霊子甲冑
概要
サクラ大戦シリーズの世界には、蒸気動力で駆動するスチームパンクの産物で、人型蒸気と呼称される亜人間型重機が存在しており、霊子甲冑はその発展、改良型。日本陸軍対降魔部隊に所属していた山崎真之介少佐の草案を元に開発された。
全高は3m前後。動力は、蒸気併用霊子機関を利用しており、霊子機関内の霊子水晶の起動に不可欠な事から、操縦には搭乗者の霊力が必要とされる。また、装甲の材質には鉄と鉛の特殊な合金であるシルスウス鋼が使用されている。このシルスウス鋼は南北戦争時、南軍によって行われた呪術による部落殲滅作戦での唯一の生存者である乳児が隠れていた(両親によって隠された)農業用蒸気トラクターのトラクションエンジンに使用されていた材質の解析によって開発された合金素材で、外部からの霊力を遮る一方、搭乗者の霊力の媒介となる性質がある。しかし、逆に物理的強度は極めて劣っており、通常兵器に対する防御力はほぼ皆無に近いという欠点もあるため、霊子甲冑を使用した部隊運用は、対降魔戦を中心とした霊的戦闘のみに限定されている。
霊子甲冑を操れる程の高い霊力を持っているのは、殆どが女性(特に若い女性)とされており、そのためか操縦者は女性に限定される事が多い。現時点で、霊子甲冑を操縦できる男性は大神一郎と、大河新次郎の二名のみ(ただし、性別不詳の九条昴を除く)である。
操縦者は機体の腕部に腕を通し、機体の上腕にある操作グリップを操り腕や武器・装備の操作を行う(TVアニメ版では、搭乗員の目前に計器と共にレバー類が並んでいる)。華撃団の中にはアイリスの様な小柄な隊員もいるが、彼女達の機体は非接触性という別の操縦形式を採用している。光武/光武改は、操縦者の動きをトレースする操縦形式を採用している。その発展形である光武Fは、パイロットスーツと機体内のセンサーを通して搭乗者の意思自体を感知して動き、更に複雑な動きをする際は、フットペダルを用いる仕組みとなっている。よって操縦自体はそれ程難しくなく、操縦訓練を受けていない搭乗者がいきなり実戦参加する事も可能であり、実際その例は多々ある。上野での戦闘で光武に初めて触れた大神も、その操縦の容易さを喩えて「鎧か何かのようだ」と言った。
パイロットスーツは基本的に各機種ごとに専用のデザイン(ただし、各搭乗者のパーソナルカラーの上着と白いズボンという点は統一されている。)が設定され、各搭乗者のサイズに合わせて1着ごと仕立てられている。霊子機関への霊子供給用コネクタが標準装備されているものの、異機種間の互換性がほとんど見られないことから、このパイロットスーツも霊子甲冑の一部品として構成されているワンオフ的なものと思われる。
蒸気併用霊子機関
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最初の人型蒸気
スタア
南北戦争での戦訓をもとに米国で開発された、世界初の人型蒸気。しかし、背後に巨大な蒸気機関を背負ったトップヘビーの設計で機体バランスは極めて悪く、数歩歩いただけで転倒するなど実用機とは言い難かった。後に機体バランスを改善した世界初の実用機「スタア改」が米軍に配備されている。後に開発される人型蒸気の基礎となった機体。
欧州大戦時の人型蒸気
ドイツ
アイゼンゾルダートI
車輪(ゴムタイヤ)駆動の乗員三名(操縦手+砲撃手二名)
「鉄の兵士」という意味の名を持つドイツ製人型蒸気。大型、重装甲のわりに平地での移動力は高かったが、この頃の人型蒸気はまだ歩兵の支援が主だった。大戦初期は圧倒的な戦果をあげたが、塹壕戦には不利で次第の後手に回っていった。
アイゼンゾルダートII
二足歩行 乗員一名
アイゼンゾルダートIの後継機。欧州大戦の最高傑作といわれるドイツ軍主力人型蒸気。車輪やキャタピラでは対応しきれない起伏に富んだ場所でも活動し、さらに腕が自由に使え、銃器や、剣、ランス、盾、手榴弾などバリエーションに富んだ武装の使用が可能になった。
アイゼンリーゼI、II
二足歩行 乗員二名(操縦手+砲撃手)
