タイムトラベル

フィクションにおいて時間の流れを超えて過去や未来へ旅行すること

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タイムトラベル (Time travel) とは、通常の時間の流れから独立して過去や未来へ移動すること。「時間旅行」ともいう。他に、移動の様態によって「タイムスリップ」「タイムワープ」「タイムリープ」「タイムトリップ」など多様な表現がなされる。

タイムトラベルの位置づけ

タイムトラベルは、現在では主としてSFファンタジーの分野での舞台設定に利用される概念である。しかし、SFがタイムトラベルという概念を生み出したわけではない。

「時間という制約を超えて、過去や未来に行きたい」という願いは、人類が「時間」という概念を認識して以来、おそらく普遍的な願いとして存在していたものであり、SFというカテゴリが明確なものとして育つ以前より、タイムトラベルをテーマにした物語は語られてきた。例えばダンテの『神曲』では、主人公は古代ローマの詩人ウェルギリウスと直接対面するが、これを過去へのタイムトラベルと解釈することは可能であろうし、また、始皇帝の昔から求められてきた「不老不死」への願望を、長い長い時をかけた未来へのタイムトラベルになぞらえて理解することもできよう。

そういったもともとの背景をもとに、産業革命以降の科学技術の発展、そこから生まれたSFというカテゴリの成長が、さらにタイムトラベルという考え方を物語の類型のひとつとして育てることになったと言えるかもしれない。

なお、現時点では全く実用化のめどは立っていないが、理論物理学などの研究によると、必ずしも「時間」は固定的なものであるとは限らず、従って「タイムトラベル」は絶対不可能なものだとも断言できない。そのためか、タイムトラベルは半ば空想的かつ思考実験的な意味も伴う「楽しい研究対象」としても人気がある。 インターネットの世界ではジョン・タイターという2036年から来たタイムトラベラーを自称する男が、2000年にインターネット上の掲示板へ書き込みを行い、一時話題となった。

余談ではあるが、相対性理論的には、スペースオペラ等に登場するいかなる超光速航法もタイムトラベルの一種とみなすことができる。これは、理論上光速を超えることは許されないため、それより短時間で目的地に着く事は過去にタイムトラベルする事に等しいからである。ただしこれは、「出発点の過去に影響を与えない」という点で、因果律的にはグレーゾーンに分類されるタイムトラベルである。

タイムトラベル物語の類型

タイムトラベルを舞台設定として利用する物語には、いくつかの類型がある。

  • A. 手段による類型
    1. タイムトラベルを実現するメカニズム、「タイムマシン」によるもの。「タイムマシン」は、1895年H・G・ウェルズが発表した『タイム・マシン』に登場したのが嚆矢とされる。
    2. 登場人物の強い願望、あるいは個人的な超能力に由来するもの。
    3. なんらかの天変地異が原因で引き起こされるもの。この類型については「タイムスリップ」や「タイムクェイク(時震)」などと呼ばれる場合がある。
    4. なんらかのゲート(門)が設定され、そのゲートの両側が異なる時間に開いており、そこを行き来することでタイムトラベルが実現されるもの。
  • B. 主人公の意図との関係による類型
    1. 目的地を定めての意図的なタイムトラベルが行われるもの。
    2. いつの時代にタイムトラベルするかがわからない・制御できないもの。
    3. なんらかの不測の事態によってタイムトラベルをしてしまい、そこから物語が始まるもの。しばしば主人公たちはタイムトラベルをしたことにしばらく気付かない。
    4. 明確なタイムトラベルは結末に至るまで示されず、種明かしとしてタイムトラベルが生じていたことが明らかになるもの。

タイムトラベル物語の歴史といくつかの構造

タイムトラベルの概念自体は決して新しいものではなく、たとえば『浦島太郎』や『リップ・ヴァン・ウィンクル』などのおとぎ話にも魔法や不思議な現象として、タイムトラベルの原型を見出だすことができる。近代文学の中にも当然のようにタイムトラベルは登場してきており、『アーサー王宮廷のヤンキー』(マーク・トウェイン)などが有名である。

エポックメイキングな作品としては、1895年H・G・ウェルズが発表した『タイム・マシン』が初めて意識的にこのアイディアを使用したものとして特筆される。この作品は、ウェルズが産業革命の影響を受け、時間も機械により移動可能な対象とできるのではないかというアイディアを思いついてタイムマシンを創出したものと考えられている。

ウェルズの『タイム・マシン』は未来への時間旅行を題材としたが、その後のSF作品では未来だけではなく過去への時間旅行を扱った作品もまた多く生み出されている。これらの作品では、必ずしもタイムマシンの登場は必須ではなく、超能力によるタイムトラベルや超常現象によるタイムトラベルなども含まれている。

作品の傾向として、未来への時間旅行は『タイム・マシン』に代表されるような悲観的な未来社会が題材とされる場合が多い。これはウェルズの作品が当時のイギリスの階級問題や労働問題を未来社会に準えていたように、現代社会の問題点を未来に投影し描くことで現代に問題を提起する作家の意図が強いためである。

一方、過去への時間旅行では現代と過去で繋がる問題や危機が頻繁に題材とされ、過去の改変により現代の事象も影響を受けるタイムパラドックスにより、歴史が書き換わった場合に訪れる危機や現代の悲観的状況を打開するドラマが多く描かれている。また不可逆的な時間を遡る現象の特性から、経験してきた時代をもう一度体験したい、生前の時代を垣間見たい、人生をやり直せたらとの読者の願望を反映したノスタルジックな内容の作品も少なくない。これらは歴史小説的側面を持つ作品もある。過去への時間旅行は、荒唐無稽になりがちな未来社会を扱った作品よりも、時代考証や史実を踏まえることでよりリアルな描写が可能である。そのためか、現代への影響が想像しやすく読者が感情移入しやすいという評価もある。

タイムパラドックス

タイムパラドックス(Time Paradox / 時間の逆説)とは、タイムトラベルに伴う矛盾や変化のことであり、物語のテーマとしてしばしば扱われる。具体的には、時間旅行した過去で現代(相対的未来)に存在する事象を改変した場合、その事象における過去と現代の存在や状況、因果関係の不一致という逆説が生じることに着目したものである。

SF作品の中においてタイムパラドックスは、歴史に関わる重大な出来事や危機、思考実験として頻繁に題材とされている。タイムパラドックスによる危機やその回避のサスペンス性、展開の意外性による面白さが時間を題材とするSFで多用される理由で、作品の醍醐味ともなっている。

タイムパラドックスの最も有名な例に、親殺しのパラドックスと呼ばれるものがある。過去へ遡った時間旅行者が自分の誕生前の両親を殺害した場合、両親は自分を生む前に死亡するので自分は「生まれていなかった」事になるが、自分が生まれていないならば両親が死亡する理由がそもそもなくなる…と言う矛盾である。現代に存在している事象の成立を過去で阻害するものとしては、過去に戻ってタイムマシンの発明を妨害する、過去の自分自身を殺すなどの類型がある。

矛盾が生じない場合でも、過去の改変が未来に与える影響を扱った作品も多い。これには些細な過去の改変がバタフライ効果のように連鎖しながら拡大波及し、未来の方向性を大きく変更してしまうとする立場と、些細な改変は一時的なゆらぎに過ぎず、その後は収束し未来の方向性に大きな影響を与えないとする立場がある。SF作家のポール・アンダースンは、歴史に大きく関わる人物の暗殺や史実の妨害など、未来社会に重大な影響を与える歴史の改変を防ぐための組織のアイデアを、オムニバス長編『タイムパトロール』(Gurdians of Time、1960年)で発表した。またこの小説では「歴史が改変可能であるならば、何をもって正しい歴史とするか」という疑問も提示されている。

タイムパラドックスと矛盾

タイムパラドックスの矛盾を説明するため、時間旅行者による歴史の改変で時間軸が分岐し元の世界と平行した別の世界が生まれるとするパラレルワールドの概念がある。この概念を発展させ、時間旅行者の介在がなくとも歴史上の重要なポイントで世界が枝分かれしていると解釈する立場もある。この概念を大幅に作品に取り入れた最初期の小説に、可能性として存在する二つの歴史「ジョンバール」と「ギロンチ」の抗争を描いた、ジャック・ウィリアムスンの『航時軍団』(The Legion of Time、1938年)がある。

