっている。なおDSにGBA版とDS版を同時に差し込むことで最初から全ての話で遊べるようになる。
- 第1話:失われた逆転 (The Lost Turnabout)
- 婦人警官が殺人容疑で起訴された。その弁護を引き受けた成歩堂だったが、何者かによる襲撃で裁判直前に記憶喪失になってしまう…。
- 第2話:再会、そして逆転 (Reunion, and Turnabout)
- 医療ミスで14人もの死者を出した「霧崎医院」の院長・霧崎哲郎が、自らの潔白を綾里真宵の霊媒で証明する為、成歩堂法律事務所を訪れた。成歩堂は霧崎医師とともに、真宵のいる倉院の里を訪れるが、霊媒中に霧崎が殺害されてしまう…。
- 「1」では話順と時間の進行が一致していたが「2」以降必ずしもそうではなく、この事件は第1話「失われた逆転」の2ヶ月前の出来事である。
- 第3話:逆転サーカス (Turnabout Big Top)
- 有名なサーカス団・タチミサーカスの演技を観に来た成歩堂達。ところがその翌日、同サーカスの団長が殺害され、花形である天才マジシャン、マックスことマクシミリアン・ギャラクティカ(本名・山田耕平)が逮捕されてしまう。
- 第4話:さらば、逆転 (Farewell, My Turnabout)
- 大スターの王都楼真悟が殺人容疑で逮捕された。依頼を受けた成歩堂は調査を開始するが、真宵が誘拐されてしまう…。
- シリーズ中で最も証拠品の数が多く難解で、極めて意外な結末と、シリーズで唯一バッドエンドが存在した(ただし、見方によってはハッピーエンドとしても受け取れる)事でユーザーを驚かせた。
逆転裁判3
ジャンル | 法廷バトル |
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対応機種 |
ゲームボーイアドバンス 北米版:ニンテンドーDS |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人 |
メディア |
GBAROM 北米版:DSカード |
発売日 |
GBA:2004年1月23日 北米版:2007年9月25日 |
対象年齢 | 12才以上対象 |
売上本数 |
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成歩堂の師匠、綾里千尋の新人時代の様子が少し描かれる。前作にも増して霊媒の扱いが大きくなり、ストーリーのみならず事件の中核に直接関わるようになった。ニンテドーDSソフトの北米版は"Phoenix Wright: Ace Attorney - Trials and Tribulations"。
ゲームシステム自体は前作からほとんど変更は無いが、「2」では探偵パートでのみだった“一度クリアしたエピソードのメッセージスキップ”が法廷パートでも可能になっている。シナリオ・トリックの面については前作に比べると矛盾点もわかりやすく、一回でゲームオーバーになる部分も減らされているなど、システム面が大幅に改善されている。
なお、このゲームは2004年1月25日~1月29日および1月31日~2月5日に東京駅と新大阪駅構内で東海道新幹線利用者向けに朝10時から夜24時にかけてゲームボーイアドバンスSPと共にソフトを無料貸し出しすると言う鉄道サービスとしては世界で初めての試みも行われた。ちなみにこのサービスのキャッチコピーは「新大阪に着くまでに犯人を見つけ出せるか!?」であった。
- 第1話:思い出の逆転 (Turnabout Memories)
- 成歩堂の師匠である、綾里千尋の若き時代の物語。千尋が1年ぶりに引き受けた依頼人は、殺人容疑をかけられた大学生時代の成歩堂龍一であった…。
- このシナリオではプレイヤー側は成歩堂ではなく、綾里千尋として法廷に立つ。
- 第2話:盗まれた逆転 (The Stolen Turnabout)
- 「倉院の里秘宝展」で展示する予定であった秘宝「倉院の壷」が、怪人☆仮面マスクによって盗まれた。壷を取り戻すために調査を開始する成歩堂たちだったが…。
- 第3話:逆転のレシピ (The Turnabout Recipes)
- 成歩堂の雑な弁護のせいで、あるウエイトレスが有罪になったという。まったく身に覚えのない成歩堂は調査を開始する。
- 第4話:始まりの逆転 (The Original Turnabout)
- 今から6年前、誘拐殺人の死刑囚が脱獄し、その死刑判決を決定付けた警察官を殺害した。新米弁護士・綾里千尋の初審理。
- 成歩堂が過去の記録を調べているという一種の回想形式で描かれる(現実での時系列は、第5話の途中)。
- 成歩堂の姿が見られるのは冒頭と終わり部分の少しだけで、プレイヤーは再び千尋として法廷へ立つ(成歩堂は全く関与していない)。第1話以外で全編が法廷パートという構成が珍しい。
- 第5話:華麗なる逆転 (The Magnificent Turnabout)
- 成歩堂は真宵と春美から、霊力を鍛えるために霊場へ保護者として同行してほしいと頼まれる。あまり乗り気ではなかった成歩堂だが、その霊場を特集した雑誌の写真にはかつての事件で有罪となったはずの人物の姿があった。これがどういうことなのかを確かめるため、その霊場「葉桜院」に向かうが…。
