7SEEDS

日本の漫画シリーズ

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7SEEDS
ジャンル SF少女漫画
漫画:7SEEDS
作者 田村由美
出版社 小学館
掲載誌 月刊flowers
発表期間 2001年11月号 -
テンプレート - ノート

7SEEDS』(セブンシーズ)は、田村由美によるSF漫画作品。月刊「別冊少女コミック」(小学館)において、2001年11月号から連載を開始。のち「月刊flowers」(小学館)創刊に伴い、同誌に移籍して、2002年6月号より連載中。

2007年に、平成18年度(第52回)小学館漫画賞少女向け部門受賞。

あらすじ

7SEEDS」とは政府のあるプロジェクトの名前である。学者らが「近い将来、巨大天体が降り地球は様々な災害に見舞われ、恐竜が滅亡した時と同じような状態になるであろう」と予測した。

人類の滅亡も危ぶまれるこの事態に、各国首脳らが極秘会議を重ねた結果、このプロジェクトが誕生した。すなわち、若く健康な人間を選んで冷凍保存し、地球が災厄に襲われている間眠らせ続け、やがて人が住める状態になったとコンピューターが判断したら解凍が行われ放出されるというものである。

7SEEDSプロジェクト」は国ごとに行われ、日本では7人ずつ5チーム「春・夏A・夏B・秋・冬」に分かれている。選ばれる基準は様々で、遺伝性の病気や早死にした者・犯罪者が身内にいないこと、本人の健康状態、生殖能力の有無、豊かで問題のない家庭に育った、容姿も麗しい、できればある分野に秀でている、などである。

それでも選びきれずに最後の基準として、「名前に季語が含まれている」ことを加えた。

登場人物

チームにはそれぞれガイドが一人ずつおり、解凍後に状況説明を行い、保護し、サポートをするのが役目である。ガイドは基本的に公務員が担当する。また、全チームのガイドは皆、メンバーが病気や怪我で生き残れず、死にたくても死ねなかった場合に備え、全員を殺せる青酸化合物を持たされている。使おうとしたのは秋チームのガイド・十六夜のみ。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


春のチーム

特徴

  • 関東近郊の太平洋に放出された。
  • 当初は起こったことを受け入れられずにいたが、リーダーシップを取ろうとする柳を尻目に、全員がそれぞれの得意分野を活かしながら協力し生活を営んでいる。

一覧

柳 踏青(やなぎ とうせい)
春のチームのガイド。年齢不詳。元・自衛隊員。リーダー意識が強く、傲慢な態度を取る。「踏青」とは春に野遊びをする古代中国の風習のこと。虫に卵を生みつけられて死亡。
末黒野 花(すぐろの はな)
17歳。世田谷出身。水泳部で水泳が得意。幼い頃から登山好きの父に色々教わり、ナイフの扱いや昆虫にも慣れている。特技はフリークライミング。花自身は、本当に父親から教わったものか記憶があやふやである。「夏のBチーム」の青田嵐とは恋人同士。「末黒野」とは春に野焼きをした畑のこと。
角又 万作(つのまた まんさく)
18歳。寺の四男坊。冷静沈着。その時の感情を漢詩で表すなど風情がある。弓道二段。「角又」とは紅藻類の海草ツノマタのこと。別名「仏の耳」とも呼ばれる。
甘茶 藤子(あまちゃ ふじこ)
17歳。医者志望。茨城出身。過去にボランティアで海外協力に行っていた。
雪間 ハル(ゆきま - )
16歳。音楽家一家の出。ピアノが上手で、耳がいい。犬好きな一面も。「雪間」とは雪の所々解けた場所のこと。
鯛網 ちさ(たいあみ - )
18歳。おとなしく控え目な性格。金沢出身。大臣を沢山輩出している家の出。日舞薙刀を習っていた。「鯛網」は鯛漁に用いられる旋網のこと。また「ちさ」はチシャチシャノキの別名であり、「知者・智者」の直音表記でもある。
野火 桃太郎(のび ももたろう)
12歳。学校では神童と呼ばれていた。仙台出身(今は東京の学校で寮に入っている。)。通称・のび太くん。「野火」とは野焼きのために使う火のこと。
新草 ひばり(にいくさ - )
年齢不詳。解凍に失敗したのか、他の春のチームのメンバーと同時期には目覚めず眠り続けていた。現在は春のチームとアクシデントで別れたのち、嵐らに救出され同行している。夏のBチームの蛍となんらかの関係がある模様。「新草」とは春に芽吹いた草のこと。万葉集に詠みこまれている。

