化学元素発見の年表
ウィキペディアの年表記事
化学元素発見の年表(かがくげんそはっけんのねんぴょう)は、元素を発見順に並べた年表である。
いくつかの元素は有史以前に知られており正確な発見の年は不明であるが、その他の元素は発見された年が歴史に記録されている。
古代
9世紀
13世紀
- 1250年 - ヒ素は、アルベルトゥス・マグヌス(ドイツ)により発見。
15世紀
- 1450年 - アンチモンは、Johann Thöldeの著述に初めてに現れる。
17世紀
- 1669年 - リンは、錬金術師ヘーニッヒ・ブラント(Hening Brand、ドイツ)により発見。
18世紀
- 1737年 - コバルトは、ゲオルグ・ブラント(Georg Brandt、スウェーデン)により発見。
- コバルトの語はドイツ語のkobaltまたはkobold(悪霊)に由来。
- 1741年 - プラチナは、化学者チャールズ・ウッド(Charles Wood、イギリス)により発見。
- 1751年 - ニッケルは、アクセル・フレドリク・クローンステッド(Axel Fredrik Cronstedt、スウェーデン)が鉱物紅砒ニッケル鉱(niccolite)より単離。
- 1753年 - ビスマスは、クロード・ジェフロア・ジュネ(Claude Geoffroy Junine、フランス)により発見。
- 1755年 - マグネシウムは、ジョセフ・ブラック(スコットランド)により発見。1808年、ハンフリー・デービーにより単離。
- 1776年 - 水素は、ヘンリー・キャヴェンディッシュ(イギリス)により発見され、アントワーヌ・ラヴォアジエ(フランス)によって命名された。
- 1772年 - 窒素は、ダニエル・ラザフォード(Daniel Rutherford、イギリス)により発見。
- 1774年 -
- 酸素は、ジョゼフ・プリーストリー(イギリス)により発見。
- Oxygenの語はギリシア語のoxus(酸)とgennan(生みだす)に由来。
- バリウムは、カール・ヴィルヘルム・シェーレ(Carl Wilhelm Scheele、スウェーデン)により発見。1808年、ハンフリー・デービーにより単離。
- Bariumの語はギリシア語のbarys(重い)に由来。
- 塩素は、カール・ヴィルヘルム・シェーレ(スウェーデン)により発見。1810年、ハンフリー・デービーにより命名。
- マンガンは、ヨハン・ゴットリブ・ガーン(Johan Gottlieb Gahn、スウェーデン)により発見。
- 1778年 - モリブデンは、カール・ヴィルヘルム・シェーレ(スウェーデン)により発見。
- 1782年 - テルルは、フランツ=ヨーゼフ・ミュラー・フレイア・フォン・リヒテンシュタイン(Franz-Joseph Müller von Reichenstein、ルーマニア)により発見され、1798年にマルティン・ハインリヒ・クラプロート(Martin Heinrich Klaproth、ドイツ)によって命名された。
- 1783年 - タングステンは、ファン・ホセ・デ・エルヤル(José Elhuyar、スペイン)およびファウスト・デ・エルヤル(スペイン)兄弟により発見。
- 1789年 -
- ウランは、マルティン・ハインリヒ・クラプロート(ドイツ)により発見。
- ジルコニウムは、マルティン・ハインリヒ・クラプロート(ドイツ)により発見。
- Zirconiumの語はZircon(ジルコン、宝石)に由来。
- 1793年 - ストロンチウムは、マルティン・ハインリヒ・クラプロート(ドイツ)により発見。1808年、ハンフリー・デービーにより単離。
- 1794年 - イットリウムは、ヨハン・ガドリン(Johan Gadolin、フィンランド)により発見。
- Yttriumの語はYtterby(スウェーデンにある町名)に由来。
- 1797年 -
- チタンは、マルティン・ハインリヒ・クラプロート(ドイツ)により発見。
- クロムは、ルイ=ニコラ・ヴォークラン(フランス)により発見。
- 1798年 - ベリリウムは、ルイ=ニコラ・ヴォークラン(フランス)により発見。
19世紀
- 1801年 -
- バナジウムは、アンドレ・デル・リオ(スペイン)により発見、エリスロニウムと命名されたが、クロムではないかと指摘をうけて、撤回した。1930年にセブストレームが再発見、北欧の女神の名前「バナジス」から命名。
