箱根登山バス小田原営業所
箱根登山バス小田原営業所(はこねとざんバスおだわらえいぎょうしょ)とは、箱根登山バスの営業所。

本項では、本営業所の出張所から格上げされ、現在も重複している所管路線が多い宮城野営業所についても記述する。
概説
小田原駅を中心とした箱根方面の観光路線および定期観光バスと、小田原市内路線を担当している。宮城野営業所は箱根方面の観光路線のみ担当しており、小田原市内路線は担当していない。
箱根方面の路線については、かつては箱根山戦争と呼ばれたように、伊豆箱根鉄道バスと多くの区間で競合しており、同じ場所でありながらバス停名称が異なることもあったが、2003年に業務提携の発表以降は、バス停名称については揃えられている。小田原市内路線については業務提携以前からエリアの棲み分けが行なわれており、小田原駅近辺を除いて重複している区間はほとんどない。
1990年代前半までは同じ敷地にありながら小田原営業所と小田原観光営業所に分かれており、事務室も別の建物であった。小田原観光営業所は主に箱根方面の観光路線と貸切バスを担当し、小田原営業所は基本的にはそれ以外の路線を担当していた。また、小田原観光営業所は箱根地区の拠点として桃源台出張所・宮城野出張所を設置していた。
経営再建の一環による効率化のため、1998年頃に小田原営業所・足柄営業所はいったん小田原観光営業所へ統合されたが、2005年には箱根地区の拠点として、常駐車両のあった宮城野出張所を宮城野営業所に格上げした(同時に関本営業所を再分離)。この時に営業所名から「観光」を外している。また、貸切バスについては一部を除いて湘南箱根登山自動車へ移管されている。
なお、本所ではバス以外に、小田原郵便局の郵便車運行業務も一部受託していたが、これも湘南箱根登山自動車に移管されている。
所在地
小田原営業所
- 神奈川県小田原市東町5-33-1
- 最寄りバス停:城東車庫
- 2001年から2003年までに車号表記に使用されていた記号は、「Kanko(観光)」の頭文字の「K」である。
宮城野営業所
- 神奈川県足柄下郡箱根町宮城野618-1
- 最寄りバス停:宮城野支所前
沿革
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路線
区間運転については省略する。小田原駅で特記がないものは小田原駅東口を指す。
現行路線
- 小田原駅 - 板橋 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌谷 - 元箱根港 - 箱根町
- 小田原駅 - 板橋 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 仙石 - 桃源台 - 湖尻(桃源台~湖尻間は朝のみ)
- 小田原駅 - 板橋 - 箱根湯本駅 - (箱根新道) - 箱根町 - 元箱根港
- 小田原駅 - 板橋 - 箱根湯本駅 - 旧街道 - 畑宿 - 元箱根港 - 箱根町
- 小田原駅 - 芦子橋 - 城東車庫
- 小田原駅 - 東原 - 城東車庫
- 小田原駅 - 山王 - 城東車庫
- 小田原駅 - 山王 - ビジネス高校前 - 国府津駅
- 小田原駅 - 山王 - ビジネス高校前 - 鴨宮駅 - 国府津駅
- 小田原駅 - 山王 - ビジネス高校前 - 印刷局正門前 - 国府津駅
- 小田原駅 - 飯泉入口 - 井細田 - 小田原駅
- 小田原駅 - 飯泉入口 - 螢田駅 - 栢山駅
- 小田原駅 - めがね橋 - 水之尾口
- 小田原駅西口 - 水之尾口 - いこいの森
- 小田原駅西口 - 福祉センター - 水之尾口 - いこいの森
- 鴨宮駅 - 小田原東郵便局 - ダイナシティ
- 鴨宮駅 - 中堀 - 西成田 - 矢作 - 鴨宮駅
- 鴨宮駅 - 中堀 - 飯泉入口 - 小田原駅
- 東原 - 井細田大橋 - 小田原駅
- 城東車庫 - 小田原大橋 - 鴨宮駅 - 矢作 - ダイナシティ
- 城東車庫 - 小田原大橋 - 鴨宮駅 - 矢作 - 高田入口 - 国府津駅
- 城東車庫 - 小田原大橋 - 鴨宮駅 - 美濃里橋 - 国府津駅
- 強羅駅 - 強羅公園 - 星の王子さまミュージアム - ガラスの森 - 仙石 - 湿生花園 - 仙石 - 乙女峠 - 御殿場プレミアムアウトレット
- ユネッサン - 小涌谷 - 強羅駅 - 強羅公園 - 星の王子さまミュージアム - ガラスの森 - 仙石 - 箱根町立箱根湿生花園 - 仙石 - 乙女峠 - 東名御殿場インター - 御殿場駅
- 小田原駅 - 早川駅 - 真鶴駅 - 湯河原駅
- 小田原駅 - 早川駅 - 根府川駅 - 石名坂
- 箱根名所めぐり(定期観光バス)
廃止・休止路線
- 東京駅 - (首都高速道路) - 横浜駅 - (横浜新道) - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌谷 - 元箱根港 - 箱根町
