京阪9000系電車
京阪9000系電車(けいはん9000けいでんしゃ)は、1997年(平成9年)に登場した京阪電気鉄道の通勤形電車。
| 京阪9000系電車 | |
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2006年10月、香里園駅付近にて | |
| 基本情報 | |
| 製造所 | 川崎重工業 |
| 主要諸元 | |
| 編成 | 8 |
| 軌間 | 1,435mm(標準軌) |
| 電気方式 | 直流1,500V |
| 最高運転速度 | 110 |
| 設計最高速度 | 120 |
| 起動加速度 | 2.8 |
| 減速度(常用) | - |
| 減速度(非常) | - |
| 編成定員 | - |
| 車両定員 | - |
| 全長 | - |
| 全幅 | - |
| 全高 | - |
| 主電動機出力 | - |
| 駆動方式 | - |
| 歯車比 | - |
| 編成出力 | - |
| 制御装置 | GTO素子VVVFインバータ制御 |
| 制動装置 | 電力回生併用電気指令式空気ブレーキ |
| 保安装置 | 自動列車停止装置 |
| 備考 | 1997年 |

概要
通勤時の混雑緩和および輸送力増強を目的として、1997年に8両編成5本(40両)が新製された。車体や電装品のベースは7200系である(ただし窓の寸法が異なる)。
ラッシュ時の特急、K特急、臨時特急運用と、通勤形が使用される急行から普通までの運用の双方に使用できる汎用形として製造された。カラーリングは通勤形をベースとしているが、同系列は特急兼用車という位置づけであり、在来の通勤形車両と区別するために、車体中央にパステルブルーのラインが入っている。
座席は、ノルウェーのエクネス社製の固定クロスシートと、ドア付近の一部はロングシートを配置したセミクロスシートで、補助椅子も設置されているが、クロスシートは3000・8000系と違って転換式ではなく、またラッシュ時の乗降に支障が出るなどの問題が生じたことから、9005編成では中間車両のうち付随車が試験的に10000系タイプのオールロングシートに改造された。
運用の変遷
1997年3月22日のダイヤ改正では、朝ラッシュ時の枚方市停車の淀屋橋行特急に集中運用され、昼間時でも急行などとして幅広く運用されていた。
供用開始当初は、最混雑時の淀屋橋ゆき特急以外の特急として運用される際は各車両の中央の扉のみドアカットを行い、事実上2扉車として運用していた。
一時期には京都競馬場観戦客向け臨時列車「淀快速ターフィー号」(停車駅:淀屋橋-北浜-天満橋-京橋-守口市-淀。現在のK特急に守口市と終点の淀を加えた形である)の運用に充当された事もある。
2003年9月6日のダイヤ改正で昼間時の特急が10分毎に増発され、枚方市と樟葉に追加停車するようになった。それに伴い、8000系や3000系では特急全運用を賄いきれないこととラッシュ時と昼間時の列車の移り変わりの運用の関係から、平日朝ラッシュ時は主にK特急で運用され、昼間は主に特急として運用されている。日中の特急のうち3本に1本の割合で本系列での運用が割り当てられており、その他の時間帯は淀屋橋~出町柳間運転の急行を中心に運用され、準急や普通の運用に就くものもある。
駅の時刻表で特急は、2扉車を表す「II」の表示のある列車は3000系または8000系、3扉車を表す「III」の表示の列車が本系列またはロングシート車の6000系か7200系となっている(他に枚方市以西では平日朝下りのみ、交野線私市発K特急に2600系が運用されている)。
また、車内のドア上部にはLED式案内表示器が設置されており、列車種別・行先、次停車駅、京阪電鉄からの案内などが表示される。登場当初は、7200系と同様に蛍光表示管に文字を表示させ、その下部に停車駅をLEDランプで点灯させる路線地図式のものが設置されていたが、機器の老朽化や中之島線への対応が煩雑になる事から、9005編成を皮切りとして2007年9月までに順次撤去されている。
本系列は、平日朝ラッシュ時に5本全てがK特急以下の各種別に運用され、その後、4本が日中の特急運用に、残り1本も午前中は枚方市~淀屋橋間の急行などの運用に就いているなど、ほぼフル稼働で運用されているので予備車が存在しない。そのため、検査や部品交換の時期になると6000系や7200系(8連のみ)の系列による代走が特定の特急列車に対して行われる。また、2002年8月までは8連での2200系が代走運用に入ったことがある。
9004編成は、2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』のラッピングを施し、同年3月から12月まで運行された。
ドアカット終了後もドアカットスイッチは残っている。
関連商品
1999年冬にはNゲージで製品化され(グリーンマックス製品)、2005年夏には、スルッとKANSAIグッズの一環で「Bトレインショーティー」として製品化されている。また2000年には日本中央競馬会名義でチョロQも発売された。