このパラレルワールドの発想に類似したものに、量子力学多世界解釈がある。これは物理的な相互作用が時間上にも及ぶとするもので、この理論に基づくと、過去の改変が行われても素粒子レベルで世界の再構成が行なわれるため、結果としてタイムパラドックスは生じない。

一方で、こうしたタイムパラドックスを全く否定する立場もある。例えば、「もし時間を逆行できるタイムマシンが存在するならば、あってはならない矛盾が想定される。したがってタイムマシンは存在しない」との背理法に基づき、時間は一方通行で流れ逆行できないとする考え方がある。また、時間旅行者による歴史の改変が現代の歴史に含まれるという考え方もある。

他にも、「現代には未来人が来ていないから、タイムマシンは存在しない」とする説があるが、これは宇宙人動物園仮説と同様に、未来人が正体を隠していたり、周囲の現代人の記憶を改変していたり、あるいは未来でタイムトラベルが厳しく制限されていたりする可能性もあるので、「来ていない」だけで決めつけるのは早計であろう。

また意図的にタイムパラドックスを起こそうと努力しても、その行動は必ず妨害されタイムパラドックスの成立が阻止されるとした作品もある。親殺しのパラドックスを例に取ると、過去に遡り親の殺害を試みても成功しないか、そもそも過去に移動できないとしている。ロバート・A・ハインラインの短編『時の門』(By His Bootstraps、1941年)など、タイム・パラドックスの論理性を追求した一群の作品の中では、「時間旅行者による歴史の改変自体が歴史に含まれており、タイムパラドックスは起こり得ない」との解釈がなされている。

またSF作家のラリー・ニーヴンは、『タイム・トラベルの理論と実際』(The Theory and Practice of Time Travel、1971年)と題したエッセイの中で、もし歴史の流れが一本道であり、時間旅行によって歴史が改変可能であるならば、幾度もの時間旅行者による歴史の改変を経た末に、最終的に人類の歴史は、「タイムマシンが存在せず、時間旅行者が決して現れない歴史」として安定するのではないか、と述べている。

これらのような架空の理論や仮説に基づく過去や未来との因果関係の矛盾に着目したものとは別に、論理パズル的なタイムパラドックスもいくつか考案されている。これらは論理的には矛盾はないのに、あり得ないようなことが起こる事象を題材としたもので、その多くは現実の物理学や量子力学上の考察を要求する要素を含んでいる。

【例】『マイナス・ゼロ』(広瀬正)より

現代で買った新品のライターを持つ男がタイムトラベルし、過去へそのライターを忘れてくる。実はそのライターは第三者により時を経て現代に存在する忘れてきたライターと掏り替えられており、新品で買ったライターはタイムトラベルをせず現代に存在する。タイムトラベルをするライターは現代と過去を無限ループとして往来する存在であるが、現代に新品がある限りそのライターはどこで買ったものでもない。

このパラドックスではなぜこのようなライターが存在するか、またこのような存在となった時点でライターの分だけ宇宙の質量が増えたのではないのか、そして時を経ても永久に古くならず傷すらつかないのではないか、との問題が提起されている。1960年代に書かれたこの小説のパラドックスは小説『存在の環』(P・スカイラー・ミラー、1944年)で提示されたものの類型であるが、1990年代にスティーブン・ホーキング博士がこれに類似する概念を持つ閉時曲線と量子効果の仮説を示し、過去へのタイムトラベルを否定する論拠としている。小説では言及されていないが、このタイムパラドックスは「掏り替えた人間の意志が、特異な物質の存在や状態を創出した」という観測問題的側面も内包している。

タイムマシンのパラドックス

タイムマシンで過去に旅をすると、途中でそのタイムマシンの製造過程を通過するためタイムマシンは分解する、またはそのタイムマシンがまだ作られていないのに、原料とタイムマシンが同時に存在して、質量保存の法則に矛盾してしまう。特殊相対性理論的な考え方からすれば奇妙な記載。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。

時間旅行活劇

時間旅行を扱った作品にはタイムパラドックスのような論理性や理詰めにはあまり拘らず、自由な発想で時間旅行やそれに伴う世界観を描いた活劇的内容の作品もある。

シミュレーション的要素を重視し、もし歴史が変った場合に存在するかも知れない世界を描いた、SFで言うIf世界(仮定世界)を構築した作品として、『モンゴルの残光』(豊田有恒)や『スーパー太平記』(手塚治虫)などがある。

また、過去に飛ばされた現代人、未来から現在に飛ばされてきた未来人が、その高度な知識を援用して救民や社会変革を目指すという類型もあるが、そういった類型でもタイムパラドックスはあまり重視されない。小説『闇よ落ちるなかれ』(L・スプレイグ・ディ=キャンプ)のように、現代の科学知識や技術を用いて過去で主人公が活躍する冒険活劇としてエンターテイメント性を重視したものや、漫画『JIN-仁-』(村上もとか)のように、20世紀の医療技術で江戸時代の人々を救おうとするヒューマンドラマ仕立てのものなど、多くの事例が挙げられる。

また、歴史上の謎を時間旅行により解明するという趣向の作品もある。これらの作品の例としては、タイムトラベルにより恐竜絶滅の原因が解明される『さよならダイノサウルス』(ロバート・J・ソウヤー)がある。

時間旅行の概念は、短編集『時との戦い』(アレッホ・カルペンティエール)などSF以外の文学的な作品においても、題材や表現手法のひとつとしても使用されている。

情報タイムトラベル

人間がタイムトラベルに対して抱く願望の一つに、「現在の知識を保ったまま過去に赴き、現在にとって有利な結果になる様に過去を改変したい」というものがある。これを逆にとらえて、未来に関する情報を元に現在の行動を決定するのも一種のタイムトラベルであると言える。

超光速通信と同様に、物質でなく情報のみであれば物理的制約に縛られずに過去に送り届けることができる可能性も高い。SF作品においては、何らかの災厄に襲われた人間(人類)が過去に警告を送るという内容のものが多い。またアイザック・アシモフファウンデーション・シリーズに登場する心理歴史学の様な、極めて精度の高い未来予測も一種の情報タイムトラベルとみなすことができる。

現実にも、将来的に社会に大きな影響を及ぼす情報を他人より先に入手するという形で似たような効果を得ることは可能であり、有名なものとしてはナポレオンワーテルローの戦いにおける敗北の報をいち早く入手し、その後の株価変動を予測した売買で巨額の利益を得たネイサン・ロスチャイルドの例がある。

タイムトラベルの可能性

素粒子のタイムトラベル

タイムトラベルをすると考えられているものに素粒子がある。リチャード・P・ファインマンによれば反粒子は時間を逆行している正の素粒子である。この考え方はディラックの海の持つ問題点を解決している。タイムトラベルを否定する物理法則はまだ発見されておらず、タイムトラベルが実現可能か否かは物理学者の間でも意見が分かれている。現在タイムトラベルは物理学の研究対象のひとつであり、単なる空想の産物に止まるものではない。

タイムマシンの開発

タイムマシンの開発・実現可能性については「タイムマシン」の項目のタイムマシンの研究を参照。

未来へのタイムトラベル

未来への一方通行のタイムトラベルなら、ウラシマ効果コールドスリープ(冷凍睡眠)により自身の時間経過を遅らせることで理論上は可能である。

タイムトラベルが登場する作品


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


注意

むやみにリストが長くなるのを防ぐため、タイムトラベルの項目に付け加えるのが適切かどうかをよく考えた上での加筆するかどうかを決めて下さい。記述は「タイムトラベルの手段/概要」。

本項目では、メディアごとに年代順に作品を紹介している。タイムトラベルという概念は、時代とともに変遷をとげてきており、時代順に作品を眺めることで「タイムトラベルの進化と発展」を俯瞰できる一覧とすることを念頭に置いて編集されている。