- 霊媒が事件の核心を占めている事には賛否両論があるが、これまでの全ての伏線を回収し決着が着く・メインキャラクターの殆どが出演するといった逆転裁判1,2,3の集大成ともいえるシナリオ展開は、プレイヤーからの人気が高い。
逆転裁判 蘇る逆転
ジャンル | 法廷バトル |
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対応機種 | ニンテンドーDS |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人 |
メディア | DSカード |
発売日 |
2005年9月15日 2006年6月15日(Best Price!版) |
対象年齢 |
CERO: B(対象年齢12歳以上) PEGI: 7+(対象年齢7歳以上) |
売上本数 | 約21万本 |
GBA版逆転裁判の移植に、GBA版のエンディングと逆転裁判2の間に起こった新シナリオ1話を加えたもの。ミステリ系の作品である本作に霊媒という超常現象の要素が入っている事には、以前から一部ユーザーの不評の声が無い訳ではなかった。それを受けてかこの追加シナリオには霊媒は出て来ず、正反対ともいえる『カガク捜査』という新しい路線が提示されている。北米版は"Phoenix Wright: Ace Attorney"。
元は逆転裁判の海外進出のために開発されたもので英語版も収録されている。英語版では大きな変更点はないが証拠品ファイルの説明や台詞の表示がされるウィンドウの大きさなどが変更されている。
- 第1話:はじめての逆転 (The First Turnabout)(「1」では「初めての」と漢字表記だったが変更された)
- 第2話:逆転姉妹 (Turnabout Sisters)
- 第3話:逆転のトノサマン (Turnabout Samurai)
- 第4話:逆転、そしてサヨナラ (Turnabout Goodbyes)
- この1~4話のシナリオはGBA版と全く同一であるが、本体の機能を活かして法廷記録が別画面での1ページあたり8個の表示に変更され素早く選択できるようになっていたり、マイクを使った音声入力で「待った!」「異議あり!」「くらえ!」が可能だったりとユーザーインターフェースには改良がなされている。
- 第5話:蘇る逆転 (Rise from the Ashes)
- 成歩堂が2か月ぶりに引き受けた依頼は、検察局地下駐車場における捜査官の殺害事件の被告人の弁護。しかし、その殺人事件と同日・同時刻に、同じ捜査官が、車で30分近く離れた場所にある警察局にて殺害されたという奇妙な事件が起こっていた。そしてさらには2年前に御剣が係わった事件捜査における、証拠隠蔽・捏造疑惑も明らかになっていく…。
- 証拠品はさまざまな方向から調べられるようにポリゴンになっており、他にも指紋採取ではタッチパネルでアルミ粉をかけマイクで吹き飛ばすなどといったDSならではの要素が盛り込まれている。
- 上記の数々の新要素や、中々の証拠量、そして登場人物の数やその複雑な相関図などから、難度は指折りに高い。
逆転裁判4
ジャンル | 法廷バトル |
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対応機種 | ニンテンドーDS |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人 |
メディア | DSカード |
発売日 | 2007年4月12日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢)(通常版) B(対象年齢12歳以上)(限定版) |
売上本数 |
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ニンテンドーDS用ソフトで発売日は2007年4月12日。 『新章開廷!!』をコンセプトにし、『逆転裁判3』の7年後の世界で、新キャラクターの「王泥喜法介」(おどろき ほうすけ)が主人公(名前の由来は『驚き』から)。助手は謎の魔術師の「みぬき」(名前の由来は『見抜き』から)。師匠は「牙琉霧人」(がりゅう きりひと)。ライバル検事は主人公の師匠である牙琉霧人の弟の「牙琉響也」(がりゅう きょうや)。『蘇る逆転』に登場した「宝月茜」(ほうづき あかね)も捜査官となって再登場。また、同作品に登場した、カガク捜査、ポリゴンの証拠品などのシステムは全編に組み込まれており、その反面、霊媒に関する話は全くででこない(サイコ・ロックは登場する)。 また、今作からみぬくという人の癖をみぬくことによって法廷パートを進行させる新システムが登場する。ちなみに、ペナルティによる一発ゲームオーバーはなくなっている。
当初はシリーズを一新させる意味で、旧作のキャラは一切出さない予定だったが、上層部からの意見により「成歩堂龍一」と「裁判員制度」を登場させることになった、とディレクターの巧舟が公式ブログ[1]やインタビューで語っている。
テレビCMや広告などには、イメージキャラクターとして、丸山和也が出演した。 広告キャッチフレーズは、『嘘を暴く快感。』
- 第1話:逆転の切札
- ロシア料理レストラン「ボルハチ」でポーカーの最中に殺人事件が起こり、牙琉の親友で自称・ピアニストの成歩堂龍一が逮捕された。その成歩堂からの名指しの指名で弁護を引きうけた王泥喜だが、初めて立つ法廷で依頼人を救うことが出来るのか?
