灼眼のシャナ

日本のライトノベルシリーズ

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灼眼のシャナ』(しゃくがんのシャナ)は電撃文庫から刊行されている高橋弥七郎ライトノベル。また、これを原作とする漫画アニメゲームドラマCD作品である。英語表記:Shana of the Blazing Eyes

灼眼のシャナ
ジャンル 学園小説
アクション小説
エブリデイ・マジック
小説:灼眼のシャナ
著者 高橋弥七郎
イラスト いとうのいぢ
出版社 日本の旗 メディアワークス
中華民国の旗 香港の旗 台湾国際角川書店
アメリカ合衆国の旗 ビズメディア
レーベル 電撃文庫
刊行期間 2002年 -
巻数 本編16巻
短編2巻
以下続刊
漫画:灼眼のシャナ
作者 笹倉綾人
出版社 メディアワークス
掲載誌 月刊コミック電撃大王
発表期間 2005年4月号 - 連載中
巻数 既刊3巻
漫画:灼眼のシャナX
Eternal song -遥かなる歌-
作者 木谷椎
出版社 メディアワークス
掲載誌 電撃黒「マ)王
発表期間 Vol.1(2007年9月) - 連載中
アニメ:灼眼のシャナ
監督 渡部高志
シリーズ構成 小林靖子
キャラクターデザイン 大塚舞
アニメーション制作 J.C.STAFF
製作 『灼眼のシャナ』製作委員会
放送局 日本の旗放送局参照
中華民国の旗 ANIMAX
放送期間 2005年10月 - 2006年3月
話数 全24話
アニメ:灼眼のシャナII(Second)
監督 渡部高志
シリーズ構成 小林靖子
キャラクターデザイン 大塚舞
アニメーション制作 J.C.STAFF
製作 『灼眼のシャナ』製作委員会
MBS
放送局 放送局参照
放送期間 2007年10月4日 - 未定
話数 未定
OVA:灼眼のシャナSP
「恋と温泉の校外学習!」
監督 渡部高志
シリーズ構成 白根秀樹
キャラクターデザイン 大塚舞
アニメーション制作 J.C.STAFF
製作 『灼眼のシャナ』製作委員会
発売日 2006年12月8日
映画:灼眼のシャナ
監督 渡部高志
制作 J.C.STAFF
封切日 2007年4月21日
上映時間 約90分
その他 [DVD]2007年9月21日発売
ゲーム:灼眼のシャナ[PS2]
灼眼のシャナDS[DS]
ゲームジャンル バトルアドベンチャーゲーム
対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーDS
開発元 メディアワークス
発売元 メディアワークス
メディア [PS2] DVD-ROM
[DS] DSカード
プレイ人数 1人
発売日 [PS2] 2006年3月23日
[DS] 2007年3月29日
レイティング CERO:12歳以上対象
テンプレート - ノート

原作のイラストいとうのいぢ

概要

2002年11月に小説の第1巻が発売され、2007年現在シリーズ発行部数は累計560万部を突破し、月刊アスキー2007年12月号の取材記事によると売り上げは30億円を越えている。現在最新巻はⅩⅥ巻11月10日発売以下続刊中。

2003年11月~12月にラジオ番組『電撃大賞』でラジオドラマ化。

2005年から文庫発行元・メディアワークスによるメディアミックスプロジェクトが始動。同年2月には『月刊コミック電撃大王』にて笹倉綾人作画による漫画版の連載が開始(4月号から)、漫画版は累計90万部を突破。同年10月からはテレビアニメ化され、UHFアニメの形態で翌年3月までの半年間放送。このアニメ版最終回ラストカットにおいて劇場版の予告がされ、“UHFアニメ”としては史上初となる劇場化が決定した。

2006年2月~4月にはドラマ2編を含むCD『灼眼のシャナ Assorated Shana』VOL.1~3がジェネオンエンタテインメントから発売。同年3月にはゲーム化されPS2版『灼眼のシャナ』がメディアワークスから発売。また、同年12月には番外編1話分を収録したOVA灼眼のシャナSP「恋と温泉の校外学習!」が発売された。

2007年3月には前述のPS2版からの移植作『灼眼のシャナDS』が発売され、前述の劇場版は同年4月21日に公開。同年9月からは『電撃黒「マ)王』にて木谷椎作画による漫画『灼眼のシャナX Eternal song -遥かなる歌-』の連載が開始された。これは原作X巻を基にしたものである。そしてテレビアニメの第2期シリーズ『灼眼のシャナII (Second) 』が、同年10月よりMBS製作・TBS系列で放送中。MBSでは第1期から引き続いての放映となる。

ストーリー

御崎市で平凡な日常を過ごしていた高校生・坂井悠二は、とある一人の少女の出現と共に非日常の世界に巻き込まれた。その少女、名もなき『炎髪灼眼の討ち手』は、人知れず人を喰らう異世界人“紅世の徒”を探し討滅するフレイムへイズの一人。彼女は、悠二が自覚のないまま死んでいることを告げ、訳あって“紅世の徒”から狙われるようになった悠二を護る事になる。そんな彼女に悠二は、彼女の刀「贄殿遮那(にえとののしゃな)」から「シャナ」という名前をつける。2人は反発しながらも、少しずつ惹かれ合っていく…。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