「鉄の巨人」という意味の名を持つドイツ製人型蒸気。その名の通りアイゼンゾルダートⅡの二倍以上の大きさを誇り、欧州大戦最大の「戦線突破用重装甲人型蒸気」。ライフル弾を弾く異様な厚さの装甲やその攻撃範囲から「移動トーチカ」とも呼ばれ恐れられた。
アイゼンゾルダートβ
二足歩行 乗員一名
ドイツの秘密結社ブルーメンブラットが開発を進めていた人型蒸気。蒸気併用霊子機関を搭載した世界初の人型蒸気として製作されたが、日本の霊子甲冑のような完成度には達せず、組織の解体と同時に開発計画も中止されたため、結局日の目を見ることはなかった。
アイゼンクライトI
二足歩行 乗員一名
ドイツのノイギーア社が開発した「鉄のドレス」という意味の名を持つ欧州星組の霊子甲冑。かなりの重量の重装甲機だが、操縦者の霊力を利用した霊子機関で高い出力、機動性を誇る。これにより欧州星組は戦果を挙げそのデータは後の霊子甲冑の製作に大きく貢献する。
アイゼンギガント/T式34型
蒸気浮遊推進式駆動(ホバー走行) 乗員数二名(操縦手+砲手)+一名(蒸気連動回路)
そもそもロシアが開発した「T式34型」という試作霊子機関搭載型の人型蒸気だったのだが、ドイツ軍に鹵獲され「アイゼンギガント」という名称を付けられた。 霊力と蒸気機関とを連動させるために、霊力を有する人間を「回路」として取り込むことで稼動する。「回路」にされた人間は意識を失った状態で完全に機体の一部と化しており、その寿命は(機体稼動時間などにも左右されるだろうが)およそ一週間ほどだとされる。アイゼンリーゼⅡを超える巨体に百ミリ砲、ロケット弾を装備した恐ろしく重武装な機体であった。開発から戦後、それ以降も数十年にわたって表舞台に出ることは無く架空の兵器扱いされており、後年になるまでT式34型とアイゼンギガントが同一の機体であることすら判明していなかった。
イギリス
セイバーA
キャタピラ駆動、乗員一名(操縦手兼砲撃手)
イギリス製人型蒸気。他の人型蒸気より小型で生産数も少なかったが、キャタピラ駆動による高い機動性と正確な照準の対人型蒸気ライフルを装備し、信頼性の高さと修理の容易さから名機と呼ばれた。
セイバーB~C
キャタピラ駆動 乗員一名
イギリス製。B型は自在腕が機体上部に付けられ、独自に鉄条網破壊や機体回収などが行えた。C型は側面に両腕の付いた工作型。武装は機銃のみで対人型蒸気戦には向いていなかった。
スピリットTypeB
二足歩行 乗員一名
イギリス製。「長槍」の異名をとった銃剣つき対人型蒸気ライフルがシンボルとなっている。試作TypeAを基本に、B(量産型)、C(士官用)、D(砲撃型)、E(偵察型)、G(試作飛行船空挺型)、H(山岳型)、M(揚陸型。スクリュー装備)など多彩なバリエーションを誇った。
アメリカ
スタアⅡ
高性能車輪(金属タイヤ)駆動 乗員二名(操縦手+砲撃手)
アメリカ製人型蒸気。同時期の他の機体に比べて高い馬力と火力を有し、スパイク付き金属タイヤで悪路にも対応できた。そのぶん故障が多く、燃費も悪かった。欧州大戦中に最も大量に生産されたが、前線に投入されたときには旧式化しており、数で圧倒する戦法を取るしかなかった。
スタアⅡD/エトワール・改
キャタピラ駆動 乗員二名(操縦手+砲撃手)
アメリカ製スタアⅡDの車輪をキャタピラに換装した機体で大戦後期に最大の生産数を誇ったが、数に頼る戦法は変わらなかった。左腕が自在腕になっている。武装を換装した派生型も多い。
スタアⅢ~Ⅳ
二足歩行 乗員一名
アメリカは二足歩行タイプの人型蒸気開発に遅れた上に、Ⅲ型は未完成で使い物にならなかった。終戦間際に改良Ⅳ型が送られてきた際には「遅れてきた名優(名機)」と皮肉られた。左手が自在腕となっている。
フランス
エトワール
高性能車輪(金属タイヤ)駆動 乗員二名(操縦手+砲撃手)
スタアⅡのフランス名。フランスがアメリカから輸入されたスタアⅡを導入した際に使った名称。
エトワール・改
二足歩行 乗員二名(操縦手+砲撃手)
スタアⅡDに同じ。
