エヴァンゲリオン (架空の兵器)

アニメ作品『新世紀エヴァンゲリオン』・『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場する架空の兵器

これはこのページの過去の版です。58.94.129.188 (会話) による 2007年9月2日 (日) 14:37個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (特殊兵装)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

エヴァンゲリオンは、テレビアニメ新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の兵器。正式名称は汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン(はんようひとがたけっせんへいき じんぞうにんげんエヴァンゲリオン)。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


機体解説

使徒と呼ばれる謎の生命体の殲滅を目的としたE計画により製作された汎用人型決戦兵器。ロボットではなく人造人間と呼称されるが、実際はアダムもしくはリリスと呼ばれる「生命の起源」を人類がコピーして作ったもの。A.T.フィールドを展開する使徒に対して、人類が保有する唯一の対抗手段とされる。

名前は、「福音」を意味するギリシア語エウアンゲリオン(ευαγγελιον)の現代発音をラテン文字表記した「Evangelion」からとられている。

なお、TVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』の略称は“エヴァ”もしくは“EVA”であるが、本項で取り扱う兵器としての『汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン』の略称表記は公式の資料や関連書籍上ではアルファベットの“EVA”で統一されている。一部例外として初期の関連書籍や漫画版等では“エヴァ”と略称表記されることもある。

機体番号表記については日本国内で建造されたEVA零~弐号機(弐号機は、設計・部品建造を日本で行い、ドイツでは組み立てのみを行ったという設定)は漢数字で、日本国外で建造されたEVA3号機~13号機はアラビア数字で表記するという設定が存在しており、脚本や漫画版、スーパーロボット大戦シリーズなどでは一貫して、これに則した表記がなされている。一方、漫画『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd』やゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』、『スーパーロボット大戦F完結編』、バンダイから発売された「プラモデル」、「超合金魂」や、海洋堂から発売された「リボルテック」では「3号機」を「参号機」と表記している。

パイロット

  • 搭乗者は、原則として「母親のいない(母親の魂がEVAのコアになっている)14歳の子供」に限定して選出される。
  • EVAにはそれぞれ固有パルスのパターンがあり、パイロットもそれに似たパターンの保持者でなければならず、起動確率は09システム(オーナインシステム)と呼ばれる様に、0.000000001パーセントである。
  • 「シンクロ率」は通常は同調の意味で使われる。ただし、あまりにシンクロ率が高すぎると自我が消失し融合に近い意味となる。実際にシンクロ率400%超を記録した時、搭乗したパイロット(碇シンジ)はL.C.Lと同化している[1]。機体とパイロットは神経接続されるため、機体に加えられた物理化学的刺激をパイロットは同様に感覚してしまうものの、それが肉体に実際に負傷として現れることは原理的にはない。EVAの物質的変化に対応する変化や負傷がパイロットの肉体に生じる描写は数回あるが(第拾八話、第弐拾参話、劇場版等)、その変化をエントリープラグの外から確認している描写はないため、それが実際に生じた変化なのか、映像表現としてパイロットの主観を客観として現したものかは判断できない。
  • ただし、特段の対策なしにEVAと接触しようとした碇ユイと惣流・キョウコ・ツェッペリンはいずれも事故を起こし、前者は肉体ごと初号機と同一化して消失、後者は魂の一部分=母性だけを弐号機内に奪われ、残された肉体は発狂してしまう。しかしながら、これらのEVAのコア内に残された母親の魂を介在することにより、その子をパイロットにすることで、EVAとパイロットは初めて安定した接続が可能となる。EVAのパイロットが原則として1機体につき1人しかいないのはこの事情による。ただし、綾波レイと使徒タブリス=渚カヲルは特殊で、コア内の魂の如何を問わず、EVAを操ることができる。だが、これも正規パイロットとコア内の魂との接触時間(搭乗時間)が長くなると、コア内の魂から接触(操縦)を拒否されて操れないこともある。
  • 搭乗者の代わりに「ダミープラグ」を用いることでも稼動可能で、この場合は搭乗者が搭乗していても使用可能である。しかしTVシリーズでは何度も「ダミープラグ」の使用を危険とする発言がある。これはダミープラグには感情や倫理観というものが欠如しており、いざ戦闘となると目に余る如何なる凄惨な手段も厭わなくなる為と、万が一暴走し、戦闘指揮者に造反された際に対する安全装置が不確定であることも理由かと思われる。

