機動戦士ガンダムALIVE

日本の漫画

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機動戦士ガンダムALIVE(きどうせんしガンダムアライブ)は、講談社コミックボンボン』2006年11月号より2007年12月号まで連載されたガンダムシリーズ漫画作品。また、これとは別に2006年10月6日発売の「ガンダムマガジン」に掲載された、プロローグ的作品『機動戦士ガンダムALIVE エピソード0(ゼロ)』も存在する。

作者は高山瑞穂シナリオ担当皆川ゆか)。単行本は2007年12月の時点で4巻まで発売されている。

従来のガンダムシリーズとは全く無関係の世界観で、21世紀(すなわち現代)の日本舞台現代兵器では歯が立たない超兵器モビルスーツ侵略を行う謎の軍隊と、「ガンダム」と呼ばれるモビルスーツでそれに立ち向かう主人公たちの戦いを描く。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

時は西暦200X年。東京に謎のロボットが空から落ちてきた。それは、『モビルスーツ』と呼ばれるロボット兵器であった。そして、もう一機のモビルスーツ『ガンダム』が、黒野時夫(くろのときお)というごく普通の少年の前に落ちてきたのだった・・・。

登場人物

主要人物

黒野時夫(くろの ときお)
この物語の主人公。六王子市立村雨中等学校2年生。両親は既に亡くなっており、ひと回り程年の離れた姉と二人暮ししている。
自身の活躍を夢見て行動するも、その思いが空回りして失敗に終わっている。サッカー部に所属してはいるが、やはり、レギュラー獲得はならず。しかしながら、自分には何らかの才能が眠っていると信じるなど、性格は前向き。
ある日、ふとしたことでガンダムと出会い、日常が一変してしまう。
MSの操縦方法に関して何も知らない素人にもかかわらず、負傷していたアイコに代わり敵MSを撃退したが、二度目の出撃の際には対応しきれず窮地に追い込まれており、パイロットとしての操縦技術はまだ未熟である。また、西御門家の保有するMSの訓練システムにもなかなか順応できておらず、彼のガンダムの操縦能力は感覚的なものに依る所が大きい。しかし、訓練開始後からたった3日間で上達を見せるなど、少しずつではあるものの適応を見せ始めている。
劇中でストライクのパイロットがニュータイプと発言(しかしながらそのときの様子はどちらかというとSEED発動時に近いものがある)していたことから何らかの不思議な力(ニュータイプであるにしろないにしろ)を有していると考えられる。その隠された力が発現した際には、エースパイロットをも圧倒する能力を発揮する。
ただし、ひとたび激怒すると見境がなくなることがある。一例として、アイコがブリッツガンダムとの戦いで撃墜されたとき、アイコが戦死したと思い込み、ブリッツを完膚なきまでに切り刻み(パイロットの生死は不明)、投降の意を示してストライクから降りてきた特務隊隊長を(ガンダムのビームサーベルを使って)殺害しようとしたことが挙げられる。
名前は恐らく苗字の「黒野(くろの)」と名前の「時(とき)」を繋げると「黒の時(くろのとき)」となる事から∀ガンダムの『黒歴史』に、また、黒野は英語の"chrono(クロノ、日本語に訳すと『時間』)"にも掛けていると思われる。
アイコ・アンナ・プルナ
年齢不詳のスペースノイド。新型MS搬送中に敵の攻撃を受け、地上に落下し、時夫と出会う。時夫と初めて出会った時の言動からもある程度推測出来るが、その正体は異なる時空から来た未来人である。
ガンダムの正式パイロットだが、追っ手の敵MSに苦戦を強いられる。結局、時夫がアイコに代わり、敵MSは撃退されるが、素人とは思えない時夫の操縦能力に驚愕させられる。
時夫の姉の計らいにより、現在、黒野家に居候中。ガンダム(MS)戦闘時における冷静さから、おそらくかなりの戦闘経験があると思われ、普通の少女として育てられていない事を伺わせる。一方で、時夫が買って来た牛乳に目を輝かせたり(スペースコロニーでは牧畜の効率が悪いため、牛乳は高価で珍しいものとなっている)、奈良の鹿を見て喜んだり、「大おばさま」と呼びかけた朔也を睨み付けてたじろがせるなど、少女(?)らしい一面も見せる。
