宮台真司
宮台 真司(みやだい しんじ、1959年3月3日 - )は、社会学博士、社会学者、評論家。東京都立大学助教授。宮城県仙台市出身。東京大学博士課程修了。廣松渉、小室直樹などに師事。吉田民人に、就職してからは何をしてもいいから、5年間は数理社会学者のふりをしてとりあえず就職しろと言われ、数理社会学で博士号を取得した。しかし、数理社会学をやりたかったわけではないという。
主要著作『権力の予期理論』(博士論文)、『制服少女たちの選択』。
オウム真理教による一連のテロ事件や少年犯罪の顕在化など「混迷」の90年代を独自の理論で鮮やかに解明し、一躍論壇の主役におどり出る。宮台自身の良きコミュニケーションの相手として選んだ著名人との対談も知られている。その相手の一人である上野千鶴子との対談では、実際のレイプ犯も出演するバクシーシ山下監督の過激なレイプAVを評価。またそのAVに男優をあっせんし、その男性達にAVという「ヴァーチャル空間」で「ガス抜き」をさせていると発言。小松美彦と論争に発展した。また小説家・桜井亜美に小説を書くよう勧め実現させたこともよく知られている。女子高生の売春、コギャル、日サロブームの時には、フィールドワークとしてブルセラ巡りをしたこともあり、ブルセラ評論家のように言われたこともある。1990年代後半はTVに積極的に出演した。SF、音楽などサブカルチャー全般に関する造詣が深く、都立大でもその講義を行っている。
学歴
1971年 麻布中学校・高等学校入学
1977年 同校卒
同年 駿台予備校入校
1978年 東京大学教養学部文科3類入学
1980年 同大文学部社会学科進学
1982年 同学科卒業
同年 東京大学大学院人文社会系研究科入学
1984年 同大学院修士課程修了
1987年 同大学院博士後期課程修了
職歴
1987年 東京大学教養学部助手
1991年 東京外国語大学専任講師
1993年 東京都立大学人文学部助教授
著作
単著
- 『権力の予期理論――了解を媒介にした作動形式』(勁草書房, 1989年)
- 『制服少女たちの選択』(講談社, 1994年)
- 『終わりなき日常を生きろ――オウム完全克服マニュアル』(筑摩書房, 1995年)
- 『まぼろしの郊外――成熟社会を生きる若者たちの行方』(朝日新聞社, 1997年)
- 『透明な存在の不透明な悪意』(春秋社, 1997年)
- 『新世紀のリアル』(飛鳥新社, 1997年)
- 『世紀末の作法――終ワリナキ日常ヲ生キル知恵』(メディアファクトリー, 1997年)
- 『<性の自己決定>原論――援助交際・売買春・子どもの性』(紀伊国屋書店, 1998年)
- 『これが答えだ!――新世紀を生きるための100問100答』(飛鳥新社, 1998年)
- 『野獣系でいこう!!』(朝日新聞社, 1999年)
- 『自由な新世紀――不自由なあなた』(メディアファクトリー, 2000年)
- 『援交から革命へ――多面的解説集』(ワニブックス, 2000年)
- 『援交から天皇へ――Commentaries 1995-2002』(朝日新聞社, 2002年)
- 『絶望から出発しよう』(ウェイツ, 2003年)
- 『絶望 断念 福音 映画――「社会」から「世界」への架け橋』(メディアファクトリー, 2004年)
- 『宮台真司interviews』(世界書院, 2005年)
共著
- (石原秀樹・大塚明子)『サブカルチャー神話解体――少女・音楽・マンガ・性の30年とコミュニケーションの現在』(Parco出版局, 1993年)
- (藤井良樹・中森明夫)『新世紀のリアル』(飛鳥新社, 1997年)
- (藤原和博)『人生の教科書「よのなか」』(筑摩書房, 1998年)
- (尾木直樹)『学校を救済せよ――自己決定能力養成プログラム』(学陽書房, 1998年)
- (藤井誠二)『学校的日常を生きぬけ――死なず殺さず殺されず』(教育史料出版会, 1998年)
- (藤原和博)『人生の教科書「ルール」』(筑摩書房, 1999年)
- (松沢呉一)『ポップ・カルチャー』(毎日新聞社, 1999年)
- (藤井誠二)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー, 1999年)
- (三沢直子・保坂展人)『居場所なき時代を生きる子どもたち』(学陽書房, 1999年)
- (姜尚中・水木しげる・中西新太郎・若桑みどり・石坂啓・沢田竜夫・梅野正信)『戦争論妄想論』(教育史料出版会, 1999年)
- (上野千鶴子)『買売春解体新書――近代の性規範からいかに抜け出すか』(柘植書房新社, 1999年)
- (速水由紀子)『サイファ覚醒せよ!――世界の新解読バイブル』(筑摩書房, 2000年)
- (宮崎哲弥・網野善彦・姜尚中・辛淑玉・加納美紀代・藤井誠二・樹村みのり・斎藤貴男・太田昌国・沢田竜夫・梅野正信)『リアル国家論』(教育史料出版会, 2000年)
- (香山リカ)『少年たちはなぜ人を殺すのか』(創出版, 2001年)
- (藤井誠二)『「脱社会化」と少年犯罪』(創出版, 2001年)
- (神保哲生)『漂流するメディア政治――神保・宮台激トーク・オン・デマンド:情報利権と新世紀の世界秩序』(春秋社, 2002年)
- (奥平康弘)『憲法対論――転換期を生きぬく力』(平凡社[平凡社新書], 2002年)
- (宮崎哲弥)『M2われらの時代に』(朝日新聞社, 2002年)
- (藤井誠二・内藤朝雄)『学校が自由になる日』(雲母書房, 2002年)
- (速水由紀子)『不純異性交遊マニュアル』(筑摩書房, 2002年)
- (姜尚中)『挑発する知――国家、思想、そして知識を考える』(双風舎, 2003年)
- (宮崎哲弥)『ニッポン問題。』(インフォバーン, 2003年)
- (金子勝・藤原帰一・A・デウィット)『不安の正体!――メディア政治とイラク戦後の世界』(筑摩書房, 2004年)
- (宮崎哲弥)『エイリアンズ――論壇外知性体による「侵犯」的時評'03-'04』(インフォバーン, 2004年)
- (仲正昌樹)『日常・共同体・アイロニー――自己決定の本質と限界』(双風舎, 2004年)
編著
- 『教育「真」論――That's Japan special:連続シンポジウムの記録』(ウェイツ, 2004年)
共編著
訳書
- G・スペンサー=ブラウン『形式の法則』(朝日出版社, 1987年)