特徴

  • 人間が愛情を抱くときに使うとされるA10神経を介した神経接続によるコントロールシステムを採用している。稼働状況は機体とパイロットの「シンクロ率」により左右される。また、火器は操縦桿を用いた優先操縦を行う、「インダクションモード」で管制する。
  • パイロットが搭乗の時は必ず、インターフェイス・ヘッドセットを頭部につける。プラグスーツを着用しなくても、これのみでエヴァンゲリオンを制御できる。
  • 基本的に、「アンビリカルケーブル」を介して電力を補給して稼働する。「アンビリカルケーブル」とは、英語の「Umbilical cordへその緒)」からとられた。
  • 予備に内部電源を保有する。アンビリカルケーブルが断線したりなどすると切り替わる。活動限界は最大で5分だが、初号機は最終的にS2機関を手に入れることによって、半永久的な活動時間を得た。
  • 外付けの大型バッテリーを使用する事により、30分間の稼働が可能。
  • 使徒と同様、「A.T.フィールド」(Absolute Terror Field)を展開することができる。A.T.フィールドはバリアの一種であり、最も強力なものになると光波電磁波すら通さなくなる。A.T.フィールド同士を中和させることによって初めて使徒に対する有効な打撃を与えることが可能になる。EVAが使徒に対して唯一有効な対抗策とされるのはこのためである。
  • 人型の汎用機体なので、人間の使う武器と同様の武装を装備できる。
  • 活動時には全身が装甲(初号機に限り拘束具を兼ねている)に覆われており、ロボットのような外見を呈するが、この拘束具にはEVAによる事故を阻止する役割がある。

EVAシリーズ

零号機(EVA-00 PROTO TYPE)

  • 搭乗者:綾波レイ
  • 搭乗者コード:ファースト・チルドレン
  • 機体色:山吹色→ブルー
  • 眼:単眼
  • コア(魂):作中では言及無し
  • 初登場話数:第弐話

ゲーム『 新世紀エヴァンゲリオン2』では、コアに魂が入っておらず、レイがシンクロに長期間を要したのはそれが理由であると解説される。この点については、放映当時から現在に至るまでファンの間で最も議論されたエヴァンゲリオンの謎のひとつである。大量に上梓された本アニメの解説本のホットトピックともなり、赤木ナオコの魂やリリスの魂、初代レイの魂が入っているとする説が盛んに唱えられたが、それらの説には(魂なしも含め)それぞれ矛盾点が存在する。

制作元については、第弐拾壱話で赤木ナオコが「アダムより人の作り出したもの」として零号機を紹介する事、初号機が唯一リリスよりコピーされたものであることからアダムより作られたとする説と、アダムと呼ばれていたものが実はリリスであった事から、リリスより作られたとする説がある(A計画の発動は2004年、零号機の製作開始は2003年なのでリリスベースの可能性が高い)。プロトタイプ(試作機)だったが、第5使徒 ラミエル戦に投入され大破、後に弐号機と同じ形状の装甲板とウェポンラックを取り付けられ機体色も青に変更する改装を施され、第9使徒 マトリエル戦から実戦配備された。この形態は商品化される際などは零号機・改と呼ばれ、エヴァンゲリオン・クロニクルでもそのように記されている。

起動実験中など戦闘以外の場面で暴走することが多い。

頭部と脊椎のみだけが造られた失敗作がNERV(ネルフ)本部の地下に大量廃棄されている[2]第16使徒 アルミサエル戦で使徒に融合され、相打ちによって殲滅するために綾波レイにより自爆。完全に破壊された。

改装前の山吹色の由来は、海軍飛行実験部所属機や東海道新幹線ドクターイエローなど、試作段階の機体にこの色が多く使われる事による。

第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へではNERV(ネルフ)の手によりS2機関が搭載される。

2007年9月1日公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では細部のデザイン、カラーが変更されている。

