松園ニュータウン

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松園ニュータウン(まつぞのにゅーたうん)は岩手県盛岡市に位置するニュータウンである。

事業概要

事業主体は岩手県住宅供給公社で、1972年から1980年にかけて県営団地や一戸建ての入居が行われ、計画面積:約215ha、計画戸数:4,419戸、計画人口:15,000人は当時として東北最大級の住宅団地である。

岩手県最大のニュータウン

1960年代後半、第一次ベビーブーム世代が結婚適齢期を迎え、住宅需要の大幅増加が懸念されていた。特に岩手県内の住宅不足は長年深刻であり、県庁所在地である盛岡市も例外ではなく、岩手県住宅供給公社(当時・岩手県住宅協会)が人口2万人程の大ニュータウンを構想した。


当初は都南村(現・盛岡市の一部)や矢巾町等が候補地であったが諸事情により断念され、盛岡市北東部に位置する小鳥沢地区を開発することに決定された。松園の名称は、計画地の9割強が林でありアカマツが多かったことと、公園的造成をするという意味合いから当時の県知事千田正(県住宅協会理事長を兼務)が命名した。


出来上がったニュータウンは、隅々まで整然と張り巡らされた道路、商業施設・公園・学校等の配置等県内外から視察者が相次いで訪れる程モデルケースとして注目された。難点としては、盛岡市中心部へのアクセス整備が後手にまわったことで慢性的な交通渋滞が発生していること(現在は若干改善されている)、丘を切り崩して造成されたため位置が高く、冬の降雪量が盛岡市中心部と比べて多いこと(温暖化で降雪量そのものは減っている)である。また、西側に位置する南部片富士湖を見下ろす地形になっており、初めて訪れる人は驚くことが多い。


団地内には岩手県立博物館がある四十四田公園、すぐそばにある桜の名所四十四田ダム松園中央公園、病院、学校、金融機関、交番、バスターミナル等がある。商業に関しては松園商工会が結成され、小さな商店が点在するが、スーパーではいわて生協ユニバースぐらいしかなく、コンビニも規模の割には少ない。また、いわて生協が改築のため一時閉店した際にテナントとして入居していた総合衣料みかわや(地元資本)が撤退し、衣料品店がない状況が続いていたが、2008年9月に松園バスターミナル近くにファッションセンターしまむらとコンビニサンクスがオープン予定である。


北松園4丁目の国民年金健康保養センターもりおかが閉鎖され、跡地を含めた敷地は何度かの入札の末仙台市にある不動産業者が落札し分譲住宅として開発されることになった。同施設の建物は残した上で活用策が模索されるが、活用方法を見い出せない場合は取り壊される可能性もある。盛岡市は財政難を理由に取得には消極的で、地域住民を含めた盛岡市民のための施設としてのリニューアルオープンが望まれるものの情勢は極めて厳しい。


盛岡市中心部から離れている大規模団地にも関わらず盛岡市役所の支所やサービスセンターが置かれていない。また、岩手銀行サンタウン松園支店松園支店に統廃合を行う等住民の生活に僅かながら不便が出てきている。


アクセスは、盛岡駅及び盛岡バスセンター等と繋ぐ岩手県交通の路線バス、自動車となる。自動車は北部を走る盛岡環状線に出れば滝沢村にある滝沢駅が一番近く、東北自動車道では盛岡インターチェンジではなく、滝沢インターチェンジが一番近い。路線バスについては下記の松園地区ゾーンバスを参照されたい。

抱える問題

全国のニュータウンに共通することだが、松園地区も住民の高齢化が進んでおり人口が減少している。隣接する後発のサンタウン松園(1986年入居開始)やパークハイツ小鳥沢(1989年入居開始)で全体としては17.000人の人口をキープしているものの、当初分譲された松園ニュータウンは10.000人程度にまで減り、初期の入居者が多い松園2丁目では60歳以上が50%を占め、空き家も増えている。


こういった状況ながら、地域住民による様々な活動は比較的盛んで、松園地区活動センターや松園地区公民館等を拠点としたライフサポート松園等様々な活動に取り組んでいる。


空き家解消策として、行政と地域が一体となり老朽化した家屋をリフォームし、安価で若年ファミリーに入居を促進させることが効果的だが、現状は『売家』と看板が出たまま荒廃が進む空き家が多い。同ニュータウンが、若年層には盛岡中心部から遠く、雪が多くて不便という先入観で敬遠される傾向にあること、岩手県経済の低迷も手伝い住宅需要が鈍くなっていることもあり、若年ファミリーの転入が進んでいない。

松園商工会では松園十景を選定しているが、広くアウトプットすることが今後の課題である。例えば岩手山が見えニュータウン内に自然が溢れた環境の良いところである等同ニュータウンの魅力を売り込む努力が、老いゆくニュータウンを少しでも食い止めるキーワードになる。

松園地区ゾーンバス

盛岡市が推進するオムニバス事業の一環として、2001年7月より松園地区ゾーンバスが試行され、松園地区の中心部に松園バスターミナルを開設し、盛岡市中心部(盛岡駅盛岡バスセンター)と松園バスターミナルを結ぶバスを『基幹バス』、松園バスターミナルから同地区内を幾つかに分けて走る『支線バス』に分離する試みが始まったが、現在は定着しこの形式を継続している。盛岡市では西部の青山地区と南部の都南地区にも対象を広げてゾーンバスを実施している。

基幹バス

支線バス ※いずれも松園バスターミナル発着、朝は一部のバスで盛岡駅または盛岡バスセンター行あり。

  • 東アパートまわり
  • 県立博物館、こども病院まわり
  • 北アパートまわり
  • サンタウンまわり
  • 岩手山通り、小鳥沢まわり
  • 松園循環右回り・左回り

交通