光原伸
日本の漫画家 (1964-)
光原伸(みつはら しん、本名:原伸光(はら のぶみつ)、1964年1月31日 - )は日本の漫画家。
広島県三原市出身。関西大学法学部卒。代表作は『週刊少年ジャンプ』に連載された『アウターゾーン』。樹崎聖のアシスタントを務めた経験あり。妻は同じく漫画家である浅美裕子。
作品解説
- 『リボルバー・クイーン』
- デビュー作の読み切り作品。週刊少年ジャンプ1987年サマースペシャルに掲載。単行本『アウター・ゾーン』1巻に収録。舞台はラスベガス。ギャンブルに敗れ全てを失った主人公は、彼に残された最後の財産である“命”を賭けてロシアンルーレットに挑む。対戦相手は拳銃の女王(リボルバー・クイーン)と呼ばれる強運の持ち主。連戦無敗の彼女は、なぜ危険なゲームを続けているのか。緊迫した室内に乾いた撃鉄の音が響き続ける。
- 『マジック・セラー ~ラスト・コール~』
- 週刊少年ジャンプ平成元年サマースペシャルに掲載された読みきり作品。単行本『アウター・ゾーン』2巻に収録。謎の老人『マジック・セラー』が案内人(ホスト)として登場する。彼の商品を買った者は必ず不可思議な体験をすることができるという。この話の主人公である高校生がフリーマーケットで老人から黒電話を購入する。その夜、回線につないでいないはずのその電話が鳴り響き、通話がつながる。相手の女性と話をしてみると、この電話は20年前からかかってきているものだということがわかった。彼は不思議に思いながらも相手の女性に惹かれていくのだが……。後に連載作品となるアウター・ゾーンの原型とも言える作品。これが連載にならなかったのは、作者曰く「じじいより美女(ミザリィ)のほうがいいよね?」とのこと。
- 『アウターゾーン』(THE OUTER ZONE)
- 1991年14号から1994年15号にかけて週刊少年ジャンプで連載。1991年24号で一旦終了し、しばらく間を置いて同年51号に再開している。単行本全15巻。現実と隣り合わせにあるアウター・ゾーンと呼ばれる不思議な世界に巻き込まれる人々の姿を描く。本作の原点であるTV番組『ミステリー・ゾーン』と同様、基本的に各話完結でホラーやオカルトを題材とする。ほぼ全話を通じて謎の美女ミザリィが案内人(ストーカー)として登場する(1人の刑事と、女の魂が乗り移った人形のコンビが事件を解決していく『マジック・ドール』があるが、それにはミザリィがほとんど登場しない)。なお、案内人をストーカーと呼称するのは、アンドレイ・タルコフスキー監督の映画『ストーカー』に因んでおり、英語で「不幸」を意味する名前「ミザリィ」(misery)は、「スティーブン・キングの同名小説の題名から取った」と、ジャンプ・コミックス第1巻の「作者の一言」(その2)において明記している。
アウターゾーン
光原はアウターゾーンの各話を描く際、結末を考えるのに毎回苦悩したという。それは、同作品のようなショートストーリー作品において登場人物が不幸な結末を迎えるものが多いことに対して、「不幸な結末を描くことは比較的楽かもしれないが、不幸な結末など現実にいくらでもある。それなのにどうしてフィクションの中でまで暗い思いをしなければならないのか」「せめて物語の世界だけでも希望のある結末を描きたい」という意地と信念を抱いており、「後味の悪い結末はできる限り避けて、読後感の良い結末を心掛けたつもり」としている。アウターゾーンが長く続いたのは、「そのような信念を抱き続けて描いてきたから成功につながったのでは」と、光原自身は述懐している[1]。
その他の作品
脚注
- ^ 「ジャンプ・コミックス第15巻「アウターゾーンにおける制約」より