登場人物

また、登場人物の中でも“フレイムヘイズ”についてはフレイムヘイズの一覧を参照。“紅世の徒、王”については紅世の徒の一覧を参照。

用語

“存在の力(そんざいのちから)”
人間はもちろん動物や物質と言ったこの世のあらゆる個体が持っている、この世に存在するための根源的なエネルギーである。“存在の力”が失われると「最初からこの世に存在していなかった」ことになる。関わった人々が持っている記憶や消えた人間の所有物などの存在はこのとき同時に消え、写真などからも姿が失われる。一方、“存在の力”の量が多い人間ほど、周囲に強い影響力(≒存在感)を持つ。“紅世”に関わるものは“存在の力”を視認することができ、その力は個体ごとに違った色の炎によって象徴される(あくまで見た目の話であり、熱エネルギーを持たず、物も燃やさない)。フレイムヘイズは契約している“紅世の王”、“燐子”は製作者である“徒”と同じ色の炎で、トーチの場合は存在を喰らった“徒”の炎の色を薄めたものになる。
“紅世(ぐぜ)”
この世の“歩いて行けない隣”にある世界。端的には特定の異次元世界を示す名称と考えて差し支えない。この世とは異なる物理法則によって成り立っており、五感が意味をなさない。簡単に言うと「力そのものが混じり合う世界」であり、力のせめぎ合いが延々と続く、生きてゆくには過酷な世界とされている。
元々固有名はなく、住人である“紅世の徒”は故郷の様子を“渦巻く伽藍”と表現していたが、“徒”から世界の有り様を聞き出した人間の詩人が“紅世”と名づけ、それが“徒”達に広まり、定着した。
“紅世の徒(ぐぜのともがら)”
“紅世”の住人の総称。名付けたのは上記の詩人。“徒”と略す。詳細は紅世の徒を参照。
“紅世の王(ぐぜのおう)”
強い力を持つ“紅世の徒”。詳細は“紅世の王”を参照。
“燐子(りんね)”
“紅世の徒”の下僕。詳細は“燐子(りんね)”を参照。
フレイムヘイズ
“紅世の王”と契約し、異能を得た元人間の総称。呼び名の由来は、契約の際に人間が幻視するこの世と“紅世”の両界の狭間の光景「炎の揺らぎ」からきている。詳細はフレイムヘイズを参照。
神器
フレイムヘイズと契約し、その『器』に休眠している“紅世の王”の意識を表出させる道具。詳細は神器を参照。
世界の歪み
“存在の力”が強制的に失われたと同時に、その存在によって起こるはずだった影響が失われたことで生じる、本来の“存在の力”の流れや調和が失われた状態。あるいは、そうした状態にある局地。例えば、子供と家を持つ夫婦が“存在の力”を喰われた場合、夫婦の持ち物や、写真の姿や記憶は周囲から消える。しかし子供は親がいない子供として残り、住んでいる家は夫婦の部屋をからっぽの状態にして残る。この違和感の集合が「世界の歪み」である。フレイムヘイズがこの歪みを“徒”のいた痕跡として追い、“徒”は歪みがあると興味を惹かれてその土地にやって来る傾向がある。あまりにも歪みが大きくなると災厄が起きると予想されている。
運命
この作品における「運命」とは、その人間がこの世に存在し、周囲に影響を与えるための力である“存在の力”を、過去・現在・未来でトータルしたものである。よって、一般に使用される「運命」とは意味が異なる。
この世の時空に広がる過去・現在・未来の人間の“存在の力”(=運命)を立体的に見た物を『運命と言う名の器』とも呼び、フレイムヘイズの『器』とは、契約の際の代償として過去・現在・未来の人間の“存在の力”(=運命)が失われた際に生じる、この世の時空に開いた空白の事である。
『天破壌砕(てんぱじょうさい)』
“天壌の劫火”を神威召喚させる儀式。この世では『炎髪灼眼の討ち手』だけが使用可能。これを行って『神』として顕現した“天壌の劫火”は、この世の“存在の力”や自身の力を使用せずに、通常の“紅世の王”をはるかに上回る能力を行使できる。
召喚には代償として“徒”を生贄にする必要があり、神を迎え生贄を捧げる場である紅蓮の帳で固定した“徒”の存在の影法師を、召喚主の祝詞と供に取り込み、神に捧げる供物であり動力源でもある『心臓(コル)』として変換、神として“天壌の劫火”は顕現する。ただし、この方法をこの世で用いた場合、“天壌の劫火”の力に契約者(フレイムへイズ)が耐え切れず、死亡してしまう恐れがある。『大戦』では『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールがこの儀式を行った。
アニメ第1期最終回でシャナが行った『天破壌砕』は、原作での儀式の手順を全て省略した上に、顕現する“天壌の劫火”が莫大な量のこの世の“存在の力”を必要とするなど、異なったものとなっている。
トーチ
“紅世の徒”やフレイムヘイズがこの世の歪みを一時的に緩衝する為に、喰らった、喰われた人間の“存在の力”を少量残し、そこから加工して作る残滓。喰らった人間の代替物として暫くの間は普通に活動するが、残された“存在の力”を消耗するにつれ徐々に存在感や気力が薄れ、周囲との繋がりが薄まり、やがて“存在の力”が完全に失われてこの世から消失する。この世に開いた“紅世”の穴である。
“徒”はもとよりフレイムヘイズも基本的にトーチを人間と見なしておらず、物としてしばしば自在法のエネルギー源に利用している。トーチの“存在の力”は作る際の力の残し具合で決まり、他から“存在の力”を供給されない限り燃え尽きるのみである。また、いくら“存在の力”を注いでも元気なトーチになるというだけで人間になることは無い。
なお、英語のトーチ(torch)は「松明(たいまつ)」、あるいは松明に類する携帯用照明の意。
“ミステス”
宝具を体の内に宿したトーチ。「旅する宝の蔵」と呼ばれ、そのトーチが燃え尽きる、または破壊、すなわち通常の死を迎えると宿されていた宝具は別のトーチに無作為に転移し、そのトーチがまた“ミステス”となる。普通はトーチ同様少量の“存在の力”を残すのみだが、例外として人間が“徒”に喰われることなく自ら“ミステス”と化す場合は、その人間の「運命」という器の総量の“存在の力”を持つこととなる。
また、“ミステス”は宿した宝具の影響を受け、特殊な力を持つ場合がある。
『大戦(おおいくさ)』
16世紀初頭、神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン1世の時代(西暦1519年以前)に、“紅世の徒”の集団“とむらいの鐘(トーテン・グロッケ)”とフレイムヘイズ達が行った決戦で、[とむらいの鐘]の本拠地であるハルツ山地のブロッケン山周辺で行われた戦い。
外界宿(アウトロー)
フレイムヘイズの総合支援および情報交換ネットワークの拠点となる場所、またはそうした場所の運営団体のこと。厳密には、宝具『テッセラ』が設置された場所を称する。世界各地に点在し、表向きは場末の酒場などに偽装している。
古来はフレイムヘイズの避難所、あるいは休憩所程度の役割しかなく、あぶれ者や変り種のフレイムヘイズが管理していた。しかし19世紀から20世紀初頭、組織運営に優れた手腕を発揮したフレイムヘイズ『愁夢の吹き手』ドレル・クーベリックによって、フレイムヘイズの総合支援組織と化した。
内乱
19世紀後期にアメリカで勃発した、フレイムヘイズにとって固有名をつけることさえ恥とされた戦い。
古来からアメリカ大陸を守ってきた四人のネイティブ・アメリカンのフレイムヘイズ『大地の四神』と彼らに共鳴した者達が、白人の侵略に対し「アメリカ合衆国完全破壊」を試みた事件。北米を舞台に十数年近く続いたこの戦いは、内乱で世界のバランスに過度の乱れを生じさせるという本末転倒な事象と、“徒”の放埓が無視できない規模に活発化したことにより、『大地の四神』が矛を収める形で終わりを迎えた。この戦いの後、同胞の命と大地を犠牲に発展する世界を守る熱意を喪失した『大地の四神』達は、ある調律師の提案により、南北アメリカ大陸の主要四都市の外界宿に留まり、同業のフレイムヘイズ達の世話をする事になる。
『闘争の渦(とうそうのうず)』
騒動を引き寄せ、波乱の因果を導き、フレイムヘイズと“紅世の徒”を引き寄せ、激突に収束させる『時』の勢い。数百年前は『都喰らい』によって、この世から消滅したオストローデという都市が該当し、『大戦』の遠因となった。
現在、御崎市がそれに該当するのではないかとアラストールは推測している。
『君主の遊戯(くんしゅのゆうぎ)』
16世紀の欧州で、“徒”の組織同士が行なっていた代理戦争協定。協定を結んでいるものは「遊戯者(プレイヤー)」と呼ばれ、人間を駒として操り、その領地の広さで各組織の勢力の大きさを決める。
ベルペオルは、『大戦』の前に「遊戯者」同士で、フレイムヘイズ兵団に対する包囲網を作ろうと画策したが、 先手を打ったフレイムヘイズ兵団のマティルダ・サントメールとヴィルヘルミナ・カルメルによって、北方の有力な六組織が壊滅、失敗に終わった。
『鏡像転移(きょうぞうてんい)』
『暴君Ⅱ』の行う一連の採集行為をさして仮装舞踏会幹部はこう呼ぶ。ベルペオルの話によるとサブラクが最初に『零時迷子』に打ち込んだ『大命詩篇』の一篇はこれの機能を改造したものだった。

宝具

“紅世の徒”やフレイムヘイズが用いる、さまざまな効果を秘めた道具。その効果は様々で、ほとんどの宝具が“存在の力”を込めることで機能するため人間は使用不能だが、例外も存在する。また、“徒”と人間の両方が望まなければ作り出すことはできない(教授の「宝具でありながら宝具ではない」『我学の結晶』シリーズは除く)。この世と“紅世”の狭間の物体である。