- ニオブは、チャールズ・ハチェット(Charles Hatchett、イギリス)により発見され、コロンビウムと名付けられるが、1809年、ウイリアム・ハイド・ウォラストン(William Hyde Wollaston、イギリス)によりタンタルであるとされ統合される。1846年、ハインリヒ・ローゼ(Heinrich Rose、ドイツ)とジャン・カールス・ガリザード・デ・マリニャク(Jean Charles Galissard de Marignac、スイス)によりニオブとして再発見され、1865年、アンリ・サント=クレール・ドビーユ(Henri Sainte-Claire Deville、フランス)とL.トルースト(フランス)により確認され、コロンビウムと同一であることが判明する。1949年、IUPACにより名称がニオブに統合される。
- タンタルから再発見されたので、ギリシャ神話のTantalos(タンタロス)の娘Niobe(ニオベ)に由来。
- 1802年 - タンタルは、アンデルス・エーケベリ(スウェーデン)により発見。
- 1803年 -
- セリウムは、マルティン・ハインリヒ・クラプロート(ドイツ)、イェンス・ベルセリウス(スウェーデン)、ウィルヘルム・ヒジイェル(Wilhelm Hisinger、スウェーデン)により発見。
- ロジウムは、ウイリアム・ハイド・ウォラストン(イギリス)により発見。
- パラジウムは、ウイリアム・ハイド・ウォラストン(イギリス)により発見。
- オスミウムは、スミソン・テナント(Smithson Tennant、イギリス)により発見。
- Osmiumの語はギリシャ語のοσμη(osmè、臭い)に由来。
- イリジウムは、スミソン・テナント(イギリス)により発見。
- 1807年 -
- カリウムは、ハンフリー・デービー(イギリス)により発見。
- ナトリウムは、ハンフリー・デービー(イギリス)により発見。
- 1808年 -
- カルシウムは、ハンフリー・デービー(イギリス)により発見。
- Calciumの語はラテン語のcalcis(ライム)に由来。
- ホウ素は、ハンフリー・デービー(イギリス)、ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサック(Joseph Louis Gay-Lussac、フランス)とテナルド(L. J. Thenard、フランス)により発見。
- 1811年 - ヨウ素は、ベルナール・クールトア (フランス)により発見。
- 1817年 -
- リチウムは、ヨアン・オーガスト・アルフェドソン(Johan August Arfwedson、スウェーデン)により発見。
- Lithiumの語はギリシア語のlithos(石)に由来。
- カドミウムは、フリードリヒ・ストロマイヤー(Friedrich Strohmeyer、ドイツ)とヘルマン(K.S.L Hermann)とがそれぞれ独自に発見。
- セレンは、イェンス・ベルセリウス(スウェーデン)により発見。
- 1823年 - ケイ素は、イェンス・ベルセリウス(スウェーデン)により発見。
- 1825年 - アルミニウムは、ハンス・クリスティアン・エルステッド(デンマーク)により発見。
- 1826年 - 臭素は、アントワーヌ・ジェローム・バラール(Antoine Jérôme Balard、フランス)により発見。
- 1828年 -
- トリウムは、イェンス・ベルセリウス(スウェーデン)により発見。
- ベリリウムは、フリードリヒ・ヴェーラー(ドイツ)とビュッシー(A. A. B. Bussy、フランス)により発見。
- 1843年 -
- テルビウムは、カール・グスタフ・モサンデル(Carl Gustaf Mosander、スウェーデン)により発見。
- エルビウムは、カール・グスタフ・モサンデル(スウェーデン)により発見。
- 1844年 - ルテニウムは、カール・クラウス(Karl Klaus、ロシア)により発見。
- 1860年 -
- セシウム は、ローベルト・ブンゼン(ドイツ)により発見。
- ルビジウム は、ローベルト・ブンゼン(ドイツ)により発見。
- 1860年 - タリウムは、ウイリアム・クルックス(イギリス)により発見。
- 1863年 - インジウムは、フェルディナンド・ライヒ(Ferdinand Reich、ドイツ)とテオドール・リヒテル(Theodor Richter)により発見。
- 1868年 - ヘリウムは、ピエール・ジャンサン(Pierre Jules César Janssen、フランス)とノーマン・ロッキャー(Norman Lockyer、イギリス)とでそれぞれ独自に発見される。
- Heliumの語はギシリャ語のhêlios(太陽)に由来。
- 1875年 - ガリウムは、ポール・エミール・ラコ・ド・ボアボードラン(フランス)により発見。
- 1878年 - イッテルビウムは、ジャン・カールス・ガリザード・デ・マリニャク(スイス)により発見。
- Ytterbiumの語はYtterby(スウェーデンにある町名)に由来。
- 1879年 -
- ツリウムは、パー・テオドール・クレーベ(Per Teodor Cleve、スウェーデン)により発見。