- 第2話:逆転連鎖の街角
- 王泥喜は成歩堂に強引に呼び出され、成歩堂の事務所の仕事をなしくずしに押し付けられる。新パートナー・みぬきと共に町の小さな事件に関わっていく末に、王泥喜はある殺人事件の容疑者の弁護を依頼される事になる。
- 第3話:逆転のセレナード
- 異国の歌手「ラミロア」のマネージャーが、牙琉響也が率いるバンド「ガリューウエーブ」の歌詞になぞって殺害された。容疑がかかった異国のピアニストを、王泥喜たちは言葉が一切通じない状況で弁護することになる。
- 第4話:逆転を継ぐ者
- 裁判員制度のモデル裁判の弁護士を、王泥喜が引き受けることになった。現場の調査に行くと、見ず知らずのはずの被害者と王泥喜との意外な繋がりが判明する・・・。
主要登場人物
[ ]内はゲーム中に表示される名称。アルファベットで書かれているものは英語版での名前。なおキャラクターのネーミングの由来について言及されている場合は全て開発上の命名の由来を意味するものであり、劇中での設定ではない。主要でない登場人物に関しては逆転裁判の登場人物の一覧に記載。
初期シリーズ(1~3、蘇る)
- 成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)[ナルホド][Ryuichi Naruhodo / Phoenix Wright]
- 初代主人公。「1」の時点では24歳。刑事事件専門の弁護士。運転免許は持っていない。小学生の頃に学級裁判がきっかけで御剣怜侍、矢張政志の二人と親しくなった。性格は正義感が強く、超がつくほどのお人好し。大学時代に一度、身に憶えの無い殺人容疑で逮捕されており、千尋の弁護を受けた事がある(ただし「1」「2」においてはこの設定は無い)。特徴的な髪型は、トレードマークの1つでもある。物事を「逆転」させて考えることを得意としている。
- 綾里 千尋(あやさと ちひろ)[チヒロ][Chihiro Ayasato / Mia Fey]
- 成歩堂の師匠。代々霊媒師という家系に生まれたが、ある事件(DL6号事件)での霊視絡みの事件で母親が失踪した事を機に家を離れ弁護士の道を志し、資格取得後は星影宇宙ノ介弁護士に師事した。後に独立し綾里法律事務所を開くと、そこで主人公・成歩堂を指導しつつ自身も腕利きの弁護士として活動していたが、「1」の第2話「逆転姉妹」内にて(DL6号事件)で母を失踪に追いやった犯人を摘発しようとした事で逆襲に遭い、殺害される。非常に早い退場でユーザーを驚かせたが、後も霊媒能力のある真宵や春美に霊媒されたびたび登場し、未熟な成歩堂になにかと力添えをしてくれる。本編では霊媒の実力は明らかにならなかったが霊力は洒落にならないほどだった(真宵談)
- 綾里 真宵(あやさと まよい)[マヨイ][Mayoi Ayasato / Maya Fey]
- 綾里千尋の妹で倉院流の霊媒師。ただし「1」の時点ではまだ未熟で“修行中の”と自分で付け足していた。「1」の時点では17歳。姉の存命中にはまだ成歩堂と面識は無く、夜の事務所で遺体となった姉の側で泣きじゃくっているのを発見されたのが初めての対面となった。その直後、真犯人の偽装工作のため千尋殺害の容疑者として逮捕されてしまったが、成歩堂の活躍によって無事に疑いは晴らされ、それ以来なにかと成歩堂と行動を共にしている。(自分では成歩堂法律事務所の副所長といっている)トノサマンシリーズが大好きで、「ヒメサマン」のモデル元ともなった。従妹である春美の実力をあっさりと認めており、家元の座にもそこまで執着しているわけではない。無類のみそラーメン好き。霊力は十分(「1」の時点では未熟)だが歴代家元としては平凡らしい。
- 綾里 春美(あやさと はるみ)[ハルミ][Harumi Ayasato / Pearl Fey]