『贄殿遮那(にえとののしゃな)』
シャナが所持する大太刀型の宝具。大太刀そのものに加えられる力や敵意による干渉、自在法を無効化する能力を持つ。しかしそれ以外には特別な特性は無く、基本的には頑丈な名刀に過ぎない。シャナが使用する際は『炎髪灼眼の討ち手』の能力により、炎を纏う。
元々は人間の刀匠と“紅世の王”により作られた刀であり、最強の刀とそれに値する使い手を求めた刀匠がその身を変えた史上最悪の“ミステス”、“天目一個”の核となっていた物。また、『贄殿遮那』自身も、どの程度かは不明だが、意識を持っている。
『レギュラー・シャープ』
フリアグネが所持していたカード型の宝具。収束して1枚のカードにすることも、分裂させて無数のカードにすることもできる。元々は、占いにのめり込んだ人間と“徒”が作り出した、自動的にカードを切ったり必要な量のカードを場に出す能力を付加しただけのタロットカードだったが、時代の移り変わりと共に占いに使われる様々なカードを飲み込み、現在ではトランプが主体となっている。
『零時迷子(れいじまいご)』
坂井悠二の体内に宿る宝具。宿った“ミステス”が消滅しない限り、“存在の力”を毎午前零時に初期値まで回復させる、一種の永久機関。“ミステス”が何らかの原因で後天的に得た“存在の力”も「初期値」として認識する。時の事象一切に関わる力を持ち、封絶の干渉も受け付けず、また“存在の力”の鼓動を感知できる等の力も備わっている。“紅世”秘宝中の秘宝とも称される。
元々は『約束の二人』と呼ばれる“紅世の王”、“彩飄”フィレスと恋人である人間ヨーハンが、永遠に共にあるべく作成した物。ヨーハンはこれにより自ら“ミステス”『永遠の恋人』となった。“壊刃”サブラクの襲撃により、存在の危機に陥ったヨーハンは、フィレスによって『零時迷子』に封じられ、悠二のもとに無作為転移してきた。そのため現在、『零時迷子』はヨーハンそのものと化している。この際サブラクが『大命詩篇』を打ち込んだことにより、本来の『零時迷子』からは劇的な変異を遂げ、製作者であるフィレスが知らない能力を持っている。
『バブルルート』
金貨型の宝具。金貨の残像が金の鎖となって相手の武器に絡み、相手の武器を封じる。この金の鎖は伸縮自在で破壊や切断はできず、さらに絡んだ武器の能力の発動も封じてしまう。別名「武器殺し」。
『ダンスパーティ』
簡素で上品なハンドベル型の宝具。ベルを振ることで、任意の“燐子”に鼓動を植え付け、共鳴させ爆発させる能力を持つ。また、「仕掛け」を使うことでトーチにも鼓動を植え付け爆破することが可能。この宝具を用いてフリアグネは『都喰らい』を起こそうとした。
『アズュール』
銀色の指輪型の宝具。能力範囲内の炎を消す結界を張る能力を持ち、火除けの指輪とも呼ばれる。大抵のフレイムヘイズ・“紅世の徒”の炎による攻撃は完全に防ぐことができるが、物理攻撃に対する防御力は皆無。また強力な炎は消しきれない場合がある。“存在の力”を込めることで発動し、その量次第で発生させる結界の規模も変えることができる。フリアグネの死後、悠二の手に渡った。
ちなみにこの指輪の裏側には、フリアグネが愛するマリアンヌに用いようとした『転生の自在法』の自在式が刻まれているが、彼らの秘密の計画だったため、シャナや悠二達はこの事を知らない。
『トリガーハッピー』
古いリボルバーピストル型の宝具。撃つ意思を持つ者が使えば実体の無い弾丸を無限に撃つことができ、撃たれたフレイムヘイズの身の内に在る“紅世の王”の休眠を破る能力を持つ。結果として、目覚めた“紅世の王”を収めるだけの器を持たないフレイムヘイズは爆死する。
フレイムヘイズに恨みを持った人間と“徒”が作り出した対フレイムヘイズ用武器で、通常のフレイムヘイズに対しては文字通り必殺の威力を誇る。通称「フレイムヘイズ殺しの宝具」。
『玻璃壇(はりだん)』
旧依田デパートの上層階に設置された銅鏡型の宝具。周囲の物体をかき集めて都市を再現した箱庭に人間とトーチと“存在の力”をリアルタイムで映し出す能力を持つ。“存在の力”を使えば都市の模型は何時でもどこでも何を材料にしても再現できる。フレイムヘイズや“徒”、人間以外の生物は見えない。
元々は“紅世の王”、“祭礼の蛇”が、自身の作った都『大縛鎖(だいばくさ)』で人間を見張るために作ったもの。
『リシャッフル』
万華鏡型の宝具。覗いたものと覗かれたものの意思総体を入れ替える効果を持つ。ただし、互いの心が通じ合っていないと効果が無い。いとうのいぢの画集「紅蓮」に収録された短編に登場し、シャナと悠二が入れ替わってしまった。かつて、互いの境遇を悲観した貴族と“徒”によって作られた。
『吸血鬼(ブルートザオガー)』
柄の短い片手持ちの大剣型の宝具。相手がこの剣に直接もしくは間接的に触れている状態の時に“存在の力”を込めることで、対象に刃によらない傷を与える能力を持つ。見た目よりもかなり重く、一般人では持ち上げることもままならないが、“存在の力”を込める事で軽々と扱えるようになる。 “愛染自”ソラトが所持していた。
ソラトの死後、マージョリーが回収して佐藤啓作と田中栄太に貸し与えていたが、後にシャナの手に渡り、最終的に悠二の武器となった。
各メディアによって多少デザインが異なる。
『オルゴール』
オルゴール型の宝具。込められた自在式がいかに複雑であろうと「オルゴールのメロディ」と化して、音色に乗せて自動的に発動させ続ける能力を持つ。打ち込める自在式は無数だが、一度に発動させられるのは一種類のみで、使用中は移動させることはできない。
『天道宮(てんどうきゅう)』 『星黎殿(せいれいでん)』
あらゆる感覚や気配察知の自在法でも探知不能であり、内部の存在を隠蔽する球状の異界『秘匿の聖櫃(クリュプタ)』によって隠蔽された移動城岩。極大のサイズでありながら、内部の存在は外の何者にも感知されない(このためヴィルヘルミナは「いかなる自在師でも察知することはできない」と評価していた)。元々は人間の成す芸術に魅了された“紅世の王”、“髄の楼閣”ガヴィダによって建造されたもの。よって中には彼の趣味である芸術品や装用が配備されている。
『天道宮』は常に晴天の空が広がる宮殿であり、建物の周囲には草の生い茂る庭が広がっている。『大戦』の後、新たな『炎髪灼眼の討ち手』の育成所となり、シャナの契約のきっかけとなった一連の騒動による戦闘の余波で崩壊し、海中に没する。
『星黎殿』は常に星空の広がる要塞であり、城を中心として町並みが広がっている。[仮面舞踏会(バル・マスケ)]の本拠地。司令室である『祀竃閣』、祭壇の間『星辰楼』、機関大底部『暴君』格納庫などの施設がある。
アニメ版では第一期最終回でアラストールが顕現したことで崩壊するが、第二期で「教授」によって再建中である。
『カイナ』
『天道宮』内部に設置された、銀製の水盤型の宝具。“紅世の徒”を、“存在の力”を消耗させずにこの世に留め置く能力を持つ。ただし、まさに留め置く事しか出来ないため、水盤の上から“存在の力”を使わずに動くことは出来ない。
元々は『天道宮』を建造した“髄の楼閣”ガヴィダが、人間と対等に語らうために、人間を喰らわずに自身をこの世に留めるために作ったもの。『天道宮』が『炎髪灼眼の討ち手』育成所となった後は、新たな契約者の出現を待つアラストールの居場所となった。
『非常手段(ゴルディアン・ノット)』
金色の鍵の形をした宝具で複数存在し、[仮面舞踏会(バル・マスケ)]所属の“紅世の徒”たちが命令を受ける際に、勲章や秘密兵器の様な物という名目で渡されている。しかしその実態は、所持者が死に瀕した際に、所持者に残された“存在の力”を使用して予め任意に込められた自在式を発動させるもの。
“逆理の裁者”ベルペオルが“探耽求究”ダンタリオンからせしめた『デミゴールド』という金塊を用いて作成したもの。
名称はゴルディオスの結び目から。
『九垓天秤(くがいてんびん)』
[とむらいの鐘]が所持する、九つの受け皿を持つ黄金の天秤型の宝具。受け皿の大きさは自在に変わり、支点や皿の上に乗る者達の間で“存在の力”の受け渡しを自由に行える。[とむらいの鐘]が誇る九人の“紅世の王”からなる最高幹部達『九垓天秤』の名前の由来でもある。
『銀沙回廊(ぎんさかいろう)』
『星黎殿』内部の空間を自在に組み替え、離れた場所と場所を繋ぎ合わせる、移動簡略化装置。使用は上級者もしくは許可を得た者に限られる。
『ジェタトゥーラ』
銀の縁取りがされた片眼鏡型の宝具。レンズを通して見ることで、“存在の力”を感じることが出来ない人間でもトーチをトーチとして認識出来るようにする能力を持つ。現在はカムシンが『調律』の協力者に「この世の本当のこと」を理解してもらうために使用している。
『メケスト』
『儀装の駆り手』カムシン所持の巨大な鉄棒型の宝具。カムシンは『調律』や通常の戦いでは鉄棒のまま使うが、瓦礫の巨人を纏った時は“存在の力”を込めることで、鉄棒を柄とし、瓦礫を“存在の力”で繋いだ鞭と化する。この鞭をスリングの様に用い、先端から“存在の力”を込めた瓦礫を飛ばす『ラーの礫(つぶて)』と呼ばれる技を使うことも出来る。
『トライゴン』
“頂の座”ヘカテーが[仮装舞踏会(バル・マスケ)]の「大命」を遂行するときに使う錫杖型の宝具。杖頭の輪も付けられた遊環も三角形。託宣を受ける際に使われる他、自在式を相手に打ち込む時の触媒や、戦闘の際の武器としても使われる。
『神鉄如意(しんてつにょい)』
“千変”シュドナイが[仮装舞踏会(バル・マスケ)]の「大命」を遂行するときに使う槍型の宝具。持ち主の大きさに合わせて自在に大きさを変える能力を持ち、さらにシュドナイは自身の炎を纏わせて破壊力を高める。穂先を分裂させるなど変形させることも可能。
名前は「西遊記」の孫悟空が所持する天河鎮定神珍鉄こと如意金箍棒から。
『タルタロス』
“逆理の裁者”ベルペオルが[仮装舞踏会(バル・マスケ)]の「大命」を遂行するときに使う鎖型の宝具。具体的な効果は不明。乗り物として使用している描写がある。
『ゲーヒンノム』
[仮装舞踏会(バル・マスケ)]所有の宝具。『星黎殿』の司令室である『祀竃閣』に置かれている。灰で満たされた大竈の宝具で、三柱臣専用の宝具の置き場とされている。“千変”シュドナイの「神鉄如意」、“逆理の裁者”ベルペオルの「タルタロス」、“頂の座”ヘカテーの「トライゴン」がそれであり、「大命」遂行時以外はこの宝具に置くことが決まりとされる。他に、どす黒く積もった灰に立体地図を作ることができる。
『小夜啼鳥(ナハティガル)』
あらゆる自在法を「自由自在に」構築する能力を持った“紅世の徒”(“螺旋の風琴”リャナンシー)と、その“徒”を支配するための鳥籠型の宝具の檻を併せた宝具。鳥籠型の檻に“存在の力”を注ぎ込むことで、囚われた“徒”の行動を支配し望む自在法を「啼かせる」能力を持つが、莫大な量の“存在の力”を必要とする。
なおナハティガル(Nachtigall)とは、ナイチンゲールのドイツ語読み。
『アタランテ』
金属の輪型の宝具。“存在の力”を込めて息を吹きかける事で捕縛のシャボン玉を作り出すことが出来る。シャボン玉に取り込まれた人間やフレイムヘイズは活動を停止するが、歳は普通に取り続ける。
『キングブリトン』
大金槌型の宝具。所持者は“髄の楼閣”ガヴィダ。
「かつて敵を無数、叩き壊した」とされる武器。
『ヒラルダ』
コイン大の小さな十字架型の宝具で、人間の女性にしか使えない。祈ることで所有者の“存在の力”を使ってこの宝具に込められた自在法を発動させる。その為、所有者は使用後に消滅する。現在はフィレスによって自在法『風の転輪』が込められ、吉田一美が所持している。戦闘用の宝具ではないが、所有者は封絶の中でも活動できる。
『テッセラ』
世界で最も数が多い宝具。掌大のガラスの正十二面体型の宝具。
一定範囲内のフレイムヘイズや“徒”などの“紅世”の気配を遮断する宝具。フレイムヘイズ外界宿の核として各所内部に設置されている。結界の維持に「断続的な力の供給」と「一ヶ所に据えておく」という条件があり、どちらかの条件を破ると途端に効力が切れてしまい、再起動には相当な時間を要する。
『押し出しトンカチ』
質問コーナー『狩人のフリアグネⅡ』でマリアンヌが使用。質問コーナーの文字数を無駄に消費する教授とドミノを、力尽くで叩き出すための宝具。
『タルンカッペ』
襤褸布型の宝具。気配隠蔽の隠れ蓑だが、力を注ぎながらの緩慢な移動を余儀なくされる。“吼号呀”ビフロンスが所有していた。
名前は北欧神話の小人の被る姿隠しの帽子から。
『ノーメンクラタ』
物体の組成や構造を解析表示する、非常に珍しい宝具。銀色の円盤型。“探耽求究”ダンタリオンが所有していたが、1901年にマウナロア火山の地下基地から彼が逃走した際にハリエット・スミスの手に渡る。以後の消息は不明。
『コルデー』
数十もの指輪からなる宝具。“駆掠の礫”カシャが所有。
『パパゲーナ』
無数の鈴を飛ばして操る宝具。“戯睡卿”メアが所有しているが、本来はメアが寄生している“ミステス”が内に蔵する宝具。
『渾の聖廟(こんのせいびょう)』
アニメ版にのみ登場。
“探耽求究”ダンタリオンが『星黎殿』内を改造して作った大仕掛けで、『零時迷子』と“頂の座”ヘカテーの「“存在の力”に対する“徒”としてのキャパシティ」の大きさ、“存在の力”を外部に放出する装置があって初めて機能する。ヘカテーが悠二と器を合わせて、“存在の力”を回復させる『零時迷子』から“存在の力”を大量に引き出させ、それを装置で吸収・屋外へ放出することにより無限に“存在の力”が湧き出す『泉』が出来上がる。“逆理の裁者”ベルペオルの野望によって実行された。

