国立アメリカ空軍博物館

これはこのページの過去の版です。98.198.9.171 (会話) による 2008年9月28日 (日) 03:18個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (冷戦終結後: B-2の詳細update)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

国立アメリカ空軍博物館(こくりつアメリカくうぐんはくぶつかん、:National Museum of the United States Air Force)は、アメリカ空軍の公式なアメリカ合衆国立博物館である。かつてはアメリカ空軍博物館(United States Air Force Museum)と呼ばれていた。オハイオ州デイトンの真東、リバーサイドライト・パターソン空軍基地にある。400以上の航空機及びミサイルを展示しており、そのほとんどが屋内に展示されている。入場は無料である。

国立アメリカ空軍博物館の上空からの写真
国立アメリカ空軍博物館の正面玄関

展示

 
B-29ボックスカーと、ファットマンの複製
 
国立アメリカ空軍博物館に到着したVC-137C SAM 26000

国立アメリカ空軍博物館は、現存する4機のB-36のうちの1機やただ1機現存するXB-70 バルキリーを保有し、第二次世界大戦で2回目の原子爆弾投下に用いられたB-29 スーパーフォートレスであるボックスカーをはじめとする数多くの貴重かつ重要な航空機及びその他の展示品を所蔵している。国立アメリカ空軍博物館と比較的よく似ており、また、より有名なスミソニアン博物館国立航空宇宙博物館と比べ、展示に極端なまで近づくことができる。来場者がそのほとんどに簡単に触れることができ、手にとって調べることさえできる。

大統領専用機

フランクリン・D・ルーズベルトハリー・S・トルーマンドワイト・D・アイゼンハワーが使用したいくつかの大統領専用機を所蔵する。大統領専用機コレクションの中心は、初めてエアフォースワンと呼ばれた機体であるVC-137C(コールサイン「SAM 26000」・ボーイング707の改造機)である。この機体はジョン・F・ケネディ大統領からリチャード・ニクソン大統領まで使用され、後に予備の大統領専用機として運用された。この機体を最も使用したのはリンドン・B・ジョンソン大統領である。

飛行先駆者

博物館には空を飛んだ先駆者たち、特にハフマン・プライリ近くでいくつかの実験を実施したライト兄弟を専門とする大きな区画がある。1909ミリタリー・フライヤーの複製がライト兄弟のその他の遺産とともに展示されている。この建物は、いくつかの教育的な展示を含み、アメリカ航空史の栄誉の殿堂も兼ねている。

制服・被服

博物館は、その所蔵品の中にアメリカ陸軍航空隊及びアメリカ空軍の被服及び制服の膨大な目録を持っている。第二次世界大戦期の由緒あるA-2レザー・フライング・ジャケットが常に50着以上展示され、その多くはアメリカ空軍史に残る人物が所有していた。それ以外のものは、それらの元の所有者と彼らと空を飛んだ飛行機とその任務を表現するために、美しく描かれている。博物館の展示には、ジミー・スチュアート大佐が着用していたジャケット、P-38のエース・パイロットであるリチャード・I・ボングのB-3シープスキン・ジャケットとブーツ、真珠湾攻撃の間に飛び立った数少ない陸軍航空隊パイロットの1人が着ていたA-2ジャケット、ロナルド・レーガン大統領のPコートなどが含まれている。

その他の展示とアトラクション

 
宇宙機展示の目玉、アポロ15号コマンドモジュール

第3格納庫とミサイル・ホールの建設が2004年に完了し、第3格納庫には現在、B-2 スピリットステルス爆撃機、F-117 ナイトホークステルス攻撃機のような冷戦時代の航空機が収容されている。宇宙関連展示、大統領専用機及びより大型化した教育福祉区域を収容する第4格納庫を新設するためと、市民の利便性を高めるための改修を行うための予算の調達が始まっている。

博物館は、主に航空宇宙を取り上げるIMAXフィルムを特徴とするIMAXシアターがあるが、これらの映画は有料である。

国立アメリカ空軍博物館は、所有する展示品以外の航空機をアメリカ合衆国内の別の航空博物館に貸し出している。これらの貸与航空機のほとんどは、当博物館で展示されている航空機と機種が重複しているものである。博物館のスタッフは、貸与された財産の保存と復元の質における高い水準を要求しており、国立アメリカ空軍博物館から航空機を貸与されている博物館が航空機を保存するのに十分な資質を持たないと考えられる場合には、これらの貸与を打ち切ることがある。これは過去に、映画の題材にもなったB-17爆撃機、メンフィス・ベルで実際に起こった出来事である。

歴史

国立アメリカ空軍博物館の歴史は、デイトンのマコック・フィールドの技術部が最初に技術遺産を収集した1923年にさかのぼる。それらは、1927年にライト・フィールドに移転され、一連の建物に収容された。1954年にかつてフェアボーンの元パターソン・フィールドにあったエンジン・オーバーホール・ハンガーであった89号棟に収容され、これがアメリカ空軍博物館としての最初の永続的な施設となった。博物館の多くの航空機は、屋外に駐機され、風雨にさらされていたが、1971年に現在の施設が最初に開館するまでそのままであった。本来のライト・フィールド固有の別館を含めず、博物館の区画の一辺の長さは1971年の設立から3倍以上になった。

展示品リスト

次に国立アメリカ空軍博物館の展示品の一部を示す。この他にも多数の航空機、ミサイル、その他の兵器、歴史的な品々が展示されている。なお、特に注がない場合は、アメリカ合衆国で開発されたものである。

 
マーチン YB-10

航空機

第一次世界大戦期

  • スパッド S.VII (フランス)
  • ソッピース キャメル (イギリス)
  • フォッカー Dr.I (ドイツ)
  • フォッカー D.VII (ドイツ)

戦間期

第二次世界大戦期

 
B-25B ミッチェル
 
A6M2 零式艦上戦闘機

朝鮮戦争期

 
C-124C グローブマスター II

ベトナム戦争期

 
国立アメリカ空軍博物館上空を飛行するハノイ・タクシーC-141 スターリフター)。2005年12月。

冷戦期

 
B-36J ピースメーカーF-94A スターファイア

冷戦終結後

大統領専用機

  • ダグラス VC-118 インディペンデンス(ハリー・トルーマン使用)
  • ベル UH-13J スー(ドワイト・D・アイゼンハワー、ジョン・F・ケネディ使用)
  • ボーイング VC-137C - SAM 26000(エアフォースワンと呼ばれた初の機体、ジョン・F・ケネディ、リンドン・ジョンソン、リチャード・ニクソン使用)
  • ロッキード VC-121E コロンバイン III(ドワイト・D・アイゼンハワー使用)

研究機・開発機

 
X-15
 
X-36

エンジン

兵器

ミサイル

 
AIM-4F スーパーファルコン
 
AGM-62 ウォールアイ

核爆弾

機関砲・火砲

外部リンク

  1. ^ 2008年8月学芸員談