夏のAチーム

特徴

  • 「7SEEDSプロジェクト」内で最も優秀なチーム。生まれたときから「未来に行く」ことの重要さを教育されてきた。優秀と判断された精子卵子から生まれた子どもたちばかりで、17歳になったらテストで7名が決まると聞かされている。
  • 13歳の時点で「火・水・風・土・動物植物医療」クラスから2つを選び、専門的な知識を学ぶ。選ばれるのは各クラス1人ずつ。
  • 全員、苗字は無い。
  • 最優秀チームとして、一般人から選ばれた他チームの人々の保護及び管理をし、害を及ぼす危険のある人物は排除し、子孫を残すように言われている。「夏のBチーム」の存在は知らされていない。
  • 九州南部の海に放出された。

一覧

卯浪(うなみ)
夏のAチームを指導する先生の一人であり、ガイド。チームメンバー決定後、共に冷凍保存されるが、解凍後、安居らに射殺される。「卯浪」は初夏(旧暦の卯月)に立つ波のこと。
安居(あんご)
成績優秀。面倒見がよく、特に生まれた時に一緒だった茂を気に掛ける。火クラスと水クラスを選択。「安吾」は雨季のこと。またはある期間、家に篭って修行をするという意の仏教用語。
小瑠璃(こるり)
天然パーマがトレードマーク。繭・のばらと仲良し。風クラスと医療クラスを選択。くりくり同盟(天然パーマの人だけが入れる)のリーダー。
涼(りょう)
問題児だが、頭がキレる。火クラスと水クラスを選択。
源五郎(げんごろう)
動物クラスと植物クラスを選択。育てた動物達を大切に思っている。
あゆ
植物クラスを選択。男子からはマドンナと呼ばれるほどの美人である。それゆえ一部の女子から妬まれていじめを受ける。
虹子(にじこ)
土クラスと植物クラスを選択。涼と行動を共にする。常に冷静。
鷭(ばん)
医療クラスと動物クラスを選択。医療クラス内では成績はダントツ。普段はのんびりしているが、けが人が出ると俊敏な動きを見せる。くりくり同盟メンバー。

夏のBチーム

特徴

  • 長崎県近海に放出された。
  • 優秀な人間ばかりを選んでいた政府関係者が「まっとうで純粋培養な人間は生きる力が弱いのでは」と考え、違うタイプのチームを作ろうとしてできたのがこのチーム。つまり、問題児の落ちこぼれ集団。
  • 健康状態などの条件は他チームと変わらないが、社会に適応しにくい、反抗的、殻にこもっているなどの条件が加えられる。

一覧

早乙女 牡丹(さおとめ ぼたん)
夏のBチームのガイド。元・警察官。通称「牡丹姐さん」。「早乙女」は田植えをする娘のこと。
岩清水 ナツ(いわしみず - )
16歳。内気で、学校でもいじめられていて登校拒否状態であった。さいたま市出身。視力は良く、両目とも1.5。「岩清水」は岩間を流れる湧き水のこと。
青田 嵐(あおた あらし)
17歳。杉並出身。水泳が得意。虫が大の苦手。「春のチーム」の末黒野花とは恋人同士。襲われそうになった花を守るため、過去に傷害事件を起こした。花を一途に想う。「青田」は苗を植えた初夏の田のこと。
麻井 蝉丸(あさい せみまる)
18歳。母子家庭に育つ。浜松市出身。いじめっ子で不良だが、面倒見がよく根はいい人間。口が悪い。
天道 まつり(てんどう - )
16歳。プチ家出中のコギャル。実家は農家。
守宮 ちまき(やもり - )
美術大学1年生。熊本県出身で、金沢の大学に在籍していた。彫刻や絵が得意。
草刈 螢(くさかり ほたる)
12歳。カンのいい少女。天気は百発百中で当てる。
百舌(もず)
年齢不詳、正体不明。サバイバル術に大変長けている。しかし「百舌」は夏の季語ではなく、秋の季語である。また、容姿と名前、そして物語の流れから、かつて「夏のAチーム」指導者であった百舌戸要と同一人物。(牡丹に名前を聞かれ、自ら名乗った)

秋のチーム

特徴

  • 緯度の高い順に解凍されている(後述)事から、関西近郊の日本海に放出されたとみられる。
  • ガイドが優柔不断なため、秋ヲと蘭がリーダーとなり恐怖政治を行って本格的な村をつくり、生活を続けていたが、チームは二つに分裂。