初号機(EVA-01 TEST TYPE)

  • 搭乗者:碇シンジ、綾波レイ
  • 搭乗者コード:サード・チルドレン、ファースト・チルドレン
  • 機体色:バイオレット
  • 眼:双眼
  • コア(魂):碇ユイ
  • 初登場話数:第壱話

リリスより製作された、EVAシリーズの実験機。活動限界を迎え搭乗者の生命に危機が迫ると、突如コアが反応し再起動、搭乗者の意思に関係無く暴走する。第拾九話「男の戰い」では第14使徒 ゼルエルを捕食しS2機関を獲得。以後、活動限界は無くなる。

初起動は第3使徒 サキエル戦で、初シンクロ時に41.3%と高シンクロ率をたたき出すも、シンジの戦闘経験の無さ、及び操作技術の拙さにより左手首を折られ、右眼を光の槍に貫かれて中破する。だが、その後機体は暴走し、左手首の再生、使徒のA.T.フィールドを侵蝕・中和等の圧倒的戦力を見せつけ、使徒を殲滅する。その後第4使徒 シャムシエル戦では初のEVA専用火器を使用するも効果はなく、活動限界時間一杯までの接近戦闘にて辛くも殲滅する。第5使徒 ラミエル戦は零号機と共に超長距離射撃を行い殲滅。第7使徒 イスラフェル戦は弐号機が作戦に加わり、両機体の動きを同調させるユニゾン特訓の末、使徒を殲滅する。第9使徒 マトリエル、第10使徒 サハクィエルは、戦列に復帰した零号機と3機で殲滅する。第12使徒 レリエル戦で、敵の本体である影に取り込まれディラックの海を彷徨い、シンジの生命維持に危険が迫ったとき2度目の暴走を起こし、上空に浮かぶレリエルの影を引き裂き帰還。第13使徒 バルディエル戦では、戦闘を拒んだシンジに業を煮やしたゲンドウがダミープラグを使用、使徒を無惨に解体する。その戦闘の後、シンジが搭乗を拒否した為、第14使徒 ゼルエル戦では代わりにレイが搭乗したが、以前はシンクロ可能であったレイや、ダミープラグをも受け付けなくなる。その戦闘で弐号機、零号機の無惨な結果を目撃したシンジは再び初号機に搭乗し、左腕を失いつつも敵を追い込んだが電源が切れ、敵に攻撃される。その後シンジの声に反応するかの様に再起動する。再起動した初号機はシンクロ率400%を超え、敵の腕を自らの左腕へ変換、敵A.T.フィールドを破壊、敵を捕食しS2機関を獲得する。ここで初号機は覚醒を果たし、他のEVAとは一線を画す存在へと変化した。第15使徒 アラエル戦では使用を凍結されたが、第16使徒 アルミサエル戦で凍結解除され戦闘復帰する。第17使徒 タブリス戦では、タブリス(渚カヲル)が操る弐号機と戦闘、撃退し、さらに渚カヲルを握りつぶして殲滅した。

劇場版25話「Air」では戦略自衛隊がシンジと初号機との接触を絶つためにケージに注入した硬化ベークライトに拘束され搭乗できなくなっていたが、弐号機が量産機に解体されているときに無人のまま起動、ベークライトを破壊しシンジを搭乗させるとジオフロント内に出現した。劇場版26話「まごころを、君に」では、弐号機の無残な姿を見たシンジに触発され暴走、背に四枚の十字翼型A.T.フィールドを背負い月軌道上にあったロンギヌスの槍を召還する。その状態をゼーレに利用されサードインパクトを発現させてしまう。だが、シンジはその世界を望まず初号機は同化したリリスから分離、地球を包み込むほどの12枚の翼を展開し量産機のロンギヌスの槍をすべて破壊。シンジを地球に残しロンギヌスの槍とともに宇宙へ旅立った。

2007年9月1日公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では細部のデザイン、カラーが変更されている。

弐号機(EVA-02 PRODUCTION MODEL)

  • 搭乗者:惣流・アスカ・ラングレー、渚カヲル(第弐拾四話のみ)
  • 搭乗者コード:セカンド・チルドレン、フィフス・チルドレン
  • 機体色:レッド
  • 眼:四眼
  • コア(魂):惣流・キョウコ・ツェッペリン
  • 初登場話数:第八話