- 「2」から登場した、やや古風な言葉使いの少女。所謂箱入り娘であり、里の外の事は余り知らない。千尋・真宵姉妹の従妹にあたり、二人からは「はみちゃん」と呼ばれる。真宵のことを実の姉のように慕っており、「真宵さま」と呼ぶ。綾里家分家の娘でありながら本家の真宵を凌ぐほどの霊力を有しており、真宵の勾玉に霊力をこめ、成歩堂にサイコ・ロックを見る力を与えた。男女の仲に敏感な面があり、成歩堂を真宵の「運命の人」だと思いこんでいる。
- 御剣 怜侍(みつるぎ れいじ)[ミツルギ][Reiji Mitsurugi / Miles Edgeworth]
- 成歩堂の小学校以来の親友にして、検事局きっての天才検事。しかしながら天才のわりにたまに物の名前などを間違える。生真面目過ぎる故に天然な所が有る。成歩堂、矢張らと付き合いのあった少年の頃は弁護士の父の影響を受けて同じ道へ進むかに思われた彼だったが、その尊敬する父・御剣信(みつるぎ しん)を殺された、後に言うDL6号事件が原因となり180度の方向転換をする事となる。弱冠20歳での就任以来、いかなる手を使ってでも冷徹に被告を有罪にしてきた。成歩堂の登場により、それまでのやり方が間違いだと気付く。また、御剣の執務室にはオバチャンから貰ったトノサマンが飾ってある。DL6号事件の影響で今でも地震が苦手。シリーズ1~3のキャラクターデザインを勤めた岩元辰郎が声を担当。
- 矢張 政志(やはり まさし)[ヤハリ][Masashi Yahari / Larry Butz]
- 成歩堂の小学校以来の親友にして弁護士としての最初の依頼人。この世界きっての女好きでナンパに熱心。色々な女性と付き合ったり、惚れたりと忙しいがあまり良い結果を生まない。『事件のカゲにヤッパリ矢張』と言われるほど、なにかしら事件を引き起こすトラブルメーカー。様々な職を転々としていたが、芸術方面の能力を自ら見出し、絵本作家・天流斎エリス(てんりゅうさいえりす)に弟子入りして自らも天流斎マシスと名乗るように。パレットを右手、筆を左手に持っていることから左利きと思われる。
- 裁判長(さいばんちょう)[サイバンチョ](「1」では[サイバンカン])[Saibancho / Judge]
- 地方裁判所の裁判長。本名は不明で年齢も不詳。つるりとした頭と豊かな髭がトレードマーク。ゲーム内屈指のボケ役。判明している家族構成は、実弟一人(裁判官)、孫一人。裁判長にもかかわらず弁護士及び検事の意見にすぐに左右され、あっという間に判決を出そうとするため、このゲームの最も重要な法廷部分を、ますます危うく手に汗にぎるバトルへと演出してくれる。但し、彼が担当した裁判は結果的に良い方向に終息するというジンクスも持っているらしい。機械関係の横文字に弱い様子が見受けられる。手にする木槌に対して大きな思い入れを持っている模様。
- 糸鋸 圭介(いとのこぎり けいすけ)[イトノコ][Keisuke Itonokogiri / Dick Gumshoe]
- 所轄署所属の殺人事件初動捜査担当刑事。通称は「イトノコ刑事」。言葉の最後に『~ッス』とつけるのが特徴。気が強い方とは言えず、はっきりとしない話し方をするが、部下にはそれなりに威厳のある話し方をし。いかつい身体に角刈りの体育会系風な刑事としては完璧すぎる外見と、完璧には程遠い頭脳を持つ。季節を問わず着用の一張羅のコートは最初はベージュ色だったがその後歳月のなせる技で緑色とカーキ色を混ぜたような色に。左耳に挟んでいる赤鉛筆は「競馬好き」という設定のなごり。御剣検事を深く信頼している。しかし何かとヘマが多く、その度に減給の憂き目に。無精髭を生やしているので狩魔冥からは「ヒゲ」「ヒゲコート」と呼ばれ、春美には「おひげの刑事さん」と呼ばれる。ネーミングの由来は“糸鋸”という姓は“御剣”より切れ味が悪そうだから、下の名は巧舟が自分の好きなサザンオールスターズの桑田佳祐から音を取ったらしい。機械に強い一面を持ち、成歩道の調査の大きな助けになることも。性格上うっかりしている面があるので何度も御剣検事や狩魔検事に給料査定で減俸処分を受けている。そのため自宅ではソーメンばかり食べている。好きな事は捜査、御剣検事を心から尊敬、成歩堂弁護士をライバルと考えている。須々木マコに好意をもっている。また、成歩堂弁護士以外で逆転裁判4にでてるのはこの糸鋸刑事と亜内検事と裁判長と原灰ススム巡査だけである。