ヌーベル・エトワール(エトワールⅢ)
二足歩行 乗員一名
完全なフランスオリジナルの人型蒸気。軽快な動きの出来る運動性に優れた機体だった。特徴として白兵戦用の盾を装備している。開発名は「エトワールⅢ」だが、「ヌーベル・エトワール」の呼び方の方が浸透した。
カレーシュ
キャタピラ駆動 乗員一名
フランス軍の兵員輸送用人型蒸気。
日本
菖武
二足歩行 乗員一名
秘密裏に投入された日本製実験機の暗号名。詳細不明。名称には軍部や設計者の暗喩がこめられていると言われる。
初期の霊子甲冑
桜武
神崎重工が最初に開発した霊子甲冑。起動実験に参加したテストパイロットの誰も動かす事が出来なかったが、神崎家の令嬢、神崎すみれの強い霊力を受け、暴走した。
三色スミレ
桜武を改良した機体で、日本初の量産型霊子甲冑。開発協力者である神崎すみれの名をとって名づけられたもので、それぞれ白、黄色、紫色の三機が製造された。神崎重工では、完成を記念し、盛大な披露パーティが催された。これら3機の稼動データを基に光武が完成した。
帝国華撃団の霊子甲冑
光武
神崎重工製の虎型霊子甲冑。全高2428mm。乾燥重量674kg。限界稼働時間は2時間。「サクラ大戦」、「サクラ大戦 ~熱き血潮に~」にて登場。
日本初の軍用霊子甲冑。短期決戦型治安維持・対降魔戦闘兵器として開発され、帝国華撃団・花組に計七機配備されている。ゲーム一作目やアニメ、漫画においては各機とも本体部分は外見上ほぼ共通で、武装とカラーリングが異なるのみだが、リメイク版の「熱き血潮に」では、より各搭乗者の個性に合わせた姿で登場し、「サクラ大戦4」の光武二式に近い形状となっている。明治神宮での、復活した降魔との戦闘で大破したが、元々の機体の完成度は高く、その後もこの改良機体が用いられている。
光武・改
神崎重工製の虎型霊子甲冑。全高2532mm。肩高1875mm。乾燥重量728kg。「サクラ大戦2」、「サクラ大戦3」にて登場。
「サクラ大戦」における降魔との戦いで大破した光武を改修した機体。「サクラ大戦2」で第1話から登場し、第8話で一旦機体の交代があるものの、第11話で戦線復帰し最終決戦まで用いられる。蒸気併用霊子機関(改良型)を搭載し、限界稼働時間は3時間に延長されている。外見的には機体後部のマフラーが4本から6本に増えているのが特徴。機体性能が際立って優れている霊子甲冑という訳では無い様だが、霊力の変換効率が極めて高く乗り手の霊力次第ではスペック以上の性能になる事もあるという事で、後継機の天武が破棄された後花組の使用機体として再び返り咲く事になる。その後も「サクラ大戦4」直前で光武二式に改修されるまで帝都花組で使用を継続された模様。「サクラ大戦3」では巴里に援軍に駆けつけ、数字上のスペックでは勝る光武Fにも負けない活躍ぶりを示し、さくら機、すみれ機、アイリス機がシゾーもしくはピトン(選択肢によって変化)を撃破している。他の霊子甲冑が数ヶ月で破棄若しくは交代する中で、この機体だけが約2年に渡り使われたという事実が(操縦者の能力の高さを含めた)機体の完成度の高さを物語っている。なお、「サクラ大戦 活動写真」での光武・改は、性能向上(外見上の変化はカメラアイの色の上下逆転や、マフラーを4本に変更)を中心としたメンテナンスが行われており、背面のタービン部分に紅蘭が開発した蒸気ブースターが取り付けられている。
光武二式
神崎重工製の虎型霊子甲冑。全高2562mm。肩高1912mm。「サクラ大戦4」にて登場。
サクラ大戦4で帝都花組が搭乗する機体。光武・改を改修した霊子甲冑で、現段階で光武の系統に連なる霊子甲冑の最終モデル。特筆すべきは限界稼働時間が10時間と光武・改の3倍以上に延長されている事である。巴里華撃団の光武F2の設計思想も取り込み、各隊員毎のカスタマイズが図られている。ボディに金色のラインが入っていることが外見上の特徴。なお、初代「サクラ大戦」のリメイクの「熱き血潮」では各隊員の光武は光武二式同様のカスタマイズ(金色のラインが無い、機体後部のマフラーが4本、頭部にパーツが無い等の差異は一応ある)が施されている。大神機は作中のハクシキ戦で大破してしまうが、エンディングでは既に修理が完了していたことから見る限り、整備性も高いようである。
