アドマイヤムーン

日本の競走馬

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アドマイヤムーン英語表記:Admire Moon香港表記:賞月)は日本中央競馬)の競走馬である。2007年ドバイデューティーフリー、同年の宝塚記念などに優勝した。2003年セレクトセールでは1600万円で落札された。

アドマイヤムーン
2006年10月29日 東京競馬場
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2003年2月23日
エンドスウィープ
マイケイティーズ
母の父 サンデーサイレンス
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産者 ノーザンファーム
馬主 近藤利一吉田勝己
ダーレー・ジャパン・ファーム ㈲
調教師 松田博資栗東
厩務員 馬場政信
競走成績
生涯成績 15戦9勝
12戦8勝(中央
3戦1勝(海外)
獲得賞金 4億8668万2000円(中央)
3,000,000ドル
5,900,000香港ドル(海外)
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戦績

2歳

2005年7月10日函館競馬場の第5競走でデビュー。5番人気ながらも勝利。以降本田優騎手とコンビを組み、クローバー賞と札幌2歳ステークスを勝利し3連勝したが、4戦目のラジオたんぱ杯2歳ステークスGIII)では、1番人気に推されるもサクラメガワンダーに交わされハナ差の2着に終わり、初の敗北を喫した。

3歳

2006年の初戦は共同通信杯。この競走から鞍上が武豊に乗り替わる。ショウナンタキオンフサイチリシャール等の有力馬が揃う中、2番人気に推される。1番人気のフサイチリシャールが先行するが、最後の直線で差しきり重賞2勝目をあげた。同時に武豊もその年最初の重賞勝利となった。続いての皐月賞トライアル弥生賞では、唯一敗戦を喫したサクラメガワンダーなどを相手に最後の直線で差し切り勝利、皐月賞の優先出走権を得た。武豊が無敗での皐月賞出走となったフサイチジャンクとどちらに騎乗するか注目されたが、アドマイヤムーンに騎乗することが決定した。しかし、結果はメイショウサムソンの4着に敗れフサイチジャンクにも先着を許してしまった。

さらに次走東京優駿(日本ダービー)ではアドマイヤメインとどちらに騎乗するかが注目されたが武豊はアドマイヤムーンを選んだ。結果はまたしてもメイショウサムソンの7着と大敗し、アドマイヤメインにも先着を許す結果となってしまった。

夏には札幌記念に出走。このレースで初の古馬との対決となったが、後方から差し切り勝利を収めクラシックでの雪辱を果たした。鞍上の武豊は「札幌記念から馬が変わってきた」と振り返っており、その後も安定した成績をおさめている事からしても、この頃から本格化してきたといえるだろう。そして続いてはクラシック三戦目の菊花賞ではなく、古馬との混合戦である天皇賞(秋)に出走。しかし後方から追い込んできたものの届かず3着に敗れた。その後香港カップに出走。最後は凱旋門賞2着馬のプライドを追い詰めたものの僅かの差で2着に敗れた。

4歳

2007年は京都記念からスタートした。59kg斤量を背負い、また有馬記念2着のポップロックが出走したこともあって、ポップロックに次ぐ2番人気に留まった。しかし、レースでは中団から鋭く伸び、最後はポップロックの追い込みをクビ差だけ粘り切り、勝利を収めた。その後、アラブ首長国連邦のドバイデューティーフリーに出走し、勝利。悲願のG1初制覇は海外遠征によるもので、このレースでのレーティングは125ポンドと評価された。その後日本では未だ異例と言える海外を転戦するローテーションを組みドバイから日本に戻らず直接香港に移動し、香港G1クイーンエリザベス2世カップに出走。後方から追い込むもスローペースのレース展開があわず、3着に終わる。

帰国後は第48回宝塚記念に向け調整が進められた。鞍上も武豊から岩田康誠に乗り替り同レースに出走した(それまでの主戦だった武豊はポップロックに騎乗した)。道中はメイショウサムソンをマークする形で中団を進み、最後の直線ではいち早く抜け出していたメイショウサムソンが馬体を合わせてきたが、残り100mあたりで振り切り、メイショウサムソンに1/2馬身差をつけて国内GI初制覇を果たすと共に、皐月賞と日本ダービーで苦杯をなめたメイショウサムソンに雪辱を果たした。レースでのレーティングは前年の覇者ディープインパクトと同じ124ポンドと評価された。また、8月11日に発表されたJPNサラブレッドランキングの2007年度上半期において125ポンド(Mile)の評価を得た。

天皇賞(秋)を目指していたところに、ムハンマド・ビン=ラーシド・アール=マクトゥーム(シェイク・モハメド)が出資しているゴドルフィンから移籍のオファーがあり、基本合意をしたことを、7月24日にオーナーの近藤利一が記者会見を開き発表した。移籍金は40億円で、最終合意には至っておらず、近藤の強い希望で天皇賞(秋)への出走を移籍条件にしていることも明かした。また、移籍時期に関しては天皇賞(秋)終了後となる可能性もあるとの見解を示した。しかし7月27日に、ゴドルフィンではなく、モハメドが代表を務める「ダーレー・グループ」の日本法人であるダーレー・ジャパンによる買収が発表された。その為、海外移籍ではなく、国内での馬主変更という形となり、厩舎も従来の松田博資厩舎所属となる。そして8月9日に所有権の移譲がJRAより発表された。

