Wiiのコントローラ
Wiiリモコンとは、任天堂から販売されている家庭用ゲーム機「Wii」のコントローラのことである。
なおここでは、他のWii専用コントローラ・拡張コントローラ・アタッチメント・センサーバーなどについても記載している。
Wiiリモコン
概要
Wiiリモコンは、Wiiの標準コントローラである。従来のゲーム機で多く採用されていた、両手で包むように持つ横長のコントローラとは異なり、片手で持てる縦長のデザインである(ただし、横にして両手で持ち、従来のコントローラのような操作をすることも可能)。テレビリモコンのような形をしているため、コントローラという名称ではなく「Wiiリモコン」と言う呼び名を採用している。北米では "Wii Remote(ウィーリモート)" [1]、フランスでは"Wiimote"(ウィーモート)という名称で呼ばれている。本体とはBluetoothによる無線通信で接続されるため接続ケーブルを必要としない。Wii本体につき、ヌンチャクとセットで1つ同梱している。
特徴的な操作方法
Wiiリモコンによりこれまでには無い直感的なビデオゲームの遊び方を実現している。これまでのボタン操作に替わり、コントローラそのものを実際に動かすことでのゲーム操作を実現した(Wiiリモコンから全くボタンが排除されたわけではない)。コントローラを様々なものに見立てて動かすことは、従来のボタン操作より見た目にも分かりやすく、直感的な操作感覚をもたらした。これは、両手操作でボタン数も増えた従来のコントローラでは初心者が恐れをなしてゲームに触れる前から敬遠してしまう、という主張に基づくものである。
具体的な操作方法は、
- Wiiリモコンをテニスのラケットや刀に見立て、大きく振る(Wiiスポーツ、ゼルダの伝説など)
- 指揮棒に見立てて強弱をつけながら上下左右に振る(Wiimusic(仮称)など)
- 横に持ち自動車のハンドルに見立てて左右に回転させる(エキサイトトラックなど)
- 拳銃や弓矢に見立てて画面の一点を狙う(レッドスティール、バイオハザード4 Wiiエディションなど)
- ビリヤードのキューのように、押したり引いたりする。(はじめてのWiiなど)
このように、コントローラを様々なものに見立てて実際に動かすことで、従来のような複雑なボタン操作をしなくても、ビデオゲームを遊ぶことができる。
この操作方法を実現しているのは、Wiiリモコンに実装されたCMOSセンサー(赤外線)、及び傾きや動きの変化を検出する3軸加速度センサーである。
その他の特徴
Wiiリモコンにはこれまでのゲーム機のコントローラに実装されていた振動機能に加え、スピーカーが実装されている。テニスや野球のようなスポーツゲームから剣や銃での戦闘まで、多スピーカーサラウンドシステムなどとは一味違う臨場感が演出される。また、約4KB(4,096byte)の保存領域が内装され、似顔絵チャンネルで作成された「Mii(ミー)」やポケモンバトルレボリューションのデータを保存可能。「Mii」については「似顔絵チャンネル」参照。
さらに、本体との通信のためにBluetoothを搭載しているため、非公式の使用方法であるが、Bluetoothに対応したパソコンに接続することが可能である。接続すると、0軸0ボタンのHIDジョイスティックとして認識される。[2]現在リモコンでマウスカーソルの操作を可能にするなど、パソコンからリモコンを制御するソフトウェア、ライブラリがユーザーの手によって非公式で開発され、フリーソフトウェアとして公開されている。
開発の背景
このコントローラがリモコンの形状に決定するまでは紆余曲折あり、開発中は様々な形の試作型コントローラが作られた。リモコンの形状になり、一般発表された後も何度かデザインなどが変更されている。たとえば、名称がRevolutionだった頃(2005年)はスピーカーが無く、ボタンの形状や位置、表記(ロゴ、「1ボタン」「2ボタン」が「aボタン」「bボタン」だったなど)なども異なっていた。そのほか、従来のコントローラのように有線接続していた動画もあった。
