フランキー (ONE PIECE)
フランキーは、尾田栄一郎作の漫画『ONE PIECE』及び、それを原作とするテレビアニメ『ワンピース』に登場する架空の人物である。テレビアニメでは矢尾一樹、野田順子(幼少期)が声優を演じている。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
プロフィール
人物
子供の頃から常にアロハシャツを羽織り、ビキニ型海水パンツを穿いている。この海水パンツについて、フランキー自身は「俺の一張羅」と述べている。又、「バトルパンツ」という名前が『ONE PIECE YELLOW』にて判明している。初登場時からルフィと対決するまでは、その上にマントと鉄仮面を着けていた。口癖は「ん~スーパー!」「スーパー○○○○」「今週のおれ~」。ウクレレも弾けるらしく、度々その腕前を披露している。ルフィの7人目の仲間であり、ブルックが加わるまで麦わらの一味で最年長の34歳であった。
麦わら海賊団に入団する前は解体屋の棟梁として「フランキー一家」を率いており、子分達からは「アニキ」と呼ばれ慕われている。トム譲りの感動屋で極めて涙脆く、人情話を聞くと感動して涙を流してしまう(その度に「泣いていない」と強がって言い張る)。麦わら一味の中でも珍しく「悪魔の実」に対してシビアな考えを持っている。キウイとモズからは「アニキ」、その他のフランキー一家からは「フランキーのアニキ」と呼ばれている。
一味のメンバーを、ルフィは「麦わら」、ゾロは「腹巻」、ナミは「姉ちゃん」、ウソップは「長っ鼻」、サンジは「ぐるぐる」、ブルックは「ガイコツ」と呼び、現段階ではロビン・チョッパーのみちゃんと名前で呼ぶようにしている。当初はウソップの件でルフィに嫌われてたが、入団以降はその性格をルフィは好いている。サウザンドサニー号を作る際、買い出し船「ミニメリー号」等、いくつかの小型船も作る等、気の利いた一面も見せる。当然、ミニメリー号は船員全員に大好評で、ゾロ曰く、「最高の心遣い」と評される。但し、シロモクバ1号に関しては、ナミのウェイバーを勝手に改造したものなので、後にこっぴどく怒られるハメとなった。
本人曰く、ベースは「人間」であり「変態」である。その部分を認めてくれる相手に対して照れた表情を浮かべることも有る。変態であることをのぞけば、年長者の為か、比較的まともな感覚と常識を持っている。
来歴
フランキーの元々の本名をカティ・フラムという。10歳の時、海賊の親に捨てられ、W7の廃船島で大砲を作っていたところを、伝説の船大工トムに拾われ弟子に為る。ちなみに彼を「フランキー」と最初に呼んだのは兄弟子・アイスバーグである。
8年前、自身が35号まで建造した戦艦「バトルフランキー号」をCP5主官(当時)スパンダムに悪用され、トムがエニエス・ロビーへ連行されるきっかけを作り出してしまう。連行を阻止すべく、無理やりでも海列車を止めようとするが、轢き飛ばされて瀕死の大怪我を負う。その後、巨大な廃船に漂着し、生き延びる為に己の体に武器や機械を埋め込みサイボーグとなった(但し、1人で改造した為に背面には手が届かず、そこはサイボーグ化していない)。この時に大切な人達を傷つけてしまったことを後悔したフランキーは、戦艦造りに終止符を打つ意味で、右肩に「BF」、左肩に「36」の文字を入れた。両肩の文字を合わせるとBF36、つまりバトルフランキー36号となる。この表記は「フランキーデストロイ砲」使用時に確認できる。
4年前にアイスバーグと再会し、世界政府に目をつけられた彼から「プルトン」の設計図を託され、彼の勧めで本名を捨て、正式にフランキーと名乗るようになる。同時に、アイスバーグからW7を出るよう促されるが、トムへの罪滅ぼしの思いからこれを拒否、ガレーラカンパニーの採用試験に落ちて裏町でのさばっていたザンバイら、グレて酒をたかっていたキウイ・モズ姉妹、飢え死にしそうな連中をまとめ上げ、解体屋「フランキー一家」を旗揚げする。以後、賞金稼ぎとして略奪者からW7を守ってきた。街中では「W7の裏の顔」と呼ばれていた。