小説

タイム・マシンH・G・ウェルズ1895年
角川文庫版:ISBN 4042703062
タイムマシン/タイムマシンの開発者が未来にタイムトラベルを行い、社会構造により変化した人類の姿に愕然とする。タイムトラベルものの古典で2回(1960年2002年)映画化されている。
航時軍団(ジャック・ウィリアムスン1938年
タイムマシン/二つの世界「ジョンバール」と「ギロンチ」は、人類史のある時点から派生する二つの未来(平行世界)である。どちらか一方の歴史が確定すれば、もう一方は消滅する。二つの世界は、歴史の分岐点となったある出来事をめぐって総力戦を続けていた。そして今、消滅の危機に陥ったジョンバールを救うべく、航時軍団のクロニオン号が時間流を遡る。平行宇宙(パラレルワールド)の概念を初めて扱ったSF。
イシャーの武器店(A・E・ヴァン・ヴォークト1949年
事故によるタイムスリップ/7000年後の未来を舞台に、イシャー帝国と武器製造業者ギルドの抗争を描く。サブプロットとして、帝国によるエネルギー攻撃に巻き込まれ、過去から未来への往復を繰り返す運命となった現代人クリス・マカリスターが登場。
宇宙の小石アイザック・アシモフ1950年
事故によるタイムスリップ/事故により20世紀から銀河帝国黎明期の地球にタイムスリップした仕立屋シュヴァルツが、銀河系滅亡を目論む陰謀に巻き込まれていく。
時果つるところ/百万年後の世界(エドモンド・ハミルトン1951年
天変地異によるタイムスリップ/突然のタイムスリップでひとつの町が丸ごと百万年後の世界に飛ばされてしまう。「時果つるところ」が正規版、「百万年後の世界」がそのジュブナイル版。
永遠の終りアイザック・アシモフ1955年
タイムマシン/人類の歴史を調整する時間管理機構「エターナル〈永遠〉」に属する主人公ハーランと、その恋人ノイエスの運命を描いたアシモフ唯一の時間テーマ長編。通常のタイムパトロールと逆に、エターナルが人類の安泰のために積極的に歴史改変を行っている点が異色である。
夏への扉(ロバート・A・ハインライン) 1957年
早川書房版 :ISBN 4150103453
タイムマシン/ダニエル・ブーン・デイヴィスは恋人と親友に騙され、コールドスリープに入れられる。目覚めた30年後の世界でタイムマシンの存在を知るが、それは作用・反作用の法則と類似の原理により2つの同質量の物体をそれぞれ過去と未来へと送るもので、どちらの物体を過去に送るかは制御できないものだった。SF部門のオールタイム・ベストを選ぶ企画では頻繁に選出されている一冊。
トムは真夜中の庭で(フィリパ・ピアス1958年
岩波書店版 :ISBN 4001140411
ゲート/両側で時間の流れが異なるゲートの別々の側に住む、少年と少女のボーイミーツガール。しかし彼女の方が成長が早く……。
輪廻の蛇(ロバート・A・ハインライン) 1959年
早川書房版 :ISBN 4150104875
タイムマシン/孤児だった娘ジェーンはある男に恋をし女の子を生むが、男はその直後に姿を消し赤ん坊も行方不明となる。病に倒れた失意のジェーンは特殊な治療により回復、タイムマシンの存在を知る。自分を裏切った男に復讐するため、タイムマシンで時を遡るが……。タイムパラドックステーマの究極と評される。
タイム・パトロール(ポール・アンダースン1960年
早川書房版 :ISBN 4150102287
タイムマシン/正常な歴史の流れを妨げ、捻じ曲げようとする時間犯罪者を取り締まるタイムパトロールが活躍する。しかしその裏には……。
TERRAの工作員シリーズ(ラリー・マドック1966年
東京創元社版、全4巻 (1)空飛ぶ円盤 :ISBN 4488642012(2)黄金の女神(3)エメラルドの象(4)タイム・トラップ
タイムマシン/銀河連邦の「時間エントロピー修復機関 (TERRA)」は、地球の歴史に干渉する時間犯罪組織「エンパイア」に対し、工作員ハンニバル・フォーチュンとウェプリーを地球へ派遣した。地球へ潜入した2人は、地球人が「空飛ぶ円盤」と呼ぶ存在がエンパイアの航時輸送機であることを突き止める。SFスパイアクション小説。
テクニカラー・タイムマシン(ハリイ・ハリスン1967年
早川書房 :ISBN 4150101930
タイムマシン/倒産寸前の弱小映画プロが、起死回生の妙手としてタイムマシンによるドキュメンタリー映画の撮影を思いつく。ドタバタ・ユーモアSF。
夕ばえ作戦(光瀬龍) 1967年
タイムマシン/高校生・砂塚茂が手に入れたガラクタはタイムマシンだった。茂たちは訪れた過去の世界で忍者一族の争いに巻きこまれてしまう。NHK少年ドラマシリーズにて映像化もされた、ジュブナイルSF短編の代表作のひとつ。
モンゴルの残光(豊田有恒) 1967年
タイムマシン/黄色人種優位の世界が築かれた架空の未来より、第8代モンゴル帝国皇帝・仁宗の宮廷へ送り込まれた白人シグルトの活躍を描く歴史改変SF。
ふりだしに戻る(ジャック・フィニイ) 1970年
 過去の再現/ 主人公のサイモンはある日、過去への旅を研究している機関から勧誘を受け実験に志願する。その方法とは、過去からまったく変わっていない場所で、その時代とまったく同じ生活をすることでその時代を完全に再現することにより、その時代に意識を同調させ過去へと転移するというものだった。ロマンスに彩られ特異な時間旅行の手法とノスタルジックな文体で知られる作品。続編に「時の旅人」がある。
マイナス・ゼロ(広瀬正1970年
タイムマシン/昭和38年の東京から、タイムマシンにより戦前の昭和7年に取り残された主人公浜田俊夫の半生を描く。日本を代表する時間テーマ作家・広瀬正の処女長編。
美亜へ贈る真珠(梶尾真治1971年
早川書房版 :ISBN 4150307318
時の流れを遅らせる小部屋/時の流れが遅い小部屋にこもって未来へ旅しようとする男と、現代に残った女の恋物語。
戦国自衛隊半村良1971年
天変地異によるタイムスリップ/近代兵器を装備した自衛隊の小隊が戦国時代に飛ばされてしまう。
時をかける少女筒井康隆1972年 - 映画化・ドラマ化(『タイム・トラベラー』)
新潮社版 :ISBN 4041305101
薬物による超能力/平凡な少女が、突然時間移動の超能力者となってしまう。未来の科学者が、過去の植物を研究するためのタイムトラベルに使用した薬物が原因であった。ジュブナイルSF短編の代表作のひとつ。