アダムより製作された、エヴァンゲリオンの量産化を前提として開発された、いわば先行量産機。アスカの言葉を借りるなら、「本物のエヴァンゲリオン」と呼べる機体である。フルパワー時には頭部拘束具が一部展開、素体の4つ目を露わにする。

NERVドイツ第3支部で組み立てられ、第八話において日本に移送中、第6使徒 ガギエルの攻撃を受けたためミサトの判断で起動。初戦を見事勝利で飾る。その後、他の2体と共に使徒殱滅にあたっていたが、第13使徒 バルディエル戦で一瞬の躊躇をつかれ敗北、第14使徒 ゼルエル戦においては一切の攻撃が通じず両腕、頭部を切断されて大破する。この連敗と、その両者を倒したのが双方とも初号機であったことにより、アスカのプライドに綻びが生じ、シンクロ率が下がり始める。その後、修理はされたものの、第15使徒 アラエル戦においてアスカが精神的ダメージを受けたため、更にシンクロ率が低下。第16使徒 アルミサエル戦では起動すらできない状態となった。その後、廃人と化したアスカの代わりにやってきたフィフスチルドレンにして第17使徒 渚カヲル=タブリスの力により無人で起動。彼に従いセントラルドグマへ侵入するが、追ってきた初号機と戦闘になり、初号機によって首筋にプログレッシブ・ナイフを突き刺されて活動を停止させられる。

劇場版25話ではアスカを保護するべくエントリープラグに載せてジオフロント内の地底湖底に配置される。そこに戦略自衛隊爆雷攻撃が行われた事がアスカに死の恐怖からくる生への執着を蘇らせた。それに弐号機内のアスカの母の魂が呼応し、母の存在を感じたアスカは復活し周囲の戦略自衛隊を壊滅させたがアンビリカルケーブルは切断されてしまう。さらに弐号機殱滅に投入されたS2機関搭載の量産型EVAシリーズ9機に対して内部電源の3分30秒でほぼ全てを撃破する活躍をみせたが、1機が放ったロンギヌスの槍(コピー版)がATフィールドを貫通、頭部に直撃し同時に制限時間の活動限界を迎えてしまう。身動きの取れない弐号機は蘇生したEVAシリーズに鳥葬のごとく食い尽くされ、アスカの「(量産機を)殺してやる!!」と言う強烈な意思が暴走を引き起こすも、最後は8本の槍によって串刺しにされ完全に沈黙した。

TVシリーズ第弐拾四話までと劇場版25話とではデザインが若干違う。(頭部や肘、肩および前腕と胴体の太さなど) これはTVシリーズの弐号機は山下いくと(零~4号機)がデザインしたのに対し、劇場版の弐号機は本田雄(量産機)がデザインしたためである。

漫画版では渚カヲルが第16使徒 アルミサエル戦で乗機とする(アスカの精神崩壊がアラエル戦直後にされたため)。レイの零号機と同様にアルミサエルの浸食を受けるが、カヲルの力により同化は免れる。この戦いでデュアルソーに物理融合したアルミサエルによってデュアルソーを奪われ左足を切断されている。


第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へでは零号機と同様にS2機関が搭載される。

3号機(EVA-03 PRODUCTION MODEL)

  • 搭乗者:鈴原トウジ
  • 搭乗者コード:フォース・チルドレン
  • 機体色:ダークブルー
  • 眼:双眼
  • コア(魂):不明
  • 初登場話数:第拾八話

アダムより製作された。NERVアメリカ第1支部製。コア内に宿された魂は不明だが、初号機や弐号機の例に倣えばトウジの母親である蓋然性が高い。また、劇中で何度か触れられていたトウジの妹がコアになっているという説もファン内では唱えられたが、作品の設定や脚本決定稿の記述からは採りにくい[3]