ルフィ達とはウソップを襲撃し金を奪い、その結果ウソップが自分達の元を離れてしまった為、当初はいがみ合い敵対していたが、ロビンと共にエニエス・ロビーへ連行された際に、ルフィ達の仲間を思いやる信念とフランキー一家がルフィ達に世話になった事を知って、協力を決意。所持していた「プルトン」の設計図をCP9の目の前で焼却、対CP9戦で共闘する。
エニエス・ロビーの事件後、ルフィ達と和解し、奪った2億ベリーで買った宝樹アダムを使ってルフィ達のために新しい船「サウザンドサニー号」を造る。その後、フランキーに44,000,000(4400万)ベリーの懸賞金が懸けられたことを知った一家の面々に麦わら海賊団への入団を説かれ、アイスバーグの説得もあってW7を出る決意をし、麦わら海賊団に入団する。
作者曰く「出発のモデルはウソップ」と語られている。その共通点を挙げるとするなら、「部下などの見送り」「新しい船を手に入れる」などがある。また、その来歴にも「親が海賊」などの共通点がある。
又、作者曰く「来歴のモデルはナミ」とも語られている。その共通点を挙げるとするなら、「幼い頃に育ての親が自らを守るために犠牲になっている」「自身の本当の親の顔や出身地を知らない」等が有る。
対戦歴
- VS 麦わらのルフィ(麦わら海賊団船長)
- ガレーラの大工達の横槍により中断。
- VS 海イタチのネロ(世界政府直下諜報機関 CP9)
- 勝利。とどめは「アルティメットハンマー」。
- VS 音無しのフクロウ(世界政府直下諜報機関 CP9)
- 勝利。とどめは「70mm口径MAX1.5コーラパワー 風・来・砲」。
- VS 象剣ファンクフリード
- 勝利。睨み付けた後、スパンダムもろとも、投げ倒す。
- VS ゾンビ達(スリラーバーク・兵士ゾンビ)
- 勝利。とどめは「6億B JACK・POT」(ルフィ・ゾロ・サンジ・ロビンとの連携技)。場所はスリラーバーク。
- VS スパイダーモンキー・タララン(スリラーバーク・将軍ゾンビ)
- スパイダーマウス達の不意打ちで敗北。ブルックの助太刀で事なきを得る。
技
サイボーグであるフランキーは体内に様々な兵器を内蔵しており、戦闘ではそれらを作動させて戦う。背中以外はサイボーグである為、前のみならルフィと同じく銃弾が効かない(多少痛みを感じ、血が出ることもあるらしい)。燃料はコーラで、腹部の体内冷蔵庫にセット・吸収する(最大3本までセット可能)。その為、冷え性体質。燃料が切れるとリーゼントが垂れ下がり、体内の兵器を作動させる事が出来なくなり、パワーも出ない。
- ストロング・右(ライト)
- 右拳をロケットパンチの様に撃ち出す。拳は鎖で接続されており、敵の捕獲や体の固定等、マジックハンド的な使い方も可能。なお、登場初期(ウォーターセブンでルフィと戦った際)とエニエス・ロビー戦とでは、分裂箇所が複数存在するためか本体の腕との分裂位置が異なっている。
- ストロングハンマー
- 右手の皮膚のグローブを外し、鋼鉄の拳で殴る。
- アルティメットハンマー
- フランキーケンタウロスでの馬乗り状態から、相手めがけて拳を打ち下ろす。フランキー最強の打撃技。
- フランキー"BOXING(ボクシング)"
- ボクシングの様なファイティングスタイルから繰り出す両拳のコンビネーション攻撃。
- ウエポンズ・左(レフト)
- 左腕に内蔵された砲弾を発射する。この時手首が展開し、手のひらにあるスコープのようなもので照準を合わせる事ができる。
- ビーンズ左(レフト)
- 左手首をスライド展開させ、前腕に内蔵された多連装砲で攻撃する。ウエポンズ・左よりも1発の破壊力は低いが、その分1度に発射される弾数が増えている。
- アウチフィンガー
- 左人指し指に内蔵された銃による射撃。
- ホシ・シールド