- 亜内 武文(あうち たけふみ)[アウチ][Takefumi Auchi / Winston Payne]
- シリーズを通して第1話での相手を務める検事であり、成歩堂が最初に法廷で対峙した検事。かつては“新人つぶし”の異名を持つやり手の検事だったが、既にその面影は無い。美人の奥さんと千尋と同じ年頃の娘がいる。苗字の由来は、実在の歯科医院から取っているらしいが、日本語の「痛いっ!」に相当する英語の「Ouch!(アウチ!)」からでもあると思われる(英語版での苗字“Payne”も「痛み」を意味する単語「Pain」のもじりになっている)。声をあてているのはサウンド・SE担当の浜亘。髪型が毎回、微妙に変わっている。
- 狩魔 冥(かるま めい)[カルマ][Mei Karuma / Franziska von Karma]
- 「2」で登場したライバル検事で、「1」に登場した狩魔豪の娘。真宵と同い年だが飛び級制度のあるアメリカで育ち13歳で検事になったため、キャリアの長さは成歩堂を遥かに上回る。登場時から一方的に成歩堂の事を知っており、あからさまに敵意を向けていた。
- 検事としてのスタイルは父譲りで、証拠の握り潰しや証言の操作などを主戦法とする。全てにおいて完璧を良しとするのも父同様である。常にムチを携えており、自分に対し文句をつける者があれば何者であろうと容赦ない一撃を喰らわせる。成歩堂を完膚なきまでにねじ伏せて反論の余地なき完璧な有罪判決を得る事に執念を燃やしている。成歩堂や御剣をフルネームで呼ぶ。実は泣き虫という一面を持つ。父親の弟子であった御剣を「弟のようなもの」といっている。声をあてているのは開発サポート業務担当の諏訪部ゆかり。
- ゴドー(ごどー)[ゴドー][Godot]
- 「3」で登場したライバル検事。髪は白く、赤く発光する3本のラインが入ったバイザーのような仮面を常に着用している。一方的に成歩堂の事を知っており、敵対的な態度を見せる「クッ…」が口癖のハードボイルドな性格。なぜか成歩堂を「まるほどう」と呼ぶ。これは,「成歩堂を1人前の弁護士として認めていないから」とされる。
- 本名、国籍、年齢、素顔、経歴、一切が不明という謎多き人物で、検事に至る経緯も不明。検事としてのスタイルは非合法な手段は使わずまっとうな方法のみで犯罪の立証を行うというもので、本シリーズには珍しい正統派の検事である。故に被告を有罪にする事よりも「真実」を暴く事を目的としている検事である。熱くて苦いオリジナルブレンドのブラックコーヒーを好み、審理中にもしばしば飲んでいる。審理中に飲むコーヒーは17杯までと決めている。時折コーヒーを成歩堂に投げつけることもある。ちなみに驚いた時やダメージを受けた時はバイザーから煙が出て点滅する。個性が抜群のキャラ達の集まった「逆転裁判」の中でも特に強烈な個性を放ち、独特のセリフや性格の為、御剣と並んで人気がある。代表的なセリフは「話してみな。…聞いてやるぜ」「裁くのはこのオレだぜ!」など。これらの声をあてているのは『ビューティフルジョー』シリーズのディレクターなどを務める神谷英樹。
後期シリーズ
- 王泥喜 法介(おどろき ほうすけ)[オドロキ][Odoroki Housuke]
- 「4」の主人公で新米弁護士。牙琉法律事務所に所属している。角のような髪型と赤色の服で身を包んでいることが特徴。証人が緊張もしくは動揺したときに、証人の癖を見抜き、嘘を見破る能力を持つ。左腕にいつも腕輪をはめている。成歩堂と同様に高所恐怖症である。発声練習を頻繁に行っている。