笑うな(筒井康隆) 1975年
新潮社版 :ISBN 4101171114
タイムマシン/タイムマシンを作った男が、友人に「笑うなよ」と自作のマシンを紹介した時点へ、繰り返しタイムトラベルする。同名の短編集中の一作。筒井康隆のスラップスティックSFショートショート作品の代表作のひとつ。
七瀬ふたたび(筒井康隆) 1978年
超能力によるタイムトラベル/テレパス(読心能力者)の七瀬と、様々な超能力者の対決を描く連作アクションSF。第3話「七瀬 時をのぼる」で、タイムトラベラー・漁藤子が登場(ただしこれは、時間移動ではなく並行宇宙への移動である可能性が、能力者本人によって指摘されている)。
タイムスケープ(グレゴリイ・ベンフォード1980年
過去への通信/環境汚染により破滅に瀕した1998年の地球から、1962年のカリフォルニアへ破滅を食い止めるためのメッセージが送られる。タキオンによる過去への通信を題材としたハードSF
未来からのホットライン(J・P・ホーガン1980年
東京創元社版 :ISBN 4488663060
過去への通信/過去や未来と情報をやりとりできる装置を発明したマッドサイエンティストの叔父と助手の主人公は、時空の構造を解明していく。おりしも人類すべての存亡に関る危機が発生、主人公は過去の自分に警告を送る。
ふたりは屋根裏部屋で(さとうまきこ)1985年
あかね書房:ISBN 9784251061348
昭和59年に新しく越して来た古い西洋館の家には「あかずの間」があった。主人公の少女エリが1人で留守番する時だけ「あかずの間」が開く。扉の向こうは昭和9年。昔その西洋館に住んでいた少女ルミナとの友情を描いた作品。
8ビットの魔術師(東野司1990年
早川書房 :ISBN 4150303363
過去への通信・ゲート/ネット上の情報だけがタイムトラベルする。ネット探偵局ミルキーピアの社員・片山秀人は、自分の意識をネット上のバーチャル空間に移す「ネットもぐり」が特技である。開発中ハードウェアの過去に飛んでしまった演算処理結果を持ち帰るという依頼を受ける。ミルキーピア物語シリーズの第6作(4巻目)。
創竜伝田中芳樹1987年 - 現在
講談社版
タイムマシン/竜王四兄弟は崑崙(仙界)を訪れ、宝貝「辰航」で時間旅行をする。空間を移動することと時間を移動することは同義という理論が語られる。
それゆけ!宇宙戦艦ヤマモトヨーコ庄司卓1993年 - 現在
富士見ファンタジア文庫版
並行世界間移動による擬似的タイムトラベル/相対未来の30世紀、応用時間工学技術者カーティス・ローソンが事象転換機「クロノスブレインシステム」を開発。相対過去の現代人洋子たちを、宇宙戦艦のパイロットとして勧誘する。2つの世界は時間軸が千年ずれたパラレルワールドであり、タイムパラドックスは発生しえない。
タイム・シップスティーヴン・バクスター1995年
早川書房版 上:ISBN 4150112215 下:ISBN 4150112223
タイムマシン/H.G.ウェルズ遺族が公認した「タイムマシン」の続編。
時と人 三部作(北村薫
スキップ 1995年
新潮社版 :ISBN 4101373213
睡眠によるタイムスリップ/昼寝をしていた17歳の真理子は、目覚めると夫も子供もいる42歳の国語教師に「スキップ」していた。失われた時間の大きさに戸惑いながらも、真理子は前に進もうと決心する。「やり直しもの」とは全く逆の異色の作品。
ターン 1997年
新潮社版 :ISBN 4101373221
交通事故によるタイムスリップ/29歳の版画家、真希は交通事故に遭ってしまう。それをきっかけに、自分以外は誰もいない世界にスリップしてしまい、一日ごとに一定の時間に「ターン」してしまう。残酷にも、毎日の営為は残らない。やがて、一本の電話がかかってくる……。
リセット 2001年
新潮社版 :ISBN 4101373280
(輪廻転生)/第二次世界大戦中の神戸。しし座流星群を見ようと約束していた修一と真澄は、戦火に引き裂かれ、修一は戦死してしまう。世は変わり、しし座流星群まであと4年となった年、出版社勤務の真澄は小学5年生に「リセット」された修一に出会う。
地下鉄に乗って浅田次郎1995年
徳間書店刊ISBN 4-19-860081-3 ほか
主人公らが、1994年から1964年、終戦直後などにタイムスリップを繰り返して、知らなかった父親の人生と向きあう。
タイム・リープ あしたはきのう高畑京一郎1995年
メディアワークス版 :ISBN 4073030604
意識(記憶)のタイムトラベル/平凡な女子高生、鹿島翔香はある日自分が昨日の記憶を無くしていることに気付く。彼女の日記には、自分の筆跡で見覚えのない文章が書かれていた。それは明日の自分からの手紙だった。
タイムラインマイケル・クライトン1999年
タイムマシン/14世紀のフランスを舞台に、行方不明となった歴史学者の捜索を描く冒険活劇。この作品内の過去の世界は、量子力学の多世界解釈によるパラレルワールドとして描かれる。
蒲生邸事件宮部みゆき2000年
文藝春秋 :ISBN 4167549034
超能力によるタイムスリップ/主人公の少年が、都内の古びたホテルで出会った不思議な男。ホテルが火事に見舞われた際、男は成り行きで少年を過去の同じ場所にタイムスリップさせる。そこはホテルの前身であった「蒲生邸」。時は昭和11年2月26日。折しも「二・二六事件」のさなかであった……。
涼宮ハルヒシリーズ谷川流2004年 - 現在
角川書店 :ISBN 4044292019
「時間遡行」: TPDD(概念による時間移動デバイス)/平凡な高校生キョンがエキセントリックな少女涼宮ハルヒに出会ったとこから驚くべき非日常が展開し……。主要なエピソードで繰り返しタイムトラベルが用いられ、それに伴うタイムパラドックス、バタフライ効果など様々なSF的現象が取り上げられている。
サマー/タイム/トラベラー (新城カズマ2005年
早川書房版 :(第一巻)ISBN 4150307458:(第二巻)ISBN 4150308039
地方都市に住む高校生の一人が、3秒間だけ未来へのタイムトラベルを行った。彼女の友人達はその調査に乗り出すが……。本編中、タイムトラベルを扱ったSF小説が列挙され、カテゴリによる分布図の作成や分類が行われている。