基本的に男性的な口調で話すが、夢の中に現れた兄・モーリスの「女の子らしい事を一つもさせてやれなかった」という発言に対しては、年相応の少女らしい言葉を返している。
地球降下の際に生き別れになった兄モーリス・エルナ・プルナがおり、朔也から彼についての真実を知らされ衝撃を受けるが、兄の遺志を継ぐべく時夫や朔也と共に侵略者に立ち向かう事を決意する。
時夫の生きている平成の時代に対して、「いい時代だな・・・」という言葉を漏らしている。
ファーストガンダムが実質時夫の搭乗機となって以降、アイコ自身がMSに乗っている場面はしばらく見られなかったが、第12話でガンキャノン量産型に搭乗している。エピソード15ではGファイターのパイロットとなる。
西御門朔也(にしみかど さくや)
時夫の通う六王子市立村雨中等学校に3年生として転入してきた、高貴で理知的な雰囲気を漂わせる少年
その正体は、五百年前から代々『ガンダム』を守護し続けている『鍵守』である西御門家の第18代当主。
そのためか、ガンダムの操縦能力は非常に高い。彼曰く、「真の戦いとは非情」であり、戦闘においては一切の躊躇もなく敵MSを撃墜する。
町を守るために勝手に出撃した時夫がピンチに陥った際に、突如Ζガンダムで現れ、結果的に彼を救う事になる。
しかし、時夫に対して「おまえにはガンダムに乗る資格はない!今すぐその機体を捨て、この場から立ち去れ!」と厳しい言葉を浴びせ、更に、生身において時夫と初めて対面した際にも、「未熟者め!」と一喝している。ちなみに、時夫の事は西御門家の者の調査から知っていたらしい。
「エピソード0」において時夫と共闘する事が仄めかされていたが、本編でもアイコの提言により、彼が戦力になる事を見据え、自分達の時代を守るべく、彼と共に戦う事となる。しかしながら、初期は時夫の操縦能力に半ば疑問を抱いていた。
ちなみに、西御門家は、大財閥であり、大規模なMS工場まで保持している(工場を運営している会社の会長は朔也が務めている)。その先祖は、時空障壁に呑み込まれ500年前の日本に漂着したアイコの兄・モーリス・エルナ・プルナ。つまり、アイコは朔也の大叔母にあたり、彼女が現れる事を待っていた。
コロニー軍が侵攻してくる可能性について、再三に渡り日本政府に警告してきたが、取り合おうとしない政府関係者に憤りを覚えている。
余談だが、「容姿が『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』の登場人物イザーク・ジュールに似ている」と一部のファンの間で囁かれている。
道明寺烈(どうみょうじ れつ)
シャイニングガンダムのパイロット。朔也とは3歳上の幼馴染でもあり、幼少期は熊野で共に修行に励んでいた。
道明寺家の跡取りであったが、戦いを禁じる道明寺家の規定を破ってシャイニングガンダムで戦った事により、破門されている。面倒見のいい性格で、時夫の実戦に近い訓練に付き合ったりもしている。
体術に優れており、精神力も高く、シャイニングによる戦闘でもその能力を遺憾なく発揮しており、飛来する銃弾を拳と蹴りで弾く等の離れ業をやってのけた。
戦闘力は高く、時夫と朔也が苦戦した特務隊5人の内、奈良で襲撃してきた3人を撃退してみせた。ただし、武道家としての意識が抜けきれないのか、バスターの長距離狙撃を卑怯呼ばわりしていた。
余談だが、彼のパイロットスーツにはドモン・カッシュの物とは違い、胸に梵字が描かれている。
K2(ケーツー)
ガンダムを追って地球にやって来たサングラスをかけた謎の男。所属する軍における階級は少佐。
本名を「アルティード・オースティン」といい、モーリスの友人であると同時に、アイコとも面識がある。
指揮官を務めるだけでなく、自身もガンダムXを駆り、時夫や朔也と刃を交える事となる。
その行動理由は、彼らの軍が掲げる「計画」のためだと思われるが、詳細は未だ明らかになっていない(作中で頻出される用語『ゲート』というものが関係していると推察される)。
ゲート建設の際シャア専用機を思わせる赤いズゴックに乗っていた為、上記のサングラスをかけて素顔を隠している事やK2と言う露骨な偽名からシャア・アズナブルのオマージュキャラと思われる。