一覧

十六夜 良夜(いざよい りょうや)
秋チームのガイド。元・消防士。優柔不断。全員を毒殺しようとしたが、夏のBチームの嵐、蝉丸、ナツによって阻止される。「良夜」は中秋の名月のこと。
稲架 秋ヲ(はざ あきを)
アメリカ留学の経験あり。ネット実業家。英語・スペイン語が堪能。「稲架」は刈り取った稲を掛けておく木組みのこと。
猪垣 蘭(ししがき らん)
設計関係の仕事に就いていた様子。秋ヲ同様、英語とスペイン語が堪能。「猪垣」は田畑に侵入する害獣を防ぐ垣根のこと。
刈田 葉月(かりた はづき)
オリンピック級の柔道家の男性。「刈田」は稲を刈り終わった田のこと。
鹿野 くるみ(しかの - )
優しく、大人しい性格。流星の子を妊娠。
荻原 流星(おぎわら りゅうせい)
事勿れ主義者。
梨本 茜(なしもと あかね)
海女。霊などが視える。
八巻 朔也(やまき さくや)
法律関係の職に就いていた様子。瞬間記憶能力を持っている(人物を記憶するのは不得手の様子)。「八巻」は主に法華経のことを指すが、万葉集の第八巻に山上憶良が詠んだ秋の七草の雑歌がある。また「八朔」も秋の季語。

冬のチーム

特徴

  • 北海道南岸の太平洋に放出され、他のチームに先駆けて解凍された。
  • 当初から、7名のうち3名が解凍に失敗し死亡していたため、4名+ガイドでのスタートを余儀なくされる。

一覧

熊川 冴(くまかわ さゆる)
冬チームのガイド。虎に襲われ死亡。「冴」えるは寒さが深まる様子のこと。
新巻 鷹弘(あらまき たかひろ)
高校2年生。神奈川出身。野球部で、50年に1人のピッチャーと言われるほどの逸材。甲子園のヒーローで、バレンタインにはトラック2台分ものチョコレートをもらった。冬のチームでただ一人生き残ったあと、春のチームと合流するまで15年間放浪する。
鮫島 吹雪(さめじま ふぶき)
高校2年生。広島出身。野球部。今世紀最高のショートストップと呼ばれる。新巻と並んで甲子園のヒーロー。美鶴を好きになる。鷹弘と美鶴を守るために、虎に襲われ死亡。
神楽坂 美鶴(かぐらざか みつる)
高校2年生。日本舞踊界のホープ。大の高校野球ファンで、鷹弘のことも吹雪のことも知り尽くしていた。吹雪を好きになる。吹雪死亡後、夕鶴を舞いながら、後を追うように凍死。
枯園 睦月(かれぞの むつき)
大学1年生。1度見た風景は忘れない。虎に襲われ死亡。
柴漬 アラレ(ふしづけ - )
解凍に失敗し、ミイラ状態だった。「柴漬」は冬に水底にを沈め、住みついた魚をとる漁法。夏のAチームの安吾が最終テストで魚を採っていたのはこれである。
室咲 冬至(むろざき とうじ)
解凍に失敗し、ミイラ状態だった。農業関係の仕事に就いていた様子。「室咲」は冬に温室で花を咲かせること。
綾取 風花(あやとり ふうか)
解凍に失敗し、ミイラ状態だった。
吹雪・美鶴さん(犬)
けがをしているところを鷹弘が助けた犬の、2匹の子ども。吹雪・美鶴死亡後に鷹弘と行動を共にする。

その他

夏のAチーム関連

末黒野 貴士(すぐろの たかし)
夏のAチームを指導する先生の一人。登山が趣味。大学生。美帆という女性と学生結婚をした。「春のチーム」の末黒野花の父親。
百舌戸 要(もずのと かなめ)
17歳。貴士の後輩。夏のAチームを指導する先生の一人。「7SEEDSプロジェクト」の発案者。花にサバイバル術などを仕込んだ。
茂(しげる)
安居と常に一緒だったが、優秀な安居と対等になれないことにコンプレックスを持つ。夏のAチームに残れず。
繭(まゆ)
小瑠璃・のばらと仲良しだった。特に小瑠璃にとってはお姉さん的存在で、最期まで小瑠璃のことを心配していた。夏のAチームに残れず。
雹(ひょう)
くりくり同盟サブリーダー。繭をかばい、勇気付ける。夏のAチームに残れず。
鵜飼(うかい)・草矢・あかざ
くりくり同盟メンバー。夏のAチームに残れず。「草矢」はススキなどを矢のように細工をして飛ばしあう遊びのこと。
のばら
小瑠璃・繭と仲良しだった。15歳の時視力が低下し始め、「近視の遺伝子は残せない」という理由で脱落となった。脱落というものの、実際は密かに殺されていた。