乾電池式
任天堂のゲーム機では、ゲームボーイアドバンスSPに充電バッテリー式が採用されて以降、乾電池式のゲーム機及び周辺機器は発売されていなかったが、Wiiリモコンでは久々に乾電池式を採用している。これは、萩島光明の話によると『充電式にして、置き場所を決めてしまうより、好きな場所において、気軽に手にとって欲しいから』とのこと[3]。なお、使用できるのは、アルカリ乾電池(任天堂推奨)・オキシライド乾電池・マンガン乾電池・ニッケル水素充電池。ただしマンガン乾電池は他の乾電池に比べ使用可能時間が短くなる。ちなみに、電池メーカーの中には、eneloop(三洋電機)のように、Wiiリモコンに適していることをアピールしている会社もある。また、ライセンス品ではないが、Wii本体のUSB端子から電源を供給して充電する、バッテリーパックも発売されている。
Wiiリモコンが動作しなくなる現象
Wiiリモコンには5分間何も操作をしないと、自動的にWiiリモコンの電源を切る省電力機能が搭載されているが、それとは別に、操作中急にWiiリモコンとWii本体間の接続が切れ、その後も操作が全く出来なくなってしまうことがある。さらに、電源を入れなおしても直らない場合がある。
この現象が発生した場合は、以下の方法で解決できる場合が多い。
- Wii本体の電源を切ってACアダプタをコンセントから抜き、しばらくした後、再びACアダプタをコンセントに差し込み電源を入れる。
- 取扱説明書に従い「ホーム登録」を再度実行する。
またこれとは別に、Wiiリモコンに強い衝撃が加わった時に、ボタン操作は出来るが加速度センサーが全く機能しなくなることがある。この場合は、WiiリモコンのAボタンと十字ボタンの中間あたりに軽い衝撃を加えることで直る場合が多い。
詳しくは、Wii公式サイトQ&Aを参照のこと。
専用ストラップのリコール
Wiiが発売して間もなく、Wiiリモコンに取り付けてある専用ストラップがプレイ中に切れて、テレビ等を破壊する事故が発生したため、任天堂は2006年12月15日に、交換対象の専用ストラップをリコール(無償交換)すると発表した[4][5]。
交換対象のストラップは、2006年12月上旬までに出荷された約320万個(うち国内約37万個)で、「製造番号がLJH100419980以前とLJF103032000以前のWii本体」「はじめてのWii付属のWiiリモコン」「別売のWiiリモコン」(全て初期出荷)に取り付けてある、Wiiリモコンとストラップとの接合に使われている接合部分の紐の太さが「0.6mm」の専用ストラップ。交換後の専用ストラップ及び現在出荷されている専用ストラップは、紐の太さが「1.0mm」のものとなっている。
交換の申し込みは、専用の電話窓口か専用ホームページで行うことが出来る。
Wiiリモコンジャケットの無償提供
2007年10月2日に任天堂はホームページで、Wiiを所有している全てのユーザーに、Wiiリモコンに取り付けるWiiリモコンジャケットを無償で提供すると発表した。Wiiリモコンジャケットは前方部分が厚くなっているため、人にぶつかったときの衝撃や物に接触したときの破損等を防ぐあるいは軽減することができる。また、シリコンゴム製であるため滑り止め効果もある。このため、任天堂ホームページ内のWiiリモコンの写真も、全てジャケットを装備した状態のものに差し替えられている。
申し込みは、専用の電話窓口か専用ホームページで行なうことが出来る。
なお、2007年10月中旬出荷分以降の「Wii本体セット」「別売のWiiリモコン(単体)」「はじめてのWiiパック」にも、このWiiリモコンジャケットが付属する。
仕様
- 本体に1つ同梱、別売では税込3,800円
- 寸法(突起部分を除く)
- 縦 148mm
- 横 36.2mm
- 厚さ 30.8mm
- 質量:約87グラム(専用ストラップ・Wiiリモコンジャケット・乾電池含まず)
- 無線通信機能:Bluetooth (Broadcom社製)