我学の結晶

教授こと“探耽求究”ダンタリオンが作り上げた、宝具であり宝具でない品の数々。強力な力を持ったものもあれば、ジョークアイテムとしか思えない代物まであり、基本的には教授とその“燐子”ドミノにしか扱えない。ちなみに本人にとっては(少なくとも発明した時は)全て大真面目な発明である。これらは、教授独自の能力である『本来は自分に行う顕現を、他の物体として永続的に実体化させる』能力を用いて作成した『素材』と、この世の物を結合させて作り出す。『我学の結晶』には基本的に『我学の結晶エクセレント(通し番号)』というシリーズ名が付けられる。なお、『浪漫の結晶』や『我学の結晶エクスペリメント』といった亜種が存在するが、本項には共に記載する。

『我学の結晶エクセレント28-カンターテ・ドミノ』
教授の助手を務める“燐子”(紅世の徒を参照)。通称「ドミノ」。
『我学の結晶エクセレント4122-賢者の瞳』
『夜会の櫃』に据えられた遠視装置。
『我学の結晶エクセレント7930-阿吽の伝令』
『我学の結晶エクセレント7931-阿の伝令』
『我学の結晶エクセレント7932-吽の伝令』
いずれもネジと文様を刻んだマンホールの蓋(20世紀初頭は、無数の短剣を刺したオーク材の樽を使っていた)。『阿の伝令』『吽の伝令』は音声と立体映像を送り、マジックハンドを接続してドミノをつねりあげることも可能。破壊された場合は非常脱出装置『阿吽の伝令』へ強制転送される。
『我学の結晶エクセレント11450-地変の匙』
教授が“壊刃”サブラクに投げつけた小さなスコップ。用途は不明。
『我学の結晶エクセレント13274-暴君』
二つ存在し、正式名称はそれぞれ『我学の結晶エクセレント13274-暴君 I 』と『我学の結晶エクセレント13274-暴君 II 』。
[仮装舞踏会]盟主である“祭礼の蛇”の意思を受信し、思いのままに動く代行体を精製するためのもの。
歪んだ板金鎧の『暴君 II 』は、感情と、感情に伴う行動を採集する。この一連の採集行為を[仮装舞踏会]では『鏡像転移』と呼んでいる。採集されたこれらの人格鏡像は『暴君 II 』が磔にされている『吟詠炉(コンロクイム)』へ蓄積され、代行体の核である仮想意思総体というものを構築していく。
一方、『大命詩篇』の一篇が打ち込まれた『零時迷子』は、代行体の動力源『暴君 I 』へ変化を開始。『暴君 II 』から送られてくる人格鏡像を自身に転写し続けていく。その後転写された無数の人格鏡像を繋ぎ合わせ、仮想意思総体を完成させる機動スイッチの役目である『大命詩篇』の別の一篇をサブラクが坂井悠二に打ち込んだことにより、代行体に“久遠の陥穽”内に存在する“祭礼の蛇”の人格を宿らせることに成功した。
『我学の結晶エクセレント27071-穿破の楔』
通称『オベリスク』。“征遼の睟”サラカエルの依頼を受けた教授が作り上げた巨大な鉄の塔。ハワイ島マウナロア火山の頂上に設置されており、「マウナロア地下大秘密基地」の中核的存在。[革正団]の目的である「明白な関係」作りのきっかけとなりうる、「この世の本当の事」を人間に伝えるために製作されたもので、情報を広範囲に伝達するための打ち上げ用エンジンと送受信機を持つ。
『我学の結晶エクセレント29004-毛虫爆弾』
教授曰く「五百匹の精鋭かぁらなるアグレェーッシブな」攻撃。『夜会の櫃』に閉じ込められたシャナに使用したが、かえって怒りを倍増させることになった。
『我学の結晶エクセレント29147-惑いの鳥』
御崎市の実験に使用。あらゆるものの動きを任意の方向に捻じ曲げられる撹乱の自在法の自在式が込められている。この作用は相手の“存在の力”そのものを使用するので、“燐子”の様に“存在の力”が小さい存在でも大規模な発動が可能。ミサゴ祭りに便乗し、鳥を模したハリボテ型で町中に配置された。『逆転印章』の効力を加速させ、効力を増大させる働きもある。
『我学の結晶エクセレント29182-夜会の櫃』
『賢者の瞳』をはじめ、自動防衛装置や敵のエネルギーを利用した加速装置、飛行機能まで無茶苦茶な機能を無駄に満載した怪物列車。白峰駅の地下から出現した。御崎市駅で構築された『逆転印章』の最後のピースが、先端に収められている。
この夜会の櫃に侵入し、破壊しようとして閉じ込められたシャナに対し、『我学の結晶エクセレント29004-毛虫爆弾』を使用して邪魔しようとしたが、怒りが倍増したシャナが夜会の櫃を180度にひっくり返したため、ほぼ破壊されてしまった。
『浪漫の結晶ドォーリル付き西洋風の両手剣』(『ヒュストリクス』)
柄のボタンを押すことで刀身が高速回転する業物の。元は“壊刃”サブラク秘蔵の宝剣だったが、教授に「イカれたカラクリ」として(教授的には「超・強力でカッコよく」)改造されてしまい、サブラクが教授と袂を分かつ原因となった。現在は教授が所有している。
『我学の結晶エクスペリメント13261-合体無敵超人』
鬼功の繰り手サーレ・ハビヒツブルグの事。あるいは実験そのものの名称とも考えられる。
契約のメカニズムの研究の為に行った『強制契約実験』によって生まれた、強制的に契約させられたフレイムヘイズ。この事件は、この世を跋扈する“徒”にとっては天敵を大量に生み出す背信行為である上に、フレイムヘイズ内の“王”や“紅世”で静観を決め込んでいる“徒”を含めた“徒”全体にとっても両世界の狭間で少なからぬ“徒”や“王”といった同胞の命が喪われたため、教授への反感を大きく高める結果となった。
この時生み出されたフレイムヘイズたちは、当然ながら使命感の欠片も持たず、多くは“徒”やフレイムヘイズに殺され、また発狂・自殺した。生き残って使命を遂行しているサーレは例外中の例外である。
『我学の結晶エクセレント番外0001-小さな翼』
番外編『しんでれらのしゃな』に登場。エクセレントな鳥の人達(教授とドミノ)がシンデレラ(シャナ)を助けに来た際に腕に付けていた。
『我学の結晶エクセレント番外0002-大きな翼』
番外編『しんでれらのしゃな』に登場。エクセレントな鳥の人達(教授とドミノ)が、シンデレラ(シャナ)を助けるため使用。
シンデレラ(シャナ)と、継母(テンモクイッコ)、義理の姉(長女メリヒム、次女ヴィルヘルミナとティアマトー)の住んでいた家がこの『我学の結晶』に密かに改造されており、舞踏会の日に変形して空を飛んでお城の衛兵隊長(オルゴン)と城壁を体当たりで吹き飛ばした。
『我学の結晶エクセレント番外0003-深き杭』
番外編『かぐやひめのしゃな』に登場。お爺さん(教授)が犬(ドミノ)に「ここほれワンワン」と言われて作った。
巨大なボーリングマシン型。埋まっていた宝どころか岩盤をぶち抜き地下の温泉に到達、自身が掘り当てた温泉の噴出により倒壊し、熱々の水と共に隣に住む爺さん(サブラク)の家を押しつぶした挙句に流した。
『我学の結晶エクセレント番外0004-速き杵』
番外編『かぐやひめのしゃな』に登場。お爺さん(教授)が犬(ドミノ)に「これつけワンワン」と言われて作った。
臼を抱え込む様に設置し、周囲にマジックハンドを無数生やした様な形をしている。高い性能を誇り、もち米の準備から餅搗きまで自動かつ素早く行うことが出来る。搗かれた餅は金に変わったが、自動的に延々と行った結果巨大な金の山が聳え立ち、大重量の雪崩となって崩れ落ちた金の山は遠くに引っ越した爺さん(サブラク)の家を押し流した。
『我学の結晶エクセレント番外0005-広き籠』
番外編『かぐやひめのしゃな』に登場。お爺さん(教授)が犬(ドミノ)に「これまけワンワン」と言われて作った。
巨大な吸引口と噴出孔、さらにタービンと機関部で構築された装置。吸い込んだ灰を村の全域に瞬く間に散布し、お互いの家も見えないほど遠くに引っ越していた爺さん(サブラク)の秘蔵の黒樫木刀にも花を咲かせた。