映画

タイムマシンアメリカ映画1959年2002年
タイムマシン/タイムトラベルものの古典であるH・G・ウェルズの小説の映画化。1960年版はSF映画の巨匠ジョージ・パルが製作・監督をした。2002年版はH・G・ウェルズの曾孫にあたるサイモン・ウェルズが監督をつとめた。2002年版にはタイムパラドックスの要素も持ち込まれている。
猿の惑星シリーズ(アメリカ映画) 1968年 - 1973年
相対性理論による遅延・ほか/宇宙船が不時着したのは、猿が人類を支配する惑星だった。有名なラストシーンで、未来の地球にタイムスリップしたことが明かされる。3作目の『新・猿の惑星』では過去へのタイムトラベルが描かれ、シリーズ全体を通して歴史改変テーマが扱われている。
スーパーマン(アメリカ映画) 1978年
タイムスリップ/クライマックスにおいて、死亡した恋人を救うべく時間遡行が行われる。トンデモ理論に基づく珍タイムスリップとして知られる。
戦国自衛隊(日本映画) 1979年
天変地異によるタイムスリップ/先述した半村良の同名の小説が原作であるが、原作小説とは異なりアクション作品となっている。
ある日どこかで(アメリカ映画) 1980年
個人的意思によるタイムスリップ/互いに違う時代に生きる男女が、時間の壁を越えて愛し合うカルトSF恋愛映画。ストーリーはよく練られているが、細部に矛盾が散見されるのが惜しまれる。科学的・技術的な裏づけがまったくない、強烈な意思のみによるタイムスリップが描かれている。
ファイナル・カウントダウン(アメリカ映画) 1980年
天変地異によるタイムスリップ/米海軍の最新鋭航空母艦ニミッツ」が、太平洋戦争勃発直前の真珠湾沖にタイムスリップしてしまう。歴史を改変すべきかどうか苦悩するクルー。そこに再びタイムゲートが現れるが……。
タイム・アフター・タイム(アメリカ映画)(米国公開は1979年、日本公開は1981年
タイムマシン/H.G.ウェルズが完成させたタイムマシンを奪い、切り裂きジャックが未来に逃走した。責任を感じたウェルズはジャックを追って現代のアメリカに降り立つ。
フィラデルフィア・エクスペリメント(アメリカ映画) 1984年
事故によるタイムスリップ/第二次世界大戦中に行われた軍の極秘実験「フィラデルフィア・エクスペリメント」。だが艦船のステルス化実験は失敗に終わる。一方駆逐艦エルドリッジから二人の水兵が消失、彼らは1984年にタイムスリップしてしまう。未来世界に驚く二人の身体に異変が起こり始め……。続編あり。
ターミネーターシリーズ(アメリカ映画) 1984年-
タイムマシン/未来社会、人類抹殺を図るコンピュータ「スカイネット」は、人類側のリーダーを無力なうちに抹殺すべく殺人ロボットを過去に派遣、同じくタイムトラベルした人類側戦士と死闘を繰り広げる。シリーズ全体でこの構図は不変だが、2作目では逆に主人公側がスカイネットの出現を阻止して未来を変えようと試みる。
バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ(アメリカ映画) 1985年 - 1990年
タイムマシン/主人公の友人の科学者が開発した、スーパーカーデロリアン」を改造した自動車型タイムマシンによる冒険活劇。過去に遡った主人公は父親と母親の恋路を邪魔してしまう。このままでは自分は生まれない、という逆タイムパラドックスもの。全編タイムスリップだらけである続編のPART2・3は、綿密に細部を調整した上で、矛盾が生じないようほぼ同時制作されている。
スタートレックIV 故郷への長い道(アメリカ映画) 1986年
タイムマシン/地球に謎の宇宙船が接近、甚大な被害が発生する。ザトウクジラからの通信が途絶えたことが原因と判明。クジラを未来に連れ帰るためにエンタープライズの面々が、宇宙船バウンティ号で20世紀に向けてタイムトラベルを敢行する。
グランド・ツアー(アメリカ映画) 1991年
パスポート型タイムマシン/事故で妻を亡くし娘のヒラリーと二人暮しのベンが自宅を民宿へ改装しているところへ、謎の旅行者達が強引に宿泊してしまう。彼らは未来から来た過去の惨事を見学するツアー参加者だった。ベンは彼らの正体に気が付くが、時すでに遅く未曾有の惨事が起こってしまう。タイムパラドックスも許せてしまうSFファンタジー作品。
ゴジラvsキングギドラ日本映画1991年
タイムマシン/1992年の東京に出現したUFOから現れた23世紀の未来人はゴジラの脅威を警告する。未来人と現代人は1945年にタイムトラベルし、後にゴジラとなる恐竜「ゴジラザウルス」を別の場所に転送することでゴジラを抹殺するが、今度はゴジラではなくキングギドラが出現してしまう。その背後には未来人の恐るべき陰謀が隠されていた。さらに、転移させた恐竜が別の要因でゴジラとして復活、北海道でキングギドラと激突する。
スタートレック ファーストコンタクト(アメリカ映画) 1996年
タイムマシン/機械生命体「ボーグ」による過去の地球への干渉を阻止すべくタイムトラベルしたエンタープライズ一行は、人類初のワープ飛行実現に協力することになる。
ジュブナイル(日本映画) 2000年
ワームホール利用タイムマシン/2000年夏、祐介・岬たち4人のもとに謎の超高性能ロボット「テトラ」が送られてくる。その頃地球には、地球の海を奪おうとする宇宙商人ボイド人の宇宙船団が迫っていた。ボイド人にさらわれた岬を救うため、地球を守るために祐介はテトラと共に戦いを挑む。
リターナー(日本映画) 2002年
タイムマシン/2084年、宇宙生物「ダグラ」の侵略により、人類は滅亡の危機に瀕していた。レジスタンスは「戦略時間兵器」という時空移送装置を使い、最初のダグラを抹殺・歴史を変えようとしていた。その時代、2002年に送りこまれた14歳の少女兵士ミリは、銃の使い手の現代人ミヤモトと共にダグラ抹殺を試みるのだが……。
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 2002年
一種のゲート/野原しんのすけは自宅の庭から「天正2年」と書かれた謎の絵を掘り返したことで、戦国時代にタイムスリップしてしまう。しんのすけは侍の井尻又兵衛由俊と意気投合、後を追ってきたしんのすけの家族と共に、戦争を仕掛けてくる隣国と戦う。同シリーズには、同様に戦国時代を舞台とするクレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望1995年。こちらはタイムマシン)がある。過去だけでなく未来への場合もある。(クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃
戦国自衛隊1549(日本映画) 2005年
陸上自衛隊が開発した対プラズマ用人工磁場シールドの稼動実験中の事故により、実験中隊が戦国時代にタイムスリップしてしまう。タイムパラドックスの発生により滅亡の危機に陥った現代を救うため、遭難した実験中隊の救出部隊が編成され、人工的に同じ状況を造りだしてタイムトラベルを敢行する。
サマータイムマシン・ブルース(日本映画) 2005年
タイムマシン/大学のSF研究会に、突如タイムマシンが出現する。これ幸いと、部室のクーラーの壊れてしまったリモコンを過去の部室から持ってくるのだが、よく分からないうちに大混乱した事態を収拾すべく四苦八苦する羽目になる。前述のバック・トゥ・ザ・フューチャーへのオマージュ作品。
この胸いっぱいの愛を(日本映画) 2005年
タイムスリップ/小学校時代を過ごした福岡の門司を出張で訪れた鈴谷比呂志は、20年前にタイムスリップしてしまう。比呂志は病死してしまった初恋の女性と再開、彼女を救おうとする。
サウンド・オブ・サンダー(アメリカ映画) 2006年
タイムマシン/西暦2055年、「過去を変えてはならない」「過去に痕跡を残さない」「過去の物を持ち帰ってはならない」という三原則のもと、タイムトラベルが実現していた。だが、6500万年前への時間旅行ツアーの参加者が知らずにある物を持ち帰ってしまい、6500万年の別系統の進化の波「タイムウェーブ」が現代の世界に襲いかかる。レイ・ブラッドベリの短編『いかずちの音』が原作。
仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE(日本映画) 2006年
タイムパラドックス/仮面ライダーカブトの資格者・天道総司は、不治の病に罹った妹・日下部ひよりを救うべく過去の改変を計画するが……。ラストシーンで発生したタイムパラドックスが、TVシリーズ第一話の冒頭にリンクするかのような展開となっている。
バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(日本映画) 2007年
タイムマシン/2007年、財政赤字と高齢化の進行で日本は破綻しつつあった。フリーター・田中真弓は財務省の役人・下川路功の依頼を受け、バブル崩壊の阻止と過去の世界で行方不明となった母を救うべく、バブル崩壊直前の1990年3月へと向かう。タイムマシンは日立家電製作所に勤める主人公の母による洗濯機の水流実験の中で偶然誕生したものであり、形状はドラム式洗濯機そのものである。
劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!(日本映画) 2007年
タイムマシン/時の列車「デンライナー」が、牙王(仮面ライダーガオウ)率いる列車強盗団にジャックされた。牙王は戦国時代にタイムスリップし、真田幸村と取引、全ての時間を自在に駆け巡ることが出来る「神の路線」を走る列車を手に入れようとする。良太郎(仮面ライダー電王)達は、桜井侑斗(仮面ライダーゼロノス)の協力を得て、牙王の後を追う。