神武
神崎重工製の卯型霊子甲冑。全高3507mm。重量2520kg。「サクラ大戦」、「サクラ大戦 ~熱き血潮に~」にて登場。
大破した光武に替わり、帝国華撃団・花やしき支部と李紅蘭が開発した。光武同様、ゲーム一作目その他では各機本体に外見上差異は見られないが、「熱き血潮に」では光武以上に各隊員の個性、能力に合わせたカスタマイズがされている(アイリス機と紅蘭機以外は光武二式に似通った点が見られる)。その為、脚部の存在しないアイリス機や、脚部がキャタピラとなった紅蘭機等、奇抜とも思える姿の機体も存在する。その後光武・改と交代してしまったのは、元々機体の維持にかかるコストが非常に高い上に、サタンとの戦いでかなりの損傷を負ってしまい、機体の維持管理が困難になってしまったからである。
天武
神崎重工製の辰型霊子甲冑。全高3775mm。重量3652kg。「サクラ大戦2」にて登場。
山崎真之介の草案を基にしていたこれまでとは異なり、帝国華撃団・花やしき支部と李紅蘭が、一から設計した完全なオリジナル機体。蒸気併用霊子機関「三型」を採用。これにより、搭乗者のみならず、都市自体の持つ地脈エネルギーを動力に変換することが可能となり、これまでに無い高出力を誇る。武器を使う機体の攻撃時にまるでビームサーベルの様なエフェクトが出る事からもこの機体の出力の高さが伺える。しかし京極慶吾によって開放され、帝都中に充満した地脈エネルギーを制御する事が出来ず、暴走の危険がある事から、運用を中止する事となった。
双武
神崎重工製の巳型霊子甲冑。全高4123mm。重量4125kg。出力2600hp×3。「サクラ大戦4」にて登場。
「三型」より出力を落とした、蒸気併用霊子機関「三型・改」を三基搭載。天武同様、帝国華撃団・花やしき支部と李紅蘭が設計。日本では唯一の複座型霊子甲冑。大神華撃団に配備されたこの機体は、大神一郎隊長ともう一人副操縦士が乗り込み、二人の霊力の波動を一つにすることで、暴走の危険のある霊子核機関の制御を可能とした。決戦兵器という位置付けの様で、蒸気暴走事件が解決した後、大神は修理が完了した光武二式に再び搭乗している。
アイゼンクライトIII型(クロイツ)
独・ノイギーア社製の霊子甲冑。全高3132mm。重量1471kg。「サクラ大戦2」、「サクラ大戦 ~熱き血潮に~」にて登場。
治安維持 / 対妖魔戦闘を目的とした霊子甲冑。ソレッタ・織姫、レニ・ミルヒシュトラーセの機体として、帝国華撃団・花組の戦力となった。なお、機体性能自体は光武・改より上らしい。3機の霊子機関を背中のターレットを介して切り替えることにより連続した高出力運転が可能となっているが、操縦者にかかる負担も大きく、構造も複雑なため整備も難しいという欠点もある。クロイツ(ドイツ語で十字架)の名の通り、十字のカメラアイが特徴である。
「熱き血潮に」では欧州大戦に参加している描写があるが、既存の設定では未完成の時期であり、矛盾が生じている。
巴里華撃団の霊子甲冑
光武F
全高2592mm。重量722kg。出力655hp(データは大神機のもの。カスタマイズによる機体誤差のため、各機体ごとに重量と出力は異なる)。シャノワールメカニックチームが本体を、神崎重工が蒸気霊子機関を製作した、フランスと日本との合作機体。新たに開発された霊子機関Orage(オラージュ)F11は、以前のものより大型化している。巴里華撃団・花組に六機が配備された。
光武に比べデザインが「性能向上型」であることを意識したスタイリッシュな外見になっている(外見上の相違点は背面にある霊子機関区画の装甲外板を箱形に変更、左右の腰にタービン型コンデンサーの増設、リベットの減少等)が、最大の特徴点はローラーダッシュが可能なこと。DC版OPでは戦闘に使用して、画期的な高機動を見せている。大神が違和感を持たなかったことから、操作性等は大差ない様子。
