西表石垣国立公園
西表石垣国立公園(いりおもていしがき こくりつこうえん)は、沖縄県西表島、石垣島とその周辺の島々及び海域にまたがる国立公園である。

概要
西表島、石垣島の両島をはじめ、石垣島と西表島との間にある石西礁湖と呼ばれるサンゴ礁の海域と、その海域に点在する隆起サンゴ礁の黒島、竹富島、小浜島、新城島、西表島南西方の仲の神島などからなる。
従来は西表国立公園という名称であったが、2007年8月1日に石垣島の一部が編入されるとともに、西表石垣国立公園に改称された。これは、国立公園としては、1964年の富士箱根伊豆国立公園以来43年ぶりの大規模な拡張である[1][2][3]。拡張後の面積は、陸域が20,569ha、海域が約46,600ha(うち海中公園地区が約1,100ha)で、海中公園の面積は国内最大である。
公園区域のうち、西表島は、日本で最後の大規模な照葉樹林に覆われ、河口にはマングローブ林が広がるなど、原始性の高い亜熱帯性の植物相が形成されており、特別天然記念物のイリオモテヤマネコ、カンムリワシ、天然記念物のセマルハコガメ、リュウキュウキンバト等の希少な生物種が生息している。
また、石垣島は、ラムサール条約登録湿地である名蔵アンパルや吹通川のマングローブ林、於茂登岳のヤエヤマヤシやカンヒザクラの自生地などの希少な植物相が見られる。周辺海域には大規模なアオサンゴの群落で有名な白保海域をはじめとするサンゴ礁の海域があり、平久保、米原、川平石崎、白保の4地区が海中公園地区に指定されている。
石西礁湖は、日本で最大規模のサンゴ礁群であり、360種以上に及ぶ豊富な種類のサンゴが確認された世界的にも貴重なサンゴ礁のひとつである。このうち、4箇所(タキドングチ、シモビシ(以上、竹富島)、キャングチ(黒島)、マイビシ(新城島))が海中公園地区に指定されている。
経緯
- 1972年(昭和47年)4月18日:琉球政府立公園西表政府立公園に指定。
- 1972年(昭和47年)5月15日:沖縄の本土復帰に伴い国立公園西表国立公園に指定。
- 1972年(昭和47年)12月26日:公園区域の指定。
- 1977年(昭和52年)7月1日:海中公園地区の指定。
- 1990年(平成2年)12月1日:乗入れ規制地域の指定。
- 2003年(平成15年)3月31日:公園区域及び公園計画の見直し。
- 2007年(平成19年)6月29日:中央環境審議会にて、西表国立公園に石垣島及び周辺海域の一部を編入する諮問案を答申。また、公園の名称を「西表石垣国立公園」に変更することも決定[4]。
- 2007年(平成19年)8月1日:石垣島及び周辺海域の一部を編入し、西表石垣国立公園に改称。