- 最大接続数:4台
- 操作部
- ポインター 画面を指し示すポインティング機能 (ダイレクトポインティングデバイス)
- プレイ可能距離:ディスプレイから5m
- 後述「センサーバー」も参照
- モーションセンサー機能 コントローラの傾きや動きの変化を3軸で検出
- 表面ボタン 「Wii本体電源」、「十字キー」、「A」、「-」、「Home」、「+」、「1」、「2」ボタン
- 裏面ボタン 「B」ボタン
- ポインター 画面を指し示すポインティング機能 (ダイレクトポインティングデバイス)
- その他の機能:振動機能、スピーカー、拡張ユニット接続端子、プレイヤーインジケータ (コントローラ番号の識別、電池残量の表示)、似顔絵キャラクターMiiの保存
- 電源:単三乾電池2本
- 電池持続時間:約20時間(アルカリ乾電池使用時。使用するソフト、無線通信の使用状況、周囲温度により変化するので、あくまで目安)
拡張コントローラ
拡張コントローラとは、Wiiリモコンの外部拡張コネクタに有線接続して使用するコントロ-ラである。よって、拡張コントローラ単体のみで使用することはできない。
ヌンチャク
『ヌンチャク』とは、コントロールスティック・Cボタン・Zボタン・3軸加速度センサーが実装されている拡張コントローラである。Wiiリモコンと組み合わせて使用することによって、より高度なゲームプレイに対応できる。
FPSゲームに例えると、「コントロールスティックで敵の攻撃を避けつつ動いている敵に銃の照準を合わせる」「両手にWiiリモコンとこのヌンチャクを併せ持ち2本の剣を別々に振る」などの一連の操作を、従来より直感的かつリアルな感覚で楽しむことができ、「操作が直感的で誰もが同じスタートラインでゲームを楽しめること」と「従来のゲームもまったく新しい感覚で操作できること」を一度に実現させている形態である。
- 本体に1つ同梱、別売では税込1,800円
- 寸法(突起部分を除く)
- 縦 113mm
- 横 38.2mm
- 厚さ 37.5mm
- 操作部
- Wiiリモコンと同等のモーションセンサー機能
- 「コントロールスティック」、「C」、「Z」ボタン
クラシックコントローラ
『クラシックコントローラ』とは、バーチャルコンソールなどで用いられる横持ちの拡張コントローラである。形状がスーパーファミコンのコントローラと酷似しているが、ケーブルが下方から出ている点が異なる。ボタンの数はスーパーファミコンよりも多くなっており、アナログスティックがデュアルショックに近い配置で2基搭載されている。LRボタンは、ゲームキューブのコントローラー同様にアナログ入力が可能。なお、振動モーターは内蔵されていないため、振動機能(バーチャルコンソールのNINTENDO64ソフト含む)には対応していない。
このコントローラは、主にバーチャルコンソールのソフトをプレイする際などに用いられるが、クラシックコントローラ対応のWii専用ゲームソフト[6]でも利用可能である。
ボタンの数は、ゲームキューブのコントローラとほぼ同じであるが、ゲームキューブのソフトを起動中は、Wii固有の機能すべてが無効になるため、使用することはできない。
- 別売で税込1,800円。数量限定でWiiポイントプリペイドカード5,000ポイント分に価格据え置きで同梱されていたが、現在は予定数量に達したため生産が終了している。
- 寸法(突起部分を除く)
- 縦 67.5mm
- 横 135.7mm
- 厚さ 26mm
- 操作部 「Lスティック」、「Rスティック」、「十字キー」、「a」、「b」、「x」、「y」、「ZL」、「ZR」ボタン、「L」、「R」アナログトリガー、「- (Select) 」、「Home」、「+ (Start) 」ボタン
その他のコントローラ
バランスWiiボード
Template:節コンピュータゲームの新製品 『バランスWiiボード』は、複数の圧力センサが内蔵されている板状のコントローラ。上に乗ってバランスをとったり、腕立て伏せのように手で押したりして使用する。Wiiリモコンと同様に、本体との通信はBluetoothによる無線通信を利用する。
