Vassalord.

黒乃奈々絵による日本の連載漫画

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Vassalord.』(ヴァッサロード)は、黒乃奈々絵漫画作品。「コミックブレイドZEBEL」創刊号(マッグガーデン刊)から連載。掲載誌をコミックブレイドアヴァルスに移動して続行されている。ドラマCDが株式会社フロンティアワークスから発売されている。

概要

作者が好きなものを全部ぶち込んだら出来たと言われる、連載作品前2作どちらとも毛色の違う作品。本作の舞台やキャラクターなどの設定にはキリスト教吸血鬼など史実や伝承からの引用も多く、台詞回しにはB級映画、旅行好きの作者の趣味を反映して数多くの国を舞台に話が進んでいく。1巻の巻末にて、主人公レイフロが「刺激に飢えてるセニョリータと一部のロメオへ」と発言していることから、本作は掲載誌の傾向に乗っ取った女性向けの作品である。そういった要素は新撰組異聞PEACE MAKERから黒乃奈々絵の作品には盛り込まれてはいるものの、今作は最も濃い。しかし躍動的なバトルシーンなど、男性にも楽しめる要素も多くある。

もともとは全く違う系統の作品が連載されるはずだったが、ZEBEL創刊号の表紙用だけにデザインされたレイフロとチャーリーを見た作者の友人が「吸血鬼映画の登場人物」という印象を持ち、さらに連載予定作品がZEBELの系統に微妙にそぐわないと判断され、思い切ったことにより作られた、というエピソードがある。

この漫画の中では、ヴァンパイアは目にハイライトを入れずに描かれている(ミランダ除く)。

あらすじ

謎多き吸血鬼レイフロ、吸血鬼でありながらヴァンパイアハンターでもあるサイボーグの青年チャーリー。悠久の生で夜を生きる二人は、レイフロの過去の因縁と、「不死の売買」と呼ばれる人口吸血鬼を作成する陰謀に巻き込まれていく。

登場人物

ジョニー・レイフロ(藤原啓治
呪術によって真祖吸血鬼となった男。永きを生き、神父や騎士をしていた時代もある。吸血鬼となった理由も不明。名も本名であるとは限らないが、500年前の縁者であるマリーからは「レイフロ」と呼ばれていたレイフェルらには「アディー」とも呼ばれる。
豪邸を多数有する富豪。しかし現在は、チャールズの食料となるために彼の部屋に居候中。自分は生き血を決して進んで吸わず、普段はグレニック社より横流しされる輸血用血液で賄っている。
かつて、悪食の吸血鬼「幽宮のヘリオガバルス」の異名で呼ばれていた(実際はマリー(後述)を指す)
処女童貞の生き血を好み、女性や子供に優しくすることを心情としている紳士ゲイセクシャルで男性を性・恋愛対象と見るが、女性に対しても接触が苦手なだけで、対応は至って好意的。
剣術や空手、ヴァンパイア特有の蝙蝠変化なども使いこなす。日光には弱いがそれだけでは死なない。
チャーリー(チャールズ=J=クリスフント)(声:置鮎龍太郎 幼少期:小野涼子
主人公。切りそろえられたぱっつん前髪が特徴の、サイボーグ化された(元)サイバー・ヴァンパイアハンター。サイボーグ犬・サクラを相棒に従えている。その正体はレイフロの隷属で、信仰心ゆえか太陽、十字架、聖水に拒まれない常識外れの吸血鬼。唯一の弱点は吸血衝動で、レイフロの血以外は輸血用であっても頑として吸わない。
非常に生真面目で誠実な性格で、レイフロに冷たく接することも多い。しかし、戦災孤児であった過去にレイフロに拾われ、吸血鬼としての主従関係以上に親子の情が強く、嫉妬深い一面も見せる。
「チェリー(童貞)」という不名誉な渾名で数名に呼ばれているが、実際女性に免疫が薄い。
本名は「クリス(クリストファー=ミッシェル)」。
作中の描写から、普通の食事を口にすることが出来ないらしい。 
レイフェル・フォード(声:田中敦子
ネオ・ユニオン教会事件でレイフロが呼び寄せたグラマラスな女ヴァンパイア。顔はレイフロと酷似している。
性格や態度もレイフロとそっくりで、ゲイであるレイフロに反してレズビアンであると思われる(しかしチャーリーに快くキスしていることから、レイフロのように異性が苦手というわけではないらしい)。
チェリルのマスター。浮気癖があるようでチェリルに逃げられることもしばしば。
バリーと同じくレイフロを「アディー」と呼ぶこともあり、自らも「エヴァ」と名乗ることもある謎多き女性。多少レイフロよりも悪魔的。ちなみに、チェリーのファーストキスの相手でもある。
チェリル・ジェーン・ケイツ(声:小野涼子
ネオ・ユニオン教会の事件でレイフロとチャーリーが出会う尼僧の少女。
大きな丸眼鏡をかけており、幼い頃のチャーリーとよく似た容姿をしている。
ヴァンパイア・ハンターを装っているが、正体はアーノルド・パオレの子孫ヴェドゴニャにして、死後ヴァンパイアとなる宿命を持つ。レイフェルの隷属で、マスターに情愛を抱く同性愛者
身体能力が高く、大鎌や体術を操り、さらにヴェドゴニャ特有の対魔戦術を行使する。
ミドルネームは単行本、本誌ではシェーンだが、ドラマCDではジェーンと名乗り、以降こちらで統一されていることから、後者が正しいと思われる。
ミネア(声:佐藤利奈
レイフロに仕えるメイドの女性。金髪で猫目。正体は使い魔であり普段はカチューシャをつけた猫の姿。割とドライな性格で毒舌だが、身を呈してレイフロを庇おうとバリーに立ち向かうなど忠誠心は高い。
レイフロが血から生み出す従属ユリア・マキリアたちとは違い、自由意思がある。
クレイグ・バーンシュタイン(声:石塚運昇
体格のいい黒人の中年で、右目の上に傷のある腕利きの刑事。発言はシビアで下品。
無愛想なヘビースモーカーで、携帯電話禁止・禁煙車両で堂々とそれを破り、さらに死体の話をすると腹が減るという異常な人物だが、その推理力や洞察眼は、「ウソを見抜く直感だけで27年メシを食ってる」という発言を事実とするに十分な鋭さを持っており、僅かな会話と調査だけでチャーリーが吸血鬼であるということを見抜いた。ハルに懐かれている。
ハロルド・ウェイン(声:佐藤利奈
右目に黒い眼帯をつけ、車椅子に乗った少年。無垢な性格。
新薬開発で業績を上げているウェイン商会の御曹司。
血を吸った形跡はないが、ヴァンパイアかそれに類似した何からしい。
バリー(声:岸尾だいすけ
人の望む姿で目の前に現れるという、インキュバス。とは言え、ブロンドの髪を持つ美形という原型はあるものの、相手の望む性別年齢によって姿が変えるため、サキュバスにも通じる(レイフェルや街の若者の前では美女の姿で現れ、チャーリーの前では少女の姿で現れた)。事実上無性・両性となる。
彼が「一度名を呼んだ」際に返事をしてしまうと、彼の術中に落ちてしまう。
レイフロとレイフェルの会話からすると、男性に対しては肉を喰らい、女性に対しては性交することを手段とすると推測される。事実レイフロはバリーに食われているため、その時の自身の姿の性別よりも、相手の性別のほうが優先される(女性の姿でどうやってレイフェルを性交するのかは不明だが)