- スカンジウムは、ラース・フレデリク・ニルソン(Lars Fredrik Nilson、スウェーデン)により発見。
- ホルミウムは、Marc Delafontaine(スイス)とJacques-Louis Soret(スイス)のチームとパー・テオドール・クレーベ(スウェーデン)とが独自に発見。命名はパー・テオドール・クレーベによる。
- サマリウムは、ポール・エミール・ラコ・ド・ボアボードラン(フランス)により発見。
- 1880年 - ガドリニウムは、ジャン・カールス・ガリザード・デ・マリニャク(スイス)により発見。
- 1885年 -
- プラセオジムは、カール・オーア・フォン・ヴェルスバッハ(オーストリア)により発見。
- ネオジムは、カール・オーア・フォン・ヴェルスバッハ(オーストリア)により発見。
- 1886年 -
- ゲルマニウムは、クレメンス・ウィンクラー(ドイツ)により発見。
- フッ素は、ジョセフ・アンリ・モアッサン(フランス)により発見。
- fluorineの語はラテン語のfluo(流れ)に由来。
- ジスプロシウムは、ポール・エミール・ラコ・ド・ボアボードラン(フランス)により発見。
- Dysprosiumの語はギリシア語のdysprositos(手に入れ難い)に由来。
- 1894年 - アルゴンは、ウィリアム・ラムゼー(イギリス)により発見。
- Argonの語はギリシア語のargon(不活発である)に由来。
- 1898年 -
- ネオンは、ウィリアム・ラムゼー(イギリス)により発見。
- neonの語はギリシア語のneos(新しい)に由来。
- クリプトンは、ウィリアム・ラムゼー(イギリス)により発見。
- Kryptonの語はギリシア語のkryptos(隠される)に由来。
- キセノンは、ウィリアム・ラムゼー(イギリス)により発見。
- Xenonの語はギリシア語のxenos(よそもの)に由来。
- ラジウムは、ピエール・キュリー(フランス)およびマリ・キュリー(フランス)により発見。
- Radiumの語はラテン語の放射、光線に由来。
- ラドンは、フリードリヒ・エルンスト・ドーン(Friedrich Ernst Dorn、ドイツ)により発見。
- Radonの語はラジウムに由来。
- ポロニウムは、ピエール・キュリー(フランス)およびマリ・キュリー(フランス)により発見。
- Poloniumの語はポーランドに由来。
- ネオンは、ウィリアム・ラムゼー(イギリス)により発見。
- 1899年 - アクチニウムは、アンドレ-ルイ・ドビエルヌ(André-Louis Debierne、フランス)により発見。
20世紀
- 1901年 - ユウロピウムは、ユージェン・ドマルセー(フランス)により発見。
- 1907年 - ルテチウムは、ジョルジュ・ユルバン(フランス)により発見。
- Lutetiumの語はLutetia(パリの古名)に由来。
- 1917年 - プロトアクチニウムは、マイトナー(Lise Meitner、オーストリア)とオットー・ハーン(ドイツ)により発見。
- 1923年 - ハフニウムは、Dirk Coster(デンマーク)とGeorg von Hevesy(デンマーク)により発見。
- 1925年 - レニウムは、Walter Noddack(ドイツ)、Ida Tacke(ドイツ)、Otto Berg(ドイツ)により発見。
- 1937年 - テクネチウムは、Carlo Perrier(イタリア)とエミリオ・セグレ(Emilio G. Segrè、イタリア)により発見。
- 1939年 - フランシウムは、Marguerite Derey(フランス)により発見。
- 1940年 -
- アスタチンは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)で Dale R. Corson、K.R.Mackenzie、エミリオ・セグレにより発見。
- ネプツニウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でエドウィン・マクミラン(Edwin McMillan)と Philip H. Abelson により発見。
- 1941年 - プルトニウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でグレン・シーボーグ(アメリカ合衆国)、エドウィン・マクミラン、Arthur C. Wahl、Joseph W. Kennedy、エミリオ・セグレにより発見。
- 1944年 - キュリウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)及びシカゴ大学(アメリカ合衆国)でグレン・シーボーグ、Ralph A. James、アルバート・ギオルソ(Albert Ghiorso)により発見。