- 成歩堂 みぬき(なるほどう みぬき)[ミヌキ][Minuki Naruhodo]
- 成歩堂龍一の娘。中学生だがマジシャンの見習いでもあり、バー「ビビルバー」でマジックを行っている。成歩堂が大して稼げない分、彼女がほとんど稼いでいる。相手の癖を見抜く能力を持っており、王泥喜をサポートする。得意芸は「ぼうしクン」。
- 成歩堂 龍一(なるほどう りゅういち)[ナルホド][Ryuichi Naruhodo / Phoenix Wright]
- 初期シリーズ主人公。凄腕弁護士だったが、7年前の事件で弁護士バッジを剥奪されて以来、ロシア料理店「ボルハチ」でピアニストとして活動している。その一方でポーカーの無敗の勝負士として名を連ねている。なお、事務所は「成歩堂法律事務所」から「成歩堂芸能事務所」に変わっている(その後「成歩堂なんでも事務所」に改称)。以前までの雰囲気も少々残っているものの、初期シリーズと比べて大幅に雰囲気が変わっており、ニット帽に無精ひげを生やしている。しばしば謎めいた言動をとるので王泥喜も苦手としている。また、みぬきには非常に甘く、みぬきの願いを断ることは少ない。第一話の被告人として王泥喜に弁護を依頼した。実は弁護士暦よりピアニスト暦の方が長い。
- 牙琉 霧人(がりゅう きりひと)[ガリュウ][キリヒト][Garyu Kirihito]
- 史上最高と言われる凄腕弁護士で王泥喜の師匠。最もクールな弁護士とも呼ばれている。成歩堂とは7年前からの親友。落ち着いた振る舞いをしており、王泥喜に助言をしてくれる。
- 牙琉 響也(がりゅう きょうや)[ガリュウ][キョウヤ][Garyu Kyoya]
- 王泥喜のライバルとして登場する検事。王泥喜の師匠である牙琉霧人の弟で、髪型もかなり似ている。検事でありながら、ロックバンド「ガリューウエーブ」のボーカル・ギター担当のリーダーであり女性からも人気が高い。法廷でも突然エアギターを始めることがある。また、真実を知ることを第一に考えているため、検事でありながら勝ち負けにはこだわらず、王泥喜の手助けをすることもある。余談だがエアギター時はネックが右手、ステージのときはギターネックは左手である。
- 宝月 茜(ほうづき あかね)[アカネ][Akane Houzuki / Ema Skye]
- 「4」における初動捜査担当の刑事。「蘇る逆転」では主要人物として登場しており、成歩堂とも面識がある。9年間の間、アメリカで科学捜査について学び帰国したが、その間に成歩堂が弁護士を辞めたことを残念に思っている。科学捜査マニアで、事件が起きるたびにたびたび科学捜査と称し、現場で色々な実験を行っている。本来は科学捜査官になりたかったようだが、試験に落ち刑事課に配属されたことから、そのことに関するグチをこぼすこともある。またかりんとうを食べていることが多く、食べている時は周りの話をほとんど聞かなくなる。王泥喜によく捜査状況を教える。
- 亜内 武文(あうち たけふみ)[アウチ][Takefumi Auchi / Winston Payne]
- 初期シリーズに続いて第1話を担当する検事。かなりのベテランだが何故か貫禄がない。本人曰く、検事になって7年間は無敗だったらしい。
用語
- ガリューウエーブ
- 牙琉響也がリーダー&ボーカル&ギターを務める大人気ロックバンド。メンバーの5人全員が警察関係者で、デビュー曲『恋の禁固刑・13年』をはじめ、発表した曲は全てミリオンセラーになっている。結成した理由としては響也曰く「女性にモテたいから」。ちなみにウェーブではなくウエーブである。
- 倉院流霊媒道(くらいんりゅうれいばいどう)[Kurain Channeling Technique]