現時点で対応が決定しているソフトは「Wii Fit」であり、次のような使い方が判明している。
アタッチメント
Wii Zapper
『Wii Zapper(ウィーザッパー)』は、銃を模したアタッチメント。Wiiリモコンとヌンチャクを取り付けて使用する。2007年10月25日に対応ソフト第1弾としてゴーストスカッド(通常版とWii Zapper同梱版)を発売予定。ほかバイオハザード アンブレラ・クロニクルズなどが対応予定。
Wii Wheel
『Wii Wheel(仮称)』は、自動車のハンドルを模したアタッチメント。Wiiリモコンを横持ちの状態で取り付けて使用する。2008年に発売予定の「マリオカートWii(仮題)」に対応、同梱される予定である。Wiiリモコンのポインティング機能を妨げないための穴、背面にはストラップを出すための穴と押しやすくされたBボタンが確認されている。なお、すでに『GT pro series』に同じようなアタッチメントが同梱されている[1]が、それとは別物である。
センサーバー
『センサーバー』は、Wiiリモコンのポインター機能を利用するために必要な周辺機器である。本体セットに1つ同梱されている。Wii本体と有線接続し、ディスプレイの上または下にディスプレイ面と平行に置く。センサーという名称がついているが、実際には電波等を送受信するセンサーは内蔵されておらず、赤外線LEDを左右に内蔵しただけのものである。そのため、電池式センサーバーの自作も可能。その発光する左右の赤外線LEDを、Wiiリモコン搭載のCMOSセンサーで撮影することによって、Wiiリモコンからセンサーバーまでの距離とテレビ位置を検知する。そして、その情報を処理して、画面上のポインターを移動する。他にも、リモコンの姿勢情報や加速度センサーの移動情報の補正も行っている。なお、Wiiリモコンの情報の送受信は、Bluetoothで直接Wii本体と行われており、センサーバーは利用していない。そのため、ポインター機能を必要としないソフトでは、センサーバーを接続しなくてもプレイすることが可能である。
Wiiリモコンの使用推奨距離はセンサーバーから約1m~3mだが、本体設定でWiiリモコンのCMOSセンサーの感度を上げることで5m程まで対応できる。ただし、感度を上げることにより、日光や熱、赤外線を発する製品の影響を受けやすくなる。それらの物体がCMOSセンサーの捕捉範囲内に入ると正常に操作できなくなる場合がある。 また、センサーバーの周囲に光沢の高い物体がある場合、センサーバーからの赤外線を反射、CMOSセンサーがセンサーバーからの赤外線を複数受ける。この場合も正常に操作できないことがある。
ちなみに、ろうそくを使って代用した例があるが、火災の危険もあり、真似するべきではない。
Wiiテレビリモコン
2006年10月に、クラブニンテンドーの2005年度プラチナ会員の特典として『Wiiテレビリモコン』がプラチナ会員にプレゼントされた。これはその名の通り、Wiiリモコンと全く同じ形をしたテレビリモコンである。なお当然ながら、このWiiテレビリモコンを実際のWiiリモコンとして使用することは出来ない。
脚注
- ^ 社長は、 アメリカでもリモコンと呼ばせようとしていたらしい
- ^ TAKETYON’s WorkBook
- ^ ニンテンドードリーム149号(2006年9月号)任天堂の質問箱
- ^ 「Wiiは「軽く振って」 任天堂社長が不具合を謝罪」 産経Web、2006年12月16日
- ^ 「任天堂、Wiiのストラップを無償交換」 IBTimes、2006年12月16日
- ^ 『ファイアーエムブレム 暁の女神』『ドラゴンボールZ Sparking!NEO』『大乱闘スマッシュブラザーズX』など、従来どおりの操作方法に適したジャンルのソフトに対応している。
関連項目
外部リンク
- Wiiリモコン - 任天堂ホームページ内