漫画

サイボーグ009 移民編(石ノ森章太郎1968年
タイムマシン/第三次世界大戦のため絶滅の危機に瀕した未来人が現代へ侵略を行い、009たちと対立する。未来人の指揮官は009と003の子孫である。最終的にはタイムマシンの改良に成功、未来人たちはさらに過去へと旅立ち、人類の祖先となるだろうことが示唆される。なお、続編の時空間漂流民編で、人類発祥の時代への旅が描かれている。
ドラえもん藤子・F・不二雄1969年 - 現在
タイムマシン/ご先祖さま・野比のび太のあまりのふがいなさに不安を抱いた子孫が、自分たちが生まれる未来を招来するために、猫型ロボットの「ドラえもん」を過去に送りこみのび太を成長させようとする逆タイムパラドックスもの。特に劇場版アニメではタイムマシンで過去や未来に行き冒険を繰り広げる話が多い。原作漫画の他の話でも、数々のタイムパラドックスが発生している。なお、原作の設定では2003年タイムホール発見、2008年にタイムマシン発明とされている。
キテレツ大百科(藤子・F・不二雄) 1974年 - 1977年
タイムマシン/キテレツのご先祖さま・キテレツ斎が残した「奇天烈大百科」からキテレツが発明を再現し、作ったロボットコロ助とともに活躍する。航時機というタイムマシンで現代から過去にさかのぼることは可能だが、未来には行けない。ただし、一度だけ25年先の未来に行けたことがある。なお、航時機の発明された経緯においてタイムパラドックスが発生している。
漂流教室楳図かずお1972年 - 1974年
天変地異によるタイムスリップ/ごく普通の小学校がダイナマイトの爆発の衝撃により、荒廃した異世界に送られてしまう。犯罪者と化した大人や怪物の襲撃、小学生同士の殺し合いといった過酷なサバイバルの中、この世界が未来の地球であることが明らかになっていく。
T・Pぼん(藤子・F・不二雄) 1978年 - 1986年
タイムマシン/とある事件でタイムパトロールに加わった並平凡(なみひら・ぼん)が、パートナーの少女と協力しつつ、様々な時代で不慮の死を遂げた人々を救う一話完結の連作シリーズ。本作のタイムパトロールは「不幸な死を遂げた人々を、歴史が変更されない範囲で救う組織」という設定になっている。
パタリロ!魔夜峰央1978年 - 現在
超能力/ギャグ漫画。主人公のパタリロ8世は、タイムトラベル能力者(タイムワープと呼ばれる)。事故により偶然獲得した能力だったが、訓練によって制御可能となった。基本的にはギャグの小道具だが、タイムパラドックスをモチーフとした話もたびたび描かれる。
銀河鉄道999」(松本零士1979年 - 1981年
ゲートおよびタイムマシン/「時間城の海賊編」に登場する時間城は巨大なタイムマシンであり、主人公星野鉄郎は己の母親が殺害される悲劇を再体験させられてしまう。「時間移動した者は過去の生命体や(ある程度以上の)過去の物理現象へ影響を及ぼすことはできない」という独自解釈によってタイムパラドックスを回避している。
アレックス・タイムトラベル清原なつの1981年 - 1982年
タイムマシン/少年科学者がタイムマシンを開発。その結果、自分をとりまく強固な社会管理体制に疑問を持ち逃亡生活を送ることになる。
Dr.スランプ(鳥山明1980年 - 1984年 - アニメ化
タイムマシン/ギャグマンガ。則巻千兵衛やターボが作り出した「タイムくん」や「タイムマシン」などで、過去や未来への時間旅行がたびたび描かれる。
ドラゴンボール 人造人間セル編(鳥山明1984年 - 1995年 - アニメ化
タイムマシン/人造人間により壊滅状態に陥っていた未来から来た青年トランクスは、未来を変えるため、病で死ぬはずだった孫悟空に薬を渡す。しかし既に起こっていた未来は変わらず、また彼の行為によりセルという新たな敵が生み出されてしまう。タイムパラドックスによる未来の分岐、パラレルワールド説を採用している。
タイムウォーカー零(飛鷹ゆうき1991年
超能力/主人公は超能力によるタイムトラベル能力を持ち、過去を変えることで現在をも変えるという「仕事」を請け負っている。
犬夜叉高橋留美子1996年 - アニメ化
ゲート/古井戸の底が500年前の世界につながっていて、現代の女子中学生・日暮かごめが古の妖怪達と知りあって旅をする。
キン肉マンII世 究極の超人タッグ編ゆでたまご1998年 - 現在
超能力およびタイムマシン/過去へ遡りタイムパラドックスを利用して覇権を奪おうとする時間超人。彼らを追ってタイムスリップした新世代超人軍、さらに旧作『キン肉マン』の伝説超人との三つ巴の戦いがはじまった。基本的に格闘アクション作品だが、たびたびタイムパラドックスが描かれる。
クロノアイズクロノアイズ・グランサー長谷川裕一1999年 - 2002年/2002年 - 2003年
タイムマシン/普通の高校生のタイキは、奇妙な4人組によって強引に310世紀に存在する時空監視組織「クロノアイズ」の一員にされる。未来改変を企てる時空犯罪結社「ハデスサイズ」との戦いの中で、タイムパラドックスの重大な秘密と、クロノアイズ設立の理由が明らかになる。2003年星雲賞コミック部門受賞作。
RAVE真島ヒロ1999年 - 2005年
魔法/ヒロイン・エリーの失われた記憶の鍵を握るリーシャの墓へと向かったハル、エリー、ジークハルトだが、魔導精霊力の暴走により一行は52年前へとタイムスリップしてしまう。歴史改変によるタイムパラドックスの危機を脱したハルたちは、エリーの記憶の謎とジークハルトの過酷な運命を知ることになる。
電脳少女☆Mink立川恵1999年 - 2002年
タイムマシン/サイバーパンク要素を用いた魔法少女系作品。主人公たちが偶然手に入れたアイドルへ変身する力は、未来からもたらされた技術だった。タイムパトロール機関サイバー・セキュリティーがそれに気づく。時間移動の方法は、一種のコンピュータ・ネットワークへのアクセス。
ジパングかわぐちかいじ2000年 - アニメ化
天変地異によるタイムスリップ/自衛隊イージス艦「みらい」が太平洋戦争中の南太平洋に出現。「みらい」に救助され、偶然太平洋戦争の顛末を知った帝国海軍士官が、歴史を変えようと試みる。『ファイナル・カウントダウン』と発端部分は類似している。
リプレイJ今泉伸二2001年2004年
特異体質/証券会社に勤務する中年男性・室伏周平は、ある日心臓発作で倒れる。そして再び目覚めたとき、彼は20代まで若返り、バブル絶頂期の時代にタイムスリップしていた。室伏は過去の記憶を元に様々な事業や人助けを成功させていくが、そんな中でもう一人の「リプレイヤー」、神代と出会う……。ケン・グリムウッドの小説『リプレイ』が原案。
魔法先生ネギま!赤松健2002年 - 現在
タイムマシン/主人公ネギ・スプリングフィールドは教え子の超鈴音から渡された懐中時計型タイムマシン「カシオペア」で1日ずつ過去へ戻り、麻帆良祭の同じ日を何度も楽しむ(前回の自分と鉢合わせしそうにもなる)。しかし超が歴史改変を企てる未来人だと知り阻止しようとするが、歴史改変世界へと飛ばされてしまう。携帯式タイムマシンが格闘戦闘(時間跳躍による攻撃回避や擬似的な瞬間移動、時間停止など)に利用される。
家庭教師ヒットマンREBORN!未来編(天野明2004年 - 現在
タイムマシン/現在の自分と10年後の未来の自分を5分間だけ入れ替える「10年バズーカ」の誤射で、中学生ツナは10年後の世界へと飛ばされ、なぜか戻れなくなってしまう。過去に戻る手がかりとなる、ある少年をツナは捜すのだが……。入れ替わりネタをタイムトラベルに応用した変り種で、自分自身に遭遇する可能性がない。