現在は秋に向けて山元トレーニングセンターからノーザンファームに移動し休養している。8月26日に天皇賞(秋)に直行すると発表された。

競走成績

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
(kg)
距離(馬場) タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2005 7. 10 函館 2歳新馬 16 6 11 8.0(5人) 1着 本田優 54 芝1800m(良) 1:54.4(35.9) -0.4 (グラスウィーク)
8. 27 札幌 クローバー賞 OP 10 8 10 2.4(1人) 1着 本田優 54 芝1500m(良) 1:29.5(35.6) 0.0 (ニシノアンサー)
10. 1 札幌 札幌2歳S GIII 13 8 13 2.9(1人) 1着 本田優 55 芝1800m(良) 1:50.4(35.5) -0.2 (ディープエアー)
12. 24 阪神 ラジオたんぱ杯2歳S GIII 12 6 8 2.2(1人) 2着 本田優 55 芝2000m(良) 2:01.9(34.8) 0.0 サクラメガワンダー
2006 2. 5 東京 共同通信杯 GIII 11 1 1 2.8(2人) 1着 武豊 57 芝1800m(良) 1:48.4(33.9) -0.1 フサイチリシャール
3. 5 中山 弥生賞 GII 10 2 2 1.6(1人) 1着 武豊 57 芝2000m(良) 2:01.5(34.7) -0.1 (グロリアスウィーク)
4. 16 中山 皐月賞 GI 18 7 15 2.2(1人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 2:00.4(34.8) 0.5 メイショウサムソン
5. 28 東京 東京優駿 GI 18 5 10 5.9(3人) 7着 武豊 57 芝2400m(稍) 2:28.8(35.4) 0.9 メイショウサムソン
8. 20 札幌 札幌記念 GII 15 6 11 3.2(1人) 1着 武豊 54 芝2000m(良) 2:00.3(33.5) -0.2 レクレドール
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 8 15 6.0(2人) 3着 武豊 56 芝2000m(良) 1:59.0(34.2) 0.2 ダイワメジャー
12. 10 沙田 香港C G1 12 4[1] 7 11.0(6人) 2着 武豊 55.8[2] 芝2000m(良) 2:01.6 0.0 Pride
2007 2. 17 京都 京都記念 GII 14 6 9 4.0(2人) 1着 武豊 59 芝2200m(稍) 2:17.2(35.1) 0.0 ポップロック
3. 31 ナドアルシバ ドバイDF G1 16 10 10 発売無し 1着 武豊 57 芝1777m(良) 1:47.94 不明 (Linngari)
4. 29 沙田 QE2世C G1 10 10[1] 1 1.6(1人) 3着 武豊 57.2[3] 芝2000m(良) 2.02.2 0.3 Viva Pataca
6. 24 阪神 宝塚記念 GI 18 5 9 6.7(3人) 1着 岩田康誠 58 芝2200m(稍) 2.12.4(36.2) -0.1 メイショウサムソン
  1. ^ a b ゲートの番号(日本と異なり、ゲート番号と馬番号は異なる) 引用エラー: 無効な <ref> タグ; name "a"が異なる内容で複数回定義されています
  2. ^ 公式発表の123lbsを1lb≒0.4536kgで換算
  3. ^ 公式発表の126lbsを1lb≒0.4536kgで換算

特徴

緩い馬場も苦にしない切れのある末脚が最大の特徴である。差しという脚質からいっても、良馬場である方が力は出し切れるのだが、日本の高速馬場では差し切れない時も多く、力のいる馬場の方が差しが届くため、2007年に日本で優勝した重賞はともに馬場が稍重であった。ドバイでG1を獲得しているが、ドバイもまた日本に比べれば芝が重い。また、相手を抜き先頭に立つとソラを使う(集中力を欠いて走る気をなくす、もしくは失速する)癖があり、ドバイでは抜け出すと急に失速し、後続馬に差を詰め寄られていた。そのため、早めに抜け出してしまうと後ろの馬に差されてしまうので、騎手に抜け出すタイミングが求められる馬である。

血統表

アドマイヤムーン血統ミスタープロスペクター系/Nearctic5×5=6.25%) (血統表の出典)

*エンドスウィープ
End Sweep
1991 鹿毛
父の父
*フォーティナイナー
Forty Niner
1985 栗毛
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
File Tom Rolfe
Continue
父の母
Broom Dance
1979 鹿毛
Dance Spell Northern Dancer
Obeah
Witching Hour Thinking Cap
Enchanted Eye

マイケイティーズ
1998 黒鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
母の母
*ケイティーズファースト
Katies First
1987 鹿毛
Kris Sharpen Up
Doubly Sure
Katies *ノノアルコ
Mortefontaine F-No.7-f