龍宮シェルター

  • 「春・夏A/B・秋・冬」チームの他に作られていた避難用地下シェルター。大阪と京都の中間辺りにある。
  • 生き残るべく選ばれた人々が、X-DAY(巨大隕石落下による地球壊滅の日)の前日に何も知らされずにこの施設に集められ、その後の生活を営んでいた。
  • 他にも日本各地に、南関東の「NEO TOKYO」、東北の「イーハトーブ」、北陸の「百万石」、名古屋の「しゃちほこ」、山陰の「イズモ」などのシェルターがあり、毎朝シェルター通信の映像が送られてくるが、実際にあるのかどうかは不明。
  • 客室、映画館、ゲームセンター、温泉など様々な施設が完備された巨大地下施設。
  • 春・夏・秋・冬の4つのセクションに別れており、東側に位置する春セクションは居住区として、同じく南の夏セクションは中枢のコントロール・ルーム、西の秋セクションは畑や家畜用、北の冬セクションには貯蔵庫が設置されていた。※南に中枢があるのは、天子は南に座して臣下の礼を受けていたこと(天子南面)に因んでいる。
茨木 真亜久(いばらき まーく)
腹話術師。兄の遺した人形ピートと共に、「ピート兄弟」として活動している。シェルターでの出来事を日記に遺す。
神酒 マリア(みき - )
天使の歌声を持つと言われる歌手のミキ・マリ。
各務 頼一(かがみ のりかず)
固いナレーションからノリノリのDJまで何でもこなす喋りのプロフェッショナル。龍宮シェルターの音響係。弁護士資格も持つらしい。
猿渡 貞夫(さるわたり さだお)
龍宮シェルターの映像係。
坂田 時々(さかた ときどき)
漫画家。名前の元ネタは「銀魂」の主人公坂田銀時から。
火野 タケル(ひの - )
メジャーリーグで活躍する野球選手。鷹弘も憧れていた。
織田 道綱(おだ みちつな)
売れない役者。シェルターの所長役として雇われた。
ピー助(ぴーすけ)
シャチの着ぐるみの格好をした苦情係。中身は貴士。
末黒野 美帆(すぐろの みほ)
貴士の妻で、花の母親。シェルター内の倉庫で働く。「神の国に到る門は狭い」というのが口癖。倉庫が海水で埋まり、水が秋のセクションに流れ込むのを防ごうとして溺死

解凍時期

  • 解凍の時期はチームごとに差があり、冬チームの12年後に秋チームが解凍され、その3年後に夏Bチーム、そして夏Bチームとほぼ同時期に春チームが解凍された。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


単行本情報

  1. 島の章
    2002年3月26日発売 ISBN 4091380131
    夏のBチームが登場。
  2. 島の章、早春の章
    2002年9月26日発売 ISBN 409138014X
    春のチームが登場。
  3. 早春の章、立夏の章、東風(ひがしかぜ)の章
    2003年3月26日発売 ISBN 4091380158
  4. 東風の章、冬の章
    2004年1月26日発売 ISBN 4091380166
    冬のチームが登場。
  5. 芒種の章、雨水(うすい)の章
    2004年8月26日発売 ISBN 4091380174
    秋のチームが登場。
  6. 雨水の章
    2005年5月26日発売 ISBN 4091380182
  7. 穀雨の章
    2005年11月25日発売 ISBN 4091380190
    夏のAチームが登場。
  8. 穀雨の章
    2006年4月26日発売 ISBN 4091304257
  9. 穀雨の章、灰の章
    2006年9月26日発売 ISBN 4091305997
  10. 灰の章
    2007年3月26日発売 ISBN 9784091310033
  11. 灰の章
    2007年8月24日発売 ISBN 9784091311931

ドラマCD

ラジオ03.12.9 - 04.2.6まで放送

7 SEEDS Ⅰ

2004年3月26日

7 SEEDS Ⅱ

2004年4月23日

  • 収録
    • ~夏の章~ 第4話「嵐」
    • ~冬の章~ 第1話「遠吠え」 第2話「彼岸の虹」
    • CAST
    • 夏のBチーム(声優はⅠ参照)
    • 冬のチーム

7 SEEDS Ⅲ

2004年5月21日

外部リンク

小学館漫画賞少女向け部門
第51回 平成17年度
第52回 平成18年度
7SEEDS
田村由美
第53回 平成19年度
-