全滅

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全滅(ぜんめつ)とは、軍事用語では部隊が大きな損害を受け組織戦闘力を喪失した状態をさす。 一般的には文字通り全員の生命が失われることや、ものごとの全てが駄目になってしまう状況を指す。


概要

同義語に「殲滅」「壊滅」があるがこれは損害を被ったほうから見ての判定であり、攻撃側が全滅を意図して攻撃を行った場合には「殲滅する」等の表現が使われ、守備側から見ると「部隊が壊滅的な損害を被った」といった表現が使われることになる。

部隊の損害と全滅

古代においては、司令部による戦闘部隊の指揮命令系統の維持能力が低く、損害が少ない場合でも部隊の構成員が指揮命令系統から外れてしまい、部隊が全滅し易かったといえる。具体的に言えば半数程度の損害が出るころには、構成員の敗走・脱走が相次ぎまず軍が霧散消失してしまうことが多かった。しかし近代、とりわけ第一次世界大戦以降、無線通信技術が著しく発達したことにより、司令部による戦闘部隊の指揮命令系統の維持能力が向上したことにより、柔軟な後退や再編成よができるようになったことで組織的戦闘力を維持しやすくなった。

また全滅を組織的抵抗力の喪失という観点からとらえれば、師団連隊にしめる前線部隊の割合は数割に過ぎないため、その数割が死傷するような状態は全滅と判定されることが多い。

なお、ゲリラ部隊のような非正規戦闘部隊には、部隊統制を前提とした全滅の概念は当てはまらない。