アニメーション

スーパージェッター 1965年 - 1966年
タイムマシン/主人公のジェッターはタイムパトロール。時空犯罪者を追跡中の事故で、タイムマシン「流星号」のタイムトラベル機能が故障してしまう。20世紀から動けなくなったジェッターが、その時代で活躍する。
タイムボカンシリーズ 1975年 - 1983年2000年
タイムマシン/タイムトラベルしての宝探しを基本プロットとしたギャグアニメ。基本的に舞台移動手段でしかないため、タイムパラドックスや歴史改変の要素はなく、「ヤッターマン」「イタダキマン」ではタイムトラベルをしない。ただし、タイムパトロールという設定の「オタスケマン」はパラドックス阻止がテーマである。
まんがはじめて物語シリーズ 1978年 - 1991年2001年
個人的超能力/子供向け教養番組。特殊能力を持つモグタンとお姉さんと呼ばれる女性が、様々な物事の起源を探るために過去の世界へタイムトラベルし、歴史的人物と交流しながら現代へ至るまでの変化と発達を見届ける。あくまで事実と定説の紹介のための手段でしかないため、タイムパラドックスや歴史改変の要素はない。
科学冒険隊タンサー5 1979年 - 1980年
タイムマシン/世界各地で古代遺跡などに大異変が起きた。タンサー5の五人はタイムタンサーを駆り、遺跡の設立年代まで異変の原因を調査しに行く。基本的に過去へ要因を調べに行くだけであり、タイムパラドックスの要素はない。またメカ描写のみ特撮による実写の作品である。
宇宙大帝ゴッドシグマ 1980年 - 1981年
タイムマシン/西暦2300年に地球人類の侵略を受けたエルダー星人は、戦況を逆転するため、地球人類の新エネルギーの強奪とタイムパラドックスの発生を図り、250年過去の西暦2050年にタイムトラベル、木星の衛星イオを侵略しゴッドシグマと戦う。過去から未来を改変するという珍しいパターンである。
宇宙戦士バルディオス 1980年 - 1981年
事故によるタイムスリップ/S-1星は環境破壊により滅びつつあった。権力を簒奪し総統を名乗るガットラーは、星間移住を企て地球を侵略する。敵対する主人公マリン・レイガンは地球人とともに、かつての同胞と戦うのだが……。物語終盤でタイムトラベルの存在と、その悲劇的な結末が明かされる。
未来警察ウラシマン 1983年
事故によるタイムスリップおよび超能力/2050年に出現した少年は記憶を失っていた。過去から未来への転移=ウラシマエフェクトにより超能力者・ウラシマンとなったと考えられた少年は、ウラシマ・リュウと名づけられマグナポリス38分署の機動刑事となり、犯罪組織・ネクライムと戦う。物語終盤にはウラシマンの能力が発動、元の時代の1983年にタイムトラベルする。なお、作中のウラシマエフェクトはウラシマ効果とは無関係。
ママは小学4年生 1992年
事故によるタイムスリップおよびタイムマシン/10才の女の子・水木なつみのもとに、落雷とともに赤ちゃんが出現する。15年後の自分が産んだ子供だとわかり、なつみは自分が育てることを決心、同居する叔母の私生児ということにして、ママと小学生の二足のわらじ生活がはじまった。基本的にはヒューマンドラマだが、パラドックスがらみの話も見られる。終盤では市井の発明家によるタイムマシンも登場する。1993年星雲賞メディア部門受賞作品。
恐竜惑星 1993年 - 1994年
仮想タイムマシン/NHK教育天才てれびくん内で放送された実写・CGを織り交ぜたハードSFアニメ。主人公の萌は、超仮想空間の暴走により内部で起こったタイムパラドックスを修正しようとする。続くジーンダイバーでは原初生命の時代まで遡る。
VS騎士ラムネ&40炎 1996年
時空間を移動する超能力/時間移動能力を持つ勇者ラムネスは、強大な力を持つ大邪神アブラームを倒すため、アブラームが誕生したばかりの過去へ仲間とともに飛ぶ。しかしこのことが原因で、5千年にもわたる魂の牢獄・ラムネス伝説が生まれた。
ルパン三世 霧のエリューシヴ 2007年
タイムマシン/ルパン一味は、時を越える力を持つという「白きたまゆらの秘宝」伝説を調べていたが、ルパン33世に恨みを抱く未来人魔毛狂介により、500年前に飛ばされてしまう。ルパン達は現代に帰るため、不二子の祖先・お不三とともに秘宝の謎を解こうとする。魔毛狂介は敵役として第1シリーズにも登場する。

テレビドラマ

タイムトンネル(米国テレビ映画) 1966年
タイムマシン/アリゾナ砂漠地下で建造中の巨大定置型タイムマシン。開発中止に反発する科学者が実験を強行、未完成のため、時間をさまよう放浪者となってしまう。もう1人の科学者が後を追い、2人はそれぞれ様々な歴史的事件に遭遇する。製作・監督はSFテレビドラマの巨匠アーウィン・アレン
スタートレック・シリーズ(米国テレビドラマ)1968年-2005年
宇宙船によるタイムトラベル他/古代異星人の残したゲートという装置の利用、太陽の重力場を利用して時間の壁を破るスリングショット現象、時間流に影響を与えるクロノトン粒子を使いタイムトンネルを開く等、非常に頻繁に様々なタイムトラベルが描かれた。
タイムトラベラー(NHK少年ドラマシリーズ) 1972年
薬物による超能力/筒井康隆原作「時をかける少女」のドラマ化。
恐竜戦隊コセイドン 1978年-1979年
タイムマシン/21世紀、人類はタイムトラベルを実現し、中生代に植民地を建設、タイムGメンが時空間を管理していた。中生代を侵略するゴドメス星人を、タイムGメンがタキオンエンジンを装備した母艦コセイドン号で迎え撃つ。
俺はご先祖さま 1981年
タイムマシン/愛が危険思想とされる未来から、大学生の少女が祖先である現代(1980年)のルポライターのもとに愛を調査しにやって来る。ルポライターは少女の持つ未来の記事で次々と特ダネをものにするが、未来からポリスロボットが少女を追ってくる。
時空戦士スピルバン 1986年 - 1987年
タイムマシン/主人公たちの故郷であるクリン星を救うために人々は二人を地球に送り出したが実はクリン星は未来の地球だった。
特捜エクシードラフト 1992年 - 1993年
タイムマシン・レーザー/超時空理論の世界的権威・夏目博士が開発するが、何者かに設計図を奪われ助手で息子の達也が拉致される。事件を阻止し、犯人を殺害するため博士は5年前へタイムスリップするが、すべては金のための達也の狂言だった。現在に戻った博士は、エクシードラフトに装置の破壊を依頼する。
タイムキーパーズ木曜の怪談ファイナル)1997年
タイムマシン/43年後の未来から犯罪を防ぐためにやってきた時空捜査官2人と、彼らに協力する現代(1997年)の中学生との物語。
虹色定期便(第1シリーズのみ)1997年- 1998年
タイムマシン/西暦3000年、精神病原体「キルケーウイルス」により衰退した人類はミレニアム帝国の圧政下にあった。レジスタンス・アスラは20世紀末にタイムスリップ、ウイルスを発生前に根絶しようとする。一方、歴史改変を阻止すべく帝国軍も後を追う。発生源はいったい誰なのだろうか……。 本格的特撮によるSF設定の児童道徳番組。
7デイズ時空大作戦(米国テレビドラマ)1998年-2001年
タイムマシン/アメリカ国家安全局(NSA)は、ネバダ州の秘密基地「ネバーランド」で「バックステップ計画」を遂行していた。エリア51に不時着した異星人の宇宙船の技術を利用し、7日間だけ過去へ遡れるタイムマシン「カプセル」で人類に振りかかった惨劇を未然に防ごうとする。SFの設定を使ったアクション作品であり、パラドックス問題は完全に無視されている。
君といた未来のために~I'll be back~ 1999年
死亡による逆行/主人公は死亡事故をきっかけに2000年から1995年へ戻り、また2000年が来ると死亡して1995年に戻る人生を繰り返す。同じくループする四年間に閉じこめられた者達と、この時間の牢獄から抜け出すべくタイムトラベルの原因を探っていく。
未来戦隊タイムレンジャースーパー戦隊シリーズ2000年 - 2001年
ゲート/西暦3000年の凶悪犯たちが1000年前(2000年)へ逃亡。時間保護局から派遣された4人が現代人の青年を仲間に加え、彼らを逮捕するために戦う。物語の終盤、2001年に「大消滅」と呼ばれる全地球規模の災害が発生することが明らかになる。「大消滅」を阻止すればタイムパラドックスが起きると知った4人は苦悩するが……。
がきんちょ~リターン・キッズ~ドラマ302006年
事故によるタイムスリップ/真知(主人公)は結婚式場のバルコニーから転落、1988年にタイムスリップしてしまっていた。さらに、真知を探していたももが秘密基地で真知の携帯電話を見つけ、1988年から2006年へとタイムスリップしてしまう。
仮面ライダーカブト平成仮面ライダーシリーズ2006年
特殊能力/劇中に登場する「カブト・ハイパーフォーム」は、タキオン粒子を自在に操作する能力「ハイパークロックアップ」によって時間を巻き戻す能力を有する。これによって本来やられるはずであった味方を助けるなどの活躍を見せた他、劇場版ではこの能力が物語の大きな鍵となっている。
仮面ライダー電王平成仮面ライダーシリーズ2007年
タイムマシン/未来からやって来た精神体「イマジン」が、時の流れを改変するために2007年の世界に侵略を始めた。気弱で不運な少年、野上良太郎は時の運行を守る「電王」の資格者となり、アカシックレコードに則って流れる「時の運行」を守るため、電車の形状をしたタイムマシン「デンライナー」で過去に向かいイマジンと戦う。
プロポーズ大作戦 2007年
妖精の超能力/岩瀬健はついに告白できないまま、大好きだった幼なじみの吉田礼の結婚式に出席する羽目になる。式のさなか、激しい後悔に襲われる岩瀬の前に英国紳士風の自称妖精が現れ、過去へ戻るチャンスを与える。たびたびパラドックスがストーリーの鍵を握っている。
モップガール 2007年
タイムリープ/ウェディングプランナーから関連会社の葬儀屋「リトル・エンジェルズ」に勤めることになった長谷川桃子は死者の遺品に触れることにより時間を遡る能力を身につける。死ぬ運命にある者を死から未然に救うため上司の大友将太郎と共に奔走する。原作である同名小説とは設定が大きく異なっており、タイムリープの存在すら登場しない。