自在法

“存在の力”を操ることで、この世では有り得ぬ不思議を現出させる術の総称。同じ自在法でも使用者によって多少個人差がある。また基礎的な術や皆が共通して使う術なども存在するが、基本的に術者独自の性質に基づいて発動する固有の術であり、体系的な術ではない。

自在法はこの世の物理法則を捻じ曲げるため、“存在の力”を感知できる者は違和感を察知することが出来る。効果の大きい自在法ほど生じる気配も大きく、生じた違和感が大きいと“存在の力”を察知できない人間にも大きな影響を与える。

自身の願望を叶える様々な自在法の行使は、“徒”がこの世にやってくる目的の一つであり、またフレイムヘイズにとっても戦闘の上で欠かせない武器となる。特に自在法を用いるのが得意な者は「自在師」と呼ばれる。 ここでは“徒”固有の自在法でなく、広く普及したり知れ渡っている自在法(自在式)について記述する。

自在式(じざいしき)
自在法の発動の際に現れたり、任意の自在法を使う際に出現させたり、自在法の補助などに用いられる紋様の総称。紋様は作中ではよく『奇怪な文字列』などと表現される。同じ自在法でも術者によって描かれる自在式は異なり、必ずしも一定の紋様とは限らない。ただし、逆に同じ模様の自在式は同じ効果の自在法を顕現させるようである。
自在法と同義に扱われることもあるが、自在法の使用の際に必ずしも現れるわけではなく、また自在式だけでは何の効果も持たず、そこに“存在の力”を込めて初めて効果が現れる。
封絶(ふうぜつ)
現代では最もポピュラーな自在法の一つで、簡単に言えば「結界」。“紅世の徒”にとっては人知れず活動するために、フレイムヘイズにとっては戦闘による被害を防ぐために、それぞれ欠かせない自在法である。「封絶を張る」と“存在の力”で壁が作られ、内部の空間はこの世の流れから非物理的に切り離される(いわゆる因果孤立空間)。内部では“紅世”に関わる者以外のものは停止し、外部では“存在の力”を感知する能力がない限り、封絶を張られた空間を認識できなくなり、また“存在の力”を感知する能力を持った者にも封絶の内部は世界の流れから断絶しているため、様子を掴み辛くなる。応用として、広範囲に効果を及ぼす宝具等の効果範囲を封絶内に縮められる。
18世紀後半に、“探耽求究”ダンタリオンが開発した自在式をもとに天才自在師“螺旋の風琴”が完成させ、世に広まった。これによって“徒”の完全な隠密行動が可能になると同時に、人間は“徒”に襲われたことを認識できなくなったため、“徒”への憎しみからフレイムヘイズになる人間も減少傾向にある。
封絶の内部で破壊された物体や生物は、“存在の力”を使い断絶された外部の流れと整合させる形で修復することができる。しかし、封絶の影響を受けていない存在や、“存在の力”を喰われてしまった人間は直せない。修復のための“存在の力”は通常は封絶の内のトーチを消費したりフレイムヘイズが供給するが、例外もある。
清めの炎
フレイムヘイズの体を清潔に保ったり、体調を万全にするために使用される。これのお陰でフレイムヘイズは入浴の必要は無いが、女性のフレイムヘイズの多くは「水浴びは大好き」との事。また、マージョリーはこの自在法を主に二日酔い対策に使っている。
達意の言(たついのげん)
意思を言語に変換する自在法。特に学ばなくても様々な言語の会話が可能になる。
炎弾(えんだん)
初歩的な攻撃の自在法。熱エネルギーとして具象化させた炎(こちらの炎は“存在の力”の見た目上の炎と違って、物を燃やす)を砲弾のように撃ち出す。炎の色は使用者の“存在の力”と同じ。通常ならば着弾後に炸裂するだけだが、器用な“徒”やフレイムヘイズであれば、着弾後に変形させたり任意に爆発させたりと言った遠隔操作も可能。
人化の自在法
本性をそのまま形にした“紅世の徒”の外見は、多くの場合人間とは異なるが、そうした“徒”でも人間型の外見になれる自在法。ただし本性を人間型に変換しているだけで、望む人間の姿になれるわけではない。人間社会の文明が発達した近代以降、ほとんどの“徒”はこの自在法で人間の姿をとっている。
ちなみに、本性からかけ離れた姿を「作る」のは、これとは別の自在法となる。
都喰らい
“棺の織手”アシズが生み出した自在法。本来“徒”が喰らうには適さない人間以外の存在の“存在の力”を喰らうことが可能な莫大にして高純度の“存在の力”へと変換する秘法。原理としては、「世界の歪み」を一時的に緩衝するトーチを大量に作り出し、それら多数のトーチに「仕掛け」を施して、歪みを緩衝する役割一挙に消し去ることで、瞬間的に大きな歪みを作り出し、その歪みに巻き込む事で、辺りの存在を高純度の“存在の力”へと変換するものである。「都喰らい」の名が示すとおり、一つの都市程度の大きさがまるまる莫大な“存在の力”へと変換される。
戒禁(かいきん)
主に戦闘用の宝具の“ミステス”にかけられる、中の宝具を守るための自在法。具体的な効果は術者によって異なる。
逆転印章(アンチシール)
自在法の効果を逆転させる自在式。本来は相手の防御陣に組み込んで使うが、ミサゴ祭りでは教授が御崎町の「歪み」の調律を行おうとしたカムシン(調律師)の自在法の制御を奪い、その後駅周辺に張られた巨大なこの自在式を用いることで調律の「歪んだ世界を本来あるべき状態に近づける」力を逆転させ、歪みの極限の拡大を目論んだ。
調律
“存在の力”が奪われた結果、危険なレベルにまで「歪んだ」地域を修復する事。
専門のフレイムヘイズが、その地域で生まれ育った人間から歪みのない状態のイメージを採取し、そのイメージに基づいて“存在の力”を調律師それぞれの方法で「本来あるべき状態」に近づける。また、これを専門に行うフレイムヘイズを「調律師」と呼ぶ。

既刊一覧

ここに記載されている物は作者高橋弥七郎によって書かれた『灼眼のシャナ』に類する著書と収録作品等の一覧であり、メディア展開した「灼眼のシャナ」の全ての作品の原作として扱われている。

本編

本編は未だ完結していない長編ストーリーとなっている。なおナンバリングされているV、X、XV巻はプロローグとエピローグ部分以外は外伝となっているが、本編にとって重要な伏線などが仕込まれている。

本編以外の外伝、番外編

本作では、本編の話と直接的に関わることはないものの公式設定として扱われる話を外伝(=スピンオフ作品)、設定や世界観を大きく変えメタフィクション的要素も含んだ「何でもあり」な話を番外編として定義されている。