光武F2
正式名称は、光武Deuxieme。全高2592mm。1187kg。出力1013hp(データは大神機のもの。光武F同様、各機体ごとに重量と出力が異なる)。霊子力エンジンOrageF11.bisを搭載し、装甲に新開発のシルスウス合金を採用。強度を高めると共に、軽量化に成功した。強力化する敵に対抗する為、シャノワールのメカニックが帝国華撃団の李紅蘭と協力して光武Fを改良して作り上げた機体。紅蘭の開発した追加装備により、各隊員の個性、能力に合わせた外見となり、(「熱き血潮に」を無視すれば)ここで初めて、現在の空中機動を含めた霊子甲冑の戦闘スタイルが確立されたと言える。その戦闘力は光武Fに比べ、別物と言える程に向上している。なお、大神機は搭乗者である大神一郎の帰国に際し日本に持ち込まれており、花やしきで双武の起動実験等に使われているらしい(活動写真)。
紐育華撃団の霊子甲冑
スター(STAR V)
正式名称は、FENICS AT-05。アメリカ合衆国の組織FENICS(Future Energy&Newly Industrializing Corporations)が開発、1928年2月に完成し、紐育華撃団・星組に六機が配備された。全高4001mm。搭載重量2215kg。乾燥重量4230kg。出力7800hp。蒸気併用霊子機関Titan mk.2を搭載(但し、各機体毎に装備に差があるため、上記の数値と異なる場合あり)。霊子甲冑初の可変戦闘機。航空機として運用することが前提となることから、ある程度の機体強度・耐久性・軽量化が要求されたため、装甲材質は他の霊子甲冑と異なり、フォーレンハイト合金が使用されている。光武の技術をフィードバックしているが、直接的にはアイゼンクライトの流れを汲む機体。そのため機体は大型・高出力のものとなり、搭乗者の安全性が向上し、変形機構を組み込むことも可能となった。また、アメリカ軍の蒸気力兵器と規格を統一することで、運用ノウハウ、技術、資材の流用を可能としている。各隊員毎のカスタマイズは可変戦闘機として運用する都合上、積載重量や空気抵抗、可変シークエンスに関わる可動範囲のクリアランス等の技術的制約もあり、光武二式、光武F2、血潮の光武、神武に比べてかなり控え目な、必要最小限のカスタマイズに留められている。なお、余談だが、開発中「可変シークエンスの最中に腹部装甲が上に跳ね上がることで、操縦区画を中心とした内部構造を敵に露出させる」という致命的な欠点が指摘され、上方への垂直離着陸をやめて「可変時における操縦区画・内部区画への被弾リスク」と「垂直離着陸による燃費の増大」という2つの問題を解決させるためにガウォークによる離着陸をさせるべきだという意見もあったが、設計者(デザイナー)が「ガウォークは格好悪い」という理由から断固として垂直離着陸に執着したため却下されたという話もある。
スター(STAR IV)
正式名称は、FENICS X-4Si。STAR Vに先駆けて、1927年3月に完成した試作機。全高4005mm。搭載重量1910kg。乾燥重量4410kg。出力5500hp。蒸気併用霊子機関Titan搭載。星組隊長(後に副司令)ラチェット・アルタイルが搭乗する。試作型の為、変形機構は無し。ラチェット機は、マンハッタン島での戦闘で破損して以来、ラチェットが副司令となった事もあり、しばらく戦闘に参加していなかった。しかしVでラチェットをパートナーに選択した場合のみ、安土城での決戦時、大河新次郎隊長を助けるため一時的に前線に復帰する。
参考文献
- サクラ大戦 蒸気工廠 ISBN 4797322438
- サクラ大戦V~さらば愛しき人よ~ 蒸気工廠USA ISBN 4797335416
関連事項
- 霊子甲冑は横山宏のオリジナルキャラクターモデル、マシーネンクリーガーを元にしている。2007年冬のワンダーフェスティバルにおいて横山宏自ら『マシーネンクリーガー風光武』という作品を発表した。[1]。