- 星のタトゥーが描かれた前腕を肥大させ、相手の攻撃を防ぐ。
- ホシ・シュリケン
- 星のタトゥーを手裏剣の様に投げる。
- フレッシュ・ファイア
- 口から炎を吐く。
- マスターネイル
- 口から無数の釘を飛ばす。
- 風来砲(クー・ド・ヴァン)
- 掌の孔(口径70mm)から高圧の空気を撃ち出す必殺技。威力は消費するコーラの量に応じて調節可能。MAXは1.5(どう1.5なのか、1.5倍なのか1.5リットルなのかその他の単位なのかは不明、だが、おそらく1.5ボトル分のコーラだと思われる)。
- ちょっと風来砲(クー・ド・ヴァン)
- 名の通り威力の低い風来砲。CP9のフクロウとの対戦時に使用し、「超側転鉄塊玉」の回転の勢いを相殺した。
- 風来噴射(クー・ド・ブー)
- 風来砲の派生技。尻から空気を噴射する。主に長距離のジャンプ移動に使用される。実も蓋も無く言えば、凄まじい“屁”なので当然臭い(アニメでウソップによるとコーラ臭いらしい)。
- 作中初使用の際には事前に尻を大きく膨張させ、自爆と偽ってスパンダムらを恐慌状態に陥れた。
- フランキーケンタウロス
- 「変・体!」の掛け声と共に、両脚を下半身ごと前後に分割した4足歩行形態に変形する。但し、前半分しか改造出来なかった為変形するのは前足側だけで、上半身が後足側に位置する「逆ケンタウロス」となる。その奇妙な風体からただのお笑い技に見えるが、4本脚で相手を掴み身動きを封じる効果がある等、意外と実用性は高い。ちなみに何故かパンツが一体化している。
- アニメでは、「変・体!」の台詞と同時にフランキーの背景に「体」の字が表示されたが、対戦していたネロはこれを「変態」と解釈し、背後には「態」の字が表示されていた。
- フランキー無敵(インビンシブル)
- 仰向けに寝転がる事で弱点である生身の後ろ半身を覆い隠す。だが、当然自分の身動きが取れなくなる為、かえって隙だらけになってしまう(冗談交じりだったのか、すぐに立ち上がったが)。対戦時この技を目の当たりにした海イタチのネロは、突っ込む言葉が見つからず絶句してしまった。ジャンプ掲載時には「無敵」のルビが誤って「目に見えない」意味の「インビジブル」になっていた。
- フランキートライアングルジャッカー
- 鋭く硬質化したモミアゲを射出する。射出後にモミアゲは再生されるので、連続使用が可能。
- フランキーデストロイ砲
- 両肩に内蔵されたキャノン砲で攻撃する。フランキーはこれを「追跡砲弾だから回避は不可能」と言っていたが、ロックオンした敵を自動的に追尾する高性能砲弾を発射するのではなく、実際はフランキー自身が敵を追跡して撃つというオチ。使用時には脱臼するほど肩がせり上がり、激痛を伴う為、本人はあまり使いたがらない。
- ヘビーヌンチャク
- 鋼鉄ヌンチャクを石柱などに刺し、武器として使用する。
- フランキー空中散歩(スカイウォーク)
- 板と釘で空中に即興の階段を造りながら登る。ただし、出来た階段は短時間しかもたない。
その他の技
体内冷蔵庫にはコーラ以外の飲み物もセット出来るが、全身の兵器を作動させるには不充分な模様。別の飲み物をセットすると、性格や髪型が、セットした飲み物に反応して変化している。なおこれに気づいたチョッパーは面白がってた。
- 新鮮一番!お野菜パンチ
- 体内冷蔵庫に野菜ジュースをセットした時に使った技。しかし、その威力はコーラ切れの時の鉄拳をも下回る。
余談
作者によると、サイボーグという設定は、子供の頃観ていた『仮面ライダー』や『サイボーグ009』から思いついたとのこと。燃料がコーラなのは作者の好物から(作者曰く「コーラうまいじゃん」)。作者はかつて、公式ガイドブック『ONE PIECE BLUE GRAND DATA FILE』のインタビューの中で「『ONE PIECE』が完結した後、次に描きたい漫画のジャンルは何か」と質問された際に「ロボット物」と答えている。