短編集
  • 灼眼のシャナ0 ISBN 4840230501 2005年6月25日 初版発行
    • 外伝『オーバーチュア』、番外編『しゃくがんのしゃな』『しんでれらのしゃな』収録
    • 巻末に質問コーナー「狩人のフリアグネ」収録
  • 灼眼のシャナS ISBN 4840234426 2006年6月25日 初版発行
    • 外伝『キープセイク』『マイルストーン』『セレモニー』収録
    • 巻末に質問コーナー「狩人のフリアグネII」収録
  • 灼眼のシャナM 
    • 劇場にて限定発売された。外伝『ノーマッド』、『オーバーチュア』収録
解説本、画集等収録の物
  • アニメ『灼眼のシャナ』ノ全テ
    • 外伝『ボールルーム』収録
  • いとうのいぢ画集 紅蓮
    • 外伝『リシャッフル』収録
  • いとうのいぢ画集 II 「華焔(かえん)」
    • 番外編『かぐやひめのしゃな』収録

その他、作者によってテキストが書かれた灼眼のシャナDS、脚本が手がけられたドラマCD(内容は上記の『ノーマッド』と同一)、漫画版作者笹倉綾人とのコラボで描かれた『ゾートロープ1~2』『ゾートロープ3~4』(1~2は電撃hp Volume.45掲載、3~4は電撃大王2007年3月号掲載、後にまとめてTVアニメ灼眼のシャナⅡDVD第Ⅰ巻初回限定版に先行再収録)が外伝として位置している。

漫画

灼眼のシャナ

原作を元にコミック化。原作同様にシャナと悠二の出逢いからを漫画で描かれる作品。
月刊コミック電撃大王』にて、2005年4月号(同年2月発売)より連載。
  • 作画:笹倉綾人
  • キャラクターデザイン:いとうのいぢ
単行本
  1. 2005年10月27日発売 ISBN 4840232245
  2. 2006年6月27日発売 ISBN 4840235031(通常版)、with "GRIMOIRE"ISBN 4840234965(初回限定版)
  3. 2007年4月27日発売 ISBN 9784840238717

"GRIMOIRE"には鎌池和馬による二次創作小説【討滅の獄】が収録された。

灼眼のシャナX Eternal song -遥かなる歌-

原作X巻の時代背景を元にコミック化。シャナの先代にあたる『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールの活躍が描かれる作品。
『電撃黒「マ)王』増刊「コミック電撃黒マ王」(季刊)にて、2007年9月19日(vol.1)より連載。
  • 作画:木谷椎
  • キャラクターデザイン:いとうのいぢ・木谷椎

アニメ

テレビアニメ

第1期

2005年10月から2006年3月までUHFアニメ形態で放映された。全24話。同時期にインターネットによるストリーミング配信もなされた。全8巻のDVDソフトとしてパッケージ化され、発売中。ストーリーは、原作I~VII巻をベースとしたオリジナル。VIII巻とIX巻のエピソードも一部だが取り入れられている。

スタッフ
  • 原作・監修:高橋弥七郎
  • イラスト:いとうのいぢ
  • 企画:川村明廣(ジェネオンエンタテインメント)、臼井久人(東芝エンタテインメント[1])、久木敏行(メディアワークス)、阿部倫久(J.C.STAFF)
  • 監督:渡部高志
  • シリーズ構成:小林靖子
  • 脚本:小林靖子、佐藤勝一白根秀樹
  • キャラクターデザイン:大塚舞
  • 総作画監督:大塚舞、藤井真澄、藤井昌宏、大塚健
  • 美術監督:奥井伸
  • 色彩設定:伊藤由紀子
  • 撮影監督:福世晋吾
  • 編集:西山茂
  • 音楽:大谷幸
  • 音楽制作:ジェネオンエンタテインメント
  • 音楽プロデューサー:関戸雄一
  • 音響監督:明田川仁
  • 音響制作:マジックカプセル
  • 音響効果:中野勝博(サウンドボックス
  • 録音調整:土屋雅紀
  • 録音スタジオ:スタジオT&T
  • 宣伝:飯田尚史(ジェネオンエンタテインメント)、小倉尊行(東芝エンタテインメント)、鈴木則道
  • 企画協力:中嶋嘉美(ビッグショット)、石川功(ビッグショット)
  • 協力:電撃文庫編集部、電撃hp編集部
  • 制作担当:田部谷昌宏
  • プロデューサー:伊平崇耶(東芝エンタテインメント)、三木一馬(メディアワークス)、中山信宏(ジェネオンエンタテインメント)
  • プロデュース:川瀬浩平(ジェネオンエンタテインメント)、松倉友二(J.C.STAFF)
  • アニメーション制作:J.C.STAFF
  • 製作:『灼眼のシャナ』製作委員会(ジェネオンエンタテインメント、東芝エンタテインメント、メディアワークス、J.C.STAFF)
主題歌

オープニング

エンディング

  • 「夜明け生まれ来る少女」(第1話~第14話)
    • 作詞:高橋洋子
    • 作曲・編曲:大森俊之
    • 歌:高橋洋子
  • 「紅の静寂」(第15話~第23話)
    • 作詞:石田燿子
    • 作曲・編曲:村上正芳
    • 歌:石田燿子
  • 「緋色の空」(24話)

※「being」はドレミ楽譜出版社発行『アニメソング・マニア!ピアノ曲集』にピアノ用譜面が収録されている。

サブタイトル
話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督 原作収録巻
1 全ての終わり、一つの始まり 小林靖子 渡部高志 秋田谷典昭・上田繁 宮田奈保美 大塚舞 Ⅰ巻アレンジ
2 灯る炎 杉原由紀 栗井重紀 Ⅰ・Ⅱ巻アレンジ
3 トーチとフレイムヘイズ 上田繁 河野真貴・谷川政輝
川上鴨彦・大塚舞
藤井昌宏
4 惑いのフレイムヘイズ 中村守 立仙裕俊 三井寿 大塚舞
5 それぞれの想い 佐藤勝一 福田道生 清水一伸 岡村幸男・井本由紀
冷水由紀絵
藤井昌宏
6 交錯・発動・対決 白根秀樹 渡部高志 高島大輔 宮田奈保美・尾崎正幸
冷水由紀絵・井本由紀
大塚舞
7 二人のフレイムヘイズ 小林靖子 池端隆史 上田繁 谷川政輝・小川浩司
冷水由紀絵・井本由紀
藤井昌宏
8 麗しのゴブレット 川口敬一郎 秋田谷典昭 川上暢彦・新井伸浩
川島勝・尾崎正幸
大塚舞
9 恋と欲望のプールサイド 白根秀樹 池端隆史 高田耕一 杉本功・金子ひらく
小川浩司
藤井昌宏 オリジナル
10 絡まる想い 小林靖子 葛谷直行 立仙裕俊 三井寿 大塚舞 Ⅱ巻アレンジ
11 悠二とシャナとキス 佐藤勝一 福田道生 雄谷将仁 井本由紀・冷水由紀絵 藤井昌宏 Ⅲ・Ⅳ巻
12 ゆりかごに花は咲いて 白根秀樹 中村守 山名隆史 宮田奈保美・尾崎正幸 大塚舞
13 校舎裏の宣戦布告 米たにヨシトモ 上田繁 谷川政輝・川島勝
新井伸浩
藤井昌宏
14 偉大なる者 佐藤勝一 渡部高志 高島大輔 杉本功・川上暢彦
住本悦子
大塚舞 Ⅴ巻
15 炎の生まれた日 中村憲由 石川敏浩 中島美子・武本大介
中野彰子・Kim Dae Hoon
藤井昌宏
大塚舞
16 炎髪灼眼の討ち手 橘秀樹 池端隆史 井本由紀・冷水由紀絵 大塚舞
17 新たなる序章 小林靖子 池端隆史 住本悦子・宮田奈保美
小川浩司
藤井昌宏 Ⅵ・Ⅶ巻アレンジ
18 砕ける願い 福田道生 秋田谷典昭 川島勝・新井伸浩 大塚舞
19 戦いの中で 渡部高志 上田繁 川上暢彦・谷川政輝
宮田奈保美・新井伸浩
藤井昌宏
20 非情のヴィルヘルミナ 白根秀樹 高島大輔 井本由紀・冷水由紀絵 大塚舞 Ⅷ・Ⅸ巻の一部
オリジナル
21 遠ざかる想い 小林靖子 上田繁 川島勝・新井伸浩
中島美子・武本大介
中野彰子
藤井昌宏
22 揺らぐ炎 中村守 高島大輔 宮田奈保美・住本悦子 大塚舞 オリジナル
23 星黎殿の戦い 渡部高志 上田繁 新井伸浩・川島勝
尾崎正幸
藤井昌宏
24 紅蓮の想い 上田繁・池端隆史 井本由紀・冷水由紀絵
杉本功・川上暢彦
新井伸浩・川島勝
藤井昌宏
大塚舞
放送局
放送地域 放送局 系列 放送期間 放送日時 備考
神奈川県 tvk 独立UHF局 2005年10月5日 - 2006年3月22日 水曜 24時45分 - 25時15分
埼玉県 テレビ埼玉 水曜 25時30分 - 26時00分
千葉県 ちばテレビ 水曜 26時00分 - 26時30分
近畿広域圏 毎日放送 TBS系列 2005年10月8日 - 2006年3月25日 土曜 27時25分 - 27時55分 幹事局
愛知県 テレビ愛知 テレビ東京系列 2005年10月10日 - 2006年3月27日 月曜 27時58分 - 28時28分
日本全域 ANIMAX CS放送 2006年1月15日 - 7月2日 日曜 24時30分 - 25時00分 再放送あり
備考
  • フレッツ・スクウェア (NTT)・BIGLOBEにおいてストリーミング配信されている(テレビ放送直後は無料配信、放送終了後は有料配信)。ただし13話以降は未だに有料配信の予定が未定状態。現在はバンダイチャンネルの提携プロバイダ(So-net、.ANIME、DMM.com、BIGLOBE、@nifty、BBitJapan、ShowTimeOCNgooAIIフレッツ・スクウェア (NTT))にてプロモーション映像とアニメ第1話、劇場版灼眼のシャナのプロモーション映像が無料配信されている。また、第2話から24話までの有料配信が行われている。
  • 東京都内の殆どの地域ではtvk・TVS・CTCのいずれかで視聴可能だった(これは他の多くのUHFアニメ作品でも同様)。
  • 本作はビスタサイズ(画面比率16:9)で制作された。地上波デジタル放送ではMBS・TVSにおいてのみ1080iフルワイドで放送(MBSは全話、TVSは22話以降)、CTCにおいても2006年2月後半から試験放送テロップ付きではあったが、1080iフルワイドで放送された。一方でtvk・TVAでは最終回まで超額縁で放送された
  • TVSでは2005年11月30日深夜から12月1日未明にかけて行われた地上デジタル放送の本放送開始に伴う工事のため、tvk・CTCより第9話以降の放映が1週遅れたが、その両局が2005年12月28日の放送を休止し、TVSでは通常通り放送したため、2006年年明けより元に戻った。
  • MBSでは土曜深夜の『アニメシャワー』枠に続行して放送していたが同枠には含まれず、地上波デジタル放送の番組名表示も「アニメシャワー『灼眼のシャナ』」ではなかった。
  • 深夜帯放映のUHFアニメで、MBSとTVAの組み合わせは本作品が初である(当作品に先駆けて全日帯では『よばれてとびでて!アクビちゃん』で既にこの組み合わせとなっていた。ちなみにMBSとCBCの組み合わせの原則が初めて破られたUHFアニメでもある)。
毎日放送 土曜27:25枠
前番組 番組名 次番組
-
灼眼のシャナ(第1期)
アニメシャワー枠外)
xxxHOLiC(アニメシャワー枠内)