主要人物たちの関係者

時夫の姉
本名不明。両親を亡くしてからは、弟である時夫と二人で暮らしている。
見ず知らずのアイコに居候する事を提案し、部屋を貸し与え、家族の一員として接するなど、温和でお人好しな性格の持ち主。
街でMSが戦う中、ガンダムに乗って苦戦していた時夫を恐れる事なく叱咤したりする(と言っても外からではMSに搭乗しているパイロットが誰なのかはわからない筈なのだが)辺り、ある意味凄い人物でもある。
山之内
西御門家に仕える執事であり、様々な面で朔也をサポートする後見人的存在。朔也からは「爺(じい)」と呼ばれている。
鍵守の一族・西御門家側の人間であるためか、小型のMSスーツを所持しているだけでなく、アイコの存在も知っていた。
モーリス・エルナ・プルナ
アイコの実兄にしてZガンダムの元々のパイロット。アイコとガンダムを移送する途中にガンダムXの強襲を受け、行方不明となっていたと思われていた。
しかし、実際は、時間障壁に呑み込まれ、500年前の日本に辿り着いており、朔也の先祖である、西御門家の初代となって、この地に留まっていた。
そのため、本作では既に故人となっている。彼の搭乗機であったZガンダムは、彼の遺志と共に後に朔也達西御門家の子孫に受け継がれた。
妹であるアイコに対しては、女の子らしい事を何一つさせてやれなかった事を後悔していたようだ。
道明寺家当主
道明寺烈の父親にして、長年に渡り『ガンダム』を守護し続けている『鍵守』たる道明寺家の現当主。
もともと西御門家には敵愾心を抱いていたが、二度にわたる朔也からの協力要請を、「道明寺家は戦いを放棄した」と称して拒否した。しかし、何故かシャイニングガンダムを保全し続けていたり、特務隊の襲撃を受けてもなお沈黙を保ち続け、そのくせ破門した烈にシャイニングガンダムを与えたままにしたりと、不審な行動が目に付く。

コロニー政府軍および環境省

特務隊隊長
エピソード5にて時夫の世界にやって来た男性で、環境省・環境保全特務隊の隊長。ストライクガンダムのパイロットを務めている。
エリート意識が強く、K2ら軍人達に見下した態度をとっていた。それは時夫に敗れた後も変わらなかった。
地球に下りてきたのはこの特務が始めてらしく、地球の「匂い」を「臭い」と評した。
ローザ
エピソード5にて時夫の世界にやって来た女性で、特務隊の一人。バスターガンダムのパイロットを務めている。
陽気な性格ながら、敵に対してはバスターの能力を生かした執拗な長距離射撃を仕掛ける。
グラン
エピソード5にて時夫の世界にやって来た男で、ローザ同様特務隊の一人。デュエルガンダムASのパイロットを務めている。
厳格そうな顔立ちだが、時夫のファーストガンダムを捕獲しようとはせず、逆に破壊しようする等、かなり好戦的なパイロットである。
司令
K2の上司に当たるコロニー政府軍幹部。時夫たちが少数のモビルスーツしか保有していないことを楽観視している。