アメリカより移送中に第13使徒 バルディエルに寄生され、松代で起動実験中に使徒として覚醒、活動を開始する。零号機、弐号機を活動不能に陥れるが、ダミープラグによって暴走した初号機との戦闘の末、原型を留めないほどに破壊される。最後にトウジが閉じ込められたエントリープラグは、初号機によって握り潰される。搭乗していたトウジの結末は、TVシリーズでは左脚切断の重傷、漫画では死亡と展開が異なるが、これはTVシリーズプロデューサーの大月俊倫が番組製作前に出した、「どんな内容でも構わないが、子供が死ぬようなアニメだけは見たくない」という要求を受けてのものである。

スーパーロボット大戦F完結編では、隠し機体として登場するが、敵側の機体として登場する為、操作は不可となっている。又、スーパーロボット大戦αでは、条件によっては破壊されずに、トウジの専用機体として使用でき、スーパーロボット大戦MXでは、イベント終了後、同じくトウジの専用機体として使用可能となる。

4号機(EVA-04 PRODUCTION MODEL)

アダムより製作された。NERVアメリカ第2支部でのS2機関の暴走により、周りの研究所等と共に消滅してしまう。Tvシリーズでは描写が無く、後にキットモデルが発売された。『 新世紀エヴァンゲリオン2』においては隠し機体として登場するが、『鋼鉄のガールフレンド2』では本編同様消滅している(ゲーム版のみ。漫画版では渚カヲルが搭乗)。機体色以外は3号機と同様の形状。

また『 シークレット オブ エヴァンゲリオン』では、主人公であるNERV諜報部員剣崎キョウヤの手により、S2機関暴走という理由を捏造して第2支部を丸ごと葬り、その影で密かに機体をNERV本部に搬入したという経緯で登場する。

量産機(5号機~13号機)(EVA-05~13 MASS PRODUCTION MODEL)

  • 搭乗者:ダミープラグ(『システムタイプ:KAWORU』、ゲーム『鋼鉄のガールフレンド2』では渚カヲル)
  • 搭乗者コード:ダミーシステム
  • 機体色:ホワイト
  • 眼:無し
  • コア(魂):不明
  • 初登場話数:第弐拾五話

アダムより製作された。量産型機。カヲルがベースとなったダミープラグにより稼動する。S2機関を実装。伸張する翼を標準装備しており、飛行可能である。携帯武器は諸刃の剣(脚本では槍となっている)であるが、これはロンギヌスの槍(コピー)に変形する。ウナギのような眼の無い頭部が特徴的である(その為、スーパーロボット大戦シリーズでは、登場人物達から『ウナギ野郎』と呼ばれる事がある)。また、エントリープラグ挿入口や全体的なデザインが他のEVAと異なった設定になっている。これは零~4号機を山下いくとがデザインしたのに対し、量産機のデザインは本田雄が手掛けたことによる。再起動や捕食など、EVA初号機の暴走状態と非常に酷似した行動パターンを持つ。

劇場版25話「Air」では、ジオフロント内の戦略自衛隊を壊滅させた弐号機に対抗するために輸送機から投下され弐号機と交戦した。弐号機の圧倒的な戦闘力の前に終始不利な展開だったが弐号機の活動限界間際に1機が放ったロンギヌスの槍(コピー)によって弐号機の頭部を串刺しにする。動けない弐号機に対し全機再起動した量産機は弐号機を鳥葬のごとく捕食し葬った。劇場版26話「まごころを、君に」では初号機を依代にし、サードインパクトを誘発させ各機自らのコアにロンギヌスの槍(コピー)を突き刺しS2機関を共鳴させ人類全てをL.C.L.へと還元させる。しかしリリスと同化していた初号機が分離、量産機のロンギヌスの槍(コピー)を全て破壊する。その後量産機は全て活動を停止、石化し地上へと降下するのだった。

見た目での区別はつかないが、脚本や絵コンテでは9体の量産機はそれぞれ全て機体番号で区別されている。製作地は、5、6号機がドイツ、8号機が中国である。

弐号機によって破壊された順番は9号機(頭部を潰され背骨を折られる)、11号機(プログ・ナイフを頭部に突き刺される)、7号機(プログ・ナイフで右手を切断され首をへし折られる)、6号機(諸刃の剣で袈裟懸けに斬られる)、12号機(諸刃の剣で腹部から上下に切断される)、8号機(諸刃の剣で左足を切断される)、10号機(ニードルガンで頭部を刺される)、5号機(喉元を握りつぶされ13号機と同時にみぞおちを貫通される)、13号機(5号機越しにコアを鷲掴みにされる)である。