- 非常に霊力の強い家系である綾里家(ただし霊力を有するのは女性のみ)に伝わる“本物の”霊媒術。わざわざ「倉院流」と呼ぶ事から他の流派が存在する可能性が高いが、ゲーム中それらしいものは出て来ない。名前の由来はクラインの壺からとられたもので、作中に「倉院の壺」というものが証拠品として登場する。以下は倉院流霊媒道の特徴。
- 霊媒の最中、霊媒師自身の意識は完全に途絶え、何も知覚できない状態となり、霊媒を終えた後もその間の事は全く記憶に残らない。そのため霊媒師自身が霊と意思の疎通をとることはできない。霊媒中は肉体にも変化が起こり、容姿は霊媒対象と同じものに変わり、生前の人格そのままに振舞う。ホクロなどごく小さな特徴まで再現され、霊媒師本人の外見的特徴はせいぜい髪形くらいにしか残らない。
- 霊媒をするかどうかの主導権は完全に霊媒師側にあり、霊の方から勝手に身体に入り込むことはできない。だが霊媒師が未熟だった場合、霊媒には成功してもその霊を制御しきれなくなる場合がある。
- サイコ・ロック(さいころっく)[Psyche-Lock]
- 霊力のこもる勾玉を持った人間に、他人の心の中にある“秘密にしておきたい事”が鎖と錠前という形をとって見えているもの。見える錠前の数が隠しておきたい気持ちの強さを意味し、原則的に多いほど聞き出すのは困難。基本的にその時勾玉を持っている人間にしかサイコ・ロックは見えない。別名、心理錠。裁判の審理中に現れることはない。
- 裁判員制度(さいばんいんせいど)
- 「4」で登場する新しい裁判システム。その内容は、裁判員と呼ばれる人達が裁判の様子(やそれ以前の調査の様子)を別室で視聴し、最終的な有罪・無罪の判断を下すというもの。成歩堂が案内役を務める。”取り扱い説明書”で現実世界における裁判員制度の解説があったり、法務省のURL(http://www.moj.go.jp/)の記載があるなど、プレイヤーに対して裁判員制度の見識を広めんとする製作者側の意図も見受けられる。なお、実際の制度はゲーム中のものとは大きく異なる。
- 序審法廷制度(じょしんほうていせいど)["initial trial" system]
- 逆転裁判の世界において刑事事件の審理は、まずは起訴された容疑者が有罪か無罪かのみを最長3日以内で審理する“序審”と、有罪が確定した後、被告の量刑などを(おそらくは現実世界の審理同様、長い時間をかけて)審理する“本審”とに分れている。序審法廷制度はその制度の名前。増加する犯罪に対し、迅速に処理できるように制定された。ゲーム中で主人公が参加するのは全てこの序審法廷である。
- タイホくん(たいほくん)[Blue Badger]
- この世界における警察のマスコットキャラクター。モデルは現実の警視庁のマスコットキャラクター「ピーポくん」。刑事課の課長が考えたキャラクターであり、「1」では刑事課のマスコットに留まっていたが、「2」では所轄署の、「3」では警察そのもののマスコットになり、新しい仲間タイホちゃんも加わった。「蘇る逆転」では、ある重要な証拠品として事件に大きく関わっている。また、この作品では糸鋸の手で「おどるタイホくん」というベニヤ板製のロボットが作られ、専用のテーマソングも用意された。その外見は、真宵や春美はカワイイと賞賛しているものの、御剣は平気で化け物、「蘇る逆転」では(前述の「おどる~」に対して)うごめくベニヤ板などと発言しているため、かなり評価が分かれているようである。なお、7年後の世界の「4」では、ガリューウエーブのマスコットキャラクターとして人気を博しており、Tシャツ、ギター化、着ぐるみ化等され、「レッドタイホ」なる亜種も登場した。
- DL6号事件(でぃーえるろくごうじけん)
- ゲームの世界で2001年(平成13年)12月28日に発生した殺人事件。地震のため、3人の人間を閉じこめた状態で停止してしまったエレベータで、閉じ込められた内の1人、御剣信(御剣怜侍の父)が射殺された。記録上「犯人は逮捕されたが、酸素欠乏症による心神喪失で無罪となった」とされる。名前の由来は巧舟の好きなミステリ作家泡坂妻夫のデビュー作『DL2号機事件』から。