登場モビルスーツ・モビルアーマー

  • ファーストガンダム
    • 突如空から落ちてきた謎のMS。正式なパイロットはアイコだが、現在は時夫の搭乗機となっている。
    • 6話でアイコはこの機体を「特別な機体」と呼び、朔也やK2らも重要視していたことから、物語中で重要な機体らしい。時夫の呼びかけに応じて自律機動を行う、空間のひずみを中和する、謎の力場でビームを弾く等、明らかに原作のファーストガンダムとは違う「何か」を持つ機体である。ただし、現時点での装備はオリジナルと同様、オーソドックスなものである。訓練システムで訓練を始めたばかりの際に時夫は、実機は何も考えずとも操縦できるが、訓練システムでは考える必要があると6話で語っている。また、空間のひずみを中和する際にアイコが自分が乗っていた時ではその力を使えなかったと語っており、時夫が持つ「何か」がガンダムが持つ「何か」を発動させる鍵と思われる。エピソード15にてゲートジェネレーターと言う装置が組み込まれていると判明。ビームを弾いていた謎の力場を発生させていたのはこの装置、力場発動時には体当たり以外の攻撃方法が無くなる。
    • 謎のサイコミュシステムが搭載されているらしいが、サイコミュに慣れているパイロットですら激痛に襲われる程のレベルである。
  • Ζガンダム
    • 1話ではモーリス、2話以降は朔也が搭乗している。「エピソード0」での朔也搭乗機がノーマル仕様だったことからモーリス機との関連性が指摘されていたが、6話でモーリスとともに時空障壁に呑み込まれ500年前の日本に漂着、以来西御門一族の手で代々受継がれて来た事が明らかとなる。朔也搭乗機となった現在は武者のような姿に改装されている。この形態での主な武装は日本刀を模した実体剣。無論、Zガンダム最強の武装であるハイパー・メガ・ランチャーも使用可能であり、外装や追加装備を除けば、オリジナルと変わりない機体である。
  • シャイニングガンダム
    • 時夫達が新たな機体を得るために訪れた奈良で、ブリッツガンダムに襲われた際に大仏の中から出現した。戦国時代から存在し、戦国時代にΖガンダムと戦ったことがある機体である。
    • 奈良での戦いではブリッツ、バスター、デュエルASを圧倒した。
    • シャイニングフィンガー、シャイニングフィンガーソード、シャイニングフィンガーシールド、不動明王変化(スーパーモード)を使う。
  • Gファイター
    • ファーストガンダムのデータから作られた機体。アイコがパイロットとなる。ファーストガンダムと合体可能。
  • ガンダムX
    • 本作では謎の男「K2」がパイロットを務める。艦からの送電でエネルギーを賄う為、本来の10%の出力しか出ないものの、サテライトキャノンの威力の高さはMSを消し飛ばすのに十分な威力を有している。時夫のファーストガンダムとの戦いでサテライトキャノンを失うも、ディバイダーを装備する事で格闘戦に有利な機体へと生まれ変わった。ボンボン休刊号での連載で時夫のファーストガンダムに敗れる。
  • ストライクガンダム
    • 7話で、突如「ゲート」から出現し、ゲート発動を阻止しようとした時夫のファーストガンダムへと襲い掛かった機体。イージス、デュエルAS、バスター、ブリッツと共に、時夫の世界にやって来た。イージスとは絶妙のコンビネーションを見せた。
    • 当初はソードストライカーを装備していたが、再登場した際にはエールストライカーに換装している。
    • ブリッツによって覚醒した時男に左腕を落とされ、空中に逃げた時はビームジャベリンでエールストライカーと頭を破壊され、パイロット投降時はコクピットを貫かれるなど、悲惨な目にあわされた。その時パイロットはダッシュで逃げた。
    • なお、SEEDでもストライクはブリッツのコックピットを切り裂き二コルを殺した事で覚醒したアスランの乗るイージスと戦って破壊された。この事からストライクを破壊する機体のパイロットは必ずブリッツが原因で何らかの力に覚醒している。これは単なる偶然か作者がSEED本編を意識したのかは不明。
  • イージスガンダム
    • 高い機動力とスキュラによる強力な一撃で時夫達を苦しめるも、シャイニングにスキュラを破壊され、Zガンダムに破壊された。
    • 本作では大気圏内飛行も可能な様子
  • ブリッツガンダム
    • 奈良での戦いでシャイニングガンダムのシャイニングフィンガーで頭部を破壊され、鹵獲される。その後パイロットは脱走し、ガンダムに乗り奪取しようとしたが、失敗。ブリッツで時夫と戦う途中、アイコの乗るガンキャノン量産型を破壊したが、それにより覚醒した時夫にいとも簡単に破壊された。
  • デュエルガンダム
    • 7話で「ゲート」から出現した5機のガンダムの一体。原作と異なり、アサルトシュラウドがPS装甲に変更されている。レールガン「シヴァ」の威力は健在で、Ζの刀を破損させるほど。
  • バスターガンダム
    • 7話で「ゲート」から出現した5機のガンダムの一体。350mmガンランチャーは弾頭を徹甲弾に変更している模様(原作では散弾しか使っていない)。パイロットはSEED5機の中で唯一の女性。

以下3体はシミュレーションの機体として登場。