各話ゲスト

マリー(声:門脇舞以
『幽宮のヘリオガバルス』ゲストキャラクター。
数百年封印されていた少女ヴァンパイア「プリンセス・マリー」。レイフロの隷属だが、立場上は彼女のほうが主人であったらしい。レイフロに固執しており、彼の前では可憐な美少女だが、チャーリーの前では憎悪を剥き出しにする。
レイフロの過去の回想に、姫君として似た少女が出ているため、かつての(人間としての)主君である可能性がある。
ファミーユ(声:小林美佐
『幽宮のヘリオガバルス』ゲストキャラクター。
バチカンのシスター。非処女。幽霊関係のスペシャリストであり、チャーリーにある取引を持ちかけてくるが……。
メイラー・ハウゼン(声:中多和宏
『ヒエロクルスの迷夢』ゲストキャラクター。
ネオ・ユニオン教会の牧師。何者かの陰謀により十字架に押しつぶされ瀕死となるが、クレイグ曰く奇跡の生還トリックで生還する。
サミュエル・カザン(声:秋元羊介
『ヒエロクルスの迷夢』ゲストキャラクター。
ネオ・ユニオン教会設立者の元ユニテリアン・ユニヴァーサリスト。おおらかな主義のプロテスタント。2年前より体調を崩しており、同時期に女性失踪事件の渦中に見舞われ、メイラーを疑っていたようだが……。
ミランダ・シーガル(声:弓場沙織
『アーノルド・パオレと死の影』ゲストキャラクター。
『ラブ・イン・ザ・シン』という映画で一躍トップスターになった女優
とある理由で吸血鬼化していた。レイフロとチャーリーに助けられ、レイフロに想いを寄せるようになるが……。
去り際に「もし会えなかった場合はヴァッサロードを探して」と謎めいた言葉を遺している。
トーマス(声:下野紘
ドラマCD ACT2ゲストキャラ。ホームレスの少年で、祖母のように接していたホームレスの老婆マーサが殺された事件を独自に追っていた。タフな少年。
ルーシー・オブライアン(声:小林優子
ドラマCD ACT3ゲストキャラ。自称オカルト研究家。ボルゴ村でのヴァンパイア事件を調査しているが、言動に不自然な点が目立つ。
プルート(声:吉野裕行
ドラマCD ACT4ゲストキャラ。
ゲイリー・バーンズ(声:大川透
ドラマCD ACT4ゲストキャラ。

ドラマCD

  • 原作ストーリー
    • 幽宮のヘリオガバルス前編(ブレイドZEBEL Vol3付録)
    • 幽宮のヘリオガバルス後編(Chapter 1)(誌上通販 「Ferris Wheel」収録)
    • ヒエロクルスの迷夢前編(Chapter 2)(誌上通販 「Forelock」収録)
    • ヒエロクルスの迷夢後編(Chapter 3)(誌上通販)
    • 去りし黒きアッバ(ブレイドZEBEL Vol4付録)
    • アーノルド・パオレと死の影前編(ブレイドAvarus11月号付録)
    • アーノルド・パオレと死の影後編(誌上通販)
  • オリジナルストーリー
    • Act. 1 白亜のコキュートス
    • Act. 2
    • Act. 3
    • Act. 4
    • Baby Crisis(マッグガーデン三誌連動全員サービスZEBEL EDITION)
    • Ferris Wheel(Chapter 1に収録)
    • Forelock(Chapter 2に収録)
    • King Game(Chapter 3に収録)