エヴァンゲリオン乙型(乙号機)

ブロッコリー制作のゲームに登場するオリジナル機体。『名探偵エヴァンゲリオン』では乙型、『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』では乙号機と呼称するが、同一の機体である。
他のエヴァンゲリオンにはない翼が装備されており自律飛行が可能。ゲーム『名探偵エヴァンゲリオン』ではゼーレ査察官渚カヲルの専用機。初登場はボウリングのピン型の使徒襲来のとき。使徒と疑われたボウリング場を破壊しようとした。また、虫歯型使徒襲来の際は3号機を使徒と疑い連行しようとした。最後のボスであり使徒として覚醒したカヲルを取り込みターミナルドグマで初号機と対決した。第1形態と第2形態がある。

エヴァンゲリオン甲号機

『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』に登場するオリジナル機体。『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』エンドレスモードにおいて、41番目の敵として登場する。
ゼーレが極秘裏に開発したエヴァンゲリオンで、エヴァンゲリオン乙号機の兄弟機。
背部にエヴァとしては初となる円形状のビーム兵器を装備している。さらに、この武装は分離することでオールレンジ攻撃が可能。このビットは複数のサイズが存在し、すべてを合体させることで、強力なビーム砲としても使用できる。この武装は、背中に固定された状態でも使用できる。解説書では、雨龍・凱龍等と記されているが、正式名称は不明(この名称は、この武装を使用した技の名前を表しているとも思われる)。

武装

白兵戦用

プログレッシブ・ナイフ
初号機の装備するボウイナイフ型のPK-01と、弐号機の装備する、峰と刃を逆にしたカッターナイフ状のPK-02が存在する。超振動で物体を分子レベルで切り裂く。PK-02は刃を破損しても後の刃を押し出すことで再使用が可能。
ソニックグレイヴ
プログナイフと同様に超振動によって相手を分子レベルで切り裂く薙刀。第九話で弐号機が使用。使用はされなかったがゼルエル戦時弐号機の足元の地面に突き刺さっていた。(SGと略す場合アリ)
スマッシュホーク
プログナイフと同様に超振動で敵を分子レベルで切り裂く。第拾六話で弐号機が使用。
ニードルガン
プロダクションモデルから装備されることになったもの。プログレッシブナイフとは逆の肩のウェポンラックに収納されている。劇場版でのみ弐号機が使用。7連装で発射後に薬莢が排出される。
ビームグレイブ
第九話で初号機と弐号機が使用。腕部に収納しており伸ばして使う。スクリーンを張った2本のもので、イスラフェルを甲と乙に分けた。

(以下は劇中に登場せず)

マゴロク・エクスターミネート・ソード(マゴロックス)
PlayStationPortable用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-』及び、PlayStation用&ドリームキャスト用ゲーム『スーパーロボット大戦α』、PlayStation2用ゲーム『スーパーロボット大戦MX』&『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』、パチンコ『CR新世紀エヴァンゲリオン ~奇跡の価値は~』に登場、またPCゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画』では「マゴロックス」名で登場している。大型の日本刀といったもの。初出は「ニュータイプ」表紙の山下いくと画のイラストより。
カウンターソード
PlayStation用ゲーム『スーパーロボット大戦α』に登場。いわゆる脇差
アクティブソード
エヴォリアル・バスター
プログレッシブ・ダガー
従来のプログナイフを大型化し殺傷力を高めた。PlayStation2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』『第3次スーパーロボット大戦α』、PlayStationPortable用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-』に登場し、F型装備に搭載される。
大型破砕兵器デュアルソー
チェーンソーが2つ繋がったような形状をしたもの。敵を切るというよりも粉砕する。PlayStation2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』、PlayStationPortable用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-』、パチンコ『CR新世紀エヴァンゲリオン ~奇跡の価値は~』に登場。またゲームから漫画版に逆輸入され、カヲルの搭乗する弐号機が第16使徒アルミサエル戦で使用。しかし、アルミサエルに物理融合され逆にEVA弐号機が攻撃され左足を切断される。