第2期

第2期シリーズである『灼眼のシャナII (Second) 』がMBS制作・TBS系列東名阪各局で2007年10月4日より放送中。この放送に先立ち2007年10月1日、第1期用のサイトがリニューアルされた。ストーリーはオリジナルだが、原作のエピソードや外伝の内容をところどころで流用している。

スタッフ
  • 原作・監修:高橋弥七郎
  • イラスト:いとうのいぢ
  • 監督:渡部高志
  • 企画:川村明廣(ジェネオンエンタテインメント)、臼井久人(ショウゲート)、久木敏行(メディアワークス)、阿部倫久(J.C.STAFF)、竹田青滋(MBS)
  • シリーズ構成:小林靖子
  • 構成協力:高橋弥七郎
  • キャラクターデザイン:大塚舞
  • 美術監督:廣瀬義憲
  • 色彩設定:伊藤由紀子
  • 撮影監督:福世晋吾
  • 音響監督:明田川仁
  • 音響制作:マジックカプセル
  • 録音スタジオ:スタジオT&T
  • 編集:西山茂
  • 音楽:大谷幸
  • 音楽制作:ジェネオンエンタテインメント
  • プロデューサー:伊平崇耶(ショウゲート)、三木一馬(メディアワークス)、中山信宏(ジェネオンエンタテインメント)、丸山博雄(MBS)
  • アニメーション制作プロデューサー:田部谷昌宏
  • プロデュース:川瀬浩平(ジェネオンエンタテインメント)、松倉友二(J.C.STAFF)、小山直子
  • アニメーション制作:J.C.STAFF
  • 製作:『灼眼のシャナII』製作委員会(ジェネオンエンタテインメント、ショウゲート、メディアワークス、J.C.STAFF)・毎日放送
主題歌

オープニング

  • JOINT
    • 作詞:川田まみ
    • 作曲:中沢伴行
    • 編曲:中沢伴行・尾崎武士
    • 歌:川田まみ

エンディング

  • triangle
    • 作詞:川田まみ
    • 作曲・編曲:高瀬一矢
    • 歌:川田まみ

アニメ放送開始前のプロモーション映像では第1期のオープニング「緋色の空」がBGMとして使われていた。

サブタイトル
話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督 原作収録巻
1 再びの刻 小林靖子 渡部高志 高島大輔 都築祐佳子・大塚舞 大塚舞 ゲームアレンジ
2 全ての序章 上田繁 井本由紀・冷水由紀絵
3 疑惑の転校生 上田繁
高島大輔
尾崎正幸・中山由美
宮田奈保美
オリジナル
4 憂いの少女たち 犬飼和彦 高田耕一 三家本康美 宇都木勇・小宮山由美子
5 家族の食卓 白根秀樹 丸山由太 井本由紀・加藤万由子
6 試練の前夜
放送局(第2期)
放送地域 放送局 系列 放送期間 放送日時 備考
近畿広域圏 毎日放送 TBS系列 2007年10月4日 - 木曜 25時25分 - 25時55分 制作局
中京広域圏 中部日本放送 木曜 26時25分 - 26時55分
関東広域圏 TBS 2007年10月5日 - 金曜 25時55分 - 26時25分
日本全域 BANDAI CHANNEL ネット配信 2007年10月10日 - 毎週水曜更新
ANIMAX CS放送 2007年11月8日 - 木曜 22時30分 - 23時00分 再放送あり
備考
  • 2007年6月3日に開催されたイベント『RONDO ROBE 2007』にて、新キャラクターの登場や、第1期に登場したキャラが再登場するなどの新展開があるなど、大まかな概要が初めて発表された。
  • その後、第1期の幹事局を担当したMBSが第2期の制作に参加する事が決定し、それを機に第1期時代には無かった同局公式サイト内の作品紹介ページも開設されている(携帯サイトから投稿可能の応援掲示板も設置されている(閲覧はPCサイトからも可能))。
  • その他の放映局は上記のように関東圏では独立U局から在京キー局に、中京圏では県域放送局から基幹局広域放送局)にそれぞれ変更される事によりTBS系列に統一されるため、史上初の「UHFアニメの続編が在京キー局系列深夜アニメに変更」と言う事例になる(その逆の例は過去に幾つか見られた)。
    • ただし、本シリーズ(第2期)では、その前2作品を放映したMBS木曜深夜枠が地上波では本放送時は10局ネット体制だったのに対し、本シリーズでは東名阪地区のみと、大幅に縮小されている。
  • 2007年8月14日より約1週間、JR東日本首都圏各路線(南武線浜川崎支線・東海道線宇都宮線高崎線湘南新宿ラインを除く)およびつくばエクスプレスにて車内広告を展開、続いて9月24日から30日にかけてJR東日本の新宿駅渋谷駅池袋駅上野駅東京駅など首都圏42駅で広告看板が設置された。
  • CBCでは当初、MBS・TBSと同様に前番組「DARKER THAN BLACK -黒の契約者-」の枠をそのまま受け継いで木曜26:55からの放送予定だったが、30分繰り上がって26:25からに変更された(MBSとは1時間遅れネットに短縮)。
  • 劇場版DVD特典ディスク内に第2期先行プロモーション映像が収録されていた。メア、フィレスらのカットとマイルストーンのマージョリーのカット等が収録されていた。
  • バンダイチャンネルについては、提携プロバイダ(OCNBIGLOBEDMM.com@nifty)およびGyaoでも各話無料ストリーミング配信が開始されている。
  • エンドカードは『メガミマガジン』2007年11月号に折り込まれているピンナップと同じイラストである。
  • 「灼眼のシャナⅡ」DVD第1巻翌年1月25日発売予定。
  • MBS製作アニメではもはや「恒例」ともいえる、「今週の名場面投票」は行われていない。


毎日放送 木曜25:25枠/TBS 金曜25:55枠
前番組 番組名 次番組
灼眼のシャナII (Second)
-
ANIMAX 木曜22:30枠(MEGA ZONE)
灼眼のシャナII (Second)
-
灼眼のシャナSP「恋と温泉の校外学習!」