- 1945年 -
- アメリシウムは、シカゴ大学(アメリカ合衆国)でグレン・シーボーグ、Leon O. Morgan、Ralph A. James、アルバート・ギオルソにより発見
- プロメチウムは、Jacob A. Marinsky(アメリカ合衆国)、Lawrence E. Glendenin(アメリカ合衆国)、Charles D. Coryell(アメリカ合衆国)により発見。
- 1949年 - バークリウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でグレン・シーボーグ、アルバート・ギオルソ、Stanley G. Thompson、Kenneth Street Jr.により発見。
- 1950年 - カリホルニウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でグレン・シーボーグ、アルバート・ギオルソにより発見。
- 1952年 - アインスタイニウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソ、ロスアラモス国立研究所(アメリカ合衆国)でG.R. Choppin、アルゴンヌ国立研究所(アメリカ合衆国)とがそれぞれ独自に発見。
- 1953年 - フェルミウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソ、ロスアラモス国立研究所(アメリカ合衆国)、アルゴンヌ国立研究所(アメリカ合衆国)とがそれぞれ独自に発見。
- 1955年 - メンデレビウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソ、グレン・シーボーグ、Evans G. Valens、Bernard Harvey、Greg Choppin により発見。
- 1958年 - ノーベリウムは、ノーベル物理学研究所(スウェーデン)により発見。但し現在では1958年のカリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソ、グレン・シーボーグ、John R. Walton、Torbørn Sikkeland による発見が正式とされる。
- Nobeliumの語はAlfred Nobel(アルフレッド・ノーベル)に由来。
- 1961年 - ローレンシウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソ、Torbjorn Sikkeland、Almon Larsh、Robert M. Latimer により発見。
- Lawrenciumの語はErnest Lawrence(アーネスト・ローレンス)に由来。
- 1964年 - ラザホージウムは、ドブナ原子核共同研究所(ソビエト連邦)により発見。但し現在では1969年のカリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソらによる発見が正式とされる。
- 1970年 - ドブニウムは、カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソらにより発見。
- Dubniumの語はロシアの地名Dubnaに由来。
- 1974年 - シーボーギウムは、ドブナ原子核共同研究所(ソビエト連邦)により発見。但し現在では1974年のカリフォルニア大学バークレー校(アメリカ合衆国)でアルバート・ギオルソらによる発見が正式とされる。
- 1976年 - ボーリウムは、ドブナ原子核共同研究所(ソビエト連邦)でY. Oganessian らにより発見。但し現在では1981年の重イオン研究所(ドイツ)でペーター・アルムブルスター(Peter Armbruster)とゴットフリート・ミュンツェンベルク(Gottfried Münzenberg)による発見が正式とされる。
- 1982年 - マイトネリウムは、重イオン研究所(ドイツ)でペーター・アルムブルスターとゴットフリート・ミュンツェンベルクにより発見。
- 1984年 - ハッシウムは、重イオン研究所(ドイツ)でペーター・アルムブルスターとゴットフリート・ミュンツェンベルクより発見。
- 1994年 -
- ダームスタチウムは、重イオン研究所(ドイツ)でホフマン(S. Hofmann)、ニノフ(V. Ninov)らにより発見。
- レントゲニウムは、重イオン研究所(ドイツ)でホフマン、ニノフらにより発見。
- 1996年 - ウンウンビウムは、重イオン研究所(ドイツ)でホフマン、ニノフらにより発見。
- 1999年 - ウンウンクアジウムは、ドブナ原子核共同研究所(ロシア)により発見。