銃火器

ハンドガン
プラモデルでは、「専用拳銃」となっている。第拾六話「死に至る病、そして」で初号機が使用。現実のデザートイーグル50AEとよく似ている。
パレットライフル(形状はACR)
主に初号機が頻繁に使用したアサルトライフルのような銃。電磁レールガンを利用して劣化ウラン弾を高速で撃ち出す。
スナイパーライフル(形状はカバートスナイパーライフルシステム)
零号機が第拾六話「死に至る病、そして」と第弐拾参話「涙」で使用した。レリエルには上空のものは影だったため効果はなく、アルミサエル相手にも通用しなかった。
ポジトロンライフル
陽電子(ポジトロン)が物質中の電子に衝突・消滅する力を利用した武器。第伍話「決戦、第三新東京市」でワンシーンだけ出てきたが使われず第九話で弐号機が使用、第弐拾弐話で弐号機が改良型(エネルギーパックをマガジン式にし、連射能力が向上)を使用している。
ハンドバズーカ
第拾九話で弐号機が使用した小型で取り回しのよいバズーカ砲。第拾九話「男の戰い」で弐号機がゼルエルに対して使用したが効果は見られなかった。
バズーカ
第拾八話で弐号機が使用した大型のバズーカ砲。しかし、実際3号機(バルディエル)相手には使用されず威力は不明。
ガトリングガン(正式名称不明)
2007年9月1日公開予定の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』において対シャムシエル戦で用いられる。

特殊兵装

ロンギヌスの槍
南極で発見された槍。通常は二又の刃先をしているが、状況によりその形状は変化する。使徒のA.T.フィールドを無効化するほどの絶大な威力を持つ。ターミナルドグマのリリスに突き刺されていたが、第弐拾弐話において零号機が衛星軌道上の第15使徒に対し使用。なお、量産型が標準装備している剣はこの槍のレプリカであるが、オリジナル同様にA.T.フィールドの無効化と形状変化は可能。
Eva専用改造陽電子砲Nerv仕様(ポジトロン・スナイパー・ライフル)
第5使徒ラミエルを倒すためにNERVが筑波の戦自研から借用したもの。初号機が使用。第弐拾弐話で零号機が使用したものは、これをもとにNERVが独自に建造したもの。シモノフPTRS1941対戦車ライフルに良く似た形状。 
大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲
2007年9月1日公開予定の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』においてヤシマ作戦で用いられる。
耐熱光波防御盾
エヴァ専用の耐熱光波防御兵器。ヤシマ作戦で零号機が使用。SSTO船底を流用したもので正式装備ではない。もともと超電磁コーティングされているので加粒子砲の直撃にも17秒までなら絶えられる。 
エヴァンゲリオン専用単独防御兵装 ENCHANTED SHIELD OF VIRTUE
2007年9月1日公開予定の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』においてヤシマ作戦で用いられる。
N2爆弾
第拾九話「男の戰い」で零号機がゼルエルに対して自爆攻撃を行ったときに使った爆弾。ゼルエルはこれをコアを遮断する形で防御したためダメージは与えられなかった。なお、旧東京にテロ攻撃によって落とされた新型爆弾をこれだとする説もある。威力は現在の戦略核に匹敵し、地形が大きく変わってしまうほどである。核兵器とは違い放射能汚染を起こさないらしい(諸説あるが、N2とはNo Nuclearの略であるとされている)。次世代の戦略兵器である。爆弾タイプ以外に地雷や爆雷などのバリエーションが存在する。
2006年7月に公開された劇場映画「日本沈没」にもこの兵器が切り札として登場している。
N2地雷
第壱話「使徒襲来」、第九話「瞬間、心重ねて」でそれぞれ第3使徒サキエル、第7使徒イスラフェルに対して使用された。使徒にはA.T.フィ-ルドがあるため効果的な攻撃はできなかった。サキエルに対しては足止めにイスラフェルに対しては外部装甲の約28%の焼却に成功した。
N2爆雷・N2航空爆雷
第拾弐話「奇跡の価値は」でサハクィエル相手に使用されたが宇宙空間ということもあり威力が半減。効果はなかった。
インパクト・ボルト
F型装備の両肩に装備されている。ATフィールドによって発生させたエネルギーチャンバー内で増幅した高出力の指向性電撃を発射する。これという必殺技のないエヴァンゲリオン初号機のために設定された兵装であり、『新世紀エヴァンゲリオン2』(PS2版、PSP版)、『第3次スーパーロボット大戦α』に登場する。
全領域兵器マステマ
プログナイフと同様に超振動により物体を分子レベルで切り裂くブレード、ガトリング砲、そして2発装備されているN2ミサイルを組み合わせた兵器。『新世紀エヴァンゲリオン2』(PS2版、PSP版)、『第3次スーパーロボット大戦α』に登場。