2006年12月8日に発売。キャスト・製作スタッフは、ほぼテレビシリーズと同様。テレビシリーズ13話直後の時期に行われた課外授業を背景に、緒方真竹を主人公とし、彼女が田中栄太への想いを暴走させる姿を描く番外編的ストーリー。ちなみにこの巻においては“徒”らとの戦闘は描かれず、シャナは専ら脇役である。その扱いはEDに表れており、シャナではなく緒方真竹がTV版とほぼ同じ構図で描かれている。

巻数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督
1 恋と温泉の校外学習! 白根秀樹 池端隆史 住本悦子・川上暢彦 大塚舞

劇場版

原作I巻のストーリーを再構成し、テレビアニメ版とは違う形で“エピソードI”シャナと悠二の出会い、そして“狩人”フリアグネ、マリアンヌとの戦いを描く。キャスト・製作スタッフは、ほぼテレビシリーズと同様。

3本立てロードショー“電撃文庫ムービーフェスティバル”の1作として2007年4月21日より公開(同時上映『キノの旅』・『いぬかみっ!』)。一般上映は2007年8月31日に終了。
角川アニメフェスティバルの1作としてTOHOシネマズ六本木ヒルズにて2007年10月13日のみの特別上映がされた。
「電撃15年祭」の一環としてシネプレックス幕張にて2007年11月24日・25日のみ電撃文庫ムービーフェスティバルを特別上映予定。
劇場版では使用されなかったシーンとクオリティを再構成した完全版が収録された劇場版DVD『灼眼のシャナ』ディレクターズカットが2007年9月21日に発売された。

スタッフ

主題歌

しゃくがんのシャナたんシリーズ

SDタッチされたキャラたちが繰り広げるオリジナルギャグ番外編。(アニメ版のDVD特典から派生したシリーズ)

「しゃくがんのシャナたん」
SDタッチされたシャナたんが悠二の頭の上に乗って登場する。(アニメ第1期DVD第1巻の予約特典「灼眼のシャナ DVDまがじんI」収録。)
「しゃくがんのシャナたんりたーんず」
しゃくがんのシャナたんの続編。(アニメ第1期DVD第5巻の予約特典「灼眼のシャナ DVDまがじんII」収録)
「頂のヘカテーたん」
SDタッチされたヘカテーたんがシュドナイの頭の上に乗って登場する。シャナたんも登場する。(アニメガイドブック“『灼眼のシャナ』ノ全テ”初回限定版に付属したDVD「灼眼のシャナ DVDまがじんα」収録。)
「バンジョウのカルメルさん」
カルメルさんことヴィルヘルミナが主演していたものの、第2期の宣伝がメインストーリーになっていた。シャナたんも登場する。(劇場にて上映された。)
「灼眼のシャナたん@劇場版Ver」
主に新作カットシーンをシャナたんシリーズ化されていた。(DVD劇場版灼眼のシャナ-ディレクターズカット-の初回限定版特典「映像特典Disc」収録。)

他に、上記のシリーズと同系統のパロディとして漫画『灼眼のシャナ』の作画担当である笹倉綾人による「漫画版@灼眼のしゃなたん」(漫画版灼眼のシャナ2巻収録)『漫画版@頂のへかてーたん』(アニメ灼眼のシャナの全テ収録)などの4コマ漫画もある。

ドラマCD

灼眼のシャナ ドラマディスク

ラジオ電撃大賞で放送されたもの。メディアワークスで通信販売されていた。アニメ版以前の作品の為、CASTが違っている。脚本は作者である高橋弥七郎が担当。
内容は、フリアグネ戦直後にフリアグネの“燐子”ニーナが襲ってくる話。後に外伝『ノーマッド』として小説化され短編集に収められている(灼眼のシャナM収録)。 

  • 第1話「発端」 第2話「接触」 第3話「襲撃」 第4話「決着」
CAST

灼眼のシャナ Assorated Shana

CASTはアニメ版と同じドラマ2編、キャラクターソング2曲、サウンドトラック収録といった構成。
ミニドラマの内容はオリジナルほのぼの&ギャグ番外編。

  • 『灼眼のシャナ Assorated Shana VOL.I』 2006年2月22日 ジェネオンエンタテインメント
    • 「アラストールの苦悩」悩める“紅世の王”アラストールが悠二にハガキを書いてもらうが、その最中にシャナや吉田一美がやってきてという話。
    • 「吉田一美の日記」吉田一美が綴る妄想日記の話。
  • 『灼眼のシャナ Assorated Shana VOL.II』 2006年3月22日 ジェネオンエンタテインメント
    • 「いつもの放課後に......」佐藤啓作からライブチケットをもらった田中栄太が緒方真竹を誘おうとするがという話。
    • 「フレイムヘイズの午後」酔っ払った腹話術のお姉さんの助言で吉田一美は逆ナンパに挑戦、その後、池速人までナンパに挑戦することになってしまうという話。
  • 『灼眼のシャナ Assorated Shana VOL.III』 2006年4月21日 ジェネオンエンタテインメント
    • 「索敵メロンパン」ヴィルヘルミナに対して悠二がメロンパンについて語る話。
    • 「紅世の王、極秘会談」アラストールとマルコシアスとティアマトーが深夜の学校で会談するが途中からお酒が入ってという話。

ゲーム

PS2、DS、携帯アプリ版(メディアワークス)

2006年3月23日プレイステーション2版「灼眼のシャナ」が発売。2007年3月29日にはニンテンドーDSで、原作者高橋弥七郎によるシナリオの全面改稿が行われ、正式な外伝となった移植+新規要素追加版「灼眼のシャナDS」が発売(初回特典は描き下ろしスクールカレンダー)された。PS2版は携帯アプリにも移植されている(電撃モバイルのサイトよりダウンロード可能)。
上記3作は共にメディアワークス製作でほぼ同一内容、ジャンルはバトルアドベンチャーゲーム
悠二とシャナ達の夏休みを描いたオリジナルストーリー、全8章。
ゲームオリジナルとして“紅世の徒”、“戯睡郷”メア(声・小林沙苗)が登場する。なお、後に原作XIII巻で“壊刃”サブラクがメアらしき女の事に付いて触れているほか、アニメ第二期にも登場することになった。
システムの特徴として、アドベンチャーパートで会話中に突如発生する「アクティブカウントダウン」がある。これはコントローラーの○・×・□・△ボタンと十字キーを制限時間内に指示通り入力するよう要求されるもので、ここでのキー入力の成否はエンディングに影響する。なお、各章のラストでは“紅世の徒”などと対決するバトルパートへ移行し、RPG調の戦闘が展開される。

携帯アプリ版(タイトー)

灼眼のシャナ ~炎髪灼眼の討ち手~
原作1~4巻のストーリーをベースとするアクションゲーム。ストーリーモードではシャナを操作し、制限時間内にベルトスクロールステージをクリアし、ボスと対決する。バトルモードではシャナ以外のキャラクター(フリアグネ、マージョリー、ソラト&ティリエル、シュドナイ、ヴィルヘルミナ)も選択可能で、対戦型格闘ゲームの要領で他のキャラクターと3本勝負を行い2本先取した方が勝ち。クリア後に残り時間や体力に応じてボーナスポイントが与えられ、攻撃力、防御力、スペシャル(特殊技ゲージ上昇率)、幸運(ブロック・クリティカル発生率)にポイントを割り振って育成が可能。
2006年11月よりiアプリFOMA903i・メガアプリ対応機種のみ)、EZアプリ (BREW) およびS!アプリSoftBank 3G対応機種のみ)で配信されている。提供はタイトー
灼眼のシャナII ~星黎殿の戦い~
アニメ版のストーリーをベースとするアクションゲーム。ストーリーモード・バトルモードのシステムや育成要素など、基本的な部分は前作と同様。両モードにおいて使用可能キャラが大幅に増加された。
2007年4月から5月にかけてiアプリ(FOMA903i・メガアプリ対応機種のみ)、EZアプリ (BREW) およびS!アプリ(SoftBank 3G対応機種のみ)で順次配信された。提供はタイトー
灼眼のシャナQIX
ゲームのルールはQIXを参照。ステージごとに決められた面積の陣地を占領すると、CGモードでシャナを始めとするキャラクターの背景画像が鑑賞できる。

関連書籍

  • いとうのいぢ 『いとうのいぢ画集 紅蓮』 メディアワークス、2005年2月25日。ISBN 4840228981
  • いとうのいぢ 『いとうのいぢ画集II 華焔』 メディアワークス、2007年8月9日。ISBN 978-4840239875
  • 電撃文庫編集部編 『灼眼のシャナノ全テ』 メディアワークス、2005年12月。ISBN 4840232873
  • 高橋弥七郎・電撃文庫編集部 「アニメ『灼眼のシャナ』ノ全テ」 メディアワークス、2006年10月27日。ISBN 4840235473

脚注

  1. ^ 現在は博報堂DYメディアパートナーズ傘下のショウゲートとなっている。結果的にテレビアニメ第1期はジェネオンエンタテインメントの親会社電通と博報堂グループ(博報堂DYホールディングス)という広告業界のライバルの子会社同士が制作に関わることとなった。同様のケースには「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」などがある。

関連項目

外部リンク

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