- 1950年から運行開始された路線で、首都高速道路以外は全て一般道経由であった。1970年代に廃止。
- 小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 仙石 - 乙女峠 - 御殿場駅 - 山中湖
- 1952年に富士山麓電気鉄道(当時)との運輸協定により運行開始された路線で、富士急行は御殿場駅から宮ノ下まで乗り入れていた。山中湖では富士急行旭日丘ターミナルで折り返していた。末期は毎年7月21日から8月31日のみの運行であったが、1989年夏の運行限りで廃止。
- 仙石 - 長尾峠 - 御殿場駅
- 休止路線。現在も公式サイトの時刻表検索では「長尾峠」が選択できる。
- 小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌谷 - 彫刻の森 - 強羅駅
- 鉄道線の輸送力の関係で設定された補完路線であるが、道路渋滞のために定時性が保てないため、1990年代後半に廃止された。
- 小田原駅 - 箱根ターンパイク - 箱根町 - 元箱根港
- 元箱根発のみの設定で、通行料金が高額な箱根ターンパイクを経由するにもかかわらず、運賃はメインルートと同額であった。1990年頃に廃止されたが、2006年以降は7月上旬の平日のみという期間限定で、「あじさいバス」として特別運行されている。
- 小田原駅 - 多古 - 中曽根 - 栢山駅
- 小田原駅 - 飯泉入口 - 中曽根 - 栢山駅 - 上大井
- 唯一の大井町乗り入れ路線であったが、上大井の折り返し場は上大井駅からは1km近く離れていた。1980年代後半に廃止。
- 小田原駅 - 早川駅 - 真鶴駅 - 湯河原駅 - 熱海駅
- 小田原駅 - (特急・真鶴道路新道経由) - 湯河原駅 - 熱海駅
- 小田原駅 - 早川駅 - 根府川駅 - 石名坂 - 真鶴駅
他の営業所に移管した路線
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車両
箱根観光路線と小田原市内路線の両方を受け持つことから、車種はバラエティに富んでいる。以前は譲受車も多く存在し、通常製造後15~20年程度使用していたため平均車齢も高かったが、首都圏排出ガス規制の関係で近年は新車のみの導入となっており、一番古い車両でも1997年式と、平均車齢は大幅に若返っている。
観光路線に使用される車両は、箱根登山バス標準仕様とも呼べる高出力大型短尺車のトップドア車(乗降扉が前方1つだけ)が標準である。交通バリアフリー法施行後は前中扉のワンステップ車となっているが、通常は前扉のみ使用し、中扉は車椅子専用としている。また、定期観光バス用に導入された車両については、ミドルデッカーながらリクライニングシートの観光バス仕様であり、交通バリアフリー法の適用からも除外されている。「箱根施設めぐりバス」に使用される中型車は宮城野営業所に配置されており、近年の導入車では前中扉のワンステップ車が選択されている。
2008年9月からは、レトロバス「スカイライト」の運行を開始した。この車両は日野・レインボーII(PDG-KR234J2[1])に東京特殊車体製の車体を架装した[1]もので、車内天井もガラス張りとなっていることが特徴である。
一方、市内路線に使用される車両については、通常の路線仕様の中型車・小型車が標準である。市内路線用の中型車は交通バリアフリー法施行後は全て前中扉のノンステップ車となっているが、中扉が車椅子専用なのは大型車と同様である。小型車は日野・リエッセが採用されており、バリアフリー法の施行後は中扉に車椅子リフトを設置して対応している。
貸切車は少数が在籍するのみであるが、小田原市内の養護学校スクールバス運行を受託しているため、リフト付バスが5台在籍している。
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宮城野営業所の車両 B953
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小田原営業所の車両 B979
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宮城野営業所の車両 B958「箱根施設めぐりバス」専用車
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過去の車両 B958 長崎バスからの譲受車(方向幕位置変更)
付記
- かつては小田原郵便局の郵便車運行業務を受託していたため、朝方にはバスの出庫に混じって、郵便車の出庫も多く見られた。
- PASMOは2007年3月18日のサービス開始時点では宮城野営業所の車両のみ対応していたが、宮城野営業所と小田原営業所は所管路線に重複が多いことから、小田原営業所の車両でもPASMO対応が整った車両から順次使用開始しており、9月1日より全車対応となった。
脚注
参考資料
- バス・ジャパン ハンドブックシリーズR「58 東海自動車・箱根登山バス」