特殊装備

D型装備(耐熱耐圧装甲)
第拾話に登場。人間が使う深海作業用の潜水服に良く似ている。弐号機使用という事で耐熱防御に不安があるのか搭乗の際にはプラグスーツも専用の物を着用した(基本的なデザインは普通のと一緒だが、膨れる機能がある)。
F型装備(空挺降下戦用)
第七話に登場。
F型装備(フィールド偏向制御運用実験機AFCエクスペリメント)
PlayStation2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』『第3次スーパーロボット大戦α』に登場。第14使徒ゼルエル戦でS2機関を搭載したことにより、無限の動力とより強力なATフィールドを得た初号機に対し、
  • それまでの使徒戦の戦訓から「火力の向上」「重装甲化」を施す。
  • それに伴う重量増を補うための「ATフィールドを利用した機動力の上昇」
等のコンセプトに基づいて、前述のインパクトボルト等の追加武装を施したとする設定である。来るべきゼーレとの決裂を予期した上で、量産機との対決をも見越した改装であり、空挺降下戦用のものと名称が重複しているのは、ゼーレの目を欺くためである。
後にホビー雑誌の企画として零号機や弐号機のF型装備もデザイン・キット化され、食玩にもなっている。
G型装備(狙撃用)
2007年9月1日公開予定の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』におけるヤシマ作戦で使用される。
右肩のホルスター部がレーダーアンテナと狙撃用スコープが組み合わされたものに変更されている。使用時にはアンテナとスコープが展開され前述の460mm陽電子砲と接続される。

その他、固定武装のみで特にオプションを装備していないときはB型装備(ベーシックの意味か)と呼ばれる。

その他

デザイン

デザインは零~四号機をマンガ家の山下いくと、量産機をアニメーター(劇場版メカ作監)の本田雄が手掛けている。2003年に新世紀エヴァンゲリオン企画10周年を記念して発売されたPS2用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』用にF型装備仕様の初号機やジェット・アローン改、及びEVAの新兵装等が山下いくとの手によって追加デザインされた。尚、ゲーム本編には登場しないが模型雑誌の企画用にF型装備仕様の零号機と弐号機のデザイン画が描き起こされており、バンダイから商品化もされている。

EVAの身長設定

EVAの身長については、アニメ制作時には明確な数値が設定されておらず、「ウルトラマンと同じ身長」とされていた。スーパーロボット大戦シリーズへの出演に当たって決められた設定も「40~200m」と言うものである。厳密に大きさを定めない事で、そのシーンにおいて最も演出的に適切な作画を行う事を可能にしている。従って画面上に登場する様々なものを尺度にEVAの身長を求めても、そのシーンごとに全く違う数値が算出される。ウルトラマンにおいても数字上の設定は40mと定められているが、実際にはそれを厳密に再現してはいない。

脚注

  1. ^ 作中で400%に達したのは碇シンジのみで、最終的にはサルベージ計画によって救い出された。
  2. ^ TVシリーズ第23話より
  3. ^ 「第3新東京市立第壱中学校2年A組にあらかじめ適格者候補が集められている」という設定や、脚本決定稿では松代のEVA3号機の実験の当日の朝に、第3新東京市の病院(NERV医学部に転院前)で妹を見舞うトウジの姿が描かれていることと整合的でない。