- トノサマンシリーズ(とのさまんしりーず)
- いわゆる劇中劇の一種。真宵や10歳前後くらいのヤングが夢中になっている特撮ヒーロー番組で、毎週日曜の朝8時に放送されている(着ぐるみの特徴から、巨大化せずに戦う、いわゆる等身大ヒーローものと思われる)。2016年度上半期の『大江戸戦士トノサマン』に始まり、2016年度下半期の『小江戸剣士ヒメサマン』、そして2017年度の『大江戸戦士トノサマン・丙!(へい)』に繋がる。ストーリーについては登場人物の口からある程度が語られるのみだが、ゲームの中の世界ではライバル番組を押しのけ絶大な人気を誇っている。ちなみに、成歩堂の携帯の着メロもトノサマンのテーマである。英語版タイトルは『Steel Samurai』『Pink Princess』『Nickel Samurai』。
- 勾玉(まがたま)[Magatama]
- 綾里家に伝わる勾玉。そのままではただの石だが 「2」の第2話で春美に霊力をこめて貰った事でサイコ・ロックを見るための重要アイテムになった。
関連商品
- 逆転裁判+逆転裁判2 オリジナル・サウンドトラック(2004年3月31日発売)
- 逆転裁判3 オリジナル・サウンドトラック(2004年3月31日発売)
- 逆転裁判 蘇る逆転 オリジナル・サウンドトラック(2006年3月31日発売)
- 逆転裁判 オーケストラアルバム ~GYAKUTEN MEETS ORCHESTRA~(2006年9月30日発売)
- 逆転裁判 ジャズアルバム ~GYAKUTEN MEETS JAZZ SOUL~(2007年3月31日発売)
逆転裁判シリーズのサウンドトラックはたのみこむのリクエストによって商品化された。参考
その他
- 『逆転裁判』法廷フィギュアコレクション(2006年5月発売)
- ラインナップは成歩堂龍一、綾里千尋、綾里真宵、御剣怜侍、狩魔冥、ゴドーの六種類+シークレット一種の全七種類。
漫画版「逆転裁判」
別冊ヤングマガジンでは2006年8月11日発売の17号から連載開始。 週刊ヤングマガジンでは2007年3月26日発売の07年/17号から連載開始。 2007年4月6日に単行本第1巻が発売。
物語は逆転裁判3の後という事だが、具体的に「何年後」とは設定されておらず成歩堂や真宵たち主要登場人物の年齢も不明扱いにされている。又、逆転裁判4との設定に矛盾が生じているので、漫画版はパラレルワールドといえる。成歩堂が「異議あり!」と叫ぶそのフキダシの形と字体、そしてここぞという局面での顔のアップなど、ゲーム画面で使われている演出の多くがそのままの形で持ちこまれている。
2007年3月から週刊ヤングマガジンでも連載を開始、起きる事件等の内容は別冊ヤングマガジンと別になっている。
<別冊ヤングマガジン側>
- 第1話:風と共に逆転
- 恋人の不倫相手を殺害した容疑をかけられてしまった矢張を、成歩堂と真宵が弁護する。
- ほぼ法廷パートにあたる部分から構成されており、担当検事も亜内検事であるなど、ゲーム版の第1話を踏襲したスタイルになっている。
- 第2話:逆転の死刑台 (1)~(3)
- 会社員の自殺をめぐり、大会社の社長から弁護を依頼される成歩堂。しかしその夜、社長が何者かに殺害されてしまう。
- 探偵パートにあたる部分が第1話に比べて増え、御剣や糸鋸も登場している。
<週刊ヤングマガジン側>
- 第3話:逆転のショータイム (1)~(5)
- 真宵と一緒に「キラリン★ショー」を見にきた成歩堂だったが、ショーの最中に出演者の一人が刺殺される。状況から司会者の女性が逮捕されるが、成歩堂は弁護を決意。
- 今回も担当検事は御剣。また、ゲーム版の人気キャラクターである大場カオルも警備員として登場。
外部リンク
携帯アプリ版
漫画版