ゲーム

時空の旅人 1986年
タイムマシン/未来の時空管理局員である主人公は、人類の歴史を平和なものに変えるために過去へ向かう。そこで織田信長をはじめとする歴史上の著名な人物からの質問に答えることにより、未来が幾つかのパターンに変化する。なお、同名のアニメ映画とは別の内容になっている。
ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 1988年
時のねじれ/テドンの村は滅びた村であり、夜になると村人の「生前の姿」が見られる。単に幽霊が出ているだけのようにも解釈できるが、村の中のある場所に生きているうちに目的を果たせなかった旨の書き遺しがあり、未練の中で死んだと思われる住人に対して夜のうちに願いを叶えてやると、その書き遺しが「目的を果たせて良かった」というものに変わり、未練を残さず死んだことに変わる。
クロノ・トリガー 1995年
ゲート、後にタイムマシンも登場/ある少女が転移装置の試運転に挑んだが、転送装置が少女の持っていたペンダントと思わぬ反応を起こし、時空の穴を開けてしまう。それに飲み込まれて消えてしまった少女を救うべく、主人公クロノは同じ方法で時空の穴を開き、後を追う。その後の成り行きで飛ばされた未来の荒廃した姿を目の当たりにし、時空を股にかけた壮大な冒険を繰り広げることになる。メインストーリーそのものが歴史改変をテーマにしているが、それ以外でも随所に小さな歴史改変イベントが用意されている。
テイルズオブファンタジア 1995年
魔法によるタイムトラベル/ある日、主人公が暮らす平和な村が何者かによって襲撃される。一晩にして家族と村の仲間たちを失うクレス(主人公)とチェスター。襲撃を企んだ男は何者かによって操られており、封印されていた宿敵ダオスが目覚めようとする。ダオスを倒すため主人公らは過去と未来を行き来する。
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 1996年 パソコン版は18禁、セガサターン版は18才以上推奨。
時空移動装置/他界した父親が主人公に遺した装置、それは並行世界へと時間を空間を越えて移動する機能を備えていた。いくつもの並列世界を渡り歩き様々な「可能性の世界」から装置の部品を回収し終えたとき、異世界への転移が行われる。アドベンチャーゲームの「マルチシナリオ」そのものをゲームの主題としている。あるルートで起こる悲劇を回避するためには別の並行世界で得た情報やアイテムが必要となっており、主人公が自分の意思で「別の選択肢を選んだ世界」へ移動する。
ギルティギアシリーズ 1998年 - 現在
体質によるタイムトラベル・時のねじれ/元々は20世紀の人間であるアクセル・ロウがある日からタイムスリップ体質になり、ソルらのいる時代にタイムスリップしてしまう。また、SLASH以降のボス戦では、時間のねじれが生じて過去の時代のボスと戦うことになる。
ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち 2000年
石版/島のはずれにある神殿の台座に石版をはめた途端、闇に包まれた見知らぬ場所へと飛ばされた主人公と2人の友人。この世界に巣食う魔物たちを倒し再び神殿に戻ると、そこには先程自分達がいた島が出現していた。ここで3人は、あの世界が過去の世界であったことに気付く。そして同様に石版に封じられた島々を開放するため、彼らは時を越えた旅に出る。
シャドウ オブ メモリーズ 2001年
タイムマシン/何者かによって背後から刺殺されたアイク(主人公)が目覚めると、そこは奇妙な異空間だった。その空間の主であるホムンクルスと名乗る人物より「時空を司る力」を分け与えられたアイクは、自分が殺される運命を回避すべく時間を遡り過去を改変することになる(例えば、木の陰に隠れていた人物に殺されるのを回避すべく、数百年前にその樹を植えられるのを止める等)。運命を何度変えても執拗にアイクを殺そうとする殺人者の正体とその動機は何なのか、そしてアイクを救うホムンクルスの目的は何なのか。
カエルBバック 2002年
ゲート/過去から未来へと渡り人の誕生を喰らうことでその存在を失わせる魔物を倒すべく、主人公は時間を1日ずつ遡り過去へと向かう。
スーパーロボット大戦R 2002年
事故/主人公の乗るロボット「エクサランス」に搭載された「時流エンジン」が暴走し、5年前の世界に飛ばされてしまう。結果、5年前の世界でタイムパラドックスが発生し、本来なら5年後の未来に登場すべきロボットがテクノロジーの前倒しによって早く出現してしまう…などの現象を発生させた。
テイルズオブデスティニー2 2002年
時空転移能力/前作『テイルズオブデスティニー』における『《神の眼》を巡る争乱』から18年後、四英雄スタンとルーティの息子カイル(主人公)は、とある遺跡で謎の少女リアラと出会う。彼女は10年後の未来から英雄を探しに来た聖女だった……。
パワプロクンポケット6 2003年
タイムマシン/時空管制局の社員である主人公は、歴史を変えようとしている犯人を捜すべく、未来から派遣されて和桐製作所に入社し、野球を通して犯人を捜してゆく。
遙かなる時空の中で3 2004年
特殊アイテム/現代世界から戦乱中の異世界に召喚された主人公を待ち受けていたのは、悲惨な結末だった。同じ結末を迎えないために、主人公は時空を自由に移動することが可能な「白龍の逆鱗」を使い、運命を変えていく。
鬼武者3 2004年
時のねじれ/鬼武者・明智左馬介(主人公)は本能寺にて織田信長を討とうとした際、突如発生した時のねじれに巻き込まれ、2004年のフランスパリへと飛ばされてしまう。そして左馬介と入れ違いに、フランス軍特殊部隊所属のジャック・ブラン(もう一人の主人公)が日本・比叡山に飛ばされる。二人は双方の時代に出現する敵「幻魔」を倒しながら、彼らのタイムスリップの原因を作った信長を討つために立ち向かう。
メタルギアソリッド3 2004年
タイムトラベルという概念は無いが、タイムパラドックスという概念のみ存在する。ゲームのストーリーが前々作の主人公であるソリッド・スネークの話ということで、前々作や前作の登場人物であるリボルバー・オセロットを殺害してしまうと、「タイムパラドックスだ!」という叫び声が聞こえ、ゲームオーバーとなる。
ファイナルファンタジーXI アルタナの神兵 2007年
禁断の口/プレイヤー自身である冒険者がとある場所に存在する禁断の口を調べることで禁断の口に吸い込まれてしまう。気が付くとそこは20年前のクリスタル戦争の真っ只中の時代。この出来事で冒険者は「時を自在に舞う力」を得て現代と20年前を行き来できるようになる。そしてその最中の異次元の空間でケット・シーという猫のような謎の生き物と遭遇。ケット・シーはクリスタル戦争に起こる悲しみを少しでも少なくしようという行動をおこしており、そのお仕事のお手伝いを依頼されることに。

音楽

音楽にも、タイトルや歌詞に「タイムトラベル」を含むものが散見される。これらは「タイムトラベル」特有の物語性を持つとは限らないが、その多くは過去への憧憬や後悔・未来への願望や不安などをテーマとしており、シンボルとして「タイムトラベル」「タイムマシン」などを取り入れている。代表的なものをいくつか記しておく。

参考文献

  • クリフォード・A・ピックオーバー(著)、青木薫(翻訳)『2063年、時空の旅』(講談社、2000年)ISBN 4062572907
  • ポール・デイヴィス(著)、林一(翻訳)『タイムマシンをつくろう!』(草思社、2003年)ISBN 4794212232
  • 金子隆一『新世紀未来科学』(八幡書店、2001年)ISBN 4893503952
  • キップ・ソーン(著)、林一(翻訳)『ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産』(白揚社、1997年)ISBN 4826900775
  • ラリー・ニーヴン(著)、山高昭(翻訳)「タイム・トラベルの理論と実際」(ハヤカワ文庫『無常の月』収録)ISBN 4-